• 068月

    ACOUSTIC REVIVEのスピーカーケーブル「SPC-TripleC」のダブルバイワイヤーをお借りしました。

    長さは2mで、上の写真で普通だとシングルワイヤー1セットですが、これがもう1組ある形で低域と高域をアンプから別端子でつなぐ形となります。
    これまでも同社の切り売りスピーカーケーブル「SPC-REFERENCE-TripleC」で同様の接続をしていたのですが、以前の環境用で1.5mとやや短めで剥き直してしまうとさらに短くなることもあって、無理を言って試させていただくことにした次第です。
    届くまでは一旦、その前まで使っていたPurist Audio DesignのMusaeus Bi-Wireに戻しておいてコレと比較してみようという魂胆でもありました。

    接続はパワーアンプの「P-550」のスピーカーターミナルが妙な太さで、通常のYラグは入らないため、MusaeusでもTechDASのスペードバナナを使っていました。

    そこで今回は全てバナナプラグでつなぐことにします。
    ACOUSTIC REVIVEのバナナプラグ「RBN-1」はTechDASのと同様、センターピンが開くタイプのロック機溝付きですので、バナナプラグをしっかり固定することが可能です。

    当然ながら単線なのですが、SPC-REFERENCE-TripleCよりも取り回しはしやすく、MUSAEUSのように無謀に太くてターミナルの破損が心配になるようなこともありません。
    後述しますけども、インターコネクトケーブルと同様、テフロンコーティングフレキシブル銅管を使った構造なので非常に扱いやすいですし、芯線への物理的なストレスも少ないことが音にも好結果となっているような気がします。

    写真ではすっかり交換が完了していますが、実際には早く交換したいところを我慢しまして、Musaeusをつないだ現状で再生音を録音してから交換しました。
    PCM-D100でリスニングポジションから録音したものをAudacityで周波数解析(先頭54秒ほど)した結果が以下のとおりです。

    通常の楽曲ですから当然ながら普通の周波数特性のように元々フラットなわけではありません。
    またスピーカーの軸上での計測でもないのと内振りも少なめですので、高域はややだら下がり傾向です。
    実際の楽曲FLACを直接解析しますとおおよそ以下のようになります。(軸が完全に揃えられず申し訳ありません。)

    さてそこまでやっておいたら、あとはお楽しみの時間です。
    スピーカーケーブルをSPC-TripleCに交換して動作確認をしたら早速聴いてみます。
    第一印象はとにかくクッキリしていて、ごまかしがないな!と感じました。
    PADは全体的な雰囲気は分厚そうなのですが、何処か抜け落ちているような感覚があり、特に高域の抜けが良くないなというのは感じていました。
    ボーカルなどの中域もたまに萎んだように感じることがあったのですが、それもしっかり前に出てきますし、シャープな音像です。
    なにより、声が声の音色、エレピがエレピの音色といった具合に自然なのが印象的です。
    鼻にかかったような感じが皆無ですし、何を聴いても録音が新しくなったといいますか、その場の臨場感が高まっているのを感じます。
    正直、鳴らし始めからもうエージングも何も不要に思えるほどで、そのまま音楽を楽しんでいたい気分になります。

    そこでまだちょっと早いかなとも思いつつ、他が変わったりしないうちにPADと同じ楽曲を録音して同様の周波数解析をしてみました。

    これも完全に軸が一致しなくてちょっと見づらいのですけど、あえてそのままアニメーションGIFにしてみるとよく分かっていただけるのではないかと。
    (クリックして拡大するとアニメーションすると思います。)

    高域が伸びるのは切り売りの「SPC-REFERENCE-TripleC」でも体感していましたので、その方向性という点では同じです。
    また、楽器の配置もより精度が高まり、楽器ごとになんとなく斜めに傾いたり、肥大したりするような、「位相がぐるぐるする感じ」が減るのは単線のメリットだと捉えています。
    凝った構造のスピーカーケーブルは独特の音色を持ってきて、それが魅力にもなりますが、どうしてもちょっと誇張しがちだったりケレン味が強くなりがちで、いわゆる「オーディオショップみたいな音」がしてしまいがちだと私は感じています。

    切り売りの「SPC-REFERENCE-TripleC」はそうした傾向はなくシャープですが、やや細めでソリッドな表現になる傾向は感じられます。
    ちょっと緊張感が高い音とでも言いましょうか。
    その点、「SPC-TripleC」では芯線にストレスがないためか、シャープでありつつも開放感のある音の出方をしてくれるように思います。
    いわゆるコストパフォーマンスでいえば切り売りなのかもしれませんが、アンプやスピーカーがのびのびと唄い上げる感覚はやはりこの構造あってこそ、ではないかと感じました。
    もちろんスピーカーケーブルにおけるシールドの効果の高さも貢献しているはずで、空気層やテフロンなどを巧みに組み合わせることでPC-TripleCが持つ純度の高さをスピーカーまで守ってくれているのでしょう。

    これでプリ-パワー間以外は基本的にACOUSTIC REVIVE製ケーブルとなったわけですが、迷いなく確実にステップアップできるというのは音楽に没頭できる時間を最大限確保できるという点でもとても有り難いことです。
    高価過ぎるといった意見もお有りだと思いますが、SPC-AVからSPC-REFERENCE-TripleC、SPC-TripleCまで、その音傾向自体は確実に一貫していますのでどれを選んでも違ったベクトルに行ってしまう心配はありません。
    むしろバイワイヤにすることのメリットも大きいと思いますし、その点ではまず切り売りから試してみるのは良いかなと思います。
    しばらくエージングを進めまして、SPC-REFERENCE-TripleCとの比較、バイワイヤとシングルワイヤーでの変化などもじっくり試していきたいと思っています。

    Filed under: Audio
    2018/08/06 3:30 pm | ACOUSTIC REVIVE SPC-TripleC レビュー 導入編 はコメントを受け付けていません。

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