• 0312月

    finalのワイヤレスイヤホン「ZE8000」を入手しました。

    ZE8000 MK2が出たばかりなのに今更なんですけど、大雑把にいうとイヤーピースが異なる程度だから旧モデルでも良いかなと。
    ゼンハイザーも入手したところなのでちょっとTWS過多な感は否めませんが。

    割り箸のような独特な形状は装着感を多少心配していましたが、私には合っているようでとてもつけ心地は良いです。
    カナルの圧迫感がない感じですし、適度に本体が軽いのも良いのでしょう。
    動画視聴時に使うことが多いのですが、イヤホンをしているのを忘れるようなところがあります。
    それは装着感のみならず、音が頭の中にとどまらない絶妙というか、ちょっと独特な音の展開の仕方も関係しているのでしょう。
    ある意味、散漫ともいえるが、前の音が残らないような感覚があります。

    そうは言ってもやはりちょっと独特な音であることは間違いなく、純粋に「高級TWS」として捉えると気になるところも多いかもしれません。
    ここからは推測ですが、中高域の左右位相を少し弄ってあるのかな?という気がしました。
    とりわけ8K SOUNDをオンにした場合にその傾向は強くなり、空気録音を聴くとかなり特異な空間再現がされてしまいます。
    通常の音源でも空間オーディオや前方定位とまではいかないですが、多少そういった空間再現のような処理がされていると予想され、それがまさに空気録音と同じような作用をしてダブルでエフェクトが掛かったみたいなことになるのかも。

    中低域の音階は明瞭ですし、ドラマや映画で雑踏や風の音などの背景音が際立って聞き取りやすいのは特筆ポイントです。
    正直、音楽より動画のほうが良さを感じていて、場の臨場感がしっかり感じ取れて内容に入り込めるような気がします。

    そう言いつつ、ジャンルを問わず聴けるように多少イコライザは弄ってあります。
    ちょっとパライコっぽいことができるので、調整はこだわれば結構いろいろできる感じではあります。

    バッテリーの保ちはかなり短く(カタログスペックで本体5時間、ケース込みで15時間)、8K SOUNDオンだとさらに…ということですが、本体はそこまで困るほどではない印象です。
    ただケースのほうは大きいわりに空間が多い気がして、もうちょっと大容量のバッテリーでも良いのかなという気もします。
    そのわりにイヤーピースの長さに余裕はなく、純正以外は厳しい(元々特殊形状なので純正を使う前提ではありますが)感じですし、電気接点がちゃんと接触しないことも稀にあるのが難点かな。

    ノイズキャンセリングもほどほどの効きで良くも悪くもないですけど、できればMK2のようにオフにできたら嬉しいかな。
    イヤーピースの都合で遮音性能がイマイチなのもあるらしいですが、それならMK2のイヤーピースを単売してくれると良いでしょうし。
    そもそもMK2が出たあともちゃんとファームウェア更新が出続けるのか?という不安点もありますので、音傾向がだいぶ違うようではあるものの、普通は素直にMK2を買ったほうが良いのかもしれません。

    final (ファイナル) ZE8000 MK2 2023年 フラッグシップ級ワイヤレスイヤホン・進化した高繊細 8K SOUND・Bluetooth 5.2・IPX4防水・接続が安定なaptX Adaptive対応・Snapdragon Sound対応・音楽・リモートワーク・スポーツ (Black)
    ファイナル(final)
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    2023/12/03 1:30 pm | final ZE8000 はコメントを受け付けていません
  • 2611月

    ゼンハイザーのワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 3」を追加しました。

    初代のMOMENTUM True Wirelessから買い替え(前のも持ってるけど)という感じです。
    保証期間の切れた製品の修理を受け付けなくなる、なんて噂も流れていますが、TWSはほぼ消耗品みたいなものではありますね。
    ワイヤードなイヤホンやヘッドホンは偽物も横行していてそれも理由のひとつになっているのでしょう。
    ブランドとしてはあまり良い印象ではないですけど。

    多少ケースが小さくなっていますが、基本的なスタイルはそう大きくは変わっていません。
    音色も近い感じですけど、イヤーフィンで装着感が調整できるなど細かく進化しています。

    2から付いたノイズキャンセリングはAirPod Proほどではないものの、3ではだいぶ強力になっています。
    ただオフにしたほうが空間表現や中高域の抜けは良くなるので、必須と言えるかどうかは使用環境にもよるでしょう。

    音質としてはごく自然な感じに仕上がっていて、高級TWSという押し付けがましさはありません。
    低域の遅さは以前から指摘されていますけど、そこもあまり変わってなくて量感も多めなのはMOMENTUMの味付けと考えるほうが良いでしょう。
    他のゼンハイザーのイヤホンにある、自然で音が埋もれない感じは継承されているように思いますし、要はやっぱりゼンハイザーの音ということなのでしょう。

    あと、純正イヤーピースは中にスポンジが入っていて、これがなかなかモコモコした感じの音色で評判がよろしくありません。
    ひとまずfinalに交換してみましたが少しスッキリするものの、装着感は純正が意外に良くて一旦元に戻しました。
    作業しながらずっと聴いていられるという点では純正が意外と好感触な部分もあるかと思います。
    と言いつつ現状はACOUSTUNEのイヤーピースAEX07にしていて、これならケースにも収納できて、爽快感と広がりのある音色に少し振ることができて個人的には満足しています。

    Filed under: Audio
    2023/11/26 12:00 pm | SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3 はコメントを受け付けていません
  • 1711月

    フォステクスのヘッドホンスタンド「ST300」を追加してみました。

    ヘッドホンスタンドは山越木工房さんのものやAmazonにあった安いやつなど4つくらい持っていますが、もうちょっと高さがあるものがあっても良いかなと。
    ST300は同社のヘッドホンのTH500RP、TH600に合わせてあって高さが30cmと結構あります。

    スピーカーを出している同社らしくちゃんと木製なのも良いですね。
    木目を生かした感じではなく黒く塗装されてますし、おそらくスピーカーと同じようにMDFだろうなと予想されますが。

    ひとまず試しにFOSTEXのT40RPをぶら下げてみましたが、これにはもったいない大きすぎるくらいです。
    重量もしっかりあって安定しているので、ヘッドホンを取る時に不用意に倒れたりすることもないのは安心感があります。
    ハンガーみたいな感じでぶら下げるのも一時期は試してましたが、意外と数をぶら下げるには面積も必要ですし、よく使うものだけスタンドで良いかな。
    そもそも大量にヘッドホンがあっても耳は1ペアしかないのでもう少し数を絞るべきなんでしょうけどね。

    ひとつ問題としてはST300を売っているお店が非常に限られることでしょうか。
    現状だとアスクルで直送品として購入可能となっていますが、これもちゃんと届くのかな?
    もしかするとモデルチェンジor廃番になるのかもしれません。

    Filed under: Audio
    2023/11/17 3:00 pm | FOSTEX ST300 はコメントを受け付けていません
  • 2210月

    Astell&Kernのスティック型USB-DAC「AK HC2」を入手してみました。

    私は正直全然存じ上げないのですが安くなっていたのでAyaka Ohashi Editionなるものです。
    プレミアム特典の楽曲ダウンロードが6月で配布終了してしまったので値下げせざるを得なかったのかな?

    CS43198のデュアルDAC構成で出力は4.4mm5極のみという、なかなか割り切った内容です。
    Astell&Kernというと2.5mmの印象が強かったのですが最近はそうでもないのかな?
    2.5mmからは変換アダプタで問題なく音が出せました。
    プラス側だけ接続してマイナスはGNDにすれば3.5mm3極への変換もできそうな気もしますけど、そんな危うい使い方はせずともすでに2つほどスティック型DACは持っているので試していません。

    USB側もUSB-Cの直生えというのがやや難点ですけど、iPhoneがUSB-Cになったタイミングだとむしろ好まれる仕様かも。
    USB Type-C to Lightning変換アダプタも付属していて、接触不良等が良く取り沙汰されているようですがうちでは問題なく動作しました。
    ちなみに別メーカーのUSB Type-C to Lightning変換アダプタも試してみましたが、残念ながらアダプタのほうが不良で動作せずでした。
    USB-Cからの変換は本来の規格だとイレギュラーになるはずなので仕方ないところかもしれません。

    まずはiPhoneで動作確認していきますが、一部で見受けられた爆音ということは手持ちのイヤホン群では特にありませんでした。
    HC2側にはひとつもボタン類はありませんので、ボリューム調整はiPhone側の物理ボリュームを使う形になります。
    前述の変換アダプタはやや刺さりが浅くて不安感はありますし、コネクタが若干大きいのでケースによっては干渉するかもしれません。

    低域がやや強めでドライな雰囲気ですが、ちょっと昔のDAPでいうとKANNのような力強さがあります。
    イヤホンで使うにしてもMaverickくらいだと本領発揮する印象で、空間的な広がりが良く再現されていて音離れが良くなります。
    ちょっとしたDAPは負かすくらいの音質ではあると思うので、iPhone(特に15以降のUSB-Cモデル)を音源にすることが多い人にはオススメしても良いのでしょう。

    逆にWindowsのほうはボリュームが大きすぎる問題に直面していて、実用しづらいレベルです。
    ボリューム表記でいって「2」くらいですら通常聴く感じの音量という感じになってしまいます。
    ミキサーを駆使してアプリごとに絞ったりすればもうちょっとなんとかなりますが、むしろ爆音の危険性は高まるだけですし…。
    またWindows 11でDSDをDoPで使うと音切れすることもありました。
    PCM変換やdCS方式だと問題なさそうですが、音量の件もあるしちょっと実用は厳しかったのは想定外でした。

    他の手持ちのスティック型と比べてみると、Lotoo PAW S1は耳触りが柔らかく、それでいて細部はしっかり出ています。
    デバイスボリュームがしっかり使えるのが違いにつながっているのかもしれません。
    ちなみにAndroidにはウィジェットみたいな形でHC2のデバイス側ボリュームを調整できるものが用意されていて、それを使えばLotooと肩を並べるか、それ以上の音質を発揮してくれます。
    いずれにしてもAK HC2の駆動力は大したものであるのは間違いありません。
    LottoのAK4377とは音傾向も違うので使い分けも楽しい感じです。

    Shanling UA2もスペック上の駆動力は強いはずですが、やや雑味があるかなという感じです。
    これもAndroidしかアプリがなかったりするので、それを考えると3つの中ではいちばん出番が減りそうです。
    こっちはES9038Q2Mですし、まあそれぞれ使い分けていこうとは思っていますが。

    すでに価格は元に戻っていると思いますが、発売当初に比べればだいぶ値下がりしているはずですし、別に電源を用意しなくて良いスティック型DACの利便性はたしかに魅力です。
    ワイヤレス全盛期ではありますけど、ちょっとしたワイヤレスイヤホンも結構なお値段になってきましたし、ちょっとこだわりのある方はこのHC2に限らず持っておいても便利かなと思う次第です。

    Filed under: Audio
    2023/10/22 4:00 pm | AK HC2 はコメントを受け付けていません
  • 0610月

    SONYのMCカートリッジ「XL55Pro」を入手しました。

    先日ゲットしたXL-MC3SHが思いのほか良かったので上位モデルも気になったという、いつものパターンです。
    8の字発電コイルは同じですが、マグネシウム合金ダイキャストシェルと一体構造になっています。
    XL-MC3SHも専用シェルに取り付けられているので似たようなものではありますけど、重さがずいぶん違ってこちらは22gほどとむしろ重い部類に入ります。

    ベリリウム/アルミニウム/炭素繊維を使用した3重構造カーボンクラッドカンチレバーだそうで、説明書を見るとほとんどの部分はベリリウムで根本の太くなったところがアルミ、その内側にカーボンファイバーという構造のようです。
    針は超楕円で、そこはXL-MC3SHと同じです。

    写真で見る以上にかなり大きなボディで、大きめのスタビライザーだと内周でぶつかる可能性もありそうです。
    それに対して針やカンチレバーはかなり繊細で細めで、空芯ということもあって出力も若干低めです。

    音は爽快な雰囲気や鮮度はXL-MC3SHに近いものを保ちつつ、スケール感が大きく、もう少し大らかにゆったりと鳴るようです。
    クラシックにはこちらのほうが合いそうですし、盤の音質差を如実に表す感はあります。
    ジャズでは誇張が少なくハイファイ基調で、ベリリウムの音色ゆえか、ブラシの音がとても鮮明です。

    ダンパーが弱った個体も多いようですが、後ろからテンションワイヤーが張られていることもあってか、底を付くようなこともなく、再生時のVTAで見る限りはまだまだ大丈夫そうです。

    一体型ということもあってオーバーハングの調整はほぼできないですけど、あまりそんな細かいことを気にせず楽しめるカートリッジかなと。
    正直、手持ちの他のカートリッジの出番がなくなるんじゃないかと思うほど気に入っているので、XL-MC3SHとうまく併用しながら長く使えたら良いなと思います。
    できればSONYに再びカートリッジを出してみてほしい気もしますけど、どう考えてももう無理でしょうね。

    Filed under: Audio
    2023/10/06 3:00 pm | SONY XL55Pro はコメントを受け付けていません
  • 0110月

    audio-opusのデジタルオーディオプレーヤー「Opus #3」を入手しました。

    Opusシリーズは#1、#1sと使ってきて、ほぼつけっぱなしで放置しておいても良いという部分や曲スキャンの速さなど、とても使い勝手が良く気に入っています。
    ただバッテリーにやや難があって#1sはバッテリーが膨らんで蓋を押し開けるほどになり、互換バッテリーに交換しました。
    容量がちょっと少なめなので実質駆動時間が短くなったのと、さらなるバッテリー交換にはAliくらいしか調達場所がないのもあって別個体を入手しようと思ったわけです。

    #1sとの大きな違いは筐体が金属製というところでしょう。
    #1や#1sのプラスチックな筐体も扱いが気楽で良い部分もありますけど、DACチップがPCM1792Aになったこともあって放熱の問題もあったのかも。
    ちなみに#1はCS4398のデュアル、#1sはCS43198のデュアルです。

    PCM1792AというとPLENUE Sと同じで、どちらもDSD256までネイティブ再生です。
    イヤホン端子は3.5mmアンバランスと2.5mmバランスの一般的なもので、4.4mmじゃないのが気になる方もいらっしゃるかも。
    見かけは独自OSですが実際はAndroidのカスタムなので、ストリーミングやDLNA対応もしています。
    DLNAの標準アプリだと曲順がおかしい場合があったりしてお世辞にも使いやすい感じではないですから、そのあたりはオマケと思ったほうが良いですけどね。
    Bluetoothはコーデックが不明なのが残念ですが、電波の状態は安定していて音切れはないみたいです。

    PLENUE Sは結構熱くなるので心配でしたが、そこまでではありません。
    再生時間は8.5時間(#1sで11時間)とやや短めですけど、ハイレゾ再生時で2.5バランス使って実測だとだいたい10時間くらいでした。
    44.1kHzなら14時間くらい保ちそうです。
    スタンバイが長持ちなのも健在で、夜聴いてそのまま翌朝9時間後にチェックしても2%くらいしか減ってないのは本当に便利です。

    ファームウェアは届いた時点で1.00.06と最新になっていました。
    音質は大まかに言うと上品で低歪みという印象です。
    広がりがあって中高域はほんの少し強めですがキツくならず華やかさを感じる程度の味付けです。
    低域の分解能は高めで、とりわけ弦楽器では下が伸びるので厚みが出る印象です。
    またS/Nも良くピアニシモの描写も細かいですし、ボーカルに艶があって、シンバルなど楽器の分離も良くて音階も明瞭、さらにベースの音が深みがあり、ゆとりが感じられます。
    音の隙間の静寂にハッとさせられることがあるのはとりわけS/Nのおかげかなとも感じました。
    そうしたスペック的な背景もありつつ、ラテンのようなノリの良さも持ち合わせていてバランス取りが上手いです。
    世評を見るとアナログ的と言われるようですが、なんとなく分かる気がします。

    他の手持ちのDAPとも少し比較してみました。

    iBasso DX160はオンマイクな雰囲気でボーカルが近く、若干硬質でドライな印象です。
    低域は量感はあるものの、ややボヤけるところがあります。
    少しエコー感というか、特に弱音部で滲む感じが出るのはAndroidを通した音という先入観もあるかもしれませんが、少し上っ面をなめたような心に刺さりにくい表面的な印象は受けます。
    表面のザラつきのような感覚があってピアノにもエコー感があり、やや装飾的にも感じられます。
    特に不満があるわけではないですけど、喩えるならばテープモニターを聴いているような雰囲気を感じることがあります。

    PLENUE Sは同じDACチップですが、若干新しい上の2モデルと比べると少し古くさい部分も感じ取れます。
    喩えるなら据え置きオーディオのCDプレーヤーっぽい雰囲気です。
    音数は他より多いのですが、なんとなく分離が不明瞭になる時があって意外と硬めの音調です。
    OSの影響は受けてない印象の音でオーディオ的ゴージャス感もありますが、それが逆にオーディオ的ケレン味と感じられる部分もあって音質評価なら優秀だろうなぁと。
    良い点でいうと、ピアノは硬質さが合って生に近い質感が出ていると感じました。
    同じチップでもこれだけ印象が違うものだというのはちょっと面白いところです。

    こんなにDAPばかりあっても仕方ない気もしますが、少なくともOpusシリーズは手放すことなく使い続けるだろうなと思います。
    できればこの路線のプレーヤーでニューモデルが出てくれると良いのですけど、OpusもPLENUEも出してくれそうもないですね。

    Filed under: Audio
    2023/10/01 2:00 pm | Opus #3 はコメントを受け付けていません