• 143月

    ACOUSTIC REVIVEさんからお借りしたもの第2弾はLANアイソレーター「RLI-1GB-Triple C」です。

    それもなんと3つやって来たわけですが、10時間ほどエージングが必要ということで、まずはともかくハブの近辺に装着して慣らし運転しました。

    形としてはLANケーブルの超短い延長ケーブルのようなものになっています。
    電源ケーブルでIECコネクタ辺りに装着するツチノコとも言われたりする「ACスタビライザー」にもちょっと似ていますね。

    慣らし運転と言いながらやっぱり聴いてみたくなるのが人の常というものです。
    まずはLINN AKURATE DSだけ繋いだ段階でチラッと聴いてみたのですが、予想以上に変化が大きくて驚きます。
    正直、LANケーブルより変化の幅は大きいのではないかと。

    芯が通り、音が膨らまなくなっていますし、低域はさらに分厚くなりました。
    ただエージング途中はやや高域にトゲがあり、左右の定位が若干不安定になったりする場面が見受けられました。
    エージングが進むにつれて安定してきたので、おそらく内部の部品にある程度、通電する必要があるのでしょう。
    なお、使用当初からLAN通信には支障はなく、ギガビットイーサネットでも全く問題なく動作しています。

    Soundgenicに使った場合のディスクのRead/Writeもアイソレーター投入前後で変わりありませんでした。
    Soundgenic自体がかなり高速な読み書きですので、それが低下しないというのはLAN機材としての性能も高いと言えるでしょう。

    参考までに下がアイソレーター導入前の測定結果です。

    さてエージングを徐々に進めつつ聴いていたのですが、定位の不安定さなどはなくなったものの、長時間聴いていると高域がややキツく感じるのはなかなか解消してくれません。
    情報量の多さや静寂感などは非常に高まって、ヴェールが剥がれたような印象があるだけにココだけがどうしても気になります。
    そこでエージング完了後、まずは一旦全て外して一つずつ投入しながら様子を見ていくことにしました。

    まずは全撤去してみますと、やはり高域のキツさはなくなりますが、音は以前のPC臭く鈍い音に戻ってしまいます。
    そこからいちばんキツさが目立ったライブ音源で検証しながら追加していきました。
    まずはAKURATE DSにつながる「LAN-1.0 TripleC」のDS側に装着してみます。
    懸念事項のキツさはむしろ減少し、より穏やかになりましたが、ライブ音源の背景の音もしっかり聴き取れるようになり、もうこれで十分と思うほどの向上効果です。
    AKURATE DSでアース戻しをしたのに似たような効果と感じますし、そもそもネットワークオーディオプレーヤーに入るノイズを抑えるにはココが一番効果的なのかもしれません。

    次に同じ「LAN-1.0 TripleC」の両端に付けてみようと、ハブ側にも装着してみました。
    こちらもキツさは少ないですが、AKURATE DS側よりは多少感じる傾向です。
    効果としてもAKURATE DSのほうがやや大きいですが、全体的な変化の傾向は似ていて、より静けさが高まったようです。
    そもそもLANケーブルに「LAN-1.0 TripleC」を使っていることもありますし、他にも使うべきところはありそうですから、ここは見送ることにして、AKURATE DS側のみ残す形としました。

    次にSoundgenicですが、こちらも今回はNAS側に装着してみることに。
    これは高域のキツさに対しては最も効果的で、滑らかな音になってくれました。
    なにより楽器やボーカルの自然さが印象的で、ネットワークというパソコン的な仕組みを意識しなくて済むようになりました。
    こちらのLANケーブルには「R-AL1」を使っていますが、これも両端に付ける形でNASのハブ側にもさらに追加してみました。
    さらに透明感が出て空気感が伝わってくるようになりましたが、その分、キツさも多少は出てくるようです。
    この段階では良く分からなかったのですが、どうもウチのL2スイッチの場合はLANアイソレータを装着するとキツさが顔を出してしまうようです。

    そこでNASも機器側だけを残し、最後のひとつはルータからハブへのルータ側に装着してみることに。
    これと比較してみて、NASのハブ側、あるいは2個(AKURATE DSとSoundgenicの機器側のみ)のいずれかにしようという目論見です。
    まだご紹介してないものも付いていますが、それも込みでルータへの対処も想像以上の効果です。
    こちらは音のデータの流れには直接関係しないわけですが、実際に奏でられるサウンドは明瞭度が上がり、情報量が増えたものになります。
    それでいて穏やかさが保持されていて音質的な底上げ感が感じられるのは、ルータからのノイズが低減されたからでしょう。
    結果、これが良いと判断し、最終的に以下の3ヶ所に導入した形になりました。

    ・AKURATE DSのLAN端子(LANケーブル:ACOUSTIC REVIVE LAN-1.0 TripleC)
    ・SoundgenicのLAN端子(LANケーブル:ACOUSTIC REVIVE R-AL1)
    ・ルータの音声用ハブへのLAN端子(LANケーブル:通常市販品)

    いちばん最初に形状が「ACスタビライザー」に似ていると書きましたが、使いどころもどうやらそれに近い形で使うのが良いようです。
    私はてっきりハブがノイズ源になりがちだと思っていたのですが、ウチの環境に限って言えばさほどでもなく、またLANケーブルや機器側でも再びノイズを拾うこともあるため、機材に近い位置に配置したほうが良好な結果が得られたようです。
    私が使っているアライドテレシスのL2スイッチ「GS908XL V2」はポートを遮断する機能もあったりするので、ハブの側でに何らか別の対策がされている可能性も否定できません。

    わりと場所決めに手間取りましたが、それだけ変化が大きいということでもあります。
    ここまでやるともうネットワークの存在を意識しなくなってきましたし、導入するごとに一枚ずつヴェールが剥がれていく感覚は驚きすら覚えます。
    前述のように電源周りの対策にも似ていて、ACスタビライザーやクリーン電源のような変化を伴うものです。
    私が愛用している中では、ちょうどRPC-1の変化に似ているのではないかなという気もします。

    音の変化はアイソレーションする先の機器のノイズ耐性、それに機器自体が出すノイズの質によってかなり異なってくる傾向はあるようです。
    ただ全般としては楽器の音色がより自然になっていく傾向で、音の立ち上がりが早くなって、いわゆるハイスピードサウンドにもなってくれます。
    お値段的になかなか3つ導入するのは大変だと思いますし、ひとつだけ入れるならやはりネットワークプレーヤーのLAN端子がオススメでしょうか。
    もちろん環境によっては、ハブとルータ間の方が効くケースも十分考えられますので、エージングを進めた後はご自身の環境に合う場所を探してみることをお薦めします。

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    Filed under: Audio
    2018/03/14 12:00 pm | ACOUSTIC REVIVE RLI-1GB-Triple C レビュー 配置編 はコメントを受け付けていません

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