• 0412月

    final audio designのヘッドホン「PANDORA HOPE IV」を導入してみました。

    finalのイヤホンが気に入ってしまい、ヘッドホンも聴いてみたい!となったのでした。
    半分はポイント消化というのもあったのですけどね。

    PANDORA HOPEというのは現行モデルにありませんが、現在の「SONOROUS IV」がほぼ同等のモデルで、2015年に海外での商標権の問題だかで名称変更したみたいです。
    検索してみると私が以前書いた記事に行き当たりましたけどね。

    最も特徴的なのは、50mmダイナミックドライバとバランスド・アーマチュア(BA)ユニットを搭載したハイブリッド型というところでしょう。
    現行のSONOROUSでもハイブリッドなのはVIとIVのみで、その後のモデルはダイナミックのみです。
    ネットワークなどはなく、BAは高域を伸ばす意味合いも多少あるものの、広がりを持たせる目的が強いようです。
    VIとIVの違いは主にハウジングで、VIのほうはステンレスを一部使用してありますが、IVの筐体はABS素材です。

    SONOROUS Xほどではありませんけども、このシリーズは重いことで有名でして、IVも410gほどだとか。
    ただ実際には装着感も良くヘッドバンドも幅が広いおかげか、重さはそれほど感じません。
    むしろB&W P7のほうが重いような気がしたくらいですが、スペックを調べなおしてみるとB&W P7は290gでした。
    私はイヤーパッドが浅いので、耳たぶの下側が少し当たり気味でして、そっちのほうが気になった程度です。

    ケーブルは3.5mmモノラル-3.5mm3極のりケーブル可能なタイプですが、サードパーティからはあまり出ていませんね。
    ヘッドホン本体側に90度ロック機構が付いていることも関係しているのでしょうか。
    純正でシルバーコートが出ていますけども、ヘッドホンの価格を超えてしまうのはまぁ仕方ないところでしょう。
    また、こういう大きめのヘッドホンにしては珍しく3.5mのプラグですし、ケーブル長も1.5mと短めになっています。

    インピーダンスは8Ωなので鳴らしやすいはず…と思いきや、能率があまり良くはないのもあって、結構ボリュームは上がります。
    否、正確には「上げたくなる」が正しいのかもしれません。

    古いモデルながら保管されていたらしく、まずはエージングから進めなくてはいけない感じでしたが、当初から独自の世界観を感じさせるサウンドを展開してくれました。
    とりわけ交響曲が気持ち良く聴けるというのが、ヘッドホンではあまり体験したことのないもので、密閉型とは思えない音場感が構築されるのが印象的です。
    低域も量はむやみに多くはないものの、その深遠さはスゴいものがあります。
    当初はエージングがてら、ボールトの惑星を試聴用に聴いていたのですが、あまりに魅惑的で、ついついそのまま聴き続けてしまったほどです。
    この作品はレコードでも愛聴していますが、なにぶん迫力がスゴイためにボリュームを気にしないと大変なことになってしまいがちです。
    その点、密閉型ヘッドホンなら自分の耳以外の心配はほぼ不要ですし、なおかつスピーカーのような雰囲気で楽しめるのは魅力的です。

    最初はPLENUE Sで聴いていたのですが、これだけのポテンシャルならば!と据え置き環境に切り替えました。
    LUXMAN P-1では当初、残留ノイズが目立っていましたが、いざ再生し始めるとそんなことは置いておいて、とんでもないサウンドに浸ってしまいました。
    オーディオ的にみても帯域も広いし、音の広がりもさらに良くなったのですが、楽器の音色が良く、余韻も取ってつけたようなものではない本物の質感を伴って美しく再現されます。
    「こんな音が入っていたんだ!」と気づくシーンが多々あるのにはちょっと驚いてしまいました。

    特にピアノが絶品で、録音の良し悪しにもよりますが、良好な音源では絶妙な広がりを感じられます。
    とりわけ静寂感と余韻の描写は、いくら暗騒音を減らしたとしてもスピーカーではなかなか実現しづらい表現力を聴かせてくれます。
    また自宅で録音したものを聴いてみても、生では聴こえなかった音、特に低域がしっかり聞き取れるから不思議です。
    いわゆるモニターヘッドホンとは趣を異にする方向性ではあると思いますが、一音ももらさず音楽を楽しむという上では相当優秀なのではないでしょうか。

    ただ前述のように能率が高いとはいえない部分もありつつ、インピーダンスは低いので、アンプでかなり性格が変化する部分もあるのかもしれません。
    ALO audio The International+ Optical Editionではパワーは入るものの、やや粗雑な風合いになり、高域がうるさく感じるところも出ていました。
    今のところ相性が良いのはLUXMAN P-1で、残留ノイズもインターコネクトケーブルの見直しでだいぶ減りました。
    そうした違いまで分かるというのがまたスゴイところでもあるでしょう。

    私は他にもたくさんヘッドホンを持っていますので、同じくfinalが気に入っている紗羅にMojoで聴いてもらったところ、とても気に入ってくれたようなので、今回のPANDORA HOPE IVはリビングで紗羅に使ってもらうことにしました。
    そもそもfinalの音傾向が好きみたいですけども、今回のPANDORA HOPE IVは特にピアノの音色が良いから好きなんだろうと思います。
    それは私も同感なので、たまには聴かせてもらおうと思いますけどね。

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    Filed under: Audio
    2018/12/04 12:00 pm | final audio design PANDORA HOPE IV はコメントを受け付けていません

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