VictorのMCカートリッジ「MC-1」を入手しました。
ダイレクトカップル方式の初号機となるカートリッジで以前から気になっていましたが、動作確認ができているものが滅多に出てこないんですよね。
発売当初の販促用レコードだったロッシーニの弦楽ソナタがお気に入りなこともあって、それを当時の純正組み合わせで聴いてみたいなという理由もありました。
状態だけざっと確認したら早速そのレコードから聴いてみますと、まず第一印象はS/Nが良い感じがするところでした。
シバタ針だからというのは多分関係ないと思うのですけど、サーフェスノイズが他のカートリッジだと気づかないくらいではあるものの、そこそこ出ていたんだなと気づくような感覚です。
音傾向としては意外と柔らかい感じで、2面くらい聴いていくとさらに透明感が出てくるような感じです。
コイル部分のギャップやダンパー等も当時そのままとはいかないはずですが、歪みはむしろ少ないくらいのようですし、とりあえず現状はそこまで気にしなくても良い感じなのかなと思われます。
ベリリウムらしい華やかさみたいなものは多少はありますが、全般には高域のクセは少ないほうでしょう。
音は意外と前に出てくる印象で、ここはSONYのヘッドアンプで駆動力に問題ないからかもしれません。
SONYのカートリッジよりは間接音を豊かに表現する印象で、中低域に厚みがあるからか、コントラバスの胴の響きがとても豊かでかつ明瞭です。
音数はかなり多めでデジタルに近づくようなところもありつつ、当時のVictorっぽさといいますか、若干の昭和風味で厚めなこってり感も併せ持っているように感じられます。
またスピーカーの外側まで音の広がりがあるというのも印象的で、歪みが少なく情報量が多くワイドレンジですし、オーディオ的魅力という点では私にとってはもう満点といっても良いくらいのカートリッジではあります。
ただここが不思議というか相性なのでしょうけれど、大変音質は良いのだけどなんとなく聴き流してしまう傾向があります。
臨場感、スリリングさがやや希薄なためなのか、アナログレコードらしい色付けが少ないからなのかは分からないですけど。
とはいえ、気に入らなければすぐ他のカートリッジに交換してしまうはずで、装着してからはリード線すら替えずにそのまま装着しているのですから、結局は満足しているのでしょう。
次に他のカートリッジに交換した時に明確な認識ができるのかなと思いつつ、リード線や多少のセッティング(あまりこだわらないほうですけど)も見直したりしながら楽しく使いこなしていけたら良いなと思っています。
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