• 154月

    HIFIMANの平面磁界ヘッドホン「HE400S」が価格改定されてお手頃になっていたのでゲットしてみました。

    平面振動板を採用したヘッドホンは以前から気になっていて、特にFOSTEX TH900が気になっていたのですが機会を逃したままになっていたんですよね。
    初心貫徹…と行きたかったのですが、T50RPと変わらないくらいの価格で新品が買えるというのはやはり魅力的でした。
    HIFIMAN自体も以前から気になる存在ではありましたし、リケーブル可能というのもポイントでした。

    同社の中ではライトユーザー向けではありますが、それでも重量はライトとも言えず、350gほどあります。
    インピーダンス22Ω、感度が98dB/mWなのでポータブル機器でも一応駆動可能ですけども、やはりアンプを奢ったほうが実力は存分に発揮されるようです。

    まずは動作確認にFOSTEX HP-A8で聴いてみましたが、最初から歪みの少ない純度の高いサウンドを聴かせてくれて、期待以上のものです。
    ポータブルではAK300+AK380AMPを主体にしていますけども、これでも十分良い音ではあるものの、できればやはりHiFi-M8を使ったほうが駆動力は高いのだなと感じさせます。

    ただどのような環境でもやはり平面振動板はクセが少なく、低域から高域まで位相が揃ってるような印象を受けました。
    もちろん平面振動板だから、と一義的に決まるわけではなくて、このヘッドホンの完成度がしっかり高いからこそなのでしょう。
    フルレンジでありつつ、帯域によらず歪みが少なく、楽器の音色もとても自然です。
    特にピアノについては打鍵がリニアで淀みがないのは過渡特性が良いからなのでしょうか。

    クセが少ないので楽曲を選ばないですが、中音域がとても魅力的でボーカルがとても生々しいです。
    ジャンルでいえば凝ったミキシングが施されているものよりも、シンプルなマイク構成のもののほうがより自然さが活きてくるところはありますが、特に苦手はないように思います。
    逆に得意と言えそうなのはやはりクラシックで、小編成からオーケストラまでしっかり場の雰囲気まで再現してくれるのと、開放型という括り以上に開放的な音場なのでヘッドホンということをあまり意識せずに音楽に没頭できます。(物理的な重さなどは別として)

    装着感はゴツい見た目にしては思った以上に良いですし、廉価版とも言われるイヤーパッドも付け心地は決して悪くありません。
    音色としてもどこかを強調したようなところはあまりない(あえて言えば中域重視かな?)ので、長く聴いていたくなるものです。
    中低域はやや柔らかい辺り、HD598に似ているような部分も少し感じましたが、実際に手持ちのプリンと聴き比べるとやっぱり音の質自体はHE400Sのほうが圧倒的に高いようです。

    パッドに加えてケーブルもあまりコストが掛かっていないので、これをリケーブルしたらさらに良くなるような気もしますが、なにせ本体価格が安いですからねぇ。
    ちなみに昔はヘッドホン側が2.5mmだったりした時期もあるようですが、今のものは左右とも3.5mm 3極となっています。
    また比較試聴のような用途に使ってみると「全部音が良い!」みたいな印象になりがちなので、細かい音質差は意外と分かりづらいのかもしれません。
    そういう意味ではモニタ志向ではないのでしょうが、良い音で楽しく音楽が聴けるヘッドホンとしてはかなりお気に入りの一本になりそうです。

    エージングを進めつつ、また後日、他のモデル(?)との比較もやってみたいと思っています。

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    Filed under: Audio
    2020/04/15 3:30 pm | HIFIMAN HE400S レビュー 導入編 はコメントを受け付けていません

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