• 0810月

    SONYのMCカートリッジ「XL-44」を入手しました。

    SONYのカートリッジはこれで5本目で、8の字コイルがだいぶ気に入っているので長く使っていくにはだいぶ安心感が出ました。
    将来的にはダンパーがダメになったりもするでしょうけど。

    SONY XL-MC3SH
    SONY XL-44
    SONY XL-44L
    SONY XL-55
    SONY XL-55Pro

    型番としてはXL-44Lとほとんど類似していますが、形状はXL-55Proと同じシェル一体型ですし針圧も2.0g(XL-44Lは1.5g)でXL55Proに似ています。
    ただXL-55Proのように異常に大きなヘッド部分ではないのでだいぶ扱いやすいかな。
    自重は20g(XL-55Proは22g)なのであまり変わりませんけど。

    音も5本の手持ちのSONYカートリッジの中ではXL-55Proに近い印象ですが、若干XL-44Lの繊細なところも兼ね備えてはいます。
    XL-55Proと比べるとよりスッキリした感じで、低域も量感はちょっとありつつリジッドな印象を受けます。
    ボディ部分はマグネシウム合金からアルミダイキャストになってますが、金属的な響きはあまり出ないような印象です。
    カンチレバーもベリリウム/アルミニウム/炭素繊維の3重構造カーボンクラッドという凝ったものから、アルミ合金になってますけどダンパーの仕組みが違っていたりするからか、物理的な挙動はXL-44Lにちょっと近い感じがします。

    若干スクラッチノイズは拾いやすい傾向を感じるのは針の状態も関係してるのでしょうか。
    高域が伸びている感じもするので、XL-44のほうが針がすり減ってないのかも。
    音傾向は大まかにはやっぱり8の字コイルのそれで、キレがあってジャズやフュージョンに良く合います。
    XL-44は濃厚で重心が低いところがSONYの中での特色でしょうか。
    少なくともYAMAHA MC-1Xよりは圧倒的にジャズに合ってるように感じられました。

    今はヘッドアンプをYAMAHA HA-1にしていますが、それだと他のSONYカートリッジだと若干もたつく感じが出ることがありますけど、XL-44だとそこまでではなくバランス良く鳴ってくれている感じがします。
    シェル一体型なのであまり細かい調整には向いてないですけど、一方で接点を減らせるというメリットもあり、個人的にはシェルの共振が少なく感じられて気に入っています。
    手持ちのMCカートリッジも18本ほどと結構多くなってきましたし、たまに交換したりしつつ楽しくレコードを聴いていくのを主体にできたら良いなと思います。

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    2024/10/08 12:00 pm | No Comments
  • 249月

    YAMAHAのMCヘッドアンプ「HA-1」を入手しました。

    SONY HA-55をすでに愛用しているし、今回のも年代的にほぼ同じですのでまたヘッドアンプという感じですが、YAMAHA MC-1Xで純正組み合わせを試してみたいなと。
    ちなみにHA-1はヤマハ初の単体MCヘッドアンプで、当時人気の高かったプリアンプ「C-2」をベースにしているそうです。
    オリジナルICが使ってあってそれでS/Nやセパレーションを高めてあるそうで、ネットで見た感じだと同じICが使ってあるっぽいです。
    C-2aでは通常の素子に変わってるようなので、このICが壊れるともうダメそうですね。

    今回は動作確認を急いだので中身は確認せず、早速HA-55と入れ替えてつなぎました。
    HA-55ではヘッドアンプとKRELL PAM-3の間にはアース結線しなくても問題なかったですが、HA-1はアース取らないとハムが残りました。
    雰囲気的にもSONY HA-55はRIAAイコライジングこそやってないものの、「MMレベルのライン出力」っていう感じのコンセプトで、YAMAHA HA-1のほうは純粋にヘッドアンプとして前段増幅だけしてるような感じなんでしょう。
    内部回路が分かると良かったのですが、どうやらHA-1のほうはサービスマニュアルが転がっていないようです。
    アース端子が2つあるので接続自体は楽にできます。

    早速、カートリッジはSONY HA-55のまま聴いてみるとゲインは意外と低めな感じです。
    スペック上はLOWポジションなら34dB、HIGHポジションで14dBで、HA-55の27dBより高いはずですけど体感した印象としてはHIGHポジションの14dBくらいに感じます。
    なんらかの不具合かもしれませんが、まあ音出てるので良しとしましょう。

    ファーストインプレッションとしてはややトランスっぽいサウンドで低域がしっかり出ており、細部の描写も細やかなシルキートーンです。
    ピアノの音色は良いし、スロージャズには十分適応できそうで、全体としてヤマハらしいサウンドといって良いでしょう。
    スピード感ではSONYのほうが速い印象でフュージョンやジャズだと少し上品な感じはして中低域がやや薄く感じますが下はしっかり伸びてる感じがします。
    音色はナチュラルなのは確実ですが音源そのものよりさらに自然になる感覚でヨーロッパトーン寄りにまとまります。

    歪みは少なそうで、レコード特有の中高域のキツさが出にくいような音作りを感じます。
    内周でも破綻しづらいのは良いですね。
    多少、上品にまとまり過ぎる感はありますが、低域はかなり深く、全体にリラックスした音の印象です。
    SONYのほうはシャキッとしてるものの、やや乾燥気味でトゲがある部分もあったので、できれば使い分けたいです。
    YAMAHAはしっかり潤いもあり、ちょっと大人でリッチなバランス取りです。
    若干NFB多めな印象もありますが、どちらかというとSONYが少ないといったほうが正しいのかなという気がします。
    あと、ウォームアップがSONYより少し時間がかかる傾向にあるので、早めに電源を入れておいたほうが良いでしょう。

    面白い現象としては、しばらくHA-1経由でレコードをスピーカーで聴いたあと、ヘッドホンに切り替えてHD800で同じ曲をデジタル音源で聴いたら「あれ_こんなにモコモコしてたっけ?」と驚くということがありました。
    そういう意味ではハイファイとしてのクォリティはかなり高まったと言えるのでしょう。
    専用ICのおかげなのか、セパレーションもS/Nも良いので、盤質さえ良ければレコードを聴いているというのを忘れることもあるくらいですし、復刻盤が意外と良い感じに鳴る傾向もあり、特性的にはとても優秀なのだと思います。
    なお、古いステレオサウンドの記事によるとHA-1は反転出力らしく、カートリッジもSONY XL-55(Proじゃないほう)やYAMAHA MC-1Xも反転出力らしいので、これらを使うと結果的に通常出力になるのでそれが優位に働いているというところもあるかもしれません。

    いよいよここで本来の目的だったYAMAHA MC-1Xにカートリッジを変更しました。
    何よりセパレーションの良さが際立ちますし、力強さも出ました。
    カートリッジもヘッドアンプもセパレーションが良いから当たり前ですけど、純正ヘッドアンプの組み合わせがやはりバランスが良いことが分かります。
    さらに「レコード感」は薄まって、「ノイズの少ないオープンリール」といった風合いで鳴ってくれます。
    音場再現も良好で現代的な雰囲気になり、いわゆるレコードらしい感じではなくしっかりハイファイなものになりました。
    さらに楽器の音色も自然でマイナスイメージは皆無ですから、この純正組み合わせはかなりお気に入りになりそうです。

    ヘッドアンプを切り替え式にするのはGNDとか接点ロスなどもあるのでなかなか厳しいところもあるので、当面はYAMAHA HA-1かな。
    他のカートリッジも純正組み合わせではないですけど色々試してみたいなと思えるヘッドアンプです。

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    2024/09/24 12:00 pm | No Comments
  • 209月

    KS-REMASTAのリード線「KS-LW-9500EVO.II」を追加してみました。

    PC-TripleC/EXを使ったリード線としてはACOUSTIC REVIVEのabsolute LEAD WIREをZYX Ultimate 100に装着していますが、すでに廃番でヘッドシェル付属のものは単売されずにヘッドシェル自体もすでに在庫が少し出回っている程度で選択肢がない状況です。
    そこで「仕方なく」選んだというのが本音です。

    KS-LW-9500EVO.ⅡはPC-TripleC/EXを撚り線として使ってあり、導体面積が0.49平方mmと結構太めのリード線です。
    ちなみにシェルチップは金メッキのリン青銅、ハンダはEVO.Ⅱというのを使ってあるそうです。

    どのカートリッジに使おうか、ヘッドシェル同様に迷いましたが、今回はSONY XL-55にすることにしました。
    ソニーはピンアサインがヘッドシェルから左右交差する形で、リード線の太さと硬さもあって結構装着はしづらかったです。
    ケーブルの硬さのわりにはチップは柔らかく曲がりやすく、しかもチップの挿さる深さがちょっと短めということもあり、取り付けは要注意という感じでした。

    音は低域の伸びが良く、骨格のしっかりした現代的なサウンドになりました。
    フォノイコがC-280Lの時のサウンドを思い出すような感じがしたのは、低域が思いっきり改善されたのでそう感じるのでしょう。
    同じ導体のabsolute LEAD WIREに似ている部分もありますが、あそこまでソリッドではなく、撚り線っぽい柔和な感じも持ち合わせていると思います。
    キンキンしたりはせず音数が増えています。
    PC-TripleC/EXで伝達度合いが良くなって出力が高くなった感じもあり、その点では低出力の空芯カートリッジと相性が良いのでしょう。
    出力が相対的に高まった分、S/Nも向上して曲の終わり部分のフェードアウトまで繊細に出てくる印象です。

    お値段は下手なカートリッジが買えてしまうほどですし、正直、KS-REMASTAは型番が分かりづらかったり、ハンダとか研磨などの要素が多すぎてちょっと個人的にはいまひとつ気分的にモヤッとする部分があるのですが、PC-TripleC/EXの選択肢が少ない現状としては仕方なく選んでいるようなところが強いです。
    シェルチップの強度は特に要注意な感じですが、これはオルトフォンあたりでも同様だから仕方ないのかなぁ。
    作業慣れしていてカートリッジの潜在能力を100%引き出したい方か、あるいは装着までやってくれるショップでの導入がオススメかなと思います。

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    2024/09/20 12:00 pm | No Comments
  • 159月

    My Sonic Labのヘッドシェル「SH-1Rh」を追加してみました。

    ZYX Ultimate 100とLyra Helikonにすでに導入してありますので、これで3個目ということになります。
    当時よりだいぶお値段が上がっていて現行価格だと2万円近いですが、探すとまだ旧価格に近いお値段で売っているところも多少あるはずです。

    改めて重量を確認すると14gとのことですが、SONY XL-55を装着しているENTRE ES-12の12gを置き換えるにはちょっと重いです。
    SAECのトーンアーム「WE-407/23」はウェイト交換で幅広い重量に対応可能ですが、うちはミドルマスウェイトのみなので15〜25gに対応できる形です。
    取り付け候補としては以下のあたりでした。

    SONY XL-55(カートリッジ本体:10g)
    Accuphase AC-2(9.5g)
    Victor MC-1(8.7g)
    SONY XL-44L(6.2g)

    14gにリード線も含まれるのか確認しませんでしたが、できれば中間の20g前後が良いでしょうから結局はSONY XL-44Lにしておきました。
    実際に装着してみるとそれでも真ん中よりは重量寄りになるのでおそらくリード線は重量に含まれていないんでしょうね。

    リード線自体も別売りされているもので品質も良く柔らかいので装着はとてもしやすいです。
    XL-44Lに針カバーがないのでそこはちょっと恐る恐るになってしまいましたけど。

    音はかなり変わって曖昧さが減ってぶれなくなりました。
    リード線が変わったことも大きいのでしょう。
    XL-44Lは低域がやや軽い傾向にあるカートリッジでしたが、ヘッドシェル交換後はだいぶしっかり堂々とした出音になりました。
    なんとなくダンピングファクターが上がったような感覚があって、そこはヘッドシェルのたわみがないからかな。
    金属的な響きは意外と多少乗るような部分はあって、そこはこれまでの使用感に近いです。

    ヘッドシェルを交換してからは半月近くそのままXL-44Lを使い続けてカートリッジを変えなかったので、不精で交換しなかった感も多少はあるかもしれませんがそれだけ出音に満足できたということでしょう。
    個人的にかなり定番カートリッジが揃ってきた中に食い込めたというだけでもヘッドシェル導入の効果はあったのだと思います。
    当時のカートリッジのお値段を考えてしまうとちょっと高級なヘッドシェルという感は否めませんけどね。

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    2024/09/15 12:00 pm | No Comments
  • 019月

    ONZOW Laboのスタイラスチップクリーナー「ゼロダスト」の手持ちのものがだいぶ年季が入ってきたので新調することにしました。

    以前買ったのが2019年なのでまだ5年ほどではありますし、何度か水洗いもしているのですがこのところの高騰を考えると今のうちかなと。
    ちなみに前回は2022年に700円ほど値上げされています。

    以前のものが左、今回入手したのが右で、ゲル部分の形状が異なっています。
    左のはゲルが花形になっていて周囲はプラ板ですけど今回入手ものは全体がゲルです。
    今回のはどうやら長期在庫品だったようなので、どちらが新しいのかは不明ではありますけど画像検索した感じだと花形のほうが新しいかもしれません。

    まあ未使用なら粘着度合いが劣ることもないでしょうし、実際使ってみた感触も以前のものとほぼ変わりありません。
    表面の汚れは水洗いしてもやっぱり5年間使ったほうはそれなりに小さなゴミや針の刺さった痕が残っていたりします。

    ちなみに針掃除は片面再生ごとにルーペで確認してほぼ毎回やっています。
    普段はDS AUDIOのST-50を使うことが多く、ちょっと粘度がありそうな汚れが根本まで付着してそうな時にゼロダストを使うようにしています。
    よっぽど頑固な汚れの場合には)PICKERINGのAP-1を使うこともごく稀にありますけど、クリーニング液を使う形になるので極力控えています。
    なおPICKERINGのはもう廃番になっていて、現在はLOJECT AP-10としてほぼ同等のものが市販されています。

    ずっと使ってきていずれもトラブルはありませんが、なにしろカートリッジのスタイラスやカンチレバーは繊細ですのでどの方式を使うにせよ、これ以上ないくらい慎重に作業したいところです。

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    ゼロダスト
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    2024/09/01 12:00 pm | No Comments
  • 248月

    MacBook Air M3が増えてフォトプランの2台制限だと若干足りない場面も出てくるかもなぁと、DxO PhotoLab 7を使ってみることにしました。

    DxOというとDxOMarkというカメラなどのベンチマークが有名ですが、あそこがNik Softwareを買収して生まれたのがPhotoLabなんだそうです。
    それだけにレンズ補正が優秀で、しかも最近はノイズ除去にも注力しているようです。
    Adobeと違って買い切りなのでバージョンアップのことを考えなければお得感もあります。

    そのあたりは今さらここで書いても仕方ないので他にお任せするとして、今まで撮ってきた写真で軽く試してみました。
    レンズの補正データは画像一覧を閲覧時にダウンロードのダイアログが出てきますので、それを落とすことで補正されるようになります。
    結構古いレンズでも補正データが用意されているようでそこはオールドレンズが多いので助かります。

    目立って補正が効いてるなぁと感じるのはライカ銘などのマイクロフォーサーズのレンズ群です。
    周辺が派手に流れているようなものもシャープに補正され、多少のやり過ぎ感はないとはいえませんがハイレゾショット的な感じに仕上がります。
    なにはともあれ、実際の写真を貼ってみましょう。

    まずはLightroom Classicの写真から。

    お次がDxO PhotoLab 7。

    現像パラメータが微妙に違いますし、ちょっとフルサイズだと大きすぎるのでリサイズしてありますけどね。

    もうちょっと遠景でLightroom Classic。

    そしてDxO PhotoLab 7。

    こちらは等倍切り出しした画像(中央左側から)も貼ってみます。
    上がLightroom Classic、下がDxO PhotoLab 7です。

    周縁部だとさらに効果は高まりますし、あまりわざとらしさもないように思われます。

    RAW現像ツールとしてみると現像速度や使い勝手(慣れもあると思いますが)はLightroomのほうがやっぱり上ですけど、メーカー純正のものよりはずっと洗練されていますし、十分以上に実用になりますね。
    ちょっと古いカメラでノイズに悩まされているといった場合にはかなり有効なツールになりそうな気がします。

    Filed under: DigitalPhoto
    2024/08/24 2:00 pm | No Comments