• 095月

    JVCケンウッドからJVCブランドのUSB-DAC搭載ポータブルヘッドフォンアンプ「SU-AX7」が5月下旬に発売になるそうで。

    以前も参考出品されていたと思いますが、ようやく形になってきたというところでしょうか。
    比較的ベーシックな仕様のモデルですが、最大の特徴は同ブランド独自のK2テクノロジー搭載でしょう。
    JVCケンウッドの据え置きコンポ、Kシリーズ同様にハイレゾ対応のK2になっていて、全ての音源を24bit/192kHzにアップサンプリングし、ビット拡張と高域補間をする内容です。
    アップサンプリングだけでいえばASRC搭載のほうがジッター低減などの効果が高いかもしれませんが、同社らしい味付け(音も製品も)には必須なのでしょう。
    On/Offもできますし、不自然にならず効果的なエフェクトとしては良い選択肢だと思います。

    反面、最初にも書いたとおりスペック的にはわりと地味で、どちらかというとJVCサウンド重視の仕上がりを目指していると思われます。
    まずはDSD非対応という部分ですが、音質面で選んだ結果がDSD非対応のAK4390だったんだとか。
    これはFOSTEXのHP-A3に採用されているもので、当然この上位チップはDSD対応のものもありますが、ポータブルでの電圧下での出音やアドバンスト・マルチビット方式の
    ΔΣ変調器、内蔵の32bitデジタルフィルターなどを開発者が気に入ったのかな。

    なお、ヘッドフォンアンプ部分はTPA6120だそうで、
    これはSONYのPHA-2やFiiO E9、HUD-mx2などにも使われている定番チップです。
    AKMとコレというチョイスだと、どちらかといえばクールで現代的な音色を想像しますが、他の部分でJVCらしく仕上げてあるのでしょうか。
    フローティングされたりバイオリンみたくfホールが開けてあるシャーシや基板上のバスバーなど、いかにもJVCらしいなぁと思います。
    ポータブルだとマイクロフォニックノイズの影響もコンデンサー等で多少はあるでしょうし、フローティングのほうが有利なのかは仕上げ方次第でしょうか。

    回路面で面白いというとボリュームもなかなか複雑な仕掛けでして、デジタル入力はDAC前段のデジタルアッテネータで絞り込むことでギャングエラーを防いでいるそうですが、アナログ入力はまた別のアナログ専用ボリュームが用意されているとのこと。
    そうするとアナログ入力はギャングエラーが起こりうることになりますし、二重にコストを掛けるくらいなら良いアナログボリュームを使っても良いのかなぁという気もしますが、そこはデジタル入力優先配分なのでしょうね。
    なお、アナログ入力時はUSBを含むデジタル回路をスリープさせる専用モードも用意されているそうで、決してアナログを軽視しているわけではないようです。

    また入力はUSBとステレオミニのアナログ入力の他に角型の光デジタル入力も装備されています。
    ポータブルで角型が付いているのは珍しくて良いんですけど、光ケーブルや光受信モジュールの制限もあり、24bit/96kHzまでのサポートとなります。
    ポータブルで同軸デジタルもあまり使わないでしょうけど、それなら光も丸型で良かったのかな、という気もしますが、そこもコダワリかな。

    さらに細かいところですと、付属品にLightningケーブルが付いているというのがいかにもメーカー側の想定しているニーズを浮き立たせていますね。
    ただしこれもフロントのUSB-A端子での接続だとハイレゾ未対応という仕様になっています。
    どうもiOS機器を充電できる機能と併用できないため、みたいですけど、ちょっと変わったコダワリですね。
    これは完全に私の推測ですが、セールストーク的にはハイレゾだけれども、実際にはK2を使った部分に自信あり、ということなのかもしれません。
    メーカー保証はないですけど、カメラコネクションキット(とUSBハブ)経由でmicroUSBに接続すれば、もしかしたら使える可能性もありますけどね。

    全般的にはJVCらしさがかなり色濃く出たモデルのような印象があります。
    あいにく私の好みとはだいぶ違いますけど、同じようなモデルばかりではつまらないですし、従来からのオーディオブランドが本気を出してくるのは非常に良いことだと思っています。

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    Filed under: Audio
    2014/05/09 12:00 pm | JVC SU-AX7 はコメントを受け付けていません

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