• 233月

    だいぶ前の地震でB&Wのスピーカー「Matrix 802 Series 2」が転倒しました。

    震度は公称だと5強となっていますが、長周期地震動もあったのかもしれませんし、我が家ではもうちょっと大きめの被害に感じられました。
    転倒自体はサウンドケアのスパイクを装着していたことも理由だと思いますが。

    エンクロージャもだいぶ傷が入りましたが、サランネットをしていたおかげでユニットは被害がなかったのが不幸中の幸いでした。
    サランネット自体はかなり変形していて、そのままでは装着できないくらいでしたけど、鉄製の枠だったのでなんとか補正できました。
    いちばんの問題はツイーターとスコーカーを構成しているヘッドユニットを固定するための特殊なボルトが破損&曲がってしまったことでしょう。

    写真ではすっかり取れてしまっていますが、この上部に本来は固定用の部品があるのですが、それがもぎ取れた形です。
    このネジ自体を補修することも考えましたけど、先だけ曲がった状態はちょっとどうしようもなさそうですし、代替品を探してみることに。
    ネジの長さは20cmほど、ネジの太さはノギスで測った感じではW5/16がいちばん近そうですが、厳密にはピッチが少し違ったようです。
    そこで28.5cmの寸切りボルト、それにアジャスターベースを調達しました。

    寸切りボルトはちょっと長すぎますし、ピッチもやはり少し違いましたが、固定側はナットくらいの厚さなのでなんとかなりました。
    逆に言えばここが薄いからネジの先端部分で曲がってしまったのでしょう。

    アジャスターベースを選んだのは元の部材に形状が似ていたからです。
    普通のナットではヘッドユニットの穴に余裕がありすぎて、固定できないんですよね。
    直径も運良くちょうど良い感じで、かなりしっかり固定できました。

    ちなみにメーカーには問い合わせていませんが、Matrix 802 S2はかなり古いモデルですし、マイナーチェンジモデルのS3では固定方法がそもそも違うらしいので、部品はおそらく残っていないでしょう。
    寸切りボルトを適度な長さで切れば見た目もほぼ分からない程度になりそうですが、現状はまだそのままにしてあります。
    場所としてはこの部分に物を置くと音がかなり変わってしまうのですけどね。

    エンクロージャ側の傷は運良くそこまでひどくなかったので、ワトコオイルを塗る程度にしました。
    色はどれが合うかは厳密には分からないですし、いちばんお安くなっていたマホガニーを選んでみました。
    本来の色合いに近いのはミディアムウォルナットかもしれません。

    傷もそうですが経年劣化による褪色を補修する意味合いもあったので、まずは左側のスピーカーのほうに1回塗りしてみたのが上の写真です。
    色自体が少し濃いのもありますが、なかなか良い風合いになります。
    さらに左右とも2回塗りした後が下の写真です。

    実際にはこのあと、24時間以上乾燥させ、さらに乾拭きを何度かやりましたが、なかなかキレイに仕上がった気がします。
    サランネット焼けが見えないほどには塗っていないですし、本来なら240〜400番くらいの耐水ペーパーで研磨(ウェット研磨も)したほうが良いのでしょうけれど、エンクロージャに関してはそこは省きました。

    傷も良く見ればまだ残っていますけど、転倒した時の悲惨な感じはあまりなくなったかなと。
    まだ地震も続き気味ですし、一応スパイクはやめています。
    転倒した直後は次のメインスピーカー候補を考えてみたりもしましたが、愛着もありますし、まだもうちょっと愛用していこうかと思っています。
    次の機材を探す楽しみもそれはそれでありますけどね。

    Filed under: Audio
    2021/03/23 3:30 pm | No Comments
  • 063月

    ACOUSTIC REVIVEのターンテーブルシート「RTS-30」を導入してみました。

    RTS-30はシリコン系の制振材に幾何学的な溝を刻んだターンテーブルシートで、さらにシート内には貴陽石、トルマリンなどの天然鉱石を浸させてあります。
    独特の溝の模様は同社のRGC-24KやREM-8でも似たような形状を見かけますが、12インチと7インチに合わせてややテーパー状になるように配慮されたであろう配置がまさにジャストフィットな印象を受けました。

    うちのレコードプレーヤーはMICRO BL-99VとDENON DP-6000と、通常のターンテーブルシートが使いづらい機種ばかりなのですが、前者は吸着を使わない前提ならばなんとかなるだろうと。

    以前、SAEC SS-300を試した時にサクション用のゴムと干渉しないことは確認できていたので、最悪2枚重ねにすることも考えていましたが、さすがにそれだと高さが高くなりすぎてトーンアームをかなり持ち上げなければならず、2枚重ね方式は断念しました。

    幸い、RTS-30も外周部のサクションゴムとは干渉せず、中央部はシートの自重で十分押し下げられるので、吸着ポンプを外した状態でも問題なく使用できました。(もちろん吸着自体は使えませんけれど。)

    早速、RTS-30を装着した状態でーンアームの高さを調整し、聴き慣れた盤から聴いていきます。
    まず感じたのは音に芯が通ったなぁという点です。
    この時点ではカートリッジにFR-2を使っていましたが、ちょっとした変動でセンター定位がブレやすい傾向のあるカートリッジなのですが、定位が安定し、それでいて左右のスピーカー外の広がりはフワッと広大になりました。
    サクションすると盤の反りは相当に補正されるのですが、細かいフラッター的な歪みはやはり多少残るわけで、そうした細かな上下動や振動の影響が減ったからでしょう。

    また、聴き比べるとこれまではやっぱりターンテーブル素材の響きが乗っていたのだなというのが良く分かりました。
    とりわけ中高域で埋もれていた楽器の音色が存分に引き出されてきて、音数そのものも明らかに増えています。
    明瞭な質感で力と歯切れの良い低域は特筆ものですし、これならむやみにカートリッジやプレーヤーを買い換える前にターンテーブルシートを試してみる価値は十分以上にあると言えるでしょう。

    通常のターンテーブルシートで感じがちな、ゴムのような弾む感じの中低域の付帯音もなく、キレも抜群です。
    また、Fo.Qのような制圧され過ぎるところも皆無で、デッドニングのマイナスイメージは微塵も感じられません。
    スタビライザーのような窮屈さも出ず、開放感ありつつも緻密なサウンドになっています。
    アナログ再生はターンテーブルやカートリッジ、ヘッドシェルなど様々な要素を楽しめるという面白さもありますが、一方でそれらのクセが重なり合って強くなり過ぎる部分もあるように感じています。
    その点、RTS-30はそれらのマイナス要素を上手く補正してくれるところがあるように思います。
    方向性としてはカンチレバーやヘッドシェルの剛性が高まったかのような変化ではないでしょうか。

    さらに内周に行くにつれ、その効果は一層高まっていきます。
    明らかに静電気が起きづらくなっていて、再生後に盤をターンテーブルから持ち上げる時に冬場はパチパチと盤が吸い付けられるほどだった静電気が、RTS-30を使ってからはほとんど感じられない程度にまで減少しています。
    再生前に除電したり対策はなるべくやっているつもりですが、再生中に帯電していく部分について低減してくれるのはうれしい効果です。
    音質にも大きな影響があって、帯域がこれまでよりも狭まらない感じを受けますし、歪っぽさも少なくなりました。
    とりわけクラシックだと内周で盛り上がるものが多く、そうした盤では特に違いが顕著で、単に歪まないだけでなく、余韻まで鮮明になっています。
    内周外周といった違いはもちろん、外部からの振動などの変動要素を吸収して安定感を上げてくれるおかげで、ピーキーさが大きく減退して、安心して聴けるサウンドになりました。

    ハウリングマージンも大幅に高まっていて、ボリュームを上げていってハウリングが起きるボリューム位置がグンと上がったのはもちろんとして、フォノイコライザーの残留ノイズがスピーカーからかなり聞こえてくるような状態でもノイズ自体の質感が変化せず、ハウリング直前の膨張感自体が起きづらくなっているなと感じます。
    RTS-30の効果ももちろんですし、サクションユニットの電源をオフにしたのも影響しているのでしょう。

    しばらくFR-2で使い続けた後、ZYX Ultimate 100にカートリッジを交換してみました。
    こちらでもベールが剥がれたような清々しさがありますし、FRよりもさらに音の芯がハッキリしていて余計な響きが少ないように感じるのはカーボンカンチレバーの効果かもしれません。
    ただそんなカーボンカンチレバーもこれまではややドライになりがちな印象があったのですが、RTS-30導入後は色彩感も満ち溢れてきて、カートリッジの音色を強調するというよりも本来の性能を活かせる土台がしっかり構築された感があります。
    Absolute LEAD WIREの真価も発揮されてきたとも言えそうな骨太な低域が素晴らしく、内周でも瑞々しさを失わず躍動的です。

    カートリッジなどでの音色の変化もアナログ再生の楽しさではあると思いますし、レコードプレーヤーの性能も重要でしょう。
    ただ、お気に入りの機材が持つ本来の性能を引き出すという意味でも、RTS-30はまさに「縁の下の力持ち」であると感じた次第です。

    Filed under: Audio
    2021/03/06 2:00 pm | No Comments
  • 222月

    ラックスマンからMCカートリッジ「LMC-5」が3月下旬に発売予定だそうで。

    「LUXMANがカートリッジ?」と思う方も多いと思いますが、1980年代にはLMC-1、LMC-2といったMCカートリッジを発売しています。
    そもそも型番のLMCはLinear Magnetic-field Crossという発電機構の名称から来ていたものです。
    今回は「LRの発電コイルを対称に巻いた直巻⼗字型コイル」らしく、ヨークを介さない構造ではなさそうな気もしますが。

    ラックスマンは昔はトランスも製造していましたけど、さすがにカートリッジはおそらく以前からどこかのOEMだったのだろうと予測されます。
    適正針圧の幅が2.1〜2.3gと狭いところからするとLyraに近い印象もありますけど、筐体にA6063を使ってるところから個人的にはPLATANUSかなぁと推測してみたり。
    ただ磁石にはあえてサマリウムコバルトを使ってあったりしますし、デザインもかなり独特なものですから、あくまで製造委託という形でしょう。

    スタイラスはシバタ針、カンチレバーはあえてアルミと、わりとオーソドックスなところを攻めています。
    コイルはポリウレタンエナメルワイヤーを使い、鉄芯入りのようです。
    針先を守るヘルメットのようなデザインが独特ですけども、余計な筐体はないので断線は注意が必要そうです。

    お値段は23万円だそうで、高騰が続くMCカートリッジの中では中級〜上級クラスでしょうか。
    レコードプレーヤーを含めたアナログレコード周りの機材も出していますから、ある程度長期的にサポートしてくれそうではあります。
    むしろトーンアームの供給問題と思われるPD-171シリーズの製造終了のほうが今後の不安要素かもしれません。

    Filed under: Audio
    2021/02/22 4:00 pm | No Comments
  • 162月

    REVOXのCDプレーヤー「B226S」を導入してみました。

    すでにCDプレーヤーは7台ほど所有しているのですが、QUAD 99 CDP-2が思いのほか良かったこともあって、音楽的に楽しいサウンドの方向に少しシフトさせても良いかなと。
    知名度でいうとSTUDER A730やREVOXならB225あたりが有名ですが、B226SはB225をベースにDACをTDA1541A(B225はTDA1540)に、メカをCDM-1 mkIIあるいはCDM-4/26のアルミダイキャストバージョンに変更したものみたいです。
    B226 Signatureというのもあってこれと区別が付きづらいですけど、世代的にはB226Sのほうが新しいのだと思われます。
    同じ型番でも細かいバージョン違いがあるようですけどね。

    チョイスの理由は1年保証があるという部分もありました。
    ピックアップの型番はよく分かりませんが、SACDハイブリッドもCD-Rも難なく読んでくれますから、まだまだ元気ということでしょう。
    他の機種と違って、ディスクを入れてもその時点ではTOCを読まず、再生ボタンを押してからアクセスを始めるというのが面白いところです。
    トレイもドライブもかなり念入りにフローティングされていて、SONYなど国産メカの剛性優先の作りとの違いを感じます。

    DACチップは予想どおりTDA1541A-S1でシングルクラウンのものでした。
    左右独立といった方向性ではない点なども他の機種とは一線を画するところでしょう。

    TDA1541Aの場合、DAC周辺に配置されているDEMフィルタコンデンサも重要な要素らしく、これもちゃんと型番をチェックするのを忘れましたが、ERO(現ビシェイ)のものが使われていました。
    B225あたりはたしかPhilipsのコンデンサだったと思いますし、B226Sでもいろいろバージョン違いがありそうで、交換してあるのかどうかは定かではありません。
    ただ、それ以外の電解コンデンサなどはどうやらメンテナンスされている様子で、Fine GoldやELNAなどが多用されていました。

    さて肝心のサウンドですが、いちばん印象深いのは「楽器が生っぽい」というところでしょう。
    余韻が自然で脚色が少なくアタックが鈍らないので、鮮度の高い生々しさがライブのような温度感と躍動感を再現してくれます。
    時代的なものもありますから、細部をほじくり出すようなテクスチャの滑らかさといったものはやや苦手かもしれませんが、CD音源をあまりこね回さずに忠実な印象を受けました。
    録音の質がかなり明確に分かりますし、予想していたよりも意外と現代的かつマルチでない録音と相性が良さそうなところからも、そんな傾向は感じ取れます。

    プラグ類はなぜか奥まった構造になっていますので、高級ケーブル類は挿せないものが多いのはやや残念な部分です。
    ただデジタルアウトもありますから、これでAccuphase DP-77へも入れてみましたが、それでも音色はかなりB226Sに似通ってくる感じで、トランスポートの違いもやはり大きいのだなと再確認させられます。
    芯がしっかりして、霞といいますかエコー感が削ぎ落とされたような感があります。
    ちなみになぜかAccuphase DC-81ではデジタル信号にロックがかからなくて音が出ませんでしたが、あまり理由は追求していません。

    ただ音色としてはやはりB226S単独のほうがいろんな音源を楽しみたくなる魅力があり、到着後はSACD単層以外はほぼREVOXで聴くようになっています。
    オペアンプはSignetics NE5532からあえて(?)交換されておらず、このオペアンプの特色を活かした骨太さもなかなか良好です。
    鈍らせるだけのデジタル臭さ排除という安易な逃げを施していないように感じられるのも良いですね。
    その成果として余韻が自然で音源の残響が正確に再現されるので、音盤に収録された空気感が自然とあふれ出してくるような印象です。

    欠点を挙げるとしたら静粛感がやや弱いところでしょうか。
    全体にディザが効いたような印象があって高域側の伸びもやや少なめではありますが、そこを求めるモデルではないでしょう。
    ある意味、ハイレゾと対極にあるとも言えそうですが、ピアニシモでも音が痩せず楽器の分離も良いので、CD音源ならCD音源らしく、という聴き方にはむしろ相応しいとも思えます。

    REVOXやSTUDERはレコードに近づける音作りといった言われ方もしますが、B226Sではそこまで強くそれを意識させるほどではなく、過去のモデル(この機種も1989年ですが)よりはハイファイ寄りにチューニングされているのかなと思われます。
    それでも、初期のCDでまさにレコードのようなスピーカー外側まであふれ出るような音の広がりが再現されたりすると、「そうそう、これこれ!」と思ったりもします。
    QUADやAccuphaseなども残して現行システムには3台のCDPをつないでありますが、比較的新しい機種は粒子上の虚像を空間再現することに注力気味なのに対して、REVOXでは空気振動の塊感を再現することに重きを置いているように感じられます。
    過去の雑誌記事を見ますと、100Hzくらいを少し持ち上げ、高域は滑らかに下がり気味というレビューがありましたが、たしかにそれはなかなか的をいているのかなとも感じるので、脚色がないというわけではありませんけど。

    その音傾向も設置などの対策次第で結構変わるものでして、高さの都合で当初は省いていたヒッコリーボードを敷いたところ、中低域の濁りがさらに解消して、よりタイトな音像になりつつも音色は非常に自然なままで維持できています。
    また、スーパーアースリンクからのアースも筐体に取ったところ、透明感が大きく向上し、定位のブレもさらに安定感抜群になりました。

    オマケにヘッドホン端子もなかなか優秀でして、かなりハイインピーダンスなヘッドホンでも力強く鳴らしてくれます。
    これのおかげでTASCAMのヘッドホンアンプは撤去できたくらいです。
    総じて期待以上でしたので、しばらくは我が家のメインCDPになってくれそうです。

    Filed under: Audio
    2021/02/16 3:30 pm | No Comments
  • 062月

    SONYのウォークマン「NW-A55HN」をゲットしてみました。

    最近はBluetoothイヤホンやヘッドホンを使う頻度も増えましたし、DAP自体は「コントローラ」的な位置づけにしても良いのではないか、という思惑もあってチョイスした形です。
    LDACを試してみたいというのもありましたし。
    さらに今回はワイヤードながらノイズキャンセル機能対応のイヤホン「IER-NW500N」とのセットモデルなので、そっちもオマケ程度に考えつつも面白いかなと。

    結果的には意外とこのイヤホンの出番が多く、ファンヒーターやエアコン、パソコンといった、ちょっとした動作音が気にならなくなるという点でもなかなか気に入っています。
    多少のホワイトノイズっぽさは増えますけど、音質も思ったより良いですし。

    DAP本体のほうはファームウェア関連でちょっと悩みました。
    まず届いた当初は1.00だったので、最新の1.02に更新です。
    Macでもできそうでしたが、最近はMac mini M1を使うことが多いので、安全のためも兼ねてWindowsで実施しました。
    更新後も一部表示できないアートワークがあって、どうやらプログレッシブJPEGやインターレースPNGなどに非対応だとか。
    Amazonから取得したケースで多発する印象なので、今さら入れ替えるのも面倒…ということもあり、某所のカスタムファームウェアを入れました。
    なお、カスタムファームウェアをインストールするとメーカー保証はなくなりますし、最悪、機材を壊すこともありますので、これをオススメするものではありません。

    ただ、これでアートワークはバッチリ表示されるようになりますし、音色も思った以上に変化しました。
    UIのレスポンスも若干向上しますし、音はだいぶ地味になる傾向はあるものの、低域はしっかりして、癖のないサウンドになりました。
    ベースの厚みやキレで特に差が大きい気がします。
    一旦元のファームウェアに戻して比較もやってみましたが、オリジナルはかなりハイ上がり傾向な気がします。
    低域はカスタムで厚くなりますが、電源部のパワー不足からか、若干歪みっぽくなる傾向はあるようです。
    サウンドシグネチャーだけオリジナルのまま、というのもできますが、これだとハイインピーダンスのヘッドホンでハイ上がり傾向が気になったので、やはり両方ともカスタム配布されているものを適用しておきました。
    なお、iPhoneからBluetooth経由だとサウンドシグネチャーに関わらず、あまり差はない印象ですので
    Bluetoothで使う用途なら特にカスタムファームウェアを入れる必要はないかもしれません。

    手持ちのDAPとしてOpus #1Sと比較してみました。
    空間が感じられるのはOpus $1Sのほうですが、精度と透明感ではNW-A55のほうが良い部分も多い印象です。
    アンプ部もNW-A55が思ったよりパワフルですし、アンバランス接続のみで良ければ十分な性能です。
    ややドライなので、もう少し潤いがあればなぁと感じる場面も多少はありますが。

    有線のイヤホンやヘッドホンも各種試してみました。
    HIFIMAN HE400iやbeyerdynamic DT770PROなどでもボリュームさえ上げれば結構鳴ってくれます。
    ハイファイマンのほうは平面振動板との相性からか、やや厚みが足りないかあと感じる場面もありましたが、歪みは少なく見通しの良いサウンドです。
    若干シャリつきが目立つところもありました。
    鳴らしづらさという点ではDT770PROのほうが厳しそうですが、こちらのほうが相性は良い気がします。
    さきほどのカスタムファームウェアを入れた場合のほうがヘッドホンとは相性が良い感じもあり、そこは元となったサウンドシグネチャーが据え置き機のものというのも関係しているのかも。
    インピーダンス変動や低インピーダンス時にやや特性に変化が生じる印象があるのは、据え置き機とは電源部が異なるせいかもしれません。

    イヤホンの中ではわりと鳴らしづらいほうのFinal E5000も音色的に相性が良かったです。
    少し余韻を付加するようなタイプのイヤホンが合う辺り、最近の据え置き機にも傾向が似ているのかもしれません。
    ワイヤレスもMDR-1ABTではやはりLDACの良さが際立っていました。
    aptXでもAACよりはだいぶ良いですけど、TWS等ではイヤホン側の味付けが主体になるので、やはりここはコーデック対応の幅広さとUIの使いやすさのほうを優先すべきでしょう。
    バッテリーの保ち(特に有線時)も良いですし、当初の目的よりずっと活躍してくれそうです。

    Filed under: Audio
    2021/02/06 2:30 pm | SONY NW-A55HN はコメントを受け付けていません
  • 091月

    フィデリティ・リサーチのMCカートリッジ「FR-2」を入手してみました。

    FRというとトーンアームが有名ですけれど、創始者の池田氏はGraceの出身ですし、その後はIKEDAを興したわけでカートリッジでも大きな成果を残した方です。
    これまでも気にはなっていたのですが、意外と出物は少なく、出ていてもFR-1やシェル一体型のFR-7のシリーズが多いかと。
    今回のFR-2は通常のシェル独立タイプながらIKEDAに移行してからのモデルの雰囲気をやや感じさせるものです。

    まずは手元にあった適当なヘッドシェルとリード線で動作確認です。
    なにせ1979年くらいの発売ですから、ずいぶんな年代物なのですけども、スタイラス等の状態はなかなか良さそうです。
    針圧は1.5〜2gとなっていますので、ひとまず1.8gに設定してみます。
    空芯コイルで出力電圧も0.1mVとわりと鳴らしづらいほうのカートリッジですが、C-280Lのヘッドアンプならまぁ大丈夫でしょう。

    内部インピーダンスは6Ω、負荷抵抗は10Ωと規定されていますので、最初は10Ωで受けてみます。
    一聴して感じたのは楽器の音色が自然で鮮度高く感じる点です。
    とりわけ10Ω受けの場合にそれが強まります。
    ただ細かな反りなどの影響を受けやすいのか、ちょっとしたトレースの状態変化でブレるような印象がありました。
    角度や針圧で出力電圧がやや変化しやすいのかもしれません。

    100Ω受けだとトレースによるブレは減って安定感は出ますし、低域の厚みも増しますからリード線などの見直しも必要なのかも。
    ただいずれの場合もこれまで使ってきた他のカートリッジとはずいぶん違う印象で、世代的にやや古めのアナログ盤を再生していると特に強く感じられる気がします。
    針自体は0.3×3milラインコンタクトですけども、その当時らしい音色が引き出せている感があります。
    といっても決して懐古趣味的ではなく、鮮度が高く、それでいて爽快で見晴らしが良いサウンドなのは空芯コイルなのも効いているでしょう。

    これまでの手持ちのカートリッジよりかなりボリュームを上げないと音量が確保できない感じですが、これは純粋に出力電圧相当です。
    ちなみに普段遣いのカートリッジ群でいいますと、ZYX Ultimate 100が0.24mV、Accuphase AC-2が0.18mV、Lyra Helikonが0.5mVです。
    これまで使った中ではortofon MC20が0.07mVで、これもヘッドアンプやMCトランス次第だった印象があります。
    ただFR-2は音量こそ取りづらいものの、音はガツンと前に出てくる印象で、他のMCカートリッジとは少し性格が違うようです。
    また音量を上げてもノイズがとても少なく、鮮度の高い音色と相まってついついボリュームが上がりがちになります。
    Grace F-8Lもそうでしたが、スクラッチノイズを目立たなくする工夫が施されているところもあるのでしょう。

    特に違いが目立つのがピアノです。
    アナログレコードにとっては苦手な楽器だと思うのですが、打鍵のパルシブさと精度が他にない魅力を感じさせます。
    録音された、というより生に近い音色なのは空芯の効果なのか、他のカートリッジよりもレスポンスが良い気がしますし、過渡特性が良いような感覚があり、歪みも少ないようです。
    スタイラスが小さめなのでサーフェスノイズも少ないことや、エコーや内周歪みが少ないことも効いているのかも。

    ちょっと寒い時期なのでレコード自体の再生時間があまり確保できてませんが、しばらくはFRでいろんな盤を聴いてみたい!と思わせてくれるカートリッジです。
    針カバーがちょっと使いにくいとか、細かなところはありますけど貴重なものですし、他のカートリッジ同様、大事に愛用していこうと思います。

    Filed under: Audio
    2021/01/09 2:00 pm | Fidelity research FR-2 はコメントを受け付けていません