• 075月

    前回、LINN AKURATE DSで無音FLAC再生時の音を録音して残留ノイズを調べたのですが、アース戻しをしないと可聴帯域外の高域に盛大に(といっても50dB増幅してようやく目に見えてくるレベルですが)ノイズが乗っている問題が気になり、さらに掘り下げて調べてみることにしました。
    その「アース戻し無し」の音声をAudacxityで周波数解析した結果がこちらです。

    この時はエアコンやパソコンでのダウンロードもわざと動かしていたので、今回はそれらのどちらかが関係しているのか、はたまた全く別のノイズ源なのかを調べる意味合いもありました。
    結論から書きますと、エアコンとパソコンは多少のノイズの増減はあるものの、主原因ではありませんでした。

    そして、その主原因はなんとAccuphaseのクリーン電源「PS-500」だということが判明しました。
    細かな説明は後回しにして、まずはいずれもアース戻し無しで、Accuphase PS-500からAKURATE DSの電源を取った場合、そして壁コンセント(それもパソコン系)の電源タップに直接挿した場合のノイズの解析結果を見ていただきましょう。

    エアコンのオン・オフ、そしてパソコンのスリープやUSB3.0ハブの取り外しなどもやりましたが、それらはほぼ関係なく、アース戻しをしない場合は一貫して上記のような結果となりました。
    よって「クリーン電源からアース戻しをせずにAKURATE DSの電源を取ると高周波ノイズが出る」というのは確信を持って言える結論に達しました。

    電源タップから電源を取っている際もREC OUTを使っているプリアンプの電源はPS-500から取っていますので、PS-500は電源はオンのままですのでPS-500自体がコンセント側にノイズを振りまいているというわけではないと思います。
    AKURATE DSもアース戻しをすれば高周波ノイズは大幅に減衰することから、何らかの影響を及ぼしている可能性もあります。
    ただ明らかな事実として「クリーン電源から電源を取るとノイズが出る」というのはPS-500側に課題があると言わざるを得ないでしょう。

    ここからは現時点では半分(?)推測となりますが、PS-500のAC出力を通じて「何らかのノイズ源」がばら撒いた高周波をAKURATE DS、XLRケーブル、C-280L、PCM-D100までのケーブルのいずれかが拾っているということになります。
    ただこの経路は電源タップから電源を取った場合でも全く同一なわけで、「違いは何処?」と考えれば自ずと答えは導き出されます。
    そう、それは「何らかのノイズ源」がPS-500そのものという可能性です。

    PS-500の出力波形全高周波ひずみ率は本体のメーターでも確認できる通り、0.3%以下となっています。
    それ自体は間違いないのだと思いますが、可聴帯域外の微小なノイズはPS-500を経由することで強くAKURATE DSに影響を及ぼしているようです。
    正直、これは私もかなり想定外のことでした。
    しかしこの事実を知った上でアース戻しは残しつつ、電源タップから直接給電したAKURATE DSの音を聴いてみますと、初期不良でやって来たMAJIK DSを初めて聴いた時に「NWPはLINNにしよう!」と決めた、あの時の記憶が蘇るサウンドなのです。
    当時は仮設置でしたから安易に電源タップから電源を取っていたわけですが、皮肉にもそのほうがPS-500から給電するよりも良かったということになります。

    ちなみに音の違いは周波数解析した結果よりも録音した残留ノイズを直接(といっても60dBほど大幅に増幅して)聴いてみると良く分かります。
    可聴帯域外なので(少なくとも私の耳では)聴こえないはずですが、クリーン電源のほうはジュルジュルとFM放送のマルチパスノイズのような質感が混じっていて、これはアース戻しをやめた場合も量こそ大幅に減るものの、質感自体は似通ったままです。
    一方、電源タップ直接のほうはシャーというFM放送の局間ノイズみたいな質感で、これはピンクノイズ的で長時間聴いていても許容できるノイズと感じます。
    この差がおそらく長時間聴いた時の飽き具合や、いわゆるPCオーディオ臭さみたいなものにも通じているように感じました。
    余談ですが、PCオーディオで使われがちなリニア電源や電源対策グッズの中にも同様な質感のノイズを逆に混入させる原因になっているケースがあるように感じていて、それに気づいていながら何故、自身の持っているクリーン電源のデメリットに気付けなかったのかというのは悔やまれてなりません。

    そんなわけで、今回の件でPS-500への信頼感は、私の中で大きく落ちてしまう形になりました。
    実は今回だけではなく、パワーアンプも試行錯誤した結果、壁コンセントから直接給電したほうが良いという結論に至っていますし、CDプレーヤーでクリーン電源のトランスが唸ってしまい、その音がリスニングポジションでも聞こえてしまうという問題なども重なっています。
    使い勝手の上でもAKURATE DSは背面に主電源があり、クロックの安定化のために電源は入れておいたほうが良い部分もあるわけで、利便性の観点でもデメリットはあったわけです。

    無論、今回の事象は我が家のアース環境やPS-500が初代モデルである点も関与しているとは思いますが、それらを総合すると電源周りの考え方を一変させる必要があると判断しました。
    ある意味、少し前から構想はありましたが「クリーン電源があるし…」という点や「どうせなら最良のものを…」というところから躊躇していたところがあります。
    そういう意味では今回の追試でその一歩を踏み出すことができそうなのは良かったと言えるのかもしれません。
    その「一歩」を踏み出すにあたっては、ここまで調べたのですからPS-500とガチンコ対決してもらって、その過程をまたブログでご報告させていただければと思っています。
    なにしろ人気の高い「クリーン電源」を批判するような内容なので反論もお有りかと思いますが、検証すべき部分があればそれは可能な限り追試したいとも思っていますので、それも含めて参考にしていただければ幸いです。

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    Filed under: Audio
    2018/05/07 12:00 pm | LINN AKURATE DSの電源改善追試 はコメントを受け付けていません。

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