• 281月

    ACOUSTIC REVIVEのピュア・シルク・アブソーバー「PSA-100」のデッドストック品を見つけたのでゲットしてみました。

    中身は要するに真綿でして、昔は絹の綿を真綿と呼んでいたんですよね。(綿のわたは木綿)
    ただ現在では非常に入手困難で、PSA-100はもちろん、手芸用などでもなかなか綿状のものは手に入りにくいと思います。
    PSA-100はトルマリンを餌に配合した国内産の絹ですし、それだけでも今や貴重価値のあるものになってしまいました。

    100gほど入っているのですが、スピーカーの吸音材に使うのでもない限り、これだけあれば相当な分量です。
    後述していきますけども、むしろ一旦良くほぐして丸め直し、イメージするよりも少なめに使うのがコツかなと。

    そもそもACOUSTIC REVIVE製品にはすでにシルクを使ってあるものが多いわけですが、ひとまずPSA-100は使わない状態からいくつかの音源を聴き比べながら少しずついろんな箇所に試していきます。

    まずは音源系の電源タップ「RTP-4 absolute」の下に置いてみます。
    以前は電源タップはヒッコリーボードの上に配置していたのですが、機材が増えたこともあって現在は床置きのままで未対策だということもありました。
    軽く丸めて卓球の玉ほどくらいの分量を少し広げた感じで置いてみますと、良い意味で元気なサウンドになりました。
    訴えてくる感じが強まって土台がしっかりしたような感覚です。
    目の前で演奏がしっかり展開されていくので、音楽の中の「生」が呼び起こされたようなイメージが強まっています。
    生と動がとても明瞭になっていて、オーディオ的に言えばダイナミックレンジが高まったように感じます。

    これは良いな!と調子に乗ってアンプ側の電源タップの下にも同量程度敷いてみました。
    しかしこちらは逆に穏やかになり、雑味が減ってボーカルが明瞭に浮き立つ雰囲気です。
    変化としては音源系のほうが大きかったですし、しばらく聴いているとちょっと音が整理され過ぎている気もしたので、こちらは最終的に外すことにしました。
    理由としてはこっちの電源タップに接続してある電源ケーブルは全てプラグ部分にシルクが挿入されていますので、効き過ぎたのかもしれません。

    そこでこちらは空きコンセントの上にごく少量のシルクを載せる形に変更しました。
    なにしろ電源周りなので火事の心配などもあろうかと思いますので、そこは自己責任で実施する必要があります。
    こちらはかなり大きな変化で純度が高まってきます。
    雰囲気としては空き数だけ少ない電源タップを使っているような感覚ですね。

    電源周りはプラグ間に挟んでみたりもしましたが、ここも元々、プラグ内にシルクが使われていますし、間にもシルク布を挟んでいたので、それほど目立った効果は感じられませんでした。
    電源周りではあとは壁コンセントを設置している壁の中の隙間に足したくらいです。
    また信号系のケーブルもACOUSTIC REVIVE製品がほとんどということもあってか、うちでは使わないで良いという結果でした。

    ここまで設置して少し時間が経つと馴染んできたのか、徐々に本領発揮してきます。
    重心がグイグイ下がっていってベースの立ち下がりが大きく変化し、淀みないものとなりました。
    音場に関しても左右と前後はこれまでもしっかりしていましたが、今回の対処で上下がユニット位置に縛られずに正しい配置により近づいたようにも感じます。

    パイプオルガンでは直接音より教会の間接的な響きがより明瞭に変化していく様子が鮮明になっていて、もちろん低域の音階、音色もより精度高く再現されています。
    ヴァイオリンの音色も弦そのものではなく、奏者を通した音色の変化まで再現してくれていて、とりわけ高域弦の転がる感じとか、そうした細やかな部分がより音楽的で豊かなものになってくれたようです。
    声楽も口先でなく、もっと深い呼吸のような感覚を掴めますし、なにより穏やかで心地よいものとなりました。

    こういう雰囲気の変化って何かに似た変化だなぁと考えてみると、RWL-3を導入した時に似ているのですね。
    上記の電源周りの対策だけでもRWL-3の枚数が1枚増えたくらいの効果は出ているようです。

    それならばと調子に乗って、今度はスピーカー本体に対策をしてみます。
    ウーファーのエンクロージャーの中に入れてみるところから始めたのですが、分量が分かりませんし、やっぱり元に戻したい時のことを考慮して、最初は麻紐をつけてお試しでバスレフポートから挿入してみます。

    もちろんバスレフポートそのものを塞ぐわけではなく、その奥にある元々の吸音材にちょっと付け足すようなイメージです。
    この状態で聴いてみますと、スッキリしてベールが剥がれた感じで、なんだかモヤが晴れて見通しが良くなったように感じます。

    これだけ変化するならばと、今度はミッドレンジにも入れることに。
    Matrix 802 S2の場合は背面のパネルを開けると大量の吸音材が詰まった内部にアクセスできますから、それは減らさずにツィーター取り付け部の後ろ上面にほんの少しだけ追加しました。
    理由としては、この辺りにツィーターとミッドバスへの配線もあるため、これに絡ませるような意味合いもありました。
    こちらも透明感も段違いで、音数が増えた時に破綻しないのに驚かされます。
    ひとつひとつの楽器がそれぞれに生き生きと鳴って混濁しません。
    スピード感が全く別物で、電源周りの対策も相まって立ち下がりの良さが非常に良くなっています。
    雰囲気としては、吸音材を変えたというより、内部配線をリニューアルしたような感覚でしょうか。
    とりわけヴァイオリンの音色が自然になっていて、今まででも十分だと思っていたのですけれど、まだまだ純度が足りてなかったことに改めて気付かされました。

    他にも実際には電源コンディショナーのトランス下辺りとか、CDプレーヤーやプリ-パワー間のラインケーブルの下、XLRプラグ間、スピーカー端子間、REM-8の下なども試してみましたが、上手くいかないケースでは穏やかにはなるものの、ちょっと音数が間引きされたような感覚があり、結局取り除いたというパターンでした。
    それ以外で効果が出たというと、RR-777(厳密にはウチのはRR-888)の上です。

    同社の掲示板では先輩諸氏がRR-777の下が良いという風に書かれていらしたのですが、うちではなぜか上のほうが良かったです。
    正直ほとんど気休めに試したのですけども、定位がとても明瞭でブレなくなったのはむしろルームアコースティック的な要素からでしょうか。

    またスピーカーに戻りますが、ツィーターも同様に対策したいなと思い、ツィーターエンクロージャー背面にも置いてみました。
    元々ここにはヒッコリーキューブを置いてあったのですが、一旦それと併用した後、最終的にシルクのみとなりました。
    ここはシルクのハンカチを置いたこともあって変化が大きいことは以前からわかっていたのですが、PSA-100のほうがより明瞭な音像になってくれるようです。
    ヒッコリーキューブのほうがちょっとプラスチッキーなツィーターエンクロージャーの鳴きを抑える意味では有効な部分もありますが、全体的なまとまりとしてはPSA-100の、より素直で粒立ちの良い高域を優先する形としました。

    そして最後はRWL-3を持ち上げているせいで下にできた隙間に適量を。
    PSA-100自体がRWL-3に非常に似た性質だと感じましたので、これで高域側を優先して持ち上げた影響で低音側の効果が薄らいでいたのを上手く補ってくれました。

    結果として、私が試した中で効果が高かった場所は順不同で以下のとおりでした。

    ・スピーカーエンクロージャーの中
    ・シューマン共鳴波発生装置の上
    ・電源タップの空きコンセントの上
    ・RWL-3の下
    ・壁コンセントの裏側の空間

    PSA-100自体はもうずいぶん前に販売終了しているので入手しづらいかと思いますが、真綿自体は自作スピーカー系のお店で吸音材として、あとは手芸関連でも入手可能かと思われます。
    シルクのハンカチやオーガンジーなどでも効果が高いですし、もし手持ちのものがあれば面白半分でも試してみる価値はあるかと思います。

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    Filed under: Audio
    2020/01/28 5:00 pm | ACOUSTIC REVIVE PSA-100 レビュー はコメントを受け付けていません

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