• 183月

    TechDASから上位モデルのターンテーブル「Air Force ZERO」が正式発表されました。

    すでに話題になっているのはなんといってもその価格からでしょう。
    そもそもAir Force One Premiumもアッパープラッターがチタンのは1100万円でしたが、4000万円というのはインパクトがあったんでしょうね。
    個人的には業務用機器や産業機械の価格イメージもあるので、それより台数が見込めそうもないですし、「ボッタクリ」感はありません。
    ただ、Air Force One Premiumでも「ご注文時に販売価格の50%を予約金として申し受けます」という条件付きだったので、今回もおそらくそんな感じになるのでしょうが、そこはちょっとカッコ悪いかなとは感じますね。
    そういうスタイルでやるなら、クラウドファンディングでもやれば良かったのに…と思ってしまいます。

    なお生産台数は50台が上限だそうで、理由はすでに入手困難なPapst社製の3相12極シンクロナスACモーターを使っているから、とのこと。
    保守用にも残すでしょうから、実際はさらに少なく、その後のメンテナンスも怖いですね。
    ちなみにモーター自体もエアーベアリング方式となっているようです。
    もちろんモーターを駆動するアンプ部が三相それぞれに強力なものが用意されているみたいなので、そこでの進化はありそうです。
    正直、DDでもベルトでも駆動アンプによる違いというのは相当に比重が高いように思いますし。

    ターンテーブルは総重量が350kg、プラッターが120kgだそうで、重厚長大の極致といったスタイルを貫いています。
    異種金属の組み合わせになっていて「第一層は40mm厚の鍛造ステンレス(重さ34kg)、以後第二層が31mm厚の鍛造ステンレス(重さ20kg)、第三層が31mm厚の鍛造砲金(重さ20kg)、第四層が31mm厚の鍛造ステンレス(重さ20kg)、第五層が30mm厚の鍛造タングステン(重さ26kg)」とのこと。

    コレ自体は他のメーカーでもぜひ近い構造にしてほしいくらいですが、厚さ163mmというのは高さ方向に厚すぎる感はありますね。
    慣性モーメントからすれば外周に重さがあったほうが有利なわけで、暑ければシャフトにも負荷が掛かりやすいし、偏心もしやすいと思うのです。
    基本はマイクロ精機の路線そのままなのでしょうが、以前のモデルを聴いてみても正直アレ?こんなんだっけ?という印象が拭えなかったんですよね…。
    おそらく試聴会では調整が追い込めてなかったのだと思いたいところですが。

    全体は当然のようにエアーベアリング、エアーサスペンション、そしてエアーバキュームによるディスク吸着となっています。
    これも理屈では素晴らしいのですが、空気の脈動をうまく吸収したり、ポンプ自体の性能(静粛性も含め)が重要だと感じていて、重くなればなるほど要求性能も高くなってしまうのだと思います。
    「プラッターを浮かせつつ、ディスクを真空吸着するなんて不可能だ」みたいな文面も記事で見かけましたが、それはもう昔からマイクロ精機でやっていたことで、それを今さらのようにセールストークにするのはちょっと違うのかなぁと個人的には感じました。
    SAECのアームもそうですけど、ミッシングテクノロジーを再興するだけでも大変な偉業だとは思うのですが、今は今なりのアプローチももうちょっと盛り込んでほしいですし、実際はそれも入っているはずですから、そういう部分もアピールしてほしいです。

    また、せっかくこれだけ「レコードの製造過程であるカッティングの状態を再現することこそレコード再生の究極」を実現したのですから、ぜひその技術を活かしてカッティングマシン自体も現代に蘇らせて欲しいところです。
    これだけの超弩級ターンテーブルで究極を実現したのなら、いつまでもノイマンでは、ターンテーブルのほうが超越して、そちらのほうがボトルネックになってしまうはずですからね。

    ちょっと嫌味っぽい取り上げ方になっていますが、個人的には高いからダメとか、物量投入主義が古臭いとは思っていません。
    あとはそこで研鑽した技術をレコードという文化そのものに還元したり、実際に素晴らしいサウンドを楽しませてくれることに期待しています。

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    2019/03/18 12:00 pm | No Comments
  • 173月

    beyerdynamicのヘッドホン「DT770 PRO」の250Ωモデルをゲットしてみました。

    もうお気づきの方も多いと思いますが、某所のアウトレット品です。
    意気地なしなのでA品を選んでみましたので状態はなかなかキレイでした。(実際にはそれでもトラブルが起こるわけですが…。)
    ちなみに今はPROシリーズはサウンドハウスが代理店になっています。

    もうイヤホン、ヘッドホンは要らんやろ、というくらいあるように思いますが、最近はイヤホンを使う頻度が高く、イヤーピースで外耳が痛くなったりすることもあり、気軽に聴けて音も良いヘッドホンがあっても良いかなと。
    もうここまで来ると無理やりな理由付けなのは自覚していますけどね。
    ただリビングで使うので開放型では音漏れで使えませんし、ベロアで柔らかそうなのも良いかなぁと。

    ただ気軽に使うのに250Ωモデルというのは確実にやり過ぎでした。
    DT770PROには以下の3モデルがあって80Ωのもあったんですが、ケーブルやイヤーパッドの仕様が異なるんですよね。

    ■32Ω:1.6m ストレート PVC
    ■80Ω:3m ストレート ベロア
    ■250Ω:3m カールコード ベロア

    感度はどれも96dBで、これが低めなのもやや想定外でした。
    さすがにDAPには厳しいようで、AK380 AMPを使っても、ボリュームとしてはハイゲインで100〜120くらいで確保できるますが、どうしてもやや耳障りな高域になりがちです。

    その点はやはり据え置きアンプは強く、LUXMAN P-1だと余裕でドライブされますし、音傾向としても高域がややまろやかな部分があるので相性は良さそうです。
    ポータブルではThe International+ Optical Edtionが最も相性が良いようで、ゲインもMIDで十分です。
    CEntrance HiFi-M8ではさらに良好で、LUXMAN P-1も超えてくれそうな静けさを感じるサウンドです。
    AK380 AMPを導入したらもうポタアンは要らないかなぁと思ってましたが、やっぱり駆動力が必要なヘッドホンでは有用ですね。
    しっかり鳴らしたDT770PROはあまりに良すぎて、DT1770 PROが気になってしまったくらいです。

    音傾向としては手持ちのものではHD25-1 IIが近いでしょうか。
    モニターヘッドホンとはいえ、30年を超えるロングセラーらしいですし、最近の製品に比べれば解像度も無闇に高いわけではないですが、モニター的に全体のバランスをチェックできる傾向です。
    空気録音なども心地よく聴けますが、ただシビアに聴き分ける時には最近のイヤホンやヘッドホンのほうが合っているかも。
    高域もちょっとキツめのバランスになりがちなので、CEntranceのようにちょっとしたイコライジングができるアンプと相性が良いかもしれません。

    ベロアの感触も予想通りに良い感じで、届いたばかりだというのもあるでしょうけど常用ヘッドホンになりそうな予感だったのですが、前述のようにトラブルが起こってしまいました。
    症状としては、低域がガッツリ入っている音源だと、左側だけガサついたような音が聴こえるケースがあるというものでした。
    通常の音源だとごく一部だけが目立つ感じだったのでエージングすれば良くなるかな?と思っていたのですが、思い立ってスイープ信号でチェックしてみると、40Hz以下辺りから下でカツカツとダイヤフラムが何かに当たっているような音が混じります。
    とりわけ20Hz以下15Hz付近で顕著で、このくらいになると元々の音は聞こえづらくなってくるのですが、そのノイズだけは周波数が変わらずカサカサと聞こえてしまいます。
    アンプや耳、スイープ信号そのものが原因だと悪いので、違うヘッドホンアンプや左右を入れ替えたりしましたが発生するユニットは同じ。
    逆に他のヘッドホン2種類では全く発生しないということで、返品することになりました。

    ちなみに今回のはアウトレットということで、メーカーでチェック後、店舗に出荷されているのでお店ではノーチェックとのこと。
    さらに複数台あるものの、交換や修理ではなく、あくまでも返金対応(しかも10日間だけ)ということで、かなり冒険要素が強いようです。
    せっかく良いヘッドホンだと思うので、もうちょっと大事に扱ってあげても良いのかなぁとは思いますが、代理店も変わったし仕方ないのでしょうね。
    このような具合で、アウトレットはたとえA品とされていても付属品や保証がかなり限定されますので、正規代理店になったサウンドハウスさんから購入するのも良いのかなと思います。

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    2019/03/17 12:00 pm | No Comments
  • 163月

    先日から気軽に持ち歩けるカメラを探してみたりしていますが、まずは手持ちのカメラを使ってみて、どういう機種を使うか試してみる意味でお散歩写真を再開しています。

    まだ寒いのと愛犬が遠出ができないので、主に庭や近所の散歩道ですけどね。

    普段からFinePix F600EXRはお散歩バッグに入れていますが、これだと正直iPhoneのほうが画質が良いくらいであまり使いません。
    望遠ができるのでそこは便利なんですけど、愛犬を連れた状態ではどうしてもブレてしまいがちですし。
    ただWi-Fiで気軽にiPhoneに転送できるのは便利です。

    それで実際に持ち歩いているのはOLYMPUS E-M5とPanasonicのLUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.です。
    このままではWi-Fi非対応ですが、そこはFlashAirでカバーしています。
    コンデジほどコンパクトではないですけど、このくらいならギリギリ許容範囲ではあります。
    ただお散歩バッグに常時入れておくにはやっぱりまだちょっと大きいので、気分が向いた時に持ち出す感じになりますが…。

    お庭だとNikon D600も使いますけど、フルサイズ機はなかなか持ち出さなくなりました。
    フィルムカメラで遊んでいた頃は3台くらいぶら下げていても平気だったんですけどねぇ。
    EOS 5D MarkIIやSONY α7は完全に眠った状態になっているので、マウントアダプタやレンズでなんとかならないかなぁと思っていましたが、たぶん難しいでしょう。

    実際に再開してみて、良さそうだなぁと思うのはRICOH GRシリーズ、あるいはマイクロフォーサーズの2択のような雰囲気です。
    GRはIIIが出たばかりですし、これから少し値下がりするかなぁ。
    マイクロフォーサーズは手ぶれ補正が強力なE-M5 MarkIIへの乗り換え、あるいはレンズを追加するのが良いかもしれません。
    ただやっぱり撮影頻度がこの程度なら、手持ちのカメラで十分なんですよねぇ。

    プリンタが新しくなったので写真用紙も購入してL判プリントも少しやりましたが、これもiPhoneアプリが便利過ぎてそこからプリントする体たらくです。
    もうちょっと現状維持で続けてみつつ、GRやマイクロフォーサーズ辺りの動向はチェックしていこうと思います。

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    2019/03/16 12:00 pm | No Comments
  • 153月

    Brise Audioの2.5mm4極の2pinイヤホンケーブル「STR7-Std」(STR7EP2P425)を入手してみました。

    AK380 AMPを再入手したものの、その間にar:tio RK01を手放してしまったので2.5mm4極のイヤホンがなく、その動作確認に入れてみたという感じです。
    Brise Audioは初めてで、そこも含めてお試しですね。

    意外に情報は少なめでしたし、高級なものは取り回しがかなり良くないとのことでしたので、無難な辺りで。
    こちらでもケーブルスライダーに木製の制振スタビライザー(?)が付いていたりして、なかなか面白いものです。
    またFAudio Passionで使う形となるので、このイヤホンがちょっと苦手な低域寄りを強化したいという考えでチョイスした部分もあります。

    純正ケーブルより若干太いですが、取り回しはなかなか良いほうです。
    耳掛け部分にワイヤーも入ってますが、これもチタンらしく装着感もまあまあです。
    やはりどうしてもちょっとズレやすい部分はありますけどね。

    まずはAK380 AMPにつないでみますが、アンプの影響もあってか、低域の駆動力が高まったなと感じます。
    ケーブルの音色もニュートラルで、Passionの苦手部分を埋め合わせてくれたようです。
    より歪みが少なく、細部の表現が美しくなりました。

    AK380 AMPのバランス出力も動作確認できたわけですが、広がりは良くなるものの、若干セパレーションを意識し過ぎて中抜けする印象もありました。
    そこはイヤーピースをfinal EからFA Vocalにすることでボーカル帯域がほんのり強めになり、バランスが取れました。

    また事前に入手しておいた2.5mm4極から3.5mm3極に変換するアダプタでアンバランス接続もしてみました。
    アダプタの影響も多少あるのか、やや濁りは増える傾向ですが、十分実用的です。
    L字にするか、短いケーブルがあるタイプにするか迷いましたが、L字だと力が掛かった場合に回転するのでプラグを折る心配はあまりしなくて大丈夫そうです。
    バランスと聴き比べると、やや音の広がりが削がれますし、低域も押しが弱まっていますが、そこまで気にしなくても良いかなと個人的には思いました。

    リケーブルによる進化ですが、良くなった部分もありますけれどFAudio Passionの気軽さという点では純正ケーブルもなかなか良いのかなというのが今の時点での印象です。
    特にプラグ自体を2pinのピンのみで支える形になりますし、プラグの長さも長くなりますので装着感にもちょっと影響が出ていて、まだしっかりフィットした感じが得られていないのもあるでしょう。
    低域の深みもやはりPassionそのものの能力を超えては出てこないようで、パイプオルガンなどは音色がだいぶかけ離れていますが、そこは仕方ないところでしょう。

    AK380 AMPのゲインをハイにしたり、ピンからすぐにケーブルを曲げないようにしてみたりしましたが、やはり耳にフィットしやすいのは純正ケーブルかも。
    これは他のイヤホンでも言えることですが、どうもワイヤ入りケーブルというのは扱いづらいイメージがあります。
    特に紗羅と二人で試したりすると、それぞれでちょうど良い曲げ具合というのも違ってきますし…。

    ただ、全体としてはPassionらしい鮮度が活きていますし、これまでのボーカルやピアノに加えてチェロなどの弦楽器も魅力的になって、ジャズなどもしっとりこなす上品な雰囲気が出たのは良い傾向かと。
    ケーブル自体の色付けもそれなりにあるようですが、全体としては音そのものは純正よりはかなり底上げされていますし、傾向も近いものだと思います。

    最近はリケーブルでいろいろと遊んできましたが、やはり装着感や使いやすさもイヤホンでは重要なポイントだなと思い始めたところです。
    今回のはそこまで困ることはないものの、Copper 22など使うのを躊躇してしまうような状態では本末転倒ですし。
    一部は純正に戻したりしつつ、ぼちぼちポータブルオーディオも落ち着いて楽しもうかなと思います。

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    2019/03/15 12:00 pm | No Comments
  • 143月

    SAECのトーンアーム「WE-4700」の発売が4月末で決まったようで。

    予約は3月末からだそうですが、何より話題になっているのは119万円(税別)という価格みたいです。
    原型となっているWE-407/23が1980年当時で67,000円だったことから「高い!」と感じるのも無理はないと思いますが、正直仕方ないでしょう。
    日本レコード協会の調べによると、アナログレコードの国内生産枚数は1976年から1980年にかけて約1億9000万枚前後を記録したのをピーク」にして、今は多少増えたとはいえ、2017年で106万枚です。
    中古や手持ちのディスクがあるとはいえ、市場規模は単純計算なら1/180ですから開発コストは1台あたり180倍になってしまうことに。
    WE-407/23が今でも現役…という方も多い(私もそう)わけですから、実際に売れる本数もまさにそんな感じでしょうからねぇ。

    正直、ここは原価厨になっても仕方ないですし、今出ている他のトーンアームと比べてもとんでもなく高価とは言えないですから、欲しい方はぜひ買って支援してあげるのが将来のためかも。
    ただ以前からちょっと気になるのは「最新の切削技術を用いてミクロンオーダーの超精密加工を施し動作特性と剛性感を一段と高めています」という部分。
    今でも結局精度を要する場所は最新技術ではなく職人技だと思うので、むしろ技術者の顔が見える製品のほうが良い気がします。
    またその技術を活用して、過去の製品もメンテナンスしますよ、くらいの太っ腹さも欲しいところです。
    もちろん無料とか実費とかではなく、当時のWE-407/23からグレードアップサービスも実施しますよ(ただし100万円)でも良いと思うんです。

    それと、内部配線がPC-TripleCになったのは良いとして、絶縁材に天然素材を使ったのは何故でしょう?
    それこそ最新技術の絶縁材がありそうなものですし、天然素材とボカさず、しっかり見せたほうが売りになりそうですけどね。
    他にもヘッドシェルはセラミックではなくジェラルミンにした理由とか、このお値段でフォノケーブルは付属しないの?(それならヘッドシェルも別売りで良いのでは?)とか、微妙にツッコミどころが多い印象はありますね。

    それでも実際にWE-407/23を現代に復活させるのは並大抵のことではなかったはずで、そこは称賛しかありません。
    取付位置および取付穴径は、WE-407/23と同寸法だそうですし、WE-407/23の欠点だったアースも高さ調整もコレットチャックにするなど、変更すべき点はキチッと見直してあるようです。
    また以前も書きましたが、アームリフターのガイドもアームパイプのほうではなくリフター本体側になっているのも改良点かと。

    きっとTechnicsやLUXMAN辺りと組み合わせたデモはこれからたくさん聴けそうですし、私も一度聴いてみたいなとは思っています。
    それこそWE-407/23とガチンコ勝負させたりしても面白そうですね。

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    2019/03/14 2:00 pm | No Comments
  • 133月

    プリ-パワー間に導入してすっかり馴染んでしまっているACOUSTIC REVIVEXLRケーブル「XLR-3.0 TripleC」ですが、手持ちの2本のXLRケーブルと比較してみることにしました。

    特注で長さ3mですが、手持ちの以下の2本も全く同じ3mのXLRケーブルということで長尺での比較というのはちょっと珍しいかなと。

    Accuphase ASLC-30
    QED Reference XLR 40

    Accuphase ASLC-30

    QED REFERENCE XLR 40

    本来ならちょっと格が違う部分もありますけども、そこは私の持っている範囲で、ということでご勘弁ください。
    ちなみにTwitterには書きましたが、XLR-3.0 TripleCを選んだのは以前にお借りしたCardas Clear CG XLRとの比較で「やっぱりACOUSTIC REVIVEしかないな」と確信を持ったというのも大きな理由となりました。
    今回の比較でもそれが思い出されるような結果となっていますので、そういう意味では十分意義のある比較になっていると自負しています。

    Cardas Clear CG XLR レビュー 比較編

    さて、まずはQED Reference XLR 40を繋いでみましょう。
    以前は左右の音量差があって困った記憶がありますが、今回はREM-8等の対処もあってか、そこはさほど気になりませんでした。
    ただ、音は記憶よりもかなり厳しいもので、簡単に言えばうるさいです…。
    ボンボン言ってるけど力がまるでなく、全体的にこじんまりしていて、まるで安っぽいイヤホンで聴いているような音場感です。

    左右それぞれのスピーカー、ウーファー、ミッドユニット、ツィーターそれぞれのユニットからただ淡々と音が出ているだけだから、そう感じるのではないでしょうか。
    とにかくドライな出音で、潤いがないだけに一面ではスッキリした印象はありますが、情報自体もスッキリ整理されてしまっています。
    正直、Qunexの頃までは結構素直だったのですが、その後くらいからどうも音作りをするようになってきて、40シリーズ以降はかなり意図的な傾向が濃厚になってしまって離れてしまいましたが、それが思い出される形となりました。

    最初に書いたとおり、価格差を考えると仕方ないとも言えますが、日本での正規代理店価格は74,000円(税別)ですから全くのエントリークラスというわけではありません。
    イヤホンで言うとダイナミック一発みたいな音の風合いで、まとまりがあるとも言えるのかもしれませんが、私にはただゴチャゴチャと煩くユニットから雑に鳴るだけのように感じてしまいました。

    続いて直前まで使っていたAccuphase ASLC-30です。
    こちらは以前から感じていたとおり、かなり物腰の柔らかい、悪く言えばナローレンジな感じです。
    QEDとは正反対に押しがなく、ユニットごとに鳴り分かれることはないものの、今度は真ん中辺りでお団子状態です。
    特に高域のキレがなさがかなり気になるところで、アンプの駆動力が弱まったような感覚すらあってBGM的になってしまいます。

    管楽器は滑らかではありますし、それぞれの楽器の音色はQEDよりも生に近いですが、いかんせん全体にボヤけていてソフトフォーカスです。
    ただし、音を変える傾向はQEDよりは薄いので、まさに付属コードのまま聴いてます、という雰囲気です。
    そのボヤけ具合も均質ではなく、以前からそうでしたが妙にピントが定まらない部分があったりするので困っていました。
    どうも帯域で音色や像のまとまり具合にバラツキがあるために、そう感じるのではないかと今なら理解できます。

    また、両者に通じて感じる点ですが、XLRといえどやはりケーブルの長さで明らかに鮮度が落ちているのも感じ取れました。
    長さの影響は以前も左右の音量差などで困った経緯もありますし、ある程度は仕方ないですけれども、その長さの中で音を変え過ぎているとケーブルの主張が強過ぎてしまいがちです。
    これが最近のケーブルにありがちな難点で、私としてはコレをやられるとシステムが追い込めないのです。
    音色にしてもずいぶん違いがあって、たとえばQEDは化繊、アキュは綿といった風合いですし、QEDのほうはもう何かエフェクタでも入れたくらいに変わるのですから、これがハマれば良いのかもしれませんけれど、私がケーブルに求めるのはそういうことではないのです。
    エフェクタを掛けたいのであればトーンコントロールなり、そうした機材を使えば良いと思うのは私だけでしょうか。

    愚痴はこのくらいにして、ACOUSTIC REVIVE XLR-3.0 TripleCに変更します。
    条件を揃えるために他のケーブルも残したままにしてあります。

    あえてどういうふうに良くなったというより何よりも、「あー元に戻って良かった」というのが率直な感想です。
    ちゃんと演奏がライブ感を持って弾けますし、きちんと鮮度が保たれていて「こうでなくっちゃ」となります。
    とりわけ、明瞭に楽器が見えるというのが他の2本では全く感じられなかった点で、ピントがしっかり合ったというのが相応しい表現でしょう。
    他の2本は何かレンズを分解した時に組み間違えたか、1枚忘れたのでは?という具合で、どうやってもフォーカスが来ないのです。
    QEDのほうは、それを無理やりシャープネスで強調してシャキッとさせているような感覚もあり、コレが私には馴染めないのだなと。

    そもそも比較試聴であっても、XLR-3.0 TripleCでは楽曲の中に新しい発見があったりして、「この楽器は何処のだろう?」とか、「ここでエフェクトが結構効いてるなぁ」という風に、聴き込めば聴き込むほど音楽のほうに関心が向いてしまいます。
    ASLC-30だとメモに夢中になって聞き流してしまいますし、QEDだと「ああでもない、こうでもない、低域が高域が…」とオーディオマニア気取りで弄り回すばかりで音楽が入ってきません。

    もちろん、XLR-3.0 TripleCではオーディオ的な観点で捉えても、アンプがしっかりと音源を辿り、スピーカーの各ユニットにしっかり仕事をさせてくれています。
    そうして考えると、ケーブルは「テーブルまで料理を運ぶウェイター」みたいなものなのかもしれないなと思いました。
    「ウェイターで味は変わらないだろ」という意見が出てきそうですが、沢山の客に快適で的確な料理を提供するにはとても重要な役割です。
    料理や飲み物を届け、場の雰囲気を保つにはタイミングが重要ですし、モタモタして料理が冷めたりこぼしたりしてはガッカリです。
    ましてや、シェフがこさえた料理に勝手にスパイスを振りかけるようなことをされては論外です。

    これがケーブルに通じるかどうかについては各自のご判断に委ねますが、私にはなんとなく重なる部分を感じた比較試聴でした。
    次回はXLR-3.0 TripleCをさらに活かすべく、ケーブルインシュレーターの配置を検討してみたいと思っています。

    Filed under: Audio
    2019/03/13 7:00 pm | No Comments