• 187月

    SONY XL-55のリード線がだいぶ貧弱だったのでオーグライン単線のリード線を調達してみました。

    オーグラインは言うまでもないですが銀と金の合金で、ラインケーブルなど一部で根強い人気があるものです。
    最近はプラチナが入ったものなどもあるようですが、今回のはおそらくオヤイデあたりで売っているPTFE被覆単線をベースに作られたものだと推測します。
    ちなみに製品としては武藤製作所から出ていますが、こっちはおそらく撚り線だと思われます。

    今回のものは単線というのが大きな特徴で、オーグラインということを抜きにしてもだいぶ珍しいリードでしょう。
    正確な太さは測っていませんがオヤイデで売ってるいちばん細いものでもφ0.3mmで、absolute LEAD WIREほどではないにしてもリード線としてはかなり硬いです。
    特にXL-55だとヘッドシェル側と交差するピン配置なので、取り付けはかなり大変でした。
    リードチップにも4N純銀が使用されているらしく、これがかなり柔らかいこともあってリード線を曲げたり回そうとするとチップが緩むので一層取り付けがしづらかったです。

    音質面では元々のリード線(おそらくEntre製)と比較すると明らかに異なる印象です。
    尖った部分が減少して、より滑らかな音質が得られました。
    単線ならではの素直な音の伝達も感じられますが、音量は若干低めになった感じがするのはオーグライン自体の抵抗とチップの接触の影響かな?
    銀の撚り線も先日試しましたがそれとはかなり真逆なくらいで、単線らしく素直でクセはなさそうです。

    単線のリード線自体が珍しいのでその点では貴重ですが、さすがにこれだけ取り回しが良くないとあまり積極的にオススメはしづらいかな。
    そもそも製品として入手できそうな感じがしないですから、自作するか寄り線の製品版になるのでしょうけど。
    交差しないピンアサインのカートリッジで使えばもうちょっと印象も違うかもしれませんが、もう付け替える気にならないかなぁ。
    ただ音質面では満足しているので、その点では導入した効果はあったように思います。

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    2024/07/18 12:00 pm | No Comments
  • 137月

    SONYのMCカートリッジ「XL55」を入手しました。

    SONYのMCカートリッジはXL-MC3、XL-55Pro、XL-44Lに続いて4本目ということになります。
    上位のXL-MCシリーズあたりを狙っていたのですが、中古の出物次第なのでそう上手くはいかず、独自路線初代をゲットという流れになりました。

    シェルと一体のXL-55Proの通常形態かと思っていたのですが、実際にはかなり違っていてまず適正針圧が1.7g(XL-55Proは2.0g)となっています。
    実際に扱ってもかなり上下に柔軟に動くダンパーという感じで、1.0~2.2g(XL-55Proは1.5g~2.5g)とハイコンプライアンス寄りなのだと推測されます。
    カンチレバーの構造も微妙に記載が異なりますけど、3重構造というのは共通なのでまあこっちはほぼ同じなのでしょう。
    本体は10gもあるのでむしろ重いほう(XL-55Proはシェル込みで22g)ですけど。
    ちなみにヘッドシェルはENTREのES-12を使っています。

    XL-55の最大の特徴は、その豪放かつ快活な音質にあるようです。
    また空気を揺らす力が非常に強く、音楽に生命感を与えてくれている印象がありました。

    先日入手したYAMAHA MC-1Xの上品で繊細な路線とは対照的に、XL-55は力強くエネルギッシュな音楽再生をしてくれます。
    音傾向としては全般に明るく多彩な音色で溢れていて、ジャズの再生に適しているように思われます。
    空間再現能力が高く、細やかな音の表現がなされていて、そのあたりは他の手持ちのSONY製MCカートリッジに共通するイメージです。

    低域のキレが良く、若干ピラミッドバランス的な音質特性かなという気もしますが、これはダンパーの特性やヘッドシェルの重さなどが影響している可能性もあるでしょう。
    ダンパーが柔らかめなこともあって若干低域で共振しやすい傾向がありますが、これも重量等で変わってくるものでしょう。

    うちのヘッドアンプはSONY HA-55ですから当たり前ながら相性は非常に良く、ソニー製品ならではの統一感が感じられます。
    ただXL-55Proと比較すると、ヘッドシェルやボディの材質などにもよるのでしょうけれどXL-55のほうが若干鳴きが残っている印象があります。
    XL-55はGrace開発の後、森氏がソニーサウンドテックに移籍して最初のMCカートリッジということもあり、どこかGrace F-8Lに類似した「嫌な音を鳴らさない」という特色をほんのり残しているのかもしれません。

    このところ1970〜80初頭にかけての国産MCカートリッジをいくつか集めた形になりました。
    当時の日本盤レコードの保有数が圧倒的に多い我が家ではそれが相性が良いということでもあるのでしょう。
    すでに針交換もできないロートルばかりですけど、上手に使っていければ良いなと思っています。

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    2024/07/13 12:00 pm | No Comments
  • 107月

    EFFECT AUDIOのイヤフォン用ケーブル「AresⅡ+/4wire(ConX to 2.5mm Balanced)」を入手しました。

    4.4mmに変更していってる中での2.5mmですけど、イヤフォン側がConXというのもあっていざとなれば4.4mmに換装しても良いかなと思っての入手です。
    すでにAresII+/4wireのConXじゃないタイプやAres Sを持っているのでやや今さら感はありますけどね。

    まずは当初付いていた2pinからMMCXに交換するために2pinのConXアダプタを外す作業から始めましたが、ちょっと固着してるんじゃないかと思うくらい固くて取り外すのに手間取りました。
    ConX Basic Kitに簡単な工具が付いていますが、引っ掛かりが少なく力も入れづらいのであまり力を入れすぎたら工具やプラグ側が壊れちゃうんじゃないかと思うほどです。
    ちなみに2pinはねじ込み式だと変な向きになるんじゃないの?と邪推してましたが、正負が入れ替わるようなこともなく、ちょうど良い具合に向くようです。

    ケーブル本体の硬さはConXじゃないタイプのAres II+と全く同じで、Ares Sと比較すると取り回しの良さでかなり劣ります。
    被膜の変更だけでなく、導体の太さも多少違う(II*は22AWG、24AWG)から仕方ないところなのでしょう。

    Unique Melody Maverick Tiとの組み合わせで試聴してみましたが、低域は期待したほどのパワフルさはありませんが十分な存在感があります。
    高域はややサラサラとした質感がありますが耳障りな刺激はなく、女性ボーカルの再生では艶やかさが際立ちます。
    4.4mmから2.5mmになっても優れたセパレーションと空間の広がりは維持されていて、そこはAres II+の魅力でしょう。
    使用を重ねるにつれて自然な音色が出てきましたし、空間の広がりはありながらも穏やかな空気感を持ち合わせています。

    4.4mmと2.5mmの差もありますが、ConXの有無で同じAres II+を比較すると若干鮮度は落ちているかも。
    Ares Sでも若干似たような鮮度低下を感じたので、やはりそこは変換アダプタ的な接点の増加はあると考えたほうが良いのでしょう。
    Ares Sは被膜や取り回しが圧倒的に向上しているのでそこにメリットがありますし、2pinはちょっとしたことで折れたり曲がったりするので、そういう意味ではとてもありがたい仕組みだとは思います。

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    2024/07/10 12:00 pm | No Comments
  • 087月

    超ラボパーツのシェルリード「LTP-1180」を入手したので、Victor MC-1に装着してみました。

    ポリウレタン被覆の0.08㎜径リッツ線を180本縒り合わせて被膜を被せずにそのままリード線に仕立てたという、なかなか尖った製品です。
    発売元はビクターサービスとなっていますが、そのあたりの経緯はあんまり良く分かっていません。
    たしかMC-L1000などで使っているのを見かけた記憶があります。

    リッツ線を撚り合わせただけですから柔軟性には優れていて配線作業はやりやすいです。
    ただ捻ってあるだけとも言えますから取り付ける際にリード線を捻るとリッツ線を束ねた部分が若干解けてしまうため、取り扱いには注意が必要です。
    カートリッジのピンアサインによっては当然クロスする配線になりますが、メーカーではリッツ線が十分な絶縁性能を担保しているのでショートの心配はないとしています。
    実際の使用でも特に問題はありませんでしたが、経年劣化もあるでしょうし注意が必要でしょう。
    普通のカートリッジなら単に音が出なくなるだけですけど、光カートリッジみたいに電源供給される場合は使用は避けたほうが良いでしょうね。

    音質面では全体的にニュートラルな特性です。
    特筆すべき点としては高域の伸びと透明感の向上が挙げられます。
    拍手やハイハットなどの繊細な音の再現性が向上し、より自然でリアルな音場をもたらしているようです。
    歪みの少なさも特徴の一つで、ジャリっとした不快な音が抑えられ、上品で滑らかな音になりました。

    Victor MC-1の特色を素直に引き出してくれる印象で相性は基本的に良いと思いますが、それが「放送局っぽい」という表現が浮かぶような部分は多少感じられます。
    束縛感が少なく自然な音の流れを阻害しない点がおそらくそう感じさせるのでしょう。
    一方で、全体的に生真面目な印象が強くなる傾向なので、音楽によってはもう少しスリリングさがあっても良いかもと感じるケースもありました。

    リッツ線をそのまま使うという尖った構造から想像するのとは違って、非常に生真面目さを感じるリード線でした。
    特に高域の透明感と歪みの少なさは最近の製品にもなかなかない雰囲気かと。
    リード線で音傾向を変えたいケースには向かないでしょうが、今でも十分に通用する鮮度を持った製品かなと感じました。

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    2024/07/08 12:00 pm | No Comments
  • 077月

    EFFECT AUDIOのイヤフォン用ケーブル「Ares S」を入手しました。

    初のConX対応ケーブルということになります。
    初期状態は2pinですが、Basic Kitも入手したのでMMCXにも交換可能です。

    ケーブル自体は24AWGの4芯で純銅リッツ線、被膜がEA Ultra Flexiという形でVOGUEシリーズ等に近い構成です。
    太さはAres IIと変わらないはずですが被膜がやや柔らかめなので取り回しは良くなっていますし、分岐部もちょっと立派になっています。

    DAP側はTermXではなく固定の4.4mmでロジウムメッキ真鍮プラグですけど、多少接触不良が起きやすい感じです。
    4.4mmは微妙に形状が異なったりして互換が悪かったりするようですが、複数のDAPでも似た感じなのでこのプラグor個体差かも。
    ひとまずこのままにしておきますが将来的にはTermXやOEAudioなどに交換しても良いかも。

    まずは初代Maverickでチェックしていきます。
    音は意外と銀メッキ的な音で中高域がサラサラしている印象を受けます。
    雰囲気としてはプラグのロジウムメッキの音色が出ているのかな?
    EFFECT AUDIOらしいダイレクト感のある音ではありますが、以前のAresの持つ、ちょっと柔らかさも兼ね備えたサウンドとは異なり、ストレートに音源の特色を出す傾向に微妙に変わっています。
    バランス的にはやや上寄りな弱ドンシャリ系で、ベリリウムやチタンといった金属ハウジング系っぽい音が初代Maverickから出るようなイメージを受けました。

    ただエージング進むと透明感がかなり上がって残響成分などがしっかり聞き取れるようになってきます。
    いわゆる聴感上のS/Nが良い感覚です。
    音色としてはそこまで最初とは印象が変わらず、ハイハットはやや金属的で、たしかにそれが正しいのだけどちょっとだけ脚色っぽさはありそうです。
    低音はそこまで深くないのはAresクラスだと順当なところなのでしょう。
    クラシックだと意外と空間再現は弱めで楽器の音を鮮明にしてくる感じです。

    ConXは端子を自由に変えられて便利だなぁと思う反面、実際に使ってみるとやはり接点が増えた感触は多少なりともありそうです。
    思い込みも入っているかもしれませんが、鮮度感を保持しようとした味付けが少し感じ取れるような気もします。
    ただケーブル自体は被膜が柔らかくなったことで取り回しはARES II+と比べたら雲泥の差で良好になっていて、トータルでの実用性の高さからすれば大幅な改善だと思います。

    取り回しが極端に悪い太めのAres II+とも比較してみました。
    こちらは空気感部分の細部表現が多彩でボーカルもさらに妖艶さがあります。
    ただセパレーションの良さは4.4mmな分、Ares Sが優位です。
    Ares Sのほうも細部はしっかり出ているのですが、やはりなんとなくベールが一枚ある感じはちょっと感じて、どこかで接触抵抗が高いような感じを受けてしまいます。
    もしかするとConXよりも4.4mmプラグ側なのかなぁという気も少ししていますが。

    そこでイヤホンを変更し、HIFIMAN RE2000 SilverでAres Sを使ってみると、こちらは透明感と見通しの良さが抜群です。
    ついでにいうとイヤーピースもそれに合わせて再チョイスし、SpinFit OMNIにするとさらにベストでした。
    それまでのSedna ORIGINだと少しだけ軸が長過ぎて空間が広くなり過ぎて中抜け傾向になる音源があるのですが、装着感だけならSedna ORIGINがいちばん良いのでそこは少し残念ですけどね。
    ちょっと話が逸れましたが、RE2000 SilverにAres Sという組み合わせは多少強引なところもありますが、鮮度優先で鮮烈なサウンドと対峙するような形にまとまったように思います。
    多ドラやBA系よりもシンプルなDDのほうが合うのかもしれないですね。

    ちなみに初代MaverickはGrandiosoにしました。
    こちらのほうが少しだけ音が柔らかめですが、ニュートラルで強調感のない自然な出音になってくれます。
    価格的にもGrandiosoとは近いと思いますが、個人的にはどちらかというとGrandiosoのほうがオススメかな。
    意外とVirtuosoが好みですし、VOGUEシリーズが音や取り回しの面で好みなのかもしれません。

    さすがにもうケーブルがいっぱいになっていたのでぼちぼち落ち着かせようと思いますが、ConXがあるのでそこはもうちょっとだけ遊んでみようかなと思っている感じです。
    その後は自身でのプラグ交換もちょっとずつやっていこうかなと思っています。

    Filed under: Audio
    2024/07/07 12:00 pm | No Comments
  • 057月

    YAMAHAのMCカートリッジ「MC-1X」を入手しました。

    最近はすっかり空芯じゃないと不満が出てくるようになったところで、Victor MC-1と同じプリント基板ベースのコイルということで気になって入手した次第です。
    通常タイプのもMC-1Sとして出ていますが、こちらはシェル一体型でそこはSONY XL55Proに近い形ですね。
    本体の重さは18.5gだそうで、見かけよりは意外と軽めな感じですけどアルミダイキャスト一体成型の部分はなかなか強度が高そうです。
    裏にあるはずのシリアルナンバーが見当たりませんが、シールっぽいので剥がれたのかな?

    2層ラミネートIC空芯コイルはVictorとは違ってダンパーに近い部分にあり、サマリウムコバルトマグネットによるヨークレス差動磁気回路となっています。
    カンチレバーはベリリウムのテーパードです。
    ちなみに話は逸れますが、製品のケースがとても良くできていて90°回転させることで裏の板バネによりしっかり固定されるようになっています。
    針カバーはシェル全体を覆うタイプなのでちょっと普段使いしづらいですけどね。

    出力は公称0.2mVですが、意外と小さめに感じます。
    ただとにかく出音が澄んでいるのが印象的で、セパレーションの良さからなのかスピーカーの外側まで広がる音場が他のカートリッジと比べて群を抜いているように感じられます。
    海外の計測結果でもクロストークは特に中域でとても良好のようなので、発電機構やヨークがないことなどが効いているのかな。

    一方で全体的な音色はやはり国産というかヤマハっぽさがちゃんと出ていて、爽やかに溜めなく鳴らす印象です。
    評判よりは元気が良くノリの良さもありますが、なにより疾走感があるというのがいちばん良く当てはまる比喩かなと。
    帯域でいうと個人的な思い込みでいうとベリリウムカンチレバーの影響なのか、やや中高域は強めに出ますが歪みっぽさはなく、低域はかなり下まで伸びています。
    他のカートリッジでいうと「日本的なLyra」という風合いといったところでしょうか。
    YAMAHA CDX-2200の音を思い出したようなところもあったので、基本的にはヤマハカラーもあるのでしょうね。

    シェル一体型なのでセッティングを追い込むのには向きませんが、シェルリードやヘッドシェルで迷うことがないのはズボラな私にとっては好都合かも。
    この手の極細コイルは消磁器を使わないように注意が必要ですけど、そこも空芯なのでそもそも気にする必要がないのも気楽で助かります。
    MCカートリッジがだいぶ増えてきましたが、私にとってはこの時代の国産モデルが今は楽しいかなと思っているところです。

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    2024/07/05 12:00 pm | No Comments