• 0912月

    AccuphaseのMCカートリッジ「AC-1」をゲットしてみました。

    すでにAC-2も持っていますし、それよりさらに古く1979年発売のカートリッジというのはどうかな?と思いましたが出物が多いものではありませんから機会を逃すと入手できませんからね。
    また、同社のカートリッジは新発売のAC-6とAC-5を除けばすでに針交換ができないわけで、AC-2を温存するためにももう一つあっても良いのかなぁと。
    #コレクションする人の典型的言い分ですよね、コレ。

    外観はAC-2同様、なかなか年季が入っていますが、オーディオクラフトのヘッドシェル「AS-1」も付いていましたし、針先も状態が良さそうでしたから、ポチッと。
    AC-1はAC-2同様、本体重量が9.5gと重めですので、10gしかないAS-1は願ってもない組み合わせです。
    なお、AS-1は2ピンタイプのもありますが、付属のは1ピンのものでした。

    カンチレバーはAC-2のパイプ状のサファイアに対し、AC-1はアルミニウム・マグネシウム合金です。
    アルミというところでボロンのAC-3のほうに目が向いていましたが、全長の60%ほどまで芯にベリリウムが入っていることで、軽量にしつつ強度も確保してある辺りは初めて出すカートリッジへのこだわりが感じられます。
    針も状態は良さそうで、ダンパーももちろん元気なものでしたし、出音はとても40年近く前のものとは思えないほどです。
    正直、手持ちのカートリッジの中でもベストと言える部分もあるくらいの内容です。

    これでZYX Ultimate 100、Lyra Helikonと合わせて、AC-1とAC-2が4本柱となる形です。
    後述しますけど、手持ちの盤と相性が良いという点やセッティングもシビアでなく手軽に鳴らしやすいという観点から、常用カートリッジは一気にAC-1がその座を奪い取ることになりそうです。

    まずはセッティングも適当に動作確認のつもりで鳴らしてみましたが、そのままでも軽くこれまでのカートリッジを凌駕するような、安定感、安心感があって任せられるサウンドが飛び出してきました。
    ジャンルも各種再生してみましたけど、フュージョンからクラシックにポップスとどれも自然でクセがないのに、これまで気づかなかったような「こんな音や空気感が入ってたんだ!」と驚くことが何度もありました。
    低域はそれほど分厚い傾向ではないので、ちょうどZYX Ultimate 100とは補完し合う感じで使えそうです。

    もうそのままでも良いかな?と思いましたが、さすがにリード線は年代を感じさせるものでしたから、マイソニックラボのものに交換しました。
    これもすでにうちでは実績があるものなので安心して使えます。
    やや図太く芯がしっかりしましたし、より現代的になりつつ高域も伸びて解像度も高まりました。
    カートリッジやヘッドシェルも合わせてゴリゴリ押し付けがましいところが皆無ですので、気づくとついつい音量が大きくなりがちなのが要注意です。

    ジャンルに合わせてその音楽の楽しさをうまく引き出してくれますし、細かなニュアンスもさり気なく、しかも細やかに再現してくれています。
    繰り返す形になりますが、とにかく何を鳴らしても安定していて、これは発売時期からしても手持ちの盤と時代が合ってるというのも関係しているのでしょう。
    さらに言えば、うちのプリアンプ(C-280L)もほぼ似た年代でフォノ部が充実していた時代だからこそというのもあるでしょう。
    もちろん、手に入れたAC-1が年代のわりに針やダンパーの状態が良いことも関係していると思いますので、これをご覧になってAC-1を入手されても同様の結果になるとは限らないかも…。(競合相手は少ないほうが良い…。)

    ただし、古い盤と相性は良いと言っても録音は如実に反映するのは当然の形です。
    手持ちだと意外にもLyra Helikonにいちばん近い音傾向ですが、高域の歪みはそれよりずっと少ないですし、トレーサビリティも高いです。
    AC-2もわりと似ていますが、カンチレバーの固さからか、ダンパーや針先の状態ゆえか、セッティングにはもっとずっとシビアでしたから、扱いやすさの点ではAC-1のほうが数段上です。

    また、念のため、LUXMAN XA-1で2回ほど消磁してみましたが、これも多少は効果があって、さらに音の芯がしっかりした気がしますし、透明感も向上しました。
    基本的には元の状態が良かったので、それほど大きな変化ではありませんでしたけどね。
    とりわけ弦楽器の再現の良さは感動もので、チェロの音像がこれだけ膨らまずに実像で再現されるのは初めての感覚でした。

    MC20も含め、AC-1、AC-2、そしてZYX Ultimate 100と中塚氏の作品が集まってきたわけですが、それぞれに目指すところや思想に違いがあるのも面白いものです。
    AC-1はMC20の良さを引き継ぎつつ、性能向上と安定性を確保した印象ですし、あまり使い惜しみせず常用してみたいなと思っているところです。

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    Filed under: Audio
    2017/12/09 12:00 pm | Accuphase AC-1 はコメントを受け付けていません

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