• 276月

    ACOUSTIC REVIVEのスーパーアースリンク「RE-9」を導入してみました。

    以前から気になっていたものの、残念ながらすでに廃番でしたのでなかなか見つけられず。
    ちなみにRE-9IIという後継モデルもあったようですが、今回のはシンプルな初期型で改造もされていませんでした。

    内容的にはアースの敷設されていない環境などでシャーシ電位を下げるものです。
    RE-9をコンセントにつなぎ、背面のツマミを指で触り正面のLEDがグリーンになるほうに合わせればOKという使い方です。
    ただ他のアクティブアースでも同じことなのですけど、機器の極性が合っていなかったりするとかえって電圧が上がってしまうということがあり、うちの部屋の中のコンセントもまさにその状態でした。

    原因のひとつはAccuphase(特に古い機種がそうだと思われます)はアースをシャーシに落としていないものがあるからかなと。
    また、これはいろんな機器の極性を合わせていって気づいたのですが、ACアダプタやスイッチング電源が起因となっているケースも多そうな雰囲気です。
    うちでは配慮していますが、アースループが存在する場合にも起こるようですね。

    仕事部屋と兼用ということもあって、部屋にルータやハブ、パソコンなどがあるのも解決を難しくしています。
    廊下だと最初からバッチリ動作していましたし。
    そんなこんなで最初は地道にいろんな機材の極性を合わせていくことになりました。

    結果的にいちばん効いたのはTransparentのパワーコンディショナーを撤去したことでしょうか。
    次にパソコンに庭から取ったアースを持ってきた(元々、Mac ProはPOWER STANDARD TripleC-FMを使用)のも効果大でした。
    あとはルータや外付けHDDのACアダプタの極性での変化が大きめでした。
    逆にLED照明やエアコンはほぼ影響なしでした。

    ここまでで14V台くらいにはなったので、黄色表示ながら聴いてみることに。
    すでにACOUSTIC REVIVEさんを訪問した時に体感していたのですけども、偏ったような音像がビシッと背筋が伸びたように決まります。
    うちの環境だとなぜか必ず右に偏る感じがあったのですが、それが解消して音がドンと前に出てきて迫力がまるで違います。
    揺らぎのないサウンドになりますし、まさに「リミッターが解除された」ような状態に進化してくれました。

    RE-9の導入でズバリ解決というよりは、むしろキホンのキがようやく整ったといったほうが正しいような気がします。
    これは他のACOUSTIC REVIVEさんの製品、いや他社の機材でも同様だと思いますけれども、導入してからがスタートなのだと最近とみに感じるようになりました。
    それでもやっぱりアースというのはとても大事な基盤であることはたしかで、このズバッと決まる音の展開には眼を見張るものがあります。
    音が見える感覚がようやく整ったなぁというのは感慨深いものがあります。

    配置についてはアンプ側と入力機器側の2つのRTP-4 absoluteがあるのですが、結果的には入力機器側にRE-9をつなぐほうが良好な結果が得られました。
    RE-9には一応2つのアース端子がありますが、これも両方つないでしまうとアースループを生じますし、機器間はXLRケーブルなどでつながっていますからね。
    アンプ側はこれまで通りの仮想アース「RGC-24 TripleC-FM」、そしてRPC-1を再配置する形としました。

    この状態で各音源をチェックしていきます。
    まずはレコードですが、やはり音が見えるようになったのが一番大きな変化でして、前後の広がりが豊かになっています。
    前にしっかり出てきて力感が上がっていますけども、ただそれだけではなく奥行き方向の表現が多彩かつ精度高くなっています。
    全般にとても見通しの良い音で、これまでだとボーカルものではどうしてもそちらばかりが目立っていたのがバンドとの掛け合いやライブ感が伝わるようになりました。

    SACDでは空間情報量が圧倒的に増えています。
    ここまで広大な世界観が再現できる余地がまだあったんだ、機器のポテンシャルというのは本来もっとずっと高いのだと痛感させられます。
    RE-9を入れたことももちろん多大な改善につながっていますが、地味な極性合わせ(オーディオ機器以外も)の積み重ねもかなり大きかったと推測されます。
    その証拠に、RE-9の有無に関わらず、これまでかなり高めだった50Hzのハム音(出音の残留ノイズ内)が7dBくらい下がりました。

    詳細はまた後日書きますけども、さらなる改善のため、前述のTransparentのパワーコンディショナー、そしてLUXMAN P-1、Phase Tech HD-7Aを撤去してAKURATE DSの配置換え、HP-A8の設置を終えると、電圧も4.5V程度までしっかり下がってくれるようになりました。

    なお対策前のRE-9電源オフ(アース線は結線した状態)だと37Vくらいあったのですから、相当劇的な改善です。
    ちなみにダイヤルを反対側に回すと80Vくらいになりますので、この状態で決して使ってはいけません。

    何度も書いていますが、シャーシ電位を下げることだけが目的ではなく、機器の本来持つ性能をしっかり引き出してあげることがいちばん大切なことだと痛感した次第です。
    もちろんその上で、RE-9はそれを安定させることができますし、集合住宅などアースが敷設できない環境でも効果があるのは素晴らしいことです。
    なにより、サウンドスケープの再構築がズバリと決まるのは聴いていて快感を覚えるものです。
    すでに販売終了しているのがとても惜しいところです。
    次回は仮想アースやRPC-1などとの併用がもたらす効果や電源ケーブルや電源タップの再配置やその効果についても触れてみたいと思っています。

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    Filed under: Audio
    2019/06/27 12:00 pm | ACOUSTIC REVIVE RE-9 レビュー 導入編 はコメントを受け付けていません

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