241月
先日、TEAC X-10Rを入手したばかりですが、それに続いてAKAIのオープンリールデッキ「GX-230D」を入手しました。

TEACが不調だというわけではなく、ミュージックテープ主体で聴くことが多いことを考えると7号専用機でも良いなと感じたのと、GXヘッドのほうが将来的にヘッド寿命が長いかなと思った次第です。
年代的には1975年とこちらのほうが古いですし、ヘッドも消去と録音がコンビネーションですがリバース再生には対応しているので3ヘッド(X-10Rは6ヘッド)です。

動作はテープ送りが安定していますが、スピードがX-10Rと比べて結構遅かったのでそこは内部で調整しました。
X-10Rと比べると低域の歪みが少ないのは元々の特性なのか、それとも整備の状態(一応、どちらも整備済み)でしょうか。
GXヘッドのおかげか高域が伸びているようにも感じますが、単純な周波数特性だとX-10Rのほうがワイドレンジかも。
ただ歪みは少ないようで、迫力というか押しの強さはX-10Rにも魅力があるものの、安定したサウンドを奏でてくれているのはAKAIのほうかな。
走行系もアカイのほうが断然安定していますが、本来ならX-10Rのほうがクローズドループドデュアルキャプスタンですし、ここも元々の性能というよりは経年変化による個体差かも。
ただリールを回すモーターはダイレクトドライブのようで、そこは安定性に貢献しているのかもしれません。
7号専用機といっても大きさはかなりのものなので、最終的な置き場所はまだ定まってないのですが、一応セレクタで双方ともプリアンプに接続可能にしておきました。
操作性では出力ボリュームがヘッドホンでは使えない(つまりヘッドホンのボリュームがない)とか、録音レベルが2舳ボリュームになっているけど、左右ではなくマイクとラインが同軸で左右分離になってるなど、ちょっと変わった操作感な部分があります。
あとはカバーが意外に便利で、テープ再生途中のままで置いておく時もカバーがあれば安心感があります。
そもそも10号リールのように本体からはみ出さないですし。(X-10Rは7号リールでもはみ出す)

ミュージックテープはその後、そこそこの数入手して現状、メディアとして聴く頻度もNAS経由に次ぐくらいに食い込んでいます。
改めて同じ内容でレコードと比べてみるとレコードの良さもありますが、「レコード芸術」に対してオープンリールは「生演奏っぽさ」が感じられるところが魅力でしょうか。
ただミュージックテープが新しく発売されるわけではない(ごく一部を除いて)ですし、ヒスノイズがデジタル音源に慣れた身にはかなり多い(自家録音だとそこまでではない)し、古いテープはプリエコーが出ているものも多いので、現代的なスマートな機種に慣れた方々にはオススメしづらいかな。
古いテープということもあって、バックコートの剥がれとかも多いですし、そういったテープ再生主体だとヘッドクリーニングと消磁が結構重要になりそうな感じもありました。
それでも個人的には郷愁のようなものも含めてオープンリールは楽しく、再生環境が整って良かったなと思う次第です。
211月
SFCのCD向け帯電イレーサー「SK-CD」を入手しました。

レコード用のはSK-EXIIも持っていますし、ブラシやSK-FILTERも持っていますから、なんだかんだでSFC製品を愛用していることになりますね。
SK-EXIIでもCDを除電することは可能ですし、CD自体がすっかり売れなくなった時代でニーズは多くなさそうですけど。

駐車禁止マークみたいな斜めの部分はZERO SHOTになっていて、SK-EXIIだと別に付属してるんですがここに指を触れながらディスクを取り出すことで除電が完成するというような仕掛けらしいです。

さて効果のほどですが、レコードのほうと効き具合はとても似ていると思います。
ギスギスした感じがなくなって、特に冬場は効果が高そうです。
ケースにもよりますけど、CDもプラケースから取り出す時に結構帯電するものもありますからね。
当然、人間自体が帯電しているのもあるでしょうし。
レコードみたいに直接盤面に触れながら読み取るわけではありませんが、聴いた感じとしては簡単にいうと「トランスポートを少し高級にした」ような感覚で、細部まで音がほぐれるような感じがします。
うちではRD-3やRIO-5IIも使っていますが、これらとはまた効き方が違うので併用がオススメでしょう。
ただそうでなくても最近はストリーミング再生やNASからが主流になりつつありますし、常時使うというよりはそういう「儀式」を執り行う余裕がある時に対処するのが吉かもしれません。
191月
SFP対応のハブが2台揃いましたし、光ファイバーケーブルでアイソレートを試してみることに。
まずはSFPモジュールが必要になるわけですが、評判が良いらしいPanasonicのは高いので入手しやすいアライドテレシスのものを。

ここだけ10GbE対応しても仕方ないかなと、ごく普通の1000BASE/SXの安めのものをチョイスしました。
他の候補としてはCISCOなども挙がったんですけどね。

PanasonicのほうはSFPが2ポートありますが、とりあえずはアライドテレシスのハブと双方にSFPモジュールをひとつずつ挿して、ハブ間をアイソレートする形です。
どっちをオーディオ用にするかはちょっと迷いましたが、つなぎ替えるのも面倒なので動作確認からの流れでPanasonicのほうで。
これまでは双方のハブにルータから通常のLANケーブルで引っ張ってきてましたが、ここをアライドテレシスのみにして光ファイバーケーブルでハブ間をつなぎます。
光ファイバーケーブルはお安いAmazonベーシックの10mを選びました。

10mも要らなそうな気がしますけど、光ファイバーケーブルでは反射の影響が大きいのは某通信会社の勉強会で学んでいましたし、将来的な配置替えでも便利かなと。

現状の見た目はまさにグチャグチャで、光アイソレートより物理的な整理のほうが重要な気がしないでもないですが、まぁ光アイソレートの効果を確認するということで。
さて音の変化ですけども、たしかに透明感は上がった気がします。
ただ良い方向への変化という意味ではPanasonicのハブ導入のほうが効果は大きかったかもしれません。
これまでのオーディオ系はルーターからハブ経由だったのが、いくら光アイソレートとはいえ、ハブを2つ経由することになった影響もあるかも。
SFPモジュールだって立派なノイズ源でしょうし…。
ただ管楽器の抜けが良くなったし、音色もより生っぽくなっていますし、ピアノの余韻が明瞭で美しいのはS/N向上のおかげなのかも。
全体に見通しの良い音で雑味が少ない印象ではあります。
やや硬質な感じになったかなぁという気もしますので、必須な対策かと言われるとやや微妙なところもあるかな。
LANアイソレーターがDELAやSoundgenicの側に装着されていますし、電源周りもネットワーク機器はDELAも含めてPC系としつつ、パソコン本体とはアイソレーショントランスで分けてあるなどの配慮が功を奏している可能性もありますが。
個人的にはハブそのもののほうが違いが大きいような印象は受けましたが、NASのアクセススピードが落ちるわけでもない(NASそのものの読み書きが遅いせいもありますが)ですし、気分的には安心感があるかなとは思います。
171月
本体底にIECインレットがあるMark Levinson No.360Lですが変換アダプタ経由でも電源ケーブル交換の効果が大きかったので、ちゃんとしたプラグに交換することにしました。
そうは言ってもL型のIECコネクタは候補がかなり少なく、せっかくならばといちばん定番感のあるFURUTECHのFI-12Lにしました。

同じ型でも無メッキ、金メッキ、ロジウムメッキとあるんですが、ちょうどセールもあったのでロジウムメッキのバージョンをチョイス。
ちなみにFI-12Lはブレードはりん青銅のようです。

以前使ったことのあるFI-11-N1(G)と大差ないと思っていたので、持ってみるとその重さにちょっとビックリ。
ケーブルクランプ部がなにやらステンレス製になってるそうです。

IECの向きも最大8パターンの角度から選べるようになっていますので、とりあえず本体横からケーブルが出る形で。
後ろからが普通なのでしょうけど、そうすると音声ケーブルと近い部分を経由することになりますからね。
なお、交換対象の電源ケーブルはACOUSTIC REVIVEのPOWER STANDARD TripleC-FMで、元々はFI-15E(Cu)が装備されていました。

DAC本体はRMF-1で持ち上げてありますが、それでも高さは結構ギリギリでした。
逆に下支えは不要そうなのでちょうど良かったとも言えますが。

音は変換アダプタの時以上に澄んでいて淀みがありません。
ハイスピードというよりはクリアで見通しの良いサウンドです。
しばらく鳴らすとさらにエネルギーロスの少ないパワフルなサウンドになり、もうちょっと出ても良いかなと思っていた低域の力感がずいぶんガッシリした気がします。
底面につなぐ形態は取り扱いにちょっと困りますけど、それだけこだわって電源ルートを最短にしているだけに電源ケーブルによる変化の恩恵も大きいように感じました。
151月
Wadiaの代名詞的な存在でもあるSTリンクですが、AT&Tの部材だったのもあってか、今はもう使われなくなりました。
Mark Levinsonのほうも時代的に装備しているので、なんとかケーブルが欲しいなと思い、探してみることに。

当時のものはプレミア価格になっていますので、通信用でまだ出回っているST端子の光ファイバーケーブルを調達してみました。
LANで使う双方向のものだったので2芯になっていますけど、STリンクケーブルで使う場合は片方向ですから1芯だけでOKです。
平行線のスピーカーケーブルのように2本ペアになっているので割く必要がありますが、中身のファイバーは石英なので折らないように注意が必要です。
なお、シングルモードのものも稀に売られています。

長めのほうが反射が少ないようですが、ひとまず短めのほうでWadia23のデジタル出力とMark Levinson No.360Lのデジタル入力をつないでみたところ、無事に音が出ました。
ちなみにケーブルの色がオレンジなのは規格でいうとOM1もしくはOM2、最新はOM5です。
Wadiaの付属品はたしかOM1だったはずですし、そもそも通るのは通信用とは違って44.1kHzですから性能的には十分で、むしろ波長やファイバーの太さを考えると同じくらいのもののほうが不具合が出にくいでしょう。
音質としては個人的にはAES/EBUのほうが良い気もしましたが、マークレビンソンの入力系統を有効に活かす意味では便利ですね。
幸い、ケーブルもまだなんとか入手できるので、STリンクな機材をお持ちの方は今のうちに調達しておくと良いかもしれません。
071月
Mark LevinsonのD/Aコンバーター「No.360L」は底面に電源ケーブルをつなぐ形になっていて、純正のL字タイプのIECコネクタでないと純正脚の高さでは使用不可能な形式になっています。

思いっきり嵩上げすれば普通の電源ケーブルも使えないわけではありませんが、多少の嵩上げでなんとかするのであればIECコネクタをL型のものにするのはほぼ必須でしょう。
とりあえず電源ケーブルでどのくらいの変化があるのか確かめる意味もあって、L字変換のIECアダプタを入手してみました。

同じL字といっても縦に曲げるか横に曲げるか、さらには左右どちらに曲げるのかで各種あるわけですけど、その中ではいちばん高さを消費しないタイプを選びました。
ただそれでもオリジナルのインシュレーターのままでは無理そうですし、変換アダプタそのものの高さも少なめなのでオーディオ用にありがちな円筒型のプラグだとちょっと厳しそうです。
そこで、ACOUSTIC REVIVEのPOWER-STANDARD TripleC-FMにしてみることに。

これならプラグも高さがそこそこ抑えられているので問題なく装着できました。(ただし嵩上げはやっぱり必要)
肝心の音は思った以上に変わりましたので、やはりここがボトルネックだったのでしょう。
まだまだ伸びしろがあるとも言えそうで、余韻の表現力や楽器の実在感が全く違ってきました。
定位とか周波数の問題ではなく、簡単に言えばフレッシュでリアルになった感じです。

これまではやや淡白な印象もありましたが、しっかり濃い音も出てきて、ここに来てマークレビンソンの魅力が溢れ出してきた感があります。
それこそようやくハイレゾになったような感覚です。

ただこのままだと電源ケーブルの取り回しによってはIECプラグが下方向に緩んでしまうことがあり、下支えが必要なようです。
音質的に強化が図れることもわかりましたし、このままだと接点も増えていますのでプラグ交換も考えたいと思っています。(これを書いた時点ではもう交換していますが、それはまた次回。)