• 271月

    昔は友人から借りた程度でしたが、最近になってレコードを手に入れて再び愛聴するようになったSQUAREですが、通常盤に加えてマスターサウンドという高音質盤(?)が存在すると知り、モノは試しと入手してみました。

    ジャケットは厚みがちょっと違うな、という程度ですし、マスターサウンドといっても今回のDR(デジタルレコーディング)以外に、DM(デジタルマスタリング)、HM(ハーフスピードマスター)、DD(ダイレクトカッティング)など、いろんな種類があるそうです。
    ジャケットの中には当時のカタログも入っていて、メタルマスターサウンドというカセットテープ版もあったんですね。

    中にはいろんなディスクが並んでいて、どれもこれも欲しくなってしまいますが、まずは今回のでお試しです。

    早速、ディスクを取り出してクリーニングも後回しにして聴いてみました。
    ちなみに盤面はおおよそ良好でしたが、B面はややキズありというところです。

    まず感じたのは低域が非常に厚い、という点です。
    ただ厚みがあるだけではなく、ドラムの手数が明瞭に聴き取れるほどで、ボヤけたり滲んだりしないのは流石です。
    チョーキングもとても細やかに聴き取れ、細部に当時の熱気が残っているようにすら感じます。
    一方、高域はやや華やかさに欠けるように感じる部分もありますが、通常盤と聴き比べた限りではどうやらイコライジングなどの余計な操作が最小限にとどめてある影響もありそうです。
    多少は意識的にピラミッドバランスにしているような気もしないではありませんが、ナチュラルさは失っていません。

    そもそもアーティストが目指したサウンドバランスという点では通常盤のほうがスクウェアらしい、と感じる部分もありますが、マスターサウンドのほうを聴いてしまうと、バランスは良くてもゴチャッと平面的に感じてしまいます。
    メロディラインは通常盤のほうが聴きやすいし、よく言われるアナログっぽさみたいな雰囲気があるようにも思えますが、ちょっとうがった見方をすると、通常盤は一度、カセットテープに録音したような感覚すら受けます。

    マスターサウンドのほうは、それだけ楽器のリアルさが高いですし、なによりも力強いなと。
    自然で味付けが少ないため、少々、生真面目過ぎる感はありますが、リミッタの使用も最小限にとどめてあるのだなと感じる箇所がいくつかありました。
    特にB面内周部では通常盤よりも音量が明らかに大きく、逆に通常盤は分からない程度に少し絞ってあるように感じる場面がありました。

    一応、帯にはプレス方法や材質の違いなどが挙げられていますが、そもそもマスタリング自体が違うので、そうした製法の部分が違いに占める割合は低いのではないかと思います。
    それだけに当然、好みもあると思いますし、聴き慣れた曲と違うとすら感じてしまうかもしれません。
    さらに言えば、全てのマスターサウンド盤が同傾向とは限らないわけで、ここまで書いておいて言い訳っぽいですが、マスターサウンドのほうが必ず良いとは言い切れない部分もあるでしょう。

    ただ、マスターサウンド盤はある程度のオーディオ機器を想定しているでしょうから、前述のようにリミッタやカッティングに遠慮がないのは確かでしょう。
    そうした効果がとりわけ、ドラムをはじめとしたパルシヴな低域に違いとして表れてくるとは想像できます。
    機材としては、どうも低域の駆動力が試される傾向で、低域の解像度が高いフォノイコライザがキーポイントになるようです。
    カッティングに遠慮がないとはいえ、テラークのディスクのような限界に挑戦したものではない(少なくとも今回の盤に関しては)ので、カートリッジやアームのトレース能力はさほど求められない気はします。
    もちろん、良いほうが差が明瞭にはなるとは思いますけどね。

    もっとデジタルっぽい感じを想像しましたが、今回はそもそもがDRだったこともあってか、そこは気になりませんでした。
    DMはあまり意味がないように思えるので、HMやDD(DRも)を見つけられたらまたゲットしてみようかなと思っています。

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    Filed under: Audio
    2017/01/27 12:00 pm | マスターサウンドを聴いてみる はコメントを受け付けていません

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