• 077月

    EFFECT AUDIOのイヤフォン用ケーブル「Ares S」を入手しました。

    初のConX対応ケーブルということになります。
    初期状態は2pinですが、Basic Kitも入手したのでMMCXにも交換可能です。

    ケーブル自体は24AWGの4芯で純銅リッツ線、被膜がEA Ultra Flexiという形でVOGUEシリーズ等に近い構成です。
    太さはAres IIと変わらないはずですが被膜がやや柔らかめなので取り回しは良くなっていますし、分岐部もちょっと立派になっています。

    DAP側はTermXではなく固定の4.4mmでロジウムメッキ真鍮プラグですけど、多少接触不良が起きやすい感じです。
    4.4mmは微妙に形状が異なったりして互換が悪かったりするようですが、複数のDAPでも似た感じなのでこのプラグor個体差かも。
    ひとまずこのままにしておきますが将来的にはTermXやOEAudioなどに交換しても良いかも。

    まずは初代Maverickでチェックしていきます。
    音は意外と銀メッキ的な音で中高域がサラサラしている印象を受けます。
    雰囲気としてはプラグのロジウムメッキの音色が出ているのかな?
    EFFECT AUDIOらしいダイレクト感のある音ではありますが、以前のAresの持つ、ちょっと柔らかさも兼ね備えたサウンドとは異なり、ストレートに音源の特色を出す傾向に微妙に変わっています。
    バランス的にはやや上寄りな弱ドンシャリ系で、ベリリウムやチタンといった金属ハウジング系っぽい音が初代Maverickから出るようなイメージを受けました。

    ただエージング進むと透明感がかなり上がって残響成分などがしっかり聞き取れるようになってきます。
    いわゆる聴感上のS/Nが良い感覚です。
    音色としてはそこまで最初とは印象が変わらず、ハイハットはやや金属的で、たしかにそれが正しいのだけどちょっとだけ脚色っぽさはありそうです。
    低音はそこまで深くないのはAresクラスだと順当なところなのでしょう。
    クラシックだと意外と空間再現は弱めで楽器の音を鮮明にしてくる感じです。

    ConXは端子を自由に変えられて便利だなぁと思う反面、実際に使ってみるとやはり接点が増えた感触は多少なりともありそうです。
    思い込みも入っているかもしれませんが、鮮度感を保持しようとした味付けが少し感じ取れるような気もします。
    ただケーブル自体は被膜が柔らかくなったことで取り回しはARES II+と比べたら雲泥の差で良好になっていて、トータルでの実用性の高さからすれば大幅な改善だと思います。

    取り回しが極端に悪い太めのAres II+とも比較してみました。
    こちらは空気感部分の細部表現が多彩でボーカルもさらに妖艶さがあります。
    ただセパレーションの良さは4.4mmな分、Ares Sが優位です。
    Ares Sのほうも細部はしっかり出ているのですが、やはりなんとなくベールが一枚ある感じはちょっと感じて、どこかで接触抵抗が高いような感じを受けてしまいます。
    もしかするとConXよりも4.4mmプラグ側なのかなぁという気も少ししていますが。

    そこでイヤホンを変更し、HIFIMAN RE2000 SilverでAres Sを使ってみると、こちらは透明感と見通しの良さが抜群です。
    ついでにいうとイヤーピースもそれに合わせて再チョイスし、SpinFit OMNIにするとさらにベストでした。
    それまでのSedna ORIGINだと少しだけ軸が長過ぎて空間が広くなり過ぎて中抜け傾向になる音源があるのですが、装着感だけならSedna ORIGINがいちばん良いのでそこは少し残念ですけどね。
    ちょっと話が逸れましたが、RE2000 SilverにAres Sという組み合わせは多少強引なところもありますが、鮮度優先で鮮烈なサウンドと対峙するような形にまとまったように思います。
    多ドラやBA系よりもシンプルなDDのほうが合うのかもしれないですね。

    ちなみに初代MaverickはGrandiosoにしました。
    こちらのほうが少しだけ音が柔らかめですが、ニュートラルで強調感のない自然な出音になってくれます。
    価格的にもGrandiosoとは近いと思いますが、個人的にはどちらかというとGrandiosoのほうがオススメかな。
    意外とVirtuosoが好みですし、VOGUEシリーズが音や取り回しの面で好みなのかもしれません。

    さすがにもうケーブルがいっぱいになっていたのでぼちぼち落ち着かせようと思いますが、ConXがあるのでそこはもうちょっとだけ遊んでみようかなと思っている感じです。
    その後は自身でのプラグ交換もちょっとずつやっていこうかなと思っています。

    Filed under: Audio
    2024/07/07 12:00 pm | No Comments
  • 057月

    YAMAHAのMCカートリッジ「MC-1X」を入手しました。

    最近はすっかり空芯じゃないと不満が出てくるようになったところで、Victor MC-1と同じプリント基板ベースのコイルということで気になって入手した次第です。
    通常タイプのもMC-1Sとして出ていますが、こちらはシェル一体型でそこはSONY XL55Proに近い形ですね。
    本体の重さは18.5gだそうで、見かけよりは意外と軽めな感じですけどアルミダイキャスト一体成型の部分はなかなか強度が高そうです。
    裏にあるはずのシリアルナンバーが見当たりませんが、シールっぽいので剥がれたのかな?

    2層ラミネートIC空芯コイルはVictorとは違ってダンパーに近い部分にあり、サマリウムコバルトマグネットによるヨークレス差動磁気回路となっています。
    カンチレバーはベリリウムのテーパードです。
    ちなみに話は逸れますが、製品のケースがとても良くできていて90°回転させることで裏の板バネによりしっかり固定されるようになっています。
    針カバーはシェル全体を覆うタイプなのでちょっと普段使いしづらいですけどね。

    出力は公称0.2mVですが、意外と小さめに感じます。
    ただとにかく出音が澄んでいるのが印象的で、セパレーションの良さからなのかスピーカーの外側まで広がる音場が他のカートリッジと比べて群を抜いているように感じられます。
    海外の計測結果でもクロストークは特に中域でとても良好のようなので、発電機構やヨークがないことなどが効いているのかな。

    一方で全体的な音色はやはり国産というかヤマハっぽさがちゃんと出ていて、爽やかに溜めなく鳴らす印象です。
    評判よりは元気が良くノリの良さもありますが、なにより疾走感があるというのがいちばん良く当てはまる比喩かなと。
    帯域でいうと個人的な思い込みでいうとベリリウムカンチレバーの影響なのか、やや中高域は強めに出ますが歪みっぽさはなく、低域はかなり下まで伸びています。
    他のカートリッジでいうと「日本的なLyra」という風合いといったところでしょうか。
    YAMAHA CDX-2200の音を思い出したようなところもあったので、基本的にはヤマハカラーもあるのでしょうね。

    シェル一体型なのでセッティングを追い込むのには向きませんが、シェルリードやヘッドシェルで迷うことがないのはズボラな私にとっては好都合かも。
    この手の極細コイルは消磁器を使わないように注意が必要ですけど、そこも空芯なのでそもそも気にする必要がないのも気楽で助かります。
    MCカートリッジがだいぶ増えてきましたが、私にとってはこの時代の国産モデルが今は楽しいかなと思っているところです。

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    2024/07/05 12:00 pm | No Comments
  • 047月

    Luxury & Precisionのドングル型DAC「W2」を入手しました。

    スティックタイプのDACとしてはShanling UA2、Lotoo PAW S1、AK HC2、そして先日のFiiO KA3に続いて5本目になってしまいました。
    さすがにちょっと多すぎると思うのですが、メーカーによる違いを試してみたくなるんですよね。
    今回のW2はCS43198 x 2というAK HC2に近い構成で、オペアンプを別途搭載しており、230mW@32Ωという内容になっています。

    出力は4.4mmと3.5mmと扱いやすい構成ですし、ディスプレイや音量ボタンもDAC側にちゃんとあるというのがやっぱり良いですね。
    音量に関してはHID KEYの設定次第でスマホやPC側のボリュームと連動させることも可能です。

    USBケーブルもLightningとUSB-Cが双方、それにUSB-CからUSB-Aへの変換アダプタが付属していますが、一応オマケ扱いということのようです。

    まずはいつも最新にしたくなるファームウェアですが、代理店では更新をサポートしてないとのこと。
    更新するにはWindows 7か10が必要みたいで、それだとサポートしきれないということでしょう。
    そういうこともあってか本体からはバージョンが分からないようですけど、EQのプリセットにIE800sが出ているのでおそらく1.0.2.6だと思われます。
    最新は1.0.5.6なので、こちらに更新しておきました。

    最初に4.4mmで試した時点でなぜか音が出なくて焦ったのですが、単純にイヤホンジャックがしっかり刺さってなかっただけでした。
    アップデート前後も軽く試しましたが、更新後のほうがすっきりした音色になったような気がします。
    評判通りしっかりした音で、ちょっとしたDAPくらいなら不要なくらい良い感じです。
    他のスティックDACにありがちなノイズっぽさが少ないのも効いているんでしょうね。
    さすがに4G等のモバイル通信が入るとちょっとノイズが乗ることはありますけど、それはむしろUSBケーブルやイヤホン側のケーブルで対策すべきでしょう。

    音傾向としては中域がちょっと厚めになっている印象で、それが聴きやすい方向に上手く作用している気がします。
    低域は本格的なDAPと比べればさすがにちょっと分解能が低めではありますが、そこはスマホ等だと電源供給が足りない影響があるのでしょう。
    厳密には若干装飾された音なのだとは思いますが、ちょっとスマホにイヤホンでチェックしたい時に手に取る頻度は圧倒的にW2が増えました。
    それまでだと気軽なケースはLotoo PAW S1、本気の時はAK HC2だったのが統合されたような感じです。

    ちなみにハイゲインでもそこまでバカでかい音量というわけではない感じです。
    前述のようにHID KEYのオンオフでスマホ側ボリュームと連動しますが、再生中に切り替えたりするとフルボリュームになることがあるので要注意ではあります。
    あと、接続後に良く分からずなぜか音が出ない時が稀にあるのですけど、その時でもディスプレイ表示などは正常のままなのでそれが多少困るくらいかな。
    おそらく消費電力が大きめなので、そのあたりが影響しているのだと思われます。

    手持ちのイヤホンでいうと全部試したわけではありませんが、Unique Melody Macbeth Tiと相性が良いようでした。
    逆にHIFIMAN RE2000 Silverとはイマイチで、qdc 8SEはまあまあ良いほうという感じでしたので、BAのほうが合うということかな?

    さすがに多少整理したほうが良いかなとも思いますが、ノートPCとかテスト環境のAndroidなどでも使い分けられますし、用途に応じてそれぞれ使っていければなと思います。
    それでもメインはこのW2を含めて絞られてきそうですけどね。

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    Filed under: Audio
    2024/07/04 12:00 pm | No Comments
  • 037月

    EMPIRE EARS Nemesisに付属のEFFECT AUDIO製ケーブルを入手しました。

    EMPIRE EARS Nemesis (Universal fit)のページを見ると「26AWG UPOCC Litz Copper Cable, Handcrafted by Effect Audio」とあるので、Ares II相当じゃないかと思います。
    ただプラグや分岐部分の金属などが異なります。

    3.5mm L字プラグは今さら感はちょっとあって、音色もわりと新しいGrandiosoなどと比べると少しモヤがかかる印象はあります。
    3.5mmから交換すれば改善するかもしれませんが、そもそもがAres II相当ですから旧世代だし仕方ない一面もあるでしょう。
    Ares II+は持っていますが、ああいう太く真っ直ぐぶつかってくる感も薄めで、EFFECT AUDIOの中では柔らかいほうかと。
    中域がやや厚めで描写が細やかで音色が自然な印象で、そこはイヤホンメーカー側の要望に合わせた部分もあるかも。

    ただプラグ装着の加工とか左右分岐部の重量感のある銅っぽいものとか、作りはしっかりしているなと思います。
    2pinなのでどこで使うかまだ迷っていますが、将来的には4.4mmプラグに換装してみても良いかなぁと考えているところです。

    Filed under: Audio
    2024/07/03 12:00 pm | No Comments
  • 286月

    EFFECT AUDIOの2pin4.4mmケーブル「Grandioso」を入手しました。

    すっかりEFFECT AUDIOにハマった感じになっていますが、今回のはVOGUEシリーズの上位モデルという形で、純銅と純銀の組み合わせとなっています。
    2pinを選んだのはHIFIMAN RE2000 Silverに装着しようという魂胆です。
    その前にVirtuosoを装着していましたが、そこから比べると中高域のキツさがなくなったのはやはり銀メッキとの違いでしょう。

    またサブベースの非常に深い部分が出ていてかなり驚きました。
    低域は太いケーブルのほうが出る、みたいな先入観がありますけど、Grandiosoはむしろ細めのケーブルですけどガッツリとても低いところが出てきます。
    またメッキがないせいか、強調する部分がなく自然で、高級感を装ってゴージャスぶったところが皆無なのも好印象です。
    上もちゃんと伸びていて繊細さも兼ね備えているのも魅力かと。

    音を重ねてる部分も明瞭に聴き取れてそれでいてバラバラにならないのはHIFIMAN RE2000 Silverの良さが引き出せたというところもあるのでしょう。
    コントラバスの弦の音が滲まずリアルで、それが録音の古いジャズでもキレがとても良く聞き応えが高まるので何を聴いても楽しくなります。

    EFFECT AUDIOは全体に直球勝負的な音傾向な感じがして気に入ってるのですけど、その中でもVOGUEシリーズ以降はさらに進化しているような印象を持っています。
    被膜が「EA UltraFlexi」になったからなのかな?
    プラグ部分は相変わらずちょっと心許ない部分もありますけど、ケーブルには中にケブラーも入ってるので細くてもだいぶ安心ではありそうです。
    ちなみに線材自体は26AWGとのことです。
    そうなるといつものようにConX世代のものも気になってはくるのですけど、まだご縁がないみたいです。

    Filed under: Audio
    2024/06/28 12:00 pm | No Comments
  • 266月

    HIFIMANのイヤホン「RE2000 Silver」を入手しました。

    2018年発売のモデルなので相変わらず今さらなんですけど、先日のRE800 Silverが思いのほか良かったので手を出した次第です。
    現行モデルはRE2000 Pro Silverですがハウジングの形状が多少変わったりしている程度みたいです。
    逆に言えばハウジングが耳に合わないという意見も多かったのを受けての変更だと思うのですが、多少角が当たるかなぁという感じはあるものの装着感は私の場合、大丈夫みたいです。

    基本はRE800 Silverと同じトポロジータイヤフラムのダイナミック型ユニット一発のシンプルな構造です。
    真鍮のRE2000のほうが評判は良くて、アルミ筐体のSilverはハウジングによる残響が少なめのあっさり系ということでしたが、たしかにその通りかと思われます。

    まずはイヤーピースから選んでいきましたが、結果的にはUnique Melodyの「Melody Teal」にしました。
    次点がSpinFit OMNIでした。
    シリコン系だとちょっと高域のキツさが目立つケースがあるので、ちょっとゴムっぽい素材のほうが合ってるようです。
    Melody Tealだと低域も量感がしっかり出るし、広がりも本来の素質が活かせるみたいです。

    RE800 Silverとは違ってリケーブルも可能で、ちょっと装着の向きが普通とは違いますけど埋め込み2pinが使えます。
    こちらも結果的にEFFECT AUDIOのVirtuosoをチョイスしました。
    耳掛け部分にワイヤがないので装着の向きに影響を受けにくいですし、細めなので扱いやすいのがまず第一条件クリアでした。
    また純正ケーブルよりもかなり透明度が上がって輪郭がより明瞭になって、さらに低域もぐっと深みが出ました。

    ダイナミック一発とはいえ、HIFIMANの本領発揮という感じのイヤホンで空間の広さがやはり素晴らしいです。
    Maverickと比較してみてもRE2000 Silverを聴いた直後だとこもって聴こえるほどです。
    Maverickはたしかに多ドラらしい散らばり具合もあってそれが良い方向になるケースもありますが、良く聞くとどうしても散乱した感じになることが多めです。
    HIFIMANのほうは典型的にダイナミック一発の良さを存分に活かしているという感じがします。
    どちらが確実に上とかそういうわけでもないですが、HIFIMANはどちらかというとアメリカン、Maverickのほうはヨーロッパ系の雰囲気を漂わせているように感じました。

    同じダイナミックということでqdc SUPERIORも聴いてみましたが、さすがにこの2機種を聴いた後の試聴はかわいそうでした。
    圧倒的に(本当に低いところの)低音がないですし、まとまりはあるものの全般的に物足りないです。
    帯域がどうこうというよりも全体的に軽さを感じるという感じでしょうか。

    他のイヤホンともいろいろ聴き比べてみましたが、とにかく音に滲みがないのが印象的です。
    ジャズライブなどでは臨場感がとても高まりますし、ハイハットやウッドベースのキレや抜けがとても良いです。
    空間的な広さもあって、それが無理にイヤホンだけど頑張って作ってみましたという広さではなく、ヘッドホンやスピーカーのような開放型っぽい雰囲気(さすがに同等とまではいきませんけど)を引き出してきます。
    純粋に周波数特性や歪み率といったスペックではまだまだ上がありますけど、音楽に向き合う純度みたいなものが高いイヤホンだなと感じている次第です。

    Filed under: Audio
    2024/06/26 12:00 pm | No Comments