• 209月

    KS-REMASTAのリード線「KS-LW-9500EVO.II」を追加してみました。

    PC-TripleC/EXを使ったリード線としてはACOUSTIC REVIVEのabsolute LEAD WIREをZYX Ultimate 100に装着していますが、すでに廃番でヘッドシェル付属のものは単売されずにヘッドシェル自体もすでに在庫が少し出回っている程度で選択肢がない状況です。
    そこで「仕方なく」選んだというのが本音です。

    KS-LW-9500EVO.ⅡはPC-TripleC/EXを撚り線として使ってあり、導体面積が0.49平方mmと結構太めのリード線です。
    ちなみにシェルチップは金メッキのリン青銅、ハンダはEVO.Ⅱというのを使ってあるそうです。

    どのカートリッジに使おうか、ヘッドシェル同様に迷いましたが、今回はSONY XL-55にすることにしました。
    ソニーはピンアサインがヘッドシェルから左右交差する形で、リード線の太さと硬さもあって結構装着はしづらかったです。
    ケーブルの硬さのわりにはチップは柔らかく曲がりやすく、しかもチップの挿さる深さがちょっと短めということもあり、取り付けは要注意という感じでした。

    音は低域の伸びが良く、骨格のしっかりした現代的なサウンドになりました。
    フォノイコがC-280Lの時のサウンドを思い出すような感じがしたのは、低域が思いっきり改善されたのでそう感じるのでしょう。
    同じ導体のabsolute LEAD WIREに似ている部分もありますが、あそこまでソリッドではなく、撚り線っぽい柔和な感じも持ち合わせていると思います。
    キンキンしたりはせず音数が増えています。
    PC-TripleC/EXで伝達度合いが良くなって出力が高くなった感じもあり、その点では低出力の空芯カートリッジと相性が良いのでしょう。
    出力が相対的に高まった分、S/Nも向上して曲の終わり部分のフェードアウトまで繊細に出てくる印象です。

    お値段は下手なカートリッジが買えてしまうほどですし、正直、KS-REMASTAは型番が分かりづらかったり、ハンダとか研磨などの要素が多すぎてちょっと個人的にはいまひとつ気分的にモヤッとする部分があるのですが、PC-TripleC/EXの選択肢が少ない現状としては仕方なく選んでいるようなところが強いです。
    シェルチップの強度は特に要注意な感じですが、これはオルトフォンあたりでも同様だから仕方ないのかなぁ。
    作業慣れしていてカートリッジの潜在能力を100%引き出したい方か、あるいは装着までやってくれるショップでの導入がオススメかなと思います。

    created by Rinker
    ¥11,000 (2024/11/13 13:10:51時点 楽天市場調べ-詳細)
    Filed under: Audio
    2024/09/20 12:00 pm | No Comments
  • 159月

    My Sonic Labのヘッドシェル「SH-1Rh」を追加してみました。

    ZYX Ultimate 100とLyra Helikonにすでに導入してありますので、これで3個目ということになります。
    当時よりだいぶお値段が上がっていて現行価格だと2万円近いですが、探すとまだ旧価格に近いお値段で売っているところも多少あるはずです。

    改めて重量を確認すると14gとのことですが、SONY XL-55を装着しているENTRE ES-12の12gを置き換えるにはちょっと重いです。
    SAECのトーンアーム「WE-407/23」はウェイト交換で幅広い重量に対応可能ですが、うちはミドルマスウェイトのみなので15〜25gに対応できる形です。
    取り付け候補としては以下のあたりでした。

    SONY XL-55(カートリッジ本体:10g)
    Accuphase AC-2(9.5g)
    Victor MC-1(8.7g)
    SONY XL-44L(6.2g)

    14gにリード線も含まれるのか確認しませんでしたが、できれば中間の20g前後が良いでしょうから結局はSONY XL-44Lにしておきました。
    実際に装着してみるとそれでも真ん中よりは重量寄りになるのでおそらくリード線は重量に含まれていないんでしょうね。

    リード線自体も別売りされているもので品質も良く柔らかいので装着はとてもしやすいです。
    XL-44Lに針カバーがないのでそこはちょっと恐る恐るになってしまいましたけど。

    音はかなり変わって曖昧さが減ってぶれなくなりました。
    リード線が変わったことも大きいのでしょう。
    XL-44Lは低域がやや軽い傾向にあるカートリッジでしたが、ヘッドシェル交換後はだいぶしっかり堂々とした出音になりました。
    なんとなくダンピングファクターが上がったような感覚があって、そこはヘッドシェルのたわみがないからかな。
    金属的な響きは意外と多少乗るような部分はあって、そこはこれまでの使用感に近いです。

    ヘッドシェルを交換してからは半月近くそのままXL-44Lを使い続けてカートリッジを変えなかったので、不精で交換しなかった感も多少はあるかもしれませんがそれだけ出音に満足できたということでしょう。
    個人的にかなり定番カートリッジが揃ってきた中に食い込めたというだけでもヘッドシェル導入の効果はあったのだと思います。
    当時のカートリッジのお値段を考えてしまうとちょっと高級なヘッドシェルという感は否めませんけどね。

    Filed under: Audio
    2024/09/15 12:00 pm | My Sonic Lab SH-1Rh、さらに追加 はコメントを受け付けていません
  • 019月

    ONZOW Laboのスタイラスチップクリーナー「ゼロダスト」の手持ちのものがだいぶ年季が入ってきたので新調することにしました。

    以前買ったのが2019年なのでまだ5年ほどではありますし、何度か水洗いもしているのですがこのところの高騰を考えると今のうちかなと。
    ちなみに前回は2022年に700円ほど値上げされています。

    以前のものが左、今回入手したのが右で、ゲル部分の形状が異なっています。
    左のはゲルが花形になっていて周囲はプラ板ですけど今回入手ものは全体がゲルです。
    今回のはどうやら長期在庫品だったようなので、どちらが新しいのかは不明ではありますけど画像検索した感じだと花形のほうが新しいかもしれません。

    まあ未使用なら粘着度合いが劣ることもないでしょうし、実際使ってみた感触も以前のものとほぼ変わりありません。
    表面の汚れは水洗いしてもやっぱり5年間使ったほうはそれなりに小さなゴミや針の刺さった痕が残っていたりします。

    ちなみに針掃除は片面再生ごとにルーペで確認してほぼ毎回やっています。
    普段はDS AUDIOのST-50を使うことが多く、ちょっと粘度がありそうな汚れが根本まで付着してそうな時にゼロダストを使うようにしています。
    よっぽど頑固な汚れの場合には)PICKERINGのAP-1を使うこともごく稀にありますけど、クリーニング液を使う形になるので極力控えています。
    なおPICKERINGのはもう廃番になっていて、現在はLOJECT AP-10としてほぼ同等のものが市販されています。

    ずっと使ってきていずれもトラブルはありませんが、なにしろカートリッジのスタイラスやカンチレバーは繊細ですのでどの方式を使うにせよ、これ以上ないくらい慎重に作業したいところです。

    created by Rinker
    ゼロダスト
    ¥4,730 (2024/11/13 16:07:26時点 Amazon調べ-詳細)
    Filed under: Audio
    2024/09/01 12:00 pm | ゼロダスト、新調 はコメントを受け付けていません
  • 158月

    だいぶいろんなイヤホンが揃ってきたので、普通に聴きつつメモを取った内容をまとめて比較レビューみたいな記事にしてみます。

    まずは比較的上位モデルから挙げていくことにします。
    最初はqdc 8SEです。
    圧倒的に澄んだサウンドが特徴的で、音階まで明瞭に聴き取れます。
    現状はケーブルにqdc Anole付属のものを、イヤーピースにSpinFit W1を使用していますが、やや長めのノズルによって少し耳から遠い装着感以外は欠点がほとんどありません。
    音自体はIEM的で中音域に寄っていますが、非常に自然でジャンルを選ばず聴けます。
    古い録音でもそつなく再生できるのが魅力です。

    つづいてUnique Melody Maverick Tiは大きな筐体で最初は耳から外れやすかったですが慣れてくると意外と装着は安定しています。
    ケーブルにやや太めで硬いEffect Audio Ares II+を使っているのも逆に功を奏しているのでしょう。
    下もしっかり出てくるようになったのでベースの実在感もあってジャズがゆったりしっかり鳴るようになりました。
    やや薄いと言われる低域も補強された形で、SENNHEISER HD800で聴いた後に同じアルバムを聴いても鮮度はむしろあるくらいに感じるレベルになっています。
    下手に音の広さを作ろうとしない分、直接届く感じがあるのも良いのでしょう。
    金属筐体も薄いチタンで響きを適度に乗せてくるので金管楽器に強い傾向はありますが、そんなにキツくなり過ぎないお化粧程度で独特にリスニング時の爽快な満足感につながっているように思います。

    次はHIFIMAN RE2000 Silverです。
    現状、イヤーピースにSednaEarFit Originを使用し、ケーブルはEffect Audio Grandiosoを使用しています。
    音傾向は意外とFAudioに似ていますが、やや前寄りで広めの音場が特徴です。
    高域は少し硬めで、静音部の描写が美しいですが、低音はもう少し出ても良いかもしれません。
    トランペットなどの金管楽器の音が印象的でハードドームのような鳴り方をして、ある種アルミカンチレバーっぽい音が乗る感じがあります。
    意外にも古い音源との相性が良く鮮度感のあるサウンドを聴かせてくれますが、ちょっと角度の付いたケーブル出しと筐体形状のせいか、装着感がいまひとつで意外と出番が少ない傾向です。

    つづいてFAudio Chorus。
    Macbeth Tiと比べると明るく華やかな音色が特徴です。
    低域はこってりしていますが全体的には爽やかな印象で、ロッシーニの楽曲では各楽器の色合いがしっかりと表現されます。
    こうした音傾向は太めのEffect Audio Ares IIを使っている影響があるかもしれないですし、装着感もその太めのケーブルのせいもあってか、左が若干浮きやすいです。
    ただSpinFit OMNIをイヤーピースに使っているのである程度はカバーされて、頭部後方に広がるような音場が再現されます。
    楽器の分離が良く、音色が自然でクセが少ないため、聴き慣れていないアルバムでも飽きずに楽しめます。

    お次はUnique Melodyの初代MaverickとMacbeth Ti。
    初代Maverickはやっぱり安定感があってクセが少ないです。
    ハウジングも奇をてらったところがないぶん、装着も安定していますし、中域を中心にリアルな音色で鮮度が高く感じる場面が多々あります。
    今となってはだいぶ古いモデルですけど、他の同時期のイヤホンと比べたら現行のものとしっかり勝負できているモデルかなと感じます。

    Macbeth Tiは当初はMaverick Tiよりバランスが良いのでは?と感じる側面が多かったのですが、現状は全体的に重厚感が足りないような印象が出てきました。
    低域も量感はあるのですがなんとなく体感的には薄いというか深みがないような感じです。
    イヤーピースが純正のままなのもシリコンに慣れるとちょっと浮く感覚が出てくる部分がありますし、扱いやすいようにと細めのケーブルを組み合わせているせいもあるかも。

    最後にqdc対決(8SEはもう挙げましたが)で。

    qdc 3SH SEはしっとり系で尖ったところはあまりなく、感覚的にはソフトドームの2wayブックシェルフスピーカーのようなまとまり方です。
    古い音源だと音揺れが目立つ傾向がある気がして、そういう部分は若干モニター風味な部分もあります。
    音のバランスとしては中域を重視しつつ、中高域のわずかな華やかさと中低域のややゆったりした量感が特色でしょうか。

    qdc NEPTUNEは全体的に柔らかく、帯域は決して広くないですがどこも過不足ないバランス感覚の良さがあるのはやはりヒットモデルならではでしょう。
    単体で聴けば「これで十分なのでは?」とすら感じますし、なにより付け心地が良いので音楽に没頭できます。
    イヤーピースにACOUSTUNE AEX70を選んだことも装着感の良さを強化しているのでしょう。

    qdc Dmagic Soloは他のイヤホンから切り替えると若干曇った感じがあって、喩えが良いかわかりませんがLINNのかつての黒箱のような雰囲気があります。
    低域はぽってり厚めで全体に柔らかくてスローな感じです。
    装着感も悪くはないですが、逆に特筆するほどの良さも少なめかな。
    のんびり聴くには意外と悪くないのでそういう意味ではNEPTUNEに通じるものもあるのですが、音のバランスの取り具合としてはある意味真逆です。

    最近のヒット作、qdc Superiorはこれまた単体で聴くとこれだけでもう上位モデルは要らないのでは?という説得力や圧倒感があります。
    やや厚みのあるヘッドホン的な低域が特徴です。
    わずかにドンシャリ傾向がありますが、全体としては最近のイヤホンの進化を感じさせる音質です。
    高級なサウンドかといわれるとちょっと雑な部分は長く聴いていると随所に出てきたりはしますし、好みが出そうな箇所はいろいろありますがまあ優秀かと。
    これまた分かりづらい喩えで恐縮ですけど、Speakers Cornerのレコードの音傾向に似た印象があります。
    ちなみにケーブルはLuminox Audioのを付けていますが、できれば(4.4mmも含めて)純正じゃないもののほうが本領発揮させる上ではオススメです。

    イヤホンを入手して終わりではなく、イヤーピースやケーブル、さらにはDAPとの相性なども含めて印象が変化していくので、今回の簡易レビューもかなり環境や思い入れに依存しているところがあるでしょう。
    ただ、いろいろ聴いていくと個人的には「長時間聴いても飽きないイヤホン」が結局は強いのかなと感じました。
    そういう点ではqdc 8SEとUnique MelodyのMaverick Ti、Maverick、それにFAudio Chorus、廉価なほうだとqdc NEPTUNEがそれに該当している感じがします。
    もちろん各モデルにそれぞれ特徴や持ち味がありますので、好みや用途に応じて選ぶ参考になれば幸いです。(古いモデルばかりであまり参考にならないかもしれませんけど。)

    Filed under: Audio
    2024/08/15 12:00 pm | 手持ちイヤホン聴き比べ簡易レビュー はコメントを受け付けていません
  • 108月

    2016年から使ってきた電子針圧計の電池がぼちぼち減ってきつつあったので、この際に新調してみることにしました。

    ちゃんとしたオーディオメーカーのものに変えることも考えましたが、正直母体となるスケール部分は流用っぽいものがほとんどですし、以前のも壊れたわけではないのでもう一台買って精度を相互で確認すれば良いかなと。
    以前のものはボタン電池(たしか2xLR44)だったので、新しいのは単4電池で動くというのも追加しようと思った理由のひとつです。
    なお電池は付属のものではなく充電池を入れました。(Amazonベーシックのだと電池収納部がわりとキツキツでした。)

    今回のものは100gまで測定できて精度も0.005gらしいですが、本当にそこまで信用できるとは思ってないです。
    針圧としてはできれば0.05g、最悪で0.1g以内くらいなら十分でしょう。
    元々のもので2.0gに設定してあったSONY XL55Proをそのまま新しい針圧計で測ってみたところ、ぴったり2.000gをさしました。
    ピッタリ過ぎてちょっとインチキくさいくらいです。

    まあこれでどっちも私が望むくらいの精度はあるようですし、トーンアーム側の目盛りでの合わせも大きな誤差はまだないみたいです。
    ちなみにSAEC WE-407/23は内周に入るにつれて針圧が微妙に加算されていく仕組みもあるので、そこも加味して考える必要はあります。

    今回の針圧系は操作がタッチパネル式になっていて便利そうですけど、以前のよりは故障しやすそうな雰囲気はあるかも。
    最初は保護フィルムが貼ってあってこれを貼ったままでも一応操作は可能でした。

    本体はかなり薄く、予想以上に薄い缶の中に入っています。
    収納用の布ケースみたいなものは別途用意されてはいないので、この缶に入れて保管するにはちょっとかさばるかな。
    検査用の重りも20gあって重いので、これも5gくらいでも良いのでは?という気はします。
    粉を乗せる皿みたいなのも付属するので元々はなにか別用途のものを流用してるんでしょうけどね。

    針を載せる部分はアルミニウムで非磁性らしいので、ちゃんとカートリッジのことは配慮されていると思われます。
    保証もそこそこ長いですし、価格もオーディオアクセサリーとしては廉価なほうですから持っておいて損はないかなと思います。

    Filed under: Audio
    2024/08/10 12:00 pm | 針圧計、更新 はコメントを受け付けていません
  • 028月

    SAECから、新しいMCカートリッジ「XC-11」が2024年8月1日に発売されたそうで。

    価格は528,000円とそこそこの価格ですが、今のMCカートリッジ相場からすると中級〜上級クラスといったところでしょうか。
    XC-11の特徴的な仕様としては以下のような感じです。

    ・コイル素材 : PC-Triple Cを採用
    ・カンチレバー素材 : ボロン
    ・スタイラス形状 : ラインコンタクト
    ・マグネット : ネオジウム「#50」
    ・発電方式 : リングマグネット方式、ヨークレス設計

    ネオジウム #50やリングマグネットなどの類似点からしてMUTECHのOEMである可能性が高いでしょう。
    ただ、SAECの公式サイトでは発電方式の詳細図は公開されていません。
    リングマグネットは過去にSONY XL-MC3などのモデルでも使用されていましたが、MUTECHでは8の字コイルとは異なるコイルを用いているようですので、XC-11もそちらに近いと考えるのが妥当でしょう。

    またコイルにPC-Triple Cを使っていることを特徴に挙げていますが、純銀のものもあるので伝導率だけで考えると必ずしも優位になるかは分かりません。
    ターミナルピンにはリン青銅が使用されていますので、ここにこそ純銅やPC-TripleCを使ってほしいかも。
    純銅だと柔らかいから扱いづらいのだと思いますが、たしかZYXは18金無垢などもやっていたので不可能ではないかなと。

    とはいえ、SAECとしてカートリッジを発売するのはオーディオエンジニアリング時代のC-1、C-3、そしてサエクコマースとして発売したXC-10(1980年発売)以来ということになります。
    前者2つはベリリウムカンチレバー、XC-10はボロンなのでここでもやっぱりサエクコマースとしての製品だなと感じます。
    当時のXC-10は30,000円だったのでそこはさすがに隔世の感がありますけど、デモで直接対決みたいなこともやってみてほしいところです。

    created by Rinker
    ¥47,520 (2024/11/13 23:47:48時点 楽天市場調べ-詳細)
    Filed under: Audio
    2024/08/02 12:00 pm | SAEC XC-11 はコメントを受け付けていません