• 112月

    QEDのスピーカーケーブル「Signature Genesis Silver Spiral」のエージングもそろそろ完了(目安の20時間くらい)したと思われるので、これまで使っていた「Ruby Anniversary Evolution」と比較しながら音についての変化を中心にレビューしてみようと思います。

    客観的に評価できるポイントとして、まずは階下への響き具合の感想をもらったところ、以前よりも澄んで聴こえるらしいです。
    実際、リスニングポジションで聴いても、これまでボヤけていた部分にもしっかり焦点があって、それぞれの楽器やボーカル、ステージの響きなどがクリアに聴こえて来る気がします。
    Rubyと比べるとより厚みがありつつ澄んだ印象で、帯域全体に渡って上品になりつつ、帯域自体は広がっています。

    Rubyも低域はかなり強く出るケーブルですが、Genesisと比べると厚みが薄く、平面的にただドコドコした感じだったことに気づかされます。
    またGenesisのほうが全体に歪みが少ないためか、耳当たりが優しいのでボリュームの上げ過ぎに注意が必要です。
    CDでも低域の量感が出た印象はありますが、ディスクの録音の質やアナログレコードとの差が如実に出やすいこともあり、クオリティの差が目立ってしまう感もあります。

    前回も少し書きましたが、ケーブルの違いと同等、あるいはそれ以上にAIRLOCバナナプラグの素晴らしさも光ります。
    圧着によりケーブルと端子がほぼ一体になることで接触抵抗も最小限になりますし、左右のケーブルの仕上がりも揃うことで、音像表現が非常に明瞭になりました。
    それも手伝って、スピーカーから音が出ている印象がより薄まり、音場もより左右と手前、奥行きと一面に広がる感覚を覚えます。

    エージングを始めた当初から、もうRuby Evolutionに戻したいと感じる部分はなかった、というのが率直な感想です。
    Rubyのほうがやや荒削りながら元気良くガツンと来る鳴り方をしてくれるので、小型スピーカーでは相性が良いケースもあるかもしれません。
    Genesisは同じく銀コーティングを使ったRevelationの良さと、Rubyの力強さが合わさった感覚もありつつ、どちらとも微妙に違い、もっと精度が高まっていて力んだところがなく、全てにおいてバランスの良さを感じ、ロングセラーになっている理由が分かった気がします。
    ちなみに同じGenesisでも以前のものとは微妙に改良が加えられているようで、AIRLOCの採用もそうですし、ケーブル分岐部のカバー、シースなども少しずつ変化しているみたいです。

    楽器でいうとヴァイオリンの音色が目立って変化したように感じます。
    これまでは「このCDは好録音だな」といった具合だったものが「ヴァイオリンの実体感がよく出ているな」といった具合の違い、というとちょっと分かりづらいでしょうか。
    ピアノでもそうですが、音色や音の強弱だけでなく、楽器の大きさまで実寸大に近づきました。

    あとはもうお値段だけが難点かなと思いますが、Ruby EvolutionやRevelationからのグレードアップなら外すことはないと言えるでしょう。
    逆に言えば、QEDを初めて使うという方にはまずRuby Evolutionから入ってみることをオススメします。
    また可能であればAIRLOCプラグを装着してもらえるお店で購入されるのが理想ですが、価格や加工のしやすさから最初は切り売りでも良いと思います。
    QEDはインターコネクトケーブルなども含め、海外のケーブルにありがちな「音楽性」を無理に強調したところがなく、ケーブル構造や特性の上でも優秀なものだと感じています。
    Genesisはその中でもリファレンス的な存在であり、うちのシステムでも他の機器やケーブル、セッティングを調整する上でのリファレンスとして、今後も活躍してくれるスピーカーケーブルに巡り会えたと思います。

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    Filed under: Audio
    2017/02/11 12:00 pm | QED Signature Genesis Silver Spiral、導入レビュー はコメントを受け付けていません

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