• 245月

    iFi Audioのアクティブ・ノイズ・キャンセレーション機器「iPurifier AC」をお試し気分で導入してみました。

    先日、クリーン電源を撤廃してRTP-4 absoluteに変更したばかりで、アクティブ型の功罪に触れたばかりだというのに…という気もしますが、やはり2階の電源環境の悪さを少しでも改善できればという欲が出たというのは否定できません。
    逆に、あれだけ人気のiPurifier ACがホントに効くのか試してみようじゃないか、というのもありました。

    まずは2階の電源環境について触れておく必要があるでしょう。
    壁コンセントや電源タップ、仮想アースなど部材的な対策はもう出音に対して素晴らしい効果で、しつこいくらいやっているAKURATE DSでの残留ノイズも大きく改善しました。
    ただ、アースが部屋に来ていないという部分に関してはやはり数値的に如何ともしがたいところでして、アース結線がされていないのは当然としてコールド側の電位もかなり高めとなっています。
    当初は20V近くありましたが、現状は12.2Vほどです。
    (5/28 8:00追記)

    ここで記載する「コールド側の電位」はデジタルテスターで指との間で計測したものです。
    当然ながらそれ相応の誤差は含まれていると思います。

    同じ2階でも階段のところでは8V程度ですし、リビングでは3Vほどと、よりによって家の中でいちばん悪いところじゃないか!という状態なわけです。
    iPurifier ACにはアクティブ・ノイズ・キャンセレーションだけでなく、グラウンド/アース接続や極性の診断ランプもあるのですが、当然ながら見事に赤・赤となります。

    ちなみに極性だけ緑になるということはなくて、アースが非接続だと極性判定はされず常に緑になります。
    そこはLUXMANのリニアフェーズセンサーみたいに指で触れることで判定できるような機能があっても良かったのかなぁとは感じました。
    このランプが赤だからといって全く機能しないということではなく、ディファレンシャル・ノイズ(ホット・コールド間)はちゃんと減衰させることができます。
    逆に言えばアースを繋がないと、コモン・モード・ノイズ(ホット・コールドとアース間)を減衰させる部分は機能しません。
    ただ、ここがひとつ課題となるポイントだと感じていて、良質なアースを持ってこないといくら減衰させるとはいえ、ディファレンシャルノイズもかえって増えてしまう事態になりかねません。
    実際、私もトイレにあったアース端子から部屋へとアースを引き込んでみましたが、音質も残留ノイズも悪化する経験をしていますし、複数のコンセントに供給するとアースループまでできてしまって、さらに酷い状態になってしまいました。

    アースループの計測結果は省きますが、家庭内アースを接続した場合と接続しない状態の残留ノイズを参考のために貼っておきましょう。
    なお、この段階ではiPurifier ACはまだ使用していません。
    (5/28 8:00追記)

    またこの波形は無音のFLACを再生している状態でPCM-D100(RECレベルはフル)で録音し、それをAudacityで50dB増幅して周波数解析しています。
    CDPの場合は同軸入力にした状態、レコードプレーヤーはターンテーブルとサクションポンプを動作させた状態で同様に録音しています。
    PCM-D100はS/N100dBモードで録音し、電源にはトランス式のACアダプタを使用していますが、こちら由来のハムノイズも若干混入しています。
    ただ、分量としては比較に大きく影響するほどではないと思います。

    まずはそのアース問題は先送りしておいて、iPurifier ACをタップに挿すだけで音と残留ノイズの変化をチェックしてみました。
    最初はLAN用タップに挿してみましたが、正直、大きな変化は計測でも聴感でも感じられません。
    次にアナログ系(プリアンプとパワーアンプ)のタップに挿してみますと、電源由来ノイズはやや低減しますが、高周波は若干ながら悪化が見られます。
    音質的にも音が締まった点は良いのですが、クリーン電源の時のような束縛感がある出音になっています。
    アナログ音源(レコードプレーヤー)では聴感上でも大きくノイズが減って効果が目立ち、逆にデジタル機器では上記のような出音の窮屈さが出ています。

    次にパソコン系も含めた雑用系の壁コンセントに直接3芯で挿された電源タップにつなぎますと、こちらは数値上はやや低減する程度ですが悪化の傾向はありません。
    出音も同様で、アナログ音源でのノイズ低減もしっかり確保されつつ、デジタル系での束縛感もあまりありません。
    またパソコンやエアコンの使用有無、時間帯による電源品質の変化を吸収してくれる印象で、部屋全体に電源クリーニングの効果が出ているように感じられます。

    専用のアース線が発売されていますが、先日の実験で市販のアース線を購入していましたからこれにAtlasのバナナプラグを装着しましてiPurifier ACに接続したところ、見事に表示は緑・緑となりました。
    あとはコレでノイズが減り、しかも出音が良ければバッチリなわけです。
    念のためにこの状態でオーディオ用電源タップの側にも挿してみましたが、家庭内アースを直接つないだ時と同様に悪化してしまい、ダメでした。
    家庭内アースにはエアコンや冷蔵庫、洗濯機などがつながっていますから、ある意味当然とも言えますが、単純に緑になれば良くなると考えるのは個人的に検証した感じとしては正しくないと認識しています。

    そこで雑用系壁コンセントに3芯でつながっている電源タップにiPurifier ACを挿し、もう一方のPCに向かうほうは2芯としました。
    オーディオのほうもアースは非結線ですから、iPurifier ACでつないだアースは雑用系電源タップ(クリーニングマシンとコードレス電話機がつながっているのみ)だけで、他には影響ないはず、なわけです。
    しかし実際にはそんな単純ではなく、ここにアースを持ってくるだけで各所のコールド側電位も下がってきます。

    iPurifier ACを挿したタップはアース接続でコールド電位が11.6Vくらいまで下がりましたが、全く同じようにオーディオ用タップも12.2Vから11.7くらいまで下がります。

    さらに言えばリビングでも変化があり、こちらはiPurifier ACを挿さない状態では3.0V程度だったコールド電位が、挿すと3.3Vくらいまで逆に上昇します。
    どちらかと言えばiPurifier ACが検知したノイズ成分がアース側に捨てられるような傾向があるのかもしれません。
    なお、リビングに設置したオーディオも音は僅かに変化していて、数値的には僅差で悪化しているものの、エアコン使用などによる変化は軽減されているように感じられます。

    さて、肝心の2階の出音ですが、中高域の鮮度が上がって輪郭がシャープになっています。
    良い意味で歪み感は低減されていて楽器のクリアネスも向上していて、ある種、クリーン電源に近い音色になる傾向はやはり感じられます。
    ただ、家庭内アース接続もノイズの捨て先として上手く配慮すると改善効果が高く、音質面でも静寂感や背景の黒さを実現することができているようです。

    とりわけフォノでは明らかにハム音やノイズが減っていて、もちろんそれは計測でもハッキリ現れています。
    BL-99Vはベルトドライブですが同一筐体にモーターがありますし、さらにサクションポンプがあるため、ノイズ源になっていますので、これを打ち消してくれる効果はiPurifier ACが大きく貢献してくれているようです。

    AKURATE DSでも上記の配置ではノイズ低減のほうが目立っていて、アースの取り扱いがうまくいっているようです。
    AKURATE DSはとりわけ電源ノイズに敏感で、日によって変化も大きいので同一日時に比較した結果を貼っておきましょう。
    上からiPurifier AC無し、iPurifier AC有り(アース非結線)、iPurifier AC有り(家庭内アース結線)です。

    あえて主観的な評価はなるべく廃して、残留ノイズの分析を主体にしましたが、これを見てもノイズイーターとしての効果は確実に感じられます。
    そういう意味でも、餌となるノイズが多い場所に装着したほうが効果が出やすいかもしれませんし、取り除いたノイズ成分の出口はやはり多少何処か必要で、それがアースに向かう傾向はあるように思います。
    熱も結構出ますし、それで消費する仕掛けもあるのでしょうから、その辺りは電源環境の質や傾向にもよるはずですので、あくまでもうちのわりと状態が良くない電源環境での結果として捉えていただければ幸いです。
    その上でもしっかり音質面での効果はあるわけですし、無理にランプを緑にしようとせず、ノイズや聴感上で判断するのが良いとは感じました。

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    Filed under: Audio
    2018/05/24 12:00 pm | No Comments

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