• 053月

    もう少し前になりますが、ACOUSTIC REVIVEXLRケーブルの特注品「XLR-3.0 TripleC」を導入しました。

    以前からプリ-パワー間のXLRケーブルが気になっていたのですが、配置的に長さが最低でも2.5m、実際には3m必要なので特注していただく必要もあり躊躇していました。

    ちなみにこれまではAccuphase ASLC-30を使っていましたし、それ以外にもQED REFERENCE XLR 40、他にもいくつか試したのですが正直どれもいまひとつで、ASLC-30がいちばんマシという消極的なチョイスとなっていました。

    とりわけスピーカーケーブルをSPC-TripleCに変更して以降、高域のキツさが気になったり、時として音像が滲んだり揺れるのが非常に気になり始めてきたのも導入を決意したキッカケでした。
    なにしろ他はほぼ全てACOUSTIC REVIVEで固めていますから、もうボトルネックはここしかない状態ですからね。

    以前、XLRケーブル一式(absoluteは出てなかった頃ですが)を比較レビューさせてもらった際にもプリ-パワー間はファインメット無しが好ましかったことから、FMなしでお願いしました。
    ファインメット自体が不要というわけではなく、入力機器側にFM付きのケーブルを割り当てていますから「二重には要らない」という意味合いです。

    早く気持ちを抑えつつ、まずはこれまでのASLC-30で一旦これまでの音を振り返っておきます。
    すっかり聴き慣れたサウンドではありますが、高域のキツさはパワーアンプ下のボード見直しとREM-8の配置でだいぶ改善したものの、音像の不安定さは変わらずです。
    原因としては、帯域で位相がズレる感じかなと推測していますが、もちろん長さが長めなのも影響していることでしょう。
    ヒッコリーキューブやケーブルインシュレーター「RCI-3H」でも改善はされますが、ケーブル自体の本質的な特性まではさすがに改善しきれないのが実情でした。

    音傾向としては良く言えばニュートラルですけども、QEDなどと比べてもやや高域側のナローレンジ感はあって、またAccuphaseのケーブルでありがちなように思うのですが、やや弾力のある「ゴム」が弾むような中低音がするのが印象的です。
    電源ケーブルでもAPL-1がこの感じだったので、おそらくそういう音傾向に仕上げてあるのでしょうね。

    その音の感触を記憶したまま、早々に繋ぎ替えてまずは動作確認の1音目、聴き慣れたマーカス・ミラーのアルバムの再生が始まるやいなや、ベースが目の前にパッと浮かび上がって驚きました。
    あまりに興奮してリビングにいる紗羅にメールを送ったほどです。

    正直、「なんだよ、全くの別物じゃないか!」というのがエージングも何も済ませてすらいないこの段階でもハッキリと断言できます。
    あーでもないこーでもないと、機材を変えたり配置を微調整していましたが、もう次元が違うくらいの向上がそこにはありました。
    単純に音傾向が変わったのではなく、音楽が鳴り始めた、スピーカーが活き活きとしたような感覚なんですよね。
    もちろんそれまでにコツコツ積み上げてきたものがあって、最後に残ったボトルネックを取り除いたおかげで一気に開花したのだと思いますし、そう信じたいところですが、この向上具合はちょっと言葉にならないくらいです。(それではレビューになりませんが。)

    一言でいえば強い!そして深いんですね。
    楽曲の中のそれぞれの楽器や唄い手、そして場の雰囲気までが全てしっかり質量(重量のほうが感覚的にはしっくり来るかも)を持っているのです。
    これを聴いてしまうと、これまでの出音は大道具さんがこさえたハリボテにすら感じるほどです。
    もうちょっとオーディオ的な表現をするなら、「実体感のあるサウンド」ということになるでしょうか。
    楽器が見える、奏者が見えるものになりましたし、それが窮屈に「縦線」のように定位するのではなくボリュームを持った実体として揺るがず存在しています。

    この感覚、どこかで体感したなぁと考えてみますと、ACOUSTIC REVIVEさんを訪問させていただいた際に聴かせていただいた「あの体験」です。
    とりわけ、立ち下がりの良さが訪問時の感覚が蘇るものでした。
    それはAvalonが…Westlakeが…ではなく、聴かせていただいた全てのシステムに共通する感覚そのものです。

    ケーブルに話を戻しましょう。
    安定感は前述のとおりですが、もうひとつ大きな変化が「音が解き放たれた」という解放感がある点でしょう。
    これもSPC-TripleC導入時に感じたことですが、ケーブルの構造に依るところも大きいのではないかと。
    どうもシースでガチガチで(しかもPVCなど特性上も好ましくない素材で)束縛されたケーブルは、やはり音にもそれに伴うのか、窮屈な感じになるような印象があります。
    おそらくノイズ対策の差がその解放感を生み出すS/Nや細部表現の緻密さにつながっているのだろうと推測されます。

    とにかく聴き慣れた楽曲ですら、それぞれの楽器から音の塊が真っ直ぐガツンと届くような感覚にノックアウトされます。
    ボーカルで言えば、ちょっと聴いた感じだと優しい女声であっても、実は腹式呼吸でしっかり唄っているのが分かるほどの差があるのです。
    それでいてキツさやクセは皆無でして、逆にこれまではかなりトゲがあったのだなと実感しました。
    これまでの音は、単純にキツいというだけでなく、音像の表面の滑らかさが全く異なるように思います。
    ともするとそれを厚塗りの化粧で誤魔化すように艶が乗るケーブルも多数ありますが、XLR-3.0TripleCではそうではなく、楽曲自体が本来持っている瑞々しさが際立つのです。

    まぁとにかく生々しさとそれを支える情報量が凄いわけでして、レコードなどもライブ盤では会場の暗雑音とレコーディング時のヒスノイズ、そしてレコードのノイズがしっかり聴き分けられるくらいの能力があります。
    SACDもたまに間違えてCD層を鳴らしてしまうことがあるのですが、それもすぐに聴き分けることができます。
    これでこそSACDが活きるというもので、パイプオルガンの雄大さもしっかり再現できるようになりました。
    単純に低域が伸びたというのもあるでしょうが、それだけでなく、低域の音階が濁らないので、とても明瞭に譜読みできるような感覚です。

    それだけ細やかな変化を感じつつ、全体としては伸びやかで神経質な不安定さがなく、音楽が魅力に満ち溢れて再現されていきます。
    さきほどのレコードなどでも、会場の雰囲気や熱気が伝わってくるようです。

    たしかにかなりの高級ケーブルですし、その上でこの長さですからなかなか手を出せなかったわけですが、結局ここが最後に残されたウィークポイントだったのは明白になりましたし、これまでの体験からしてチョイスすることへの迷いはありませんでしたから、あとは急がず少しずつ整えていけば良いという安心感がありました。
    これはまた後日記事にしたいと思いますが、貸し出ししていただくことも含め、「音を悪くしないケーブル」という思想がグレードを問わずに一貫していますから、結果的には無駄なものを買わずに済むのではないかと今は感じている次第です。

    なお、今回の変更でメインシステムのケーブル構成は以下のようになりました。

    USBケーブル: ACOUSTIC REVIVE USB-1.0PLS
    LANケーブル: ACOUSTIC REVIVE LAN-1.0 TripleC, ACOUSTIC REVIVE R-AL1
    音声ケーブル: ACOUSTIC REVIVE RCA-absolute-FM(CDP), XLR-1.0TripleC(NWP), XLR-3.0TripleC(pre-power), XLR-1.0TripleC-FM(1.4×1.8導体)(DAC)
    スピーカーケーブル: ACOUSTIC REVIVE SPC-TripleC Double Bi-Wire
    電源ケーブル: ACOUSTIC REVIVE POWER SENSUAL-MD(Power), absolute-POWER CORD(電源タップ:アンプ側), POWER REFERENCE TripleC(電源タップ:プレーヤー側,CDP,NWP)
    トーンアームケーブル: ACOUSTIC REVIVE PHONO-1.2TripleC-FM
    シェルリード:ACOUSTIC REVIVE absolute LEAD WIRE

    オールキャストがACOUSTIC REVIVEになり、晴れて「アコリバ親父」になりました。
    エージングもさらに進んでいますので、次回以降、ASLC-30やQED REFERENCE 40の比較試聴や、ケーブルインシュレーターの配置、さらに音質についての詳細をレビューしていければと思っています。

    Filed under: Audio
    2019/03/05 12:00 pm | ACOUSTIC REVIVE XLR-3.0 TripleC レビュー 導入編 はコメントを受け付けていません。

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