• 079月

    スピーカーケーブルが思いのほか良かったこともあり、Cardasが気になっていたところに珍しい電源ケーブルの出物を見つけたのでゲットしてしまいました。
    Quadlink Power」です。

    例によってニセモノが多く出回っている同社ですが、国内正規品のギャランティカードも付いていて安心です。
    ただし、電源ケーブルは単体販売の為のPSE申請をしていないので、あくまで「補修用パーツ」としての扱いになります。
    Quadlinkは現在は型落ちとなっていて、現行だとParsecクラスの製品となるようです。

    海外公式サイトでは小さめのアンプや大容量のプリアンプなどでの使用が推奨されていますが、うちのプリアンプはケーブルが直生えですから、CDプレーヤーあるいはクリーン電源で使おうという目論見で入手してみました。
    パワーアンプもちょっと試そうかと思いましたが、長さが1.5mなこともあり、そのままの配置では届かず諦めました。

    もう一つ入手の決め手となったのは3455Rというコネクタを装着したタイプだった点です。
    同じQuadlinkでも製造時期でプラグは色々ですが、この3455Rが付いているということはわりと新しいということですし、ニセモノの可能性も当然低くなります。
    また、3455Rは銀メッキにロジウムという、同社の壁コンセントと同じ構成ですし、プラグの質もかなり良いものです。
    お値段はそれぞれ58ドル程度で売られていて比較的割安(オーディオ的な視点で)ですが、それでもIECとパワープラグ双方だと結構な金額になりますから、完成品としてはオトク感もありましたし。

    ケーブルはしなやかなもので、かなり取り扱いやすいです。
    太さの割には芯線はそう太くないからかもしれませんが、機器が動いてしまうようなことは皆無で安心できます。

    それにも増して、プラグの嵌合がとても良くて、それだけで惚れ惚れします。
    FURUTECHの壁コンセントにスルッと滑らかに刺さりますし、IECのほうを緩すぎずキツすぎずで良好です。
    とりわけ、IECプラグはなかなかピッタリ来るものが少ない印象ですから、このプラグだけでも入手する価値はあるかも。

    パワーアンプを壁コンセントから直接取った時の効果の高さを実感したばかりですし、まずはクリーン電源を壁コンセントから直接で試してみました。
    最初に感じたのはこれまでよりも空気が澄んだような上品さです。
    ケーブルは青いですが、色にすると緑といったところで、重々しさがなく爽やかで空気感の再現に秀でていることを強く感じさせられます。
    純正の電源ケーブルで感じる、ゴムっぽい感じ(中低域のダンピングが悪い印象)が消え、やや高域寄りのバランスながら音の芯がしっかりしました。
    残留ノイズや歪みも明瞭に判るようになり、これまでよりもかなり現代的な傾向になりました。
    その分だけ音源の粗もしっかり出してきますが、音楽としての楽しさは崩さないので、よりリッチな気分で聴けます。
    想像してたよりもずっと現代的で、ぶっちゃけ高級感のある音になっています。

    これはクリーン電源で決まりかなぁと思いつつも一旦元に戻し、CDプレーヤーに繋いでみます。
    ラックの背面スペースがあまりなくてIECプラグがやや挿しづらいですが、ひとまずプレーヤーを少し前に出して装着です。
    CDプレーヤーでも音の変化の傾向は似ていますが、CDプレーヤーもクリーン電源を通していますし、このケースでは壁コンからのほうが影響が大きいようです。
    一般的に言われるのは機器に近いほうが電源ケーブルの影響が大きいとされていますが、クリーン電源にはプリアンプも接続されていますし、アキュフェーズ純正ケーブルは「2P+アース」という構成なのも関係しているのだろうと推測されます。

    さらにここでCardas Quadlinkを一旦撤去し、元の純正ケーブルに全部戻してみます。
    これはこれで真面目なメーカーの築いた音だなと感じますが、やはり中低域のダブつきが気になります。
    帯域もそこまで欲張っておらず、良く言えば無理なく背伸びしないサウンドとも言えます。
    反面、機器の性能を80%くらいにセーブしたようにも感じてしまいます。

    カルダスをクリーン電源に戻すと、すぐに澄んだ空気感が戻ってきます。
    ちょっと大げさかもしれませんが、ペットボトルに入った「おいしい水」から、グラスに注がれたミネラルウォーターになったようです。
    上品かつ聴きやすく、それでいて機器の底力や良い点を上手く引き出してくれます。
    その後、レコードも試してみましたが、フォノイコライザーにも影響するからか、CD以上に差は広がり、低域が肥大化せず明瞭なサウンドを実現してくれました。
    とりわけドラムが生に近いキレで、全体にオーディオ的なケレン味が少なく、楽器本来の音再現性が高いところが気に入りました。
    楽器そのものの直接音だけでなく、ステージの響きや録音の意図もしっかり再現されていて、それでいてそれが過剰になり過ぎたり音像が膨らむことがないのは流石です。

    最近はすっかりCardasがお気に入りになっていますが、あまり偏って入れすぎても色合いが強くなるでしょうし、手持ちのケーブル類と色々組み合わせつつ、主たる箇所で愛用していく電源ケーブルになりそうです。

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    Filed under: Audio
    2017/09/07 12:00 pm | Cardas Quadlink Power はコメントを受け付けていません

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