PHILIPSのMCヘッドアンプ「EG1000」を導入してみました。
ヘッドアンプはSONY HA-55、YAMAHA HA-1、Mark Levinson JC-1ACに続いて4台目ですが、JC-1ACが整備してもまだ液漏れの影響が完全に排除できていないので、その代替を狙えないかという思いもありました。
珍しすぎて詳細はほぼ不明でしたけど。
動作も「電源入りました」くらいのものだったので、まずは軽くDCオフセットを確認後、つないでみたところ無事に音が出ました。
このディップスイッチが分かりづらくて最初音が出ないかと思いましたけどね。
スライド式に見えてスライドさせるスペースがないわけで、実は外向きにプッシュすると反対にスライドされるという意味不明な仕様になっています。
そもそも左右に2つずつDIPがある時点で妙な作りですよね。
内部を見ると分かりますが入力と出力を双方DIPで切り替えてバイパス時は最短で出力端子にそのまま戻そうという意味合いのようです。
ゲインは30dBと高めの固定、入力インピーダンスも130Ωで固定とシンプルです。
ダイナミックシンメトリー応答回路というものらしいですけど、これも意味不明ではありますが、プッシュプルの対称性を高めたものらしいです。
アース線をヘッドアンプにつながなくてもフォノイコライザ側に接続すればハムは出ないので、GNDが浮かせてあるのではないかと推測します。
基板がYAMAHA HA-1と同じように逆さ吊りになってるので回路の詳細が分かりませんが、大部分が電源回路で、後ろよりの1/4くらいがシンプルな増幅段になっているように推測されます。
底板側を外せば見えるのでしょうけど、トランス類は底板に固定されているので安易に外すと大変な手間になりそうなので簡単には外せないため断念しました。
当時、フィリップスはあまりコンシューマを出してなかったのですが、ダイレクトフラックス方式のGP222Zなどで使うために、プロ用機材のを流用して出したのではないかと推測してみたりします。
ちなみにダイレクトフラックス方式はDENON DL-301やVictor MC-100Eが同様の構造となっています。
とにかく誘導ノイズを拾いやすい傾向で、とりあえず仮設置で電源をつないでないHA-55の上に置いただけでもハムを拾います。
内部の電源ケーブルの引き回しは鋼管シールドにしてあるなど、かなり気を遣ってあるのですけどね。
肝心のサウンドは思ったより厚みがあり、おそらくMCトランスを意識した部分もあるのでしょう。
高域は爽やかで結構伸びています。
JC-1ACのような異様な狂気というのはないけど、静かな熱気はあって心地よいバランスですね。
時間が経つと他のヘッドアンプ以上に本体が熱くなってきて、音も厚みを増してきます。
総じてフィリップスらしいヨーロッパっぽいトーンではありますが、業務用的な生真面目さもあって、感覚的にはなんとなくEMTのような雰囲気があるように思われました。
一言でいえば欧州っぽいJC-1ACという雰囲気ってところでしょうか。
その後はすっかりEG1000がメインになっていますが、クラシックはやはりちょっと上品に鳴らす傾向で相性が良いです。
ただやや平坦で力感は弱く、乾燥した感じはあり、生真面目さは出てきます。
音色はとにかく自然で、CDかなと思うくらいです。
S/NでいえばJC-1ACのほうがやはりちょっと上ではありますが。
SONY HA-55と比べると、HA-55のほうがもう少し情緒的で、いわゆるレコードらしさがある感じなのでリラックスして聴くならHA-55も悪くありません。
JC-1ACは熱く、ワクワクする感覚があるので中毒的な魅力はあるので、なんとか安定してくれると良いのですけど…。








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