• 162月

    REVOXのCDプレーヤー「B226S」を導入してみました。

    すでにCDプレーヤーは7台ほど所有しているのですが、QUAD 99 CDP-2が思いのほか良かったこともあって、音楽的に楽しいサウンドの方向に少しシフトさせても良いかなと。
    知名度でいうとSTUDER A730やREVOXならB225あたりが有名ですが、B226SはB225をベースにDACをTDA1541A(B225はTDA1540)に、メカをCDM-1 mkIIあるいはCDM-4/26のアルミダイキャストバージョンに変更したものみたいです。
    B226 Signatureというのもあってこれと区別が付きづらいですけど、世代的にはB226Sのほうが新しいのだと思われます。
    同じ型番でも細かいバージョン違いがあるようですけどね。

    チョイスの理由は1年保証があるという部分もありました。
    ピックアップの型番はよく分かりませんが、SACDハイブリッドもCD-Rも難なく読んでくれますから、まだまだ元気ということでしょう。
    他の機種と違って、ディスクを入れてもその時点ではTOCを読まず、再生ボタンを押してからアクセスを始めるというのが面白いところです。
    トレイもドライブもかなり念入りにフローティングされていて、SONYなど国産メカの剛性優先の作りとの違いを感じます。

    DACチップは予想どおりTDA1541A-S1でシングルクラウンのものでした。
    左右独立といった方向性ではない点なども他の機種とは一線を画するところでしょう。

    TDA1541Aの場合、DAC周辺に配置されているDEMフィルタコンデンサも重要な要素らしく、これもちゃんと型番をチェックするのを忘れましたが、ERO(現ビシェイ)のものが使われていました。
    B225あたりはたしかPhilipsのコンデンサだったと思いますし、B226Sでもいろいろバージョン違いがありそうで、交換してあるのかどうかは定かではありません。
    ただ、それ以外の電解コンデンサなどはどうやらメンテナンスされている様子で、Fine GoldやELNAなどが多用されていました。

    さて肝心のサウンドですが、いちばん印象深いのは「楽器が生っぽい」というところでしょう。
    余韻が自然で脚色が少なくアタックが鈍らないので、鮮度の高い生々しさがライブのような温度感と躍動感を再現してくれます。
    時代的なものもありますから、細部をほじくり出すようなテクスチャの滑らかさといったものはやや苦手かもしれませんが、CD音源をあまりこね回さずに忠実な印象を受けました。
    録音の質がかなり明確に分かりますし、予想していたよりも意外と現代的かつマルチでない録音と相性が良さそうなところからも、そんな傾向は感じ取れます。

    プラグ類はなぜか奥まった構造になっていますので、高級ケーブル類は挿せないものが多いのはやや残念な部分です。
    ただデジタルアウトもありますから、これでAccuphase DP-77へも入れてみましたが、それでも音色はかなりB226Sに似通ってくる感じで、トランスポートの違いもやはり大きいのだなと再確認させられます。
    芯がしっかりして、霞といいますかエコー感が削ぎ落とされたような感があります。
    ちなみになぜかAccuphase DC-81ではデジタル信号にロックがかからなくて音が出ませんでしたが、あまり理由は追求していません。

    ただ音色としてはやはりB226S単独のほうがいろんな音源を楽しみたくなる魅力があり、到着後はSACD単層以外はほぼREVOXで聴くようになっています。
    オペアンプはSignetics NE5532からあえて(?)交換されておらず、このオペアンプの特色を活かした骨太さもなかなか良好です。
    鈍らせるだけのデジタル臭さ排除という安易な逃げを施していないように感じられるのも良いですね。
    その成果として余韻が自然で音源の残響が正確に再現されるので、音盤に収録された空気感が自然とあふれ出してくるような印象です。

    欠点を挙げるとしたら静粛感がやや弱いところでしょうか。
    全体にディザが効いたような印象があって高域側の伸びもやや少なめではありますが、そこを求めるモデルではないでしょう。
    ある意味、ハイレゾと対極にあるとも言えそうですが、ピアニシモでも音が痩せず楽器の分離も良いので、CD音源ならCD音源らしく、という聴き方にはむしろ相応しいとも思えます。

    REVOXやSTUDERはレコードに近づける音作りといった言われ方もしますが、B226Sではそこまで強くそれを意識させるほどではなく、過去のモデル(この機種も1989年ですが)よりはハイファイ寄りにチューニングされているのかなと思われます。
    それでも、初期のCDでまさにレコードのようなスピーカー外側まであふれ出るような音の広がりが再現されたりすると、「そうそう、これこれ!」と思ったりもします。
    QUADやAccuphaseなども残して現行システムには3台のCDPをつないでありますが、比較的新しい機種は粒子上の虚像を空間再現することに注力気味なのに対して、REVOXでは空気振動の塊感を再現することに重きを置いているように感じられます。
    過去の雑誌記事を見ますと、100Hzくらいを少し持ち上げ、高域は滑らかに下がり気味というレビューがありましたが、たしかにそれはなかなか的をいているのかなとも感じるので、脚色がないというわけではありませんけど。

    その音傾向も設置などの対策次第で結構変わるものでして、高さの都合で当初は省いていたヒッコリーボードを敷いたところ、中低域の濁りがさらに解消して、よりタイトな音像になりつつも音色は非常に自然なままで維持できています。
    また、スーパーアースリンクからのアースも筐体に取ったところ、透明感が大きく向上し、定位のブレもさらに安定感抜群になりました。

    オマケにヘッドホン端子もなかなか優秀でして、かなりハイインピーダンスなヘッドホンでも力強く鳴らしてくれます。
    これのおかげでTASCAMのヘッドホンアンプは撤去できたくらいです。
    総じて期待以上でしたので、しばらくは我が家のメインCDPになってくれそうです。

    Filed under: Audio
    2021/02/16 3:30 pm | No Comments

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