295月
Unique Melodyのイヤホン「Maverick」を念願かなって入手しました。

このイヤホンを代理店さんからお借りしたのはかれこれ8年ほど前のことになります。
当時は据え置きオーディオもDALI Royal Menuet IIやLINNを使っていた頃でしたが、それでも他の手持ちのイヤホンはおろかスピーカーでも「格差」を感じるほどの鳴りっぷりに驚いたものです。
そこまで気に入ったのなら早く入手すれば良かったのでしょうけど、後継モデルも続々出ていましたし、だんだんと外で聴く機会が減ったりしてタイミングを逃していました。

今さらですがBAユニット4つにドライナミック1つで5ドライバーという「多ドラ」の括りに入ると思われるIEMですが、つながりの良さの素晴らしい仕上がりです。
今回改めて聴いてみてもその感覚は全く色褪せることなく、穏やかでありつつもワイドレンジで空間的な広がりもある素晴らしいものです。

ただそれなりに上流は良いほど伸びしろも大きいわけで、純正ケーブルだとHugoじゃないとパワー不足感が強いです。
DAP単体ではPLENUE Sのヘッドホンモードでも結構厳しい感じですが、もちろん鳴らないというほどではないです。
そこでケーブルをAcoustune ARC21に交換してみるとだいぶ音に太さが出て、こちらのほうがDAPでの鳴りは良さそうです。

ちなみにAstell&Kernの2.5mmケーブルも付属していましたが、こちらの素性は正直良く分かりません。
おそらく何かのイヤホンに付属していたものだろうと思うのですけど、それでL字プラグのが見当たらないのですよねぇ。
2.5mm自体がAK300等くらいですし、3.5mmのほうが扱いやすいのでひとまず保留です。

イヤーピースは標準ではフォームタイプが付いていますが、とりあえずSpinFitにしました。
ステムがだいぶ太めでfinelのイヤーピースはなかなか入らなそうだったので、ひとまず仮のつもりでしたが相性はかなり良いです。
SpinFitだと大きめのボディで多少耳へのフィットがズレてもブレず、広がりが適度に出て空間再現が良くなります。

アンプ側はDAPだけでなく、HugoやHiFi-M8、HP-A8など色々試しています。
ある程度の駆動力さえあれば、低域がスゴいとかそういうアピールするようなところはなく、ごく自然に音楽を楽しませてくれます。
長く聴いていても全く飽きず、新しい発見がたくさんあるのがこの機種の最大の魅力かなと思っています。
これまで聴き取れなかったような音がどんどん引き出されてきますし、開放型のような感覚すら受ける広がりがあるサウンドです。
詳細はまさに過去のレビューどおりなのでそちらを見ていただくとして、今回も他のイヤホンやROKSANのスピーカーでは「アレ、こんなに低音出てなかったっけ?」という落差を感じつつ、今もMaverickで音楽を楽しみながらこれを書いている次第です。
285月
Accuphaseのプリアンプ「C-2300」が6月発売予定だそうで。
これまでの後継機ではなく新たなクラスを新設したような形で、お値段は税込およそ80万円。
今回の発売をうけてか、C-2150とC-2450は旧モデルとなっていますので、これらを統合したようなところもあるのでしょう。
これでプリアンプはC-2300、C-2900、C-3900というラインナップとなって、かなり高級志向が進んだ印象です。
パワーアンプもすでにAB級3モデル、A級2モデルとなっています。
それより下はプリメインアンプで、という意図もあるのでしょう。
プリメインはA級2機種も含めて6モデルもありますが、こっちも将来的にはE-280かE-380は統合されそうな予感がします。
CDプレーヤーもCD-450はラインナップから外すのではと予想しますがどうかな?
さて肝心のC-2300のほうはBalanced AAVAを搭載し、4バンド・トーン・コントロールを装備したのが特徴です。
昔はシンプルなプリアンプとコントロールアンプを別路線で用意していたこともありますが、今回のC-2300がどちらかといえばそちらの路線ということでしょう。
パラレル・プッシュプル出力段搭載ディスクリート構成のヘッドホンアンプを搭載していたりするのもその流れかと。
フォノ等は変わらずのスロットタイプのボード対応で、AD-60とデジタル入力のDAC-60が用意されています。
内部回路は左右独立となっていますがボードへの電源供給はどうなってるんでしょうね?
ボード2枚挿せますからそれで左右独立使いなんてこともできたら良いですが、アキュフェーズはそんな奇抜なことは嫌いそうです。
内部はその体積のほとんどの部分をAAVAが占めていて、まさにボリューム命という感じです。
AAVAの特許は2008年くらいに成立しているようなので、特許切れも20年だからあと5年くらい?と、意外ともうすぐなんですね。
おそらく今はその先を見据えた動きを準備しているんだろうなとは思います。
265月
今さらながらAppleのBluetoothイヤホン「AirPods Pro」を入手しました。

テレビ会議の頻度も増えてきたり、仕事絡みで複数のiPhoneやMac間で音声のテストをすることが多くなったからというのが主な導入理由です。
ちょっとくらいならiPhone等の内蔵スピーカーでも良いのですが、近所で複数台操作してるとハウリング起こすことも多いんですよね。

そんなヘッドセット的ニーズでの入手ですが、とりあえず音楽も聴いてみると思ったより音は良いです。
若干ボリュームが取りづらい傾向はありますけど、低域も意外と出ていて素直です。
イヤーピースはまずは純正、それにSednaEarfit XELASTECも入手してみましたが、どちらかというと純正のほうが良いかも。
落ちにくいという意味と先の傘の部分だけ交換できるという点ではSednaEarfitも便利ですけどね。

なによりApple製品での使い勝手が良さがやはり重宝します。
面倒なペアリングもしないで良いですし、Macに近づけばそちらに接続確認メッセージが出ます。
WindowsやAndroidでは普通にペアリングが必要ですし、そもそもコーデックがAACだけなのでApple製品限定で使うのが良いでしょうけど。

ケースもコンパクトでLightningで充電できるのは今のところは便利です。
将来的にiPhoneがUSB-Cになったらワイヤレス充電にしても良いですし。
またケースのバッテリー残量もMacやiPhoneでは確認できるのも助かります。

特に期待してなかったのに意外と面白いのが空間オーディオで、ガジェット的な楽しさを提供してくれます。
耳の形を認識させると本当にiPhoneから音が出ているように感じられるほどで、間違えて接続できてなくてiPhone本体スピーカーから出てるんじゃないかと思うほどです。
実用性からするとそこそこ大きめのディスプレイで映画やドラマを観る時に便利だったり、空気録音で部屋の雰囲気をなんとなく味わうくらいですけど。

ちなみにiPhoneではアプリごとに空間オーディオの設定ができますが、コントロールパネルからボリューム部分を長押しして切り替えるのがちょっと面倒なので、将来的にはもうちょっと良いUIを提供してほしいところです。
また、iPhoneだと音声再生中じゃないと切り替えできないので、アプリからコントロールパネルに行った時点で再生が止まるアプリ(Twitterとか)だと変更できずに困ることがあります。

他にもオージオグラムを取ればそれで補正することも可能(アクセシビリティからなのでやや面倒ですが)だったりしますが、難聴や高域が聞こえづらいのを無理に補うとかえって症状を悪化させるような気もするので実際には使っていません。
左右差がある時などには良いかもしれませんね。
音質だけでいえばもっと良いイヤホンはありますが、Apple製品との親和性はさすがに便利です。
これでロスレスコーデックに対応してくれたら文句なしなんですけどね。
245月
最近Macを使ったあとで右親指の関節部分が痛くなることがあって、原因はなんだろう?と考えたところ、どうもMagic Mouseが原因では?と思い立ち買い替えてみることにしました。

メインで使っていたのは黒のタイプで、クリックがやや不調だったことから一度開腹したものです。
その影響なのか、上部のボタン兼ホイール操作部分と下のアルミ製ボディが横でツラツラになっていない(ちょっとだけアルミが飛び出している)感じになっています。
マウス自体は親指の先でつまむような感じで持っているので関係なさそうなのですけど、ドラッグ動作時に力を入れる癖でもあるのでしょう。
また2021年モデルからはクリック音が少し静かになったというのも見かけたので、そろそろ買い替えておいても良いかなと。
いちばん大きな違いは付属ケーブルがUSB-Cになって、布被膜になったことでしょうけど。

痛さはどうかといいますと、正直さほど変わらないような…。
Mac ProとMac miniでそれぞれ別のMagic Mouseを使っていますし、そもそもの形状が変わったわけではないので指に負荷はかかりやすいのでしょう。
それでも次の日にまで残る(必然的にだんだんひどくなる)というのは減ってきたようですし、買い替え時ではあったかな。

複数のMacを1つのマウス(やキーボード)で操作できたり、もっと軽量化してくれたらありがたいのですけど今のところは難しいかな。
まぁ大抵は画面共有を使うので片側のマウスで良いですし、Logicoolのマウスも持っているんですけどね。
ちなみにLogicoolにしない理由はちょっと動かしただけでスリープが解除されてしまう頻度が純正より圧倒的に高いためです。
せっかく買い替えたことですし、当面これで頑張っていきつつ、古いもう一方には横にビニールテープ貼って手の負担を減らして試そうと思っています。
235月
ロクサンのスピーカー「Caspian FR-5」を入手してみました。

ROKSANというとレコードプレーヤーが有名で、アンプやCDプレーヤーも出しているのは多少知られているかと思いますがスピーカーはかなり知名度が低いでしょう。
昔はHOTCAKES、Ojan 3などポチポチと出してた記憶はかすかにありましたが。
今回のFR-5は2006年発売で当時ペア53万だとか。
その後はモニターオーディオに吸収されたので、ROKSAN自体が出すスピーカーとしてはおそらく最後のモデルということになるでしょう。

サイズはW250xD315xH1000mmというトールボーイで、大きさ的にはSonus faber Grand Piano Homeと似たような感じです。
ソナスのが2000年発売で1台209,000円だったことを考えるとちょっと高めの値付けに感じます。
あっちは18cmウーファーですが、FR-5は13cmウーファー2発にソフトドームツィーターとユニットも小ぶりですし。

ユニットはVISATON製で、おそらくW130SCです。
あまり高級なユニットではないですね。
ツィーターもディフューザーのようなものは付いてますが、同じくVISATONのSC10Nベースでしょう。
ツィーターの推奨クロスが3kHzらしいので、このスピーカーもそのあたりだろうと推測されます。(メーカー非公表)
正直そこまで期待せず試してみたのですが、独特の魅力がある音を奏でてくれます。
ひとことで言えばブリティッシュサウンドなのでしょうけど、それならB&Wも同じはずで「現代的なCELESTION」というような感じでしょうか。
音楽性を重視しつつ、箱の強度を現代風に上げて中域を大切に滑らかさを引き出す、といった風合いです。
低域はウーファーの大きさもあって、さすがにやや薄めで40Hzくらいが限界ですが、そこまでは濁らずにしっかり出てくれます。
やや中高域は硬めなものの、歪みが少ないのもあってか、ピアノはキレが良いです。

Wadia 23だとやや粗さやうるさい感じが出ることがあり、現代的な低歪みな音源のほうが合うといった側面はありますけど、B&W Matrix 802 S2と比べても意外と遜色ない、いやまた違った魅力のようなものがあります。
ちなみにデジタル出力でマークレビンソンにしたら全然印象が違ってくるので、Mark LevinsonのDACやKRELLのアンプ群と相性が良いのかも。
今後どちらをメインにするかはまだ決めきれていませんが、オーディオ的要素だけでいえばやっぱりB&Wのほうが格上感はあります。
セッティングもまだまだ適当で、そもそも2本のスピーカーを配置できるほどの余裕がないので結論を出すのはまだ早いですけどね。
夏に向けてKRELLのA級パワー「KSA-100」では電気代とか厳しい面もありますし、時間がある時にAccuphase P-500(あるいはLINN LK140)を出してきて、それらをひとまずどう組み合わせるかを考えてみようかなと思っています。
215月
キソアコースティックのオーディオアクセサリーブランド「Shizuka」のケーブルノイズキャンセラー「CNC20-200」を入手してみました。

簡単に説明しますとケーブルに巻く海苔みたいな感じのもので、「難燃性素材に耐ノイズ効果のあるシールド材をラミネートした」ものだそうです。

内側部分にはカーボンマイクロコイルやフェライトなどをハイブリッド化した炭素繊維シートが重ね合わせてあり、これが広範囲の電磁波を吸収するんだとか。
アース端子もあるので、これを巻いたケーブルの先の機材のシャーシやマイナス側に繋いだりする形です。

思っていたより意外と太いケーブルは巻いた中に収まらないのと巻くと自由に曲がらなくなるので、いくつかの候補のうち巻きやすいスピーカーの中高域側のみに巻いて、マイナス側にアースを取ってみました。

早速聴いてみますと、そこまで劇的な変化はなく、少し澄んだ感じがします。
しばらく聴き込んでみると歪みが減ったような感覚もあり、ハープシコードの音階がより明瞭になったなと。
尖った感じがなく滑らかになり、中域が明瞭で前に出るようになったという印象もあります。

曲が始まる直前の静寂と立ち上がりの空気感のようなものがしっかり出るようになってキンキンした感じがありません。
ピアノは少しツルンとしたような気がしないでもないですが、この手のアイテムにしては音数が減ったり力感が弱まるといったマイナスポイントも少なめな気はします。

直前にSATAノイズフィルタも装着したのでそれとの切り分けが難しいところですが、CDプレーヤーやレコードでも傾向に変化はないので、おそらくShizukaのほうの効能でしょう。
いわゆるデジタル臭さがかなり軽減したと思いますし、しばらくは装着した状態で試してみようと思っています。