• 246月

    VictorのMCカートリッジ「MC-1」を入手しました。

    ダイレクトカップル方式の初号機となるカートリッジで以前から気になっていましたが、動作確認ができているものが滅多に出てこないんですよね。
    発売当初の販促用レコードだったロッシーニの弦楽ソナタがお気に入りなこともあって、それを当時の純正組み合わせで聴いてみたいなという理由もありました。

    状態だけざっと確認したら早速そのレコードから聴いてみますと、まず第一印象はS/Nが良い感じがするところでした。
    シバタ針だからというのは多分関係ないと思うのですけど、サーフェスノイズが他のカートリッジだと気づかないくらいではあるものの、そこそこ出ていたんだなと気づくような感覚です。

    音傾向としては意外と柔らかい感じで、2面くらい聴いていくとさらに透明感が出てくるような感じです。
    コイル部分のギャップやダンパー等も当時そのままとはいかないはずですが、歪みはむしろ少ないくらいのようですし、とりあえず現状はそこまで気にしなくても良い感じなのかなと思われます。
    ベリリウムらしい華やかさみたいなものは多少はありますが、全般には高域のクセは少ないほうでしょう。
    音は意外と前に出てくる印象で、ここはSONYのヘッドアンプで駆動力に問題ないからかもしれません。

    SONYのカートリッジよりは間接音を豊かに表現する印象で、中低域に厚みがあるからか、コントラバスの胴の響きがとても豊かでかつ明瞭です。
    音数はかなり多めでデジタルに近づくようなところもありつつ、当時のVictorっぽさといいますか、若干の昭和風味で厚めなこってり感も併せ持っているように感じられます。
    またスピーカーの外側まで音の広がりがあるというのも印象的で、歪みが少なく情報量が多くワイドレンジですし、オーディオ的魅力という点では私にとってはもう満点といっても良いくらいのカートリッジではあります。

    ただここが不思議というか相性なのでしょうけれど、大変音質は良いのだけどなんとなく聴き流してしまう傾向があります。
    臨場感、スリリングさがやや希薄なためなのか、アナログレコードらしい色付けが少ないからなのかは分からないですけど。
    とはいえ、気に入らなければすぐ他のカートリッジに交換してしまうはずで、装着してからはリード線すら替えずにそのまま装着しているのですから、結局は満足しているのでしょう。
    次に他のカートリッジに交換した時に明確な認識ができるのかなと思いつつ、リード線や多少のセッティング(あまりこだわらないほうですけど)も見直したりしながら楽しく使いこなしていけたら良いなと思っています。

    Filed under: Audio
    2024/06/24 12:00 pm | Victor MC-1 はコメントを受け付けていません
  • 226月

    EFFECT AUDIOのイヤホンケーブル「Virtuoso」の2pin/4.4mmを導入してみました。

    MMCXのをMacbeth Tiに導入して取り回しも音もなかなか良好だったので、2pinの初代Maverickにも合うのではないかなと。
    ちなみにそれまではLuminox AudioのDay for Night(2.5mm)をつかっていました。

    Day For Nightは徐々に緑化が進んできつつあるのもあってか、それよりかなりダイレクトな感じに音が変化しました。
    ケーブルは細いけど低域はしっかり芯があってMaverickの低域はダイナミック型だったなと改めて思い出すほどです。
    それまでの滑らかな感じも悪くはなかったですけど、Maverickの多ドラっぽさがしっかり出るのはVirtuosoのほうでしょう。
    ダイレクトっぽさは強まりつつも、中域はやや柔らかめな傾向も残っていてイヤホンの特性に素直な印象を受けます。

    広がりも増していて、そちらは4.4mmでセパレーションが向上した効果かもしれません。
    取り回しはDay for Nightもわりと良いほうでしたが、さらに細いおかげで装着の安定感も向上しています。
    プラグ部分の加工はEFFECT AUDIO全般にそうですがちょっと心許ない部分もありますけど、接触不良が出ればConXなどに交換するのも良いでしょう。
    最初からConXな最近のケーブルも気になってはいますが、接点が増えるという要素もあるでしょうし今のところはこの時期あたりを狙って入手してみるのも面白いかなと思っています。

    Filed under: Audio
    2024/06/22 12:00 pm | EFFECT AUDIO Virtuoso 2pin 4.4mm はコメントを受け付けていません
  • 216月

    HIFIMANのイヤホン「RE800 silver」を入手しました。

    以前から気になっていましたがリケーブルできなかったり、見た目が安っぽいのもあったりで見送っていました。
    発売当時はそのわりに高価だったというのもありますが、今ならそこそこお手軽に入手可能です。

    こんなに小さくて大丈夫かなと思うくらいの「おまけイヤホン」みたいな外観ですが、堂々たる音でビックリします。
    実質カナルなのですが、そういう詰まった感じが少なく、小さいくせに余裕のあるサウンドで、ヘッドホンっぽいという噂はたしかにその通りかも。
    さすがに開放型とまではいかないですけどね。

    イヤーピースもたくさん付属していて2段キノコが標準だと思われます。
    奥に入るほうが高域が伸びる印象で、最終的にはSpiralDotをチョイスしました。
    最近流行りのシリコン系よりは若干ゴムっぽさの残るイヤーピースのほうがまとまり具合が良いみたいです。
    装着がしっかりしていないとラジオかと思うようなナローレンジになってしまうので、イヤーピースは選ぶほうだと思われます。

    面白いのは片耳しか装着してない状態でも音が痩せないところでしょうか。
    リケーブルできない、ごく普通の見た目のケーブルもセパレーションがなぜか良いですし、取り回しも良好です。
    中高域がちょっとシャリつく傾向はありますが、HIFIMANのヘッドホンに通じる空気感再現度の高さが魅力かなと。
    能率はあまり良くない(公式にはインピーダンス:60Ω,感度:105dB)ようで、見かけと違ってアンプ側の駆動力はそれなりに必要そうです。
    だからこそ最近のパワフルなDACやDAPで使ってみると本領発揮してくれる側面もあって、今更ながらなかなかの満足度のイヤホンです。

    Filed under: Audio
    2024/06/21 12:00 pm | HIFIMAN RE800 silver はコメントを受け付けていません
  • 206月

    qdcのイヤホン「SUPERIOR」を入手してみました。

    qdcはもう上位モデルを結構持っていたので今更感も自分の中ではあったのですが、現行モデルの傾向も知っておきたいかなと。
    以前にSUPERIOR用の4.4mmケーブルも入手してあったのでそれを活かすという本末顛倒な目的もありましたけど。

    箱に貼ってあるシールのとおり、色はVermilion Redに。
    上位もモデルほど凝ったフェイスプレートではないですけど角度によって光ったようにすら見える輝く赤が印象的です。
    ノズルも金属ですし、なかなか凝っていますね。

    ケーブルはわりと最初のうちに4.4mmに交換しました。
    3.5mmだと音の広がりがかなり少なくて狭めの音場になる傾向です。
    SUPERIOR Cable 4.4mmのほうも同じOFCの4芯線のPVC被膜なので、スマホなどのノイズを拾いやすい傾向はあまり変わらないようですけど、多少は音に広がりが出ます。

    第一印象としては低域がやや強めで中高域もややクセはありますが、透明感があって抜けが良い感じです。
    これだけ聴いていればもう十分なくらいの音質でDAPの違いもしっかり描き出してくれます。
    あえて欠点を挙げるとすれば低域が少し緩くて遅めな印象はあって、いわゆる日本的モニター系のバランスでチューニングされているような印象を受けます。
    誤解を招くかもしれませんが、個人的にはちょっとSONYっぽいチューニングだなと感じました。

    音の質感が若干軽く、沈み込むような深みという点で従来のqdcとは若干方向性が違うのかなと思います。
    そもそも従来のqdcはBA主体、SUPERIORはダイナミックなので違って当然ですけど、同じダイナミック型のDmagic Soloともまた違います。
    あちらはもっとはっちゃけてクラブ系みたいなところがありますからね。

    ただとにかく嫌な音は出ない傾向で、少し乾いた中域とともに優等生なサウンドです。
    ちょっとBGM的に感じてしまう部分もありますが、もうちょっとエージングが必要なのかもしれません。
    初期時点だと良く言えばイヤモニ的、ただちょっと味気ない、そっけない感じで下が伸びきっていない印象を受けます。
    IEMらしく音は近いんですが、音楽そのものにちょっと距離感があって客観視(聴)してるような不思議な感じです。
    前のめりな感じが伝わってこないところがあって、その点でもNEPTUNEとはかなり対極にあるので同じqdcだからという括りで捉えないほうが良いかもしれません。

    3SH SEとも比較してみましたが、SUPERIORのほうが音の抜けは良くてこもった感じは圧倒的に少ないです。
    ただ3SH SEのほうはさきほどから挙げている「説得力」といいますか音楽が染み込んでくる感覚があるのは不思議なところです。
    特性としてはどうか分かりませんが、サブベース付近の押しがしっかりしているからかもしれないなと勝手に推測しています。

    ここでケーブルをACOUSTUNE ARC22に交換してみると、かなり表情が変わりました。
    ARC22は2.5mmなのですが、どうやらケーブル自体が性能的にもかなり上なのかも。
    セパレーションも良いですし、スマホからのUSBケーブルが近くてもノイズが出づらいです。
    音の面でも低域の音階が潰れないようになりましたし、ボーカルの抜けも良く質感も潤いが出て適度に穏やかさもあって相性も良いのでしょう。
    埋め込み2pin用でケーブルが硬いのでちょっと装着が心許ないところはありますが。

    この状態で自分なりにそこそこエージングとケーブル交換で良くなったと思い、NEPTUNEと比べてみるとやっぱりNEPTUNEのほうがパッと視界が開けたような感覚があって、快活で爽快です。
    ジャズもちゃんとswingしている感覚があって、やはり同じメーカーという感じがしないくらい傾向が違うように思えます。
    SUPERIORはとても優等生ながら、どうもどこか内気な感じがするんですよね。

    さらにケーブルをLuminox Audio Day for Nightにしてみると、こっちはより下がズッシリガッツリになって重量感のあるサウンドになりました。
    ここまでケーブルにコストを掛けるのもちょっと違う気がしますが、純正ケーブルよりは良い選択肢がある可能性は高そうです。

    比較的シビアな評価になっていますけど、完全に価格を無視した場合の話であってこのクラスのイヤホンとしては驚くほど優秀な仕上がりだと思います。
    そのあとに出たSUPERIOR EXに手を出す方が増えているのも頷ける完成度です。
    そっちはそっちで価格的に他の選択肢が増えるという課題はあるかと思いますけどね。

    Filed under: Audio
    2024/06/20 12:00 pm | qdc SUPERIOR はコメントを受け付けていません
  • 196月

    FiiOのスティック型DAC「KA3」を入手しました。

    すでにスティック型DACはShanling UA2、Lotoo PAW S1、AK HC2と所有しているので4本目ということになります。
    KA3はES9038Q2Mですし、ディスプレイや本体でのボリュームコントロールもないのでShanling UA2に近い感じですね。
    DSD512まで対応なのも同じ(DACチップが同じだから基本はそうなる)ですが、イヤホン端子が4.4mmと3.5mmという構成(Shanling UA2は2.5mmと3.5mm)です。

    まずはファームウェアを確認するとWindowsで更新ができるようだったので、Windowsに接続して最新の2.00.00に更新しておきました。
    ただ初期状態だとゲインがハイになっていてWindowsやiPhoneだとボリューム2段階上げたくらいですでに爆音という感じでしたので、AndroidにFiiO Controlというアプリを入れましてそれで設定変更しました。
    なお、このアプリではデジタルフィルタも選べます。
    iPhoneにも同名のアプリがありますが、それではKA3は認識されませんでしたので、ファームウェアと合わせるとWindowsとAndroidが必須という感じになってしまうのはやや残念です。(Appleが許可していない部分があるのかもですが。)

    音傾向としてはちょっと低域が厚めのこってり系といった印象です。
    上記の設定変更を除けば動作は安定していてLightningケーブルさえあればiPhoneでも問題なく動作します。(最近のiPhoneはUSB-Cですけど。)
    パワーはCS43198デュアルなAK HC2ほどではないですけど、AKM4377搭載で120mW/32ΩなLotoo PAW S1や195mW/32ΩのShanling UA2よりはパワフルな気がします。
    LotooやShanlingあたりはちょっと柔らかくてぼちぼち旧世代っぽさが出てきたかなぁという気もします。

    欲を言えばやっぱり本体でボリュームコントロールとゲイン変更くらいはできるとありがたいですね。
    ディスプレイまでなくても良いので、せめてボリュームだけでも付いたらなぁとは思った次第です。
    それならそういうDACを選べば良いわけですけど、スティックタイプは気軽さも特色なので気楽に聴ける要素も重要なのでそれらを総合すれば良い選択肢ではあるかなと思っています。

    Filed under: Audio
    2024/06/19 12:00 pm | FiiO KA3 はコメントを受け付けていません
  • 186月

    MOONDROPのイヤホン「CHACONNNE」を追加してみました。

    イントラコンカ型と呼ぶようですが、昔のウォークマンに付属していたようなオープンイヤー型と呼んだほうが私のような年代にはわかりやすいです。
    個人的にはブログ初期の頃にお借りしたことがあるNW-STUDIOを思い出しますし、カナルにはない解放感があるのが魅力ですよね。
    ただ装着感はかなり心配な部分で上手く装着しないと低音が抜けちゃうかなぁと。

    ひとまずシリコンリングを付けた状態と外して素の状態(メーカーはイヤーパッド必須としてますが)で聴きましたが、シリコンリングがないとすぐに落ちてしまうし、低域も抜けてしまいます。
    シリコンリングありでも低域はやはりちょっと物足りないところはあるのはカナル型に慣れてしまったからでしょう。
    ただ最初に動作確認でHIFIMAN EF400で鳴らした時はそこまででもなかったので、アンプにもよるかもしれません。
    CHORD Hugoでも鳴らしてみましたが、低域はあまり変わらず、中域の艶めかしさはグッと高まったので単に駆動力というわけでもないようですが。

    左右の空間表現は良いですし、空間が広くて包容力みたいなものがあるのは素晴らしいです。
    雰囲気はfinalのPiano Forteシリーズにも通じるものを感じます。

    また噂通り、ピアノとボーカルが特筆もので、しっかりしていて生々しいです。
    長く聴いても疲れないですし、小さめの音でも意外と音痩せしなくて良いです。

    しばらくシャコンヌを聴いた後にカナル型代表としてqdc 3SH SEを聴いてみました。
    帯域はやはりフラットで低域が出るんですが、こもって空気が詰まったような感覚があります。
    スピーカーでいうとバスレフと後面開放型を比べているような気分といったところでしょうか。
    qdcはそんなにハウジングを鳴かせる作りではないのにそれでも箱鳴り感を感じるくらいですから、ハウジングがシャコンヌは頑丈なのだと思います。

    装着感はシリコンリングだけではまだ不満だったので、ネットで見かけたイヤーフックを探して装着してみたところ、劇的に改善されました。
    低音はやや強くなる程度で音傾向自体はさほど大きくは変わらないですけど、むしろそのほうが好都合でしょう。
    イヤーフックがあれば極論、シリコンリングなしでも落ちないはずです。
    イヤーフックを外耳部分の内側(対輪とか舟状窩とか呼ぶらしい?)に添える感じなので、たぶんSサイズくらいで十分だと思われます。
    またシャコンヌはリケーブルできないので、イヤーフックのゴムを伸ばしてイヤホン本体を通す感じで取り付けました。

    コレをメインにするというのはかなり偏った感じになりそうですが、もう十分過ぎるほどイヤホンを所有されている方なら違う路線で聴いてみる価値は十分にある完成度のイヤホンかなと感じました。

    【6/18限定★抽選で最大100%ポイントバック!(要エントリー)】【お取り寄せ】水月雨(MOONDROP) CHACONNE(シャコンヌ) 2.5mm Balanced Version インナーイヤー型 イヤホン オープンエアー型 ムーンドロップ【送料無料】
    Filed under: Audio
    2024/06/18 12:00 pm | MOONDROP CHACONNE はコメントを受け付けていません