Acoustic Reviveさんから新作のインターコネクトケーブル「LINE-1.0R-tripleC-FM」をお借りしました。
前回の電源ケーブル同様、Triple-C FMを採用している新しいケーブルですが、実売3万円前後でテフロン絶縁を採用、緩衝材には天然シルクを使い、Triple-Cを単線で採用した製品です。
電源ケーブル同様、ファインメットマルチノイズサプレッサーを搭載しているのも大きな特徴です。
箱のなかにはケーブルの方向性についての記載がありまして、他のケーブルのように完全にどちらか一方に指定されているのではなく、プラグ手前の色付きの熱収縮チューブの長さが同じ向きで左右を揃えて使うように指定されています。
反対につなぐと下のように長さが違うので、すぐに分かるというわけですね。
単線ということで取り回しがちょっと硬いのかな?と勝手に想像していましたが、全般には細身ですし、かなり柔軟で回しはやりやすいほうだと思います。
これまでにお借りしているケーブル類と合わせ、以下の構成で、いつものようにエージングしながら試聴を進めていきます。
[ デスクトップシステム ]
パソコン: Apple Mac mini
USB-DDC: JAVS X-DDC(電源:第一電波工業 GSV500)
DAC: ATOLL DAC-100
CDP: SONY CDP-557ESD
Record Player: MICRO MR-611
Cartrdge: ortofon 2M Red, SHURE M97xE, audio-technica TT30E etc
Phono Eq: THORENS MM-001
Pre Amp: LINN MAJIK-IL
Power Amp: LINN LK140(低域側), LINN MAJIK-IL(高域側)
Speaker: DALI Royal Menuet II
電源タップ: LOG AUDIO LD2000(プラグ:WF5018に交換)USBターミネーター: ACOUSTIC REVIVE RUT-1(借り物)
USBケーブル: ACOUSTIC REVIVE USB-1.0PLS(借り物)
デジタルケーブル: CHORD Signature Digital(DDC), CHORD Prodac Pro(CDP-ATOLL)
音声ケーブル: Atlas Cables Equator MKIII(EQ-pre), Acoustic Revive LINE-1.0R-tripleC-FM(借り物,DAC-pre), CHORD Chameleon Silver Plus(pre-LK140), QED Reference Audio Evolution(LK140-MAJIK)
スピーカーケーブル: QED Signature Revelation(高域側),CHORD Epic Twin(低域側)
電源ケーブル: ACOUSTIC REVIVE POWER MAX-5000(ATOLL),ACOUSTIC REVIVE POWER STANDARD-tripleC-FM(借り物,MAJIK-IL), Accuphase APL-1(LK140)
エージング初期は電源ケーブル同様、中高域を中心に金属鳴りのようなものが伴う印象がありました。
しかしエージングが10時間くらい経過したところでその傾向もほぼ消沈しました。
エージングが進んでいくと、高域自体は伸びやかで透明感もあり、全体の音のバランスも良好です。
まずはDACとプリの間に持ってきて、それまで使っていたLINN Silverと交換したわけですが、LINN Silverは良くも悪くも薄いベールがかかったような部分があるんですが、今回のLINE-1.0R-tripleC-FMでは非常に見通しがクリアで、大きな違いを感じます。
エージング途中ということもあるのか、やや若いピュアモルトのような世界観を聴かせてくれていますが、少なくとも変な香料は一切ない純度の高さを感じさせます。
LINN Silverはそれはそれで重厚さと穏やかさの中に垣間見せる華やかさを併せ持ったものでしたが、それを味付けと捉えるか、濁りと見るかは好みも出てくるでしょう。
ただ、ケーブルに純度や精度を求めるのであれば、間違いなくLINE-1.0R-tripleC-FMをチョイスするのが正解だと思います。
とりわけ、ディスクの録音を真底まで引き出してくるのがうちのシステムでもはっきりと分かって、例えばこれまであまり音が良くないと思っていたマリア・ジョアン・ピリスのCDが、このケーブルに替えた途端、靄が晴れたように鮮烈なピアノの実体感を感じさせてくれたんですよね。
それだけにシステムのボトルネックが明確になりやすい部分もあり、良いシステムほど活きてきそうなケーブルです。
良録音のボーカルものでは、ボーカルはもちろんバックの楽器それぞれに実体感があり、シンガーの吐息どころか、マイクの風切り音まで聴こえてくるほどです。
それだけに、そこをオーディオ的に過ぎると感じるケースもあって、ほどほどにリラクゼーションも求める私のような場合にはやや情報過多に思えてしまうことすらあるほどです。
今回のインターコネクトケーブルに限らず、同社の製品は純度と躍動をもたらしてくれると感じていて、目指す方向が明確ですから、あとは音の好みだけでしょう。
また、前回も書いたようにこの方向で強化したいポイントだけに入れてあげるという、相性での使い分けも有効だと思います。
もう一つビックリした、と言いますか、驚いたのが、再生したままちょっと用事で隣の部屋に移動していた時に聴こえてくる音楽がとてもバランスが良かったことです。
昔から別室でバランス良く聴こえる時って、システムが非常に良好な証拠だと経験的に感じているんですが、久しぶりにそれを体感した気がします。
ニアフィールドやソファのリスニングポイントではバランスが良くても、それぞれの帯域で音の抜けが悪い部分があったりすると、シャカシャカと高域ばかり聴こえてきたり、ブンブンと低域が漏れ聴こえてくるような印象になりがちなんですが、このケーブルに替えてからはリスニングポイントそのままのバランスで聴こえてくるようになりました。
おそらくですが、低域の階調がはっきりと明瞭なので、ルームアコースティックで多少悪影響を受けてもまだ濁りが少なくて済んでいるからではないかと推測しています。
全般的な音の方向性としてはUSBケーブルの「USB-1.0PLS」に似ている印象です。
電源ケーブルもそうですが、ファインメットビーズの成果もあり、デジタル周辺で使うのに向いているのではないかという風に考えているところです。
そうこうしているうちに、エージングもだいぶ進んできて穏やかさも加わってきました。
次回は使用場所を変えてみて、そこでの感想や他にお借りしているUSBケーブルやUSBターミネーター、電源ケーブルなどとの相乗効果などをレポートできればと思っています。
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