• 245月

    iFi Audioのアクティブ・ノイズ・キャンセレーション機器「iPurifier AC」をお試し気分で導入してみました。

    先日、クリーン電源を撤廃してRTP-4 absoluteに変更したばかりで、アクティブ型の功罪に触れたばかりだというのに…という気もしますが、やはり2階の電源環境の悪さを少しでも改善できればという欲が出たというのは否定できません。
    逆に、あれだけ人気のiPurifier ACがホントに効くのか試してみようじゃないか、というのもありました。

    まずは2階の電源環境について触れておく必要があるでしょう。
    壁コンセントや電源タップ、仮想アースなど部材的な対策はもう出音に対して素晴らしい効果で、しつこいくらいやっているAKURATE DSでの残留ノイズも大きく改善しました。
    ただ、アースが部屋に来ていないという部分に関してはやはり数値的に如何ともしがたいところでして、アース結線がされていないのは当然としてコールド側の電位もかなり高めとなっています。
    当初は20V近くありましたが、現状は12.2Vほどです。

    同じ2階でも階段のところでは8V程度ですし、リビングでは3Vほどと、よりによって家の中でいちばん悪いところじゃないか!という状態なわけです。
    iPurifier ACにはアクティブ・ノイズ・キャンセレーションだけでなく、グラウンド/アース接続や極性の診断ランプもあるのですが、当然ながら見事に赤・赤となります。

    ちなみに極性だけ緑になるということはなくて、アースが非接続だと極性判定はされず常に緑になります。
    そこはLUXMANのリニアフェーズセンサーみたいに指で触れることで判定できるような機能があっても良かったのかなぁとは感じました。
    このランプが赤だからといって全く機能しないということではなく、ディファレンシャル・ノイズ(ホット・コールド間)はちゃんと減衰させることができます。
    逆に言えばアースを繋がないと、コモン・モード・ノイズ(ホット・コールドとアース間)を減衰させる部分は機能しません。
    ただ、ここがひとつ課題となるポイントだと感じていて、良質なアースを持ってこないといくら減衰させるとはいえ、ディファレンシャルノイズもかえって増えてしまう事態になりかねません。
    実際、私もトイレにあったアース端子から部屋へとアースを引き込んでみましたが、音質も残留ノイズも悪化する経験をしていますし、複数のコンセントに供給するとアースループまでできてしまって、さらに酷い状態になってしまいました。

    アースループの計測結果は省きますが、家庭内アースを接続した場合と接続しない状態の残留ノイズを参考のために貼っておきましょう。
    なお、この段階ではiPurifier ACはまだ使用していません。

    まずはそのアース問題は先送りしておいて、iPurifier ACをタップに挿すだけで音と残留ノイズの変化をチェックしてみました。
    最初はLAN用タップに挿してみましたが、正直、大きな変化は計測でも聴感でも感じられません。
    次にアナログ系(プリアンプとパワーアンプ)のタップに挿してみますと、電源由来ノイズはやや低減しますが、高周波は若干ながら悪化が見られます。
    音質的にも音が締まった点は良いのですが、クリーン電源の時のような束縛感がある出音になっています。
    アナログ音源(レコードプレーヤー)では聴感上でも大きくノイズが減って効果が目立ち、逆にデジタル機器では上記のような出音の窮屈さが出ています。

    次にパソコン系も含めた雑用系の壁コンセントに直接3芯で挿された電源タップにつなぎますと、こちらは数値上はやや低減する程度ですが悪化の傾向はありません。
    出音も同様で、アナログ音源でのノイズ低減もしっかり確保されつつ、デジタル系での束縛感もあまりありません。
    またパソコンやエアコンの使用有無、時間帯による電源品質の変化を吸収してくれる印象で、部屋全体に電源クリーニングの効果が出ているように感じられます。

    専用のアース線が発売されていますが、先日の実験で市販のアース線を購入していましたからこれにAtlasのバナナプラグを装着しましてiPurifier ACに接続したところ、見事に表示は緑・緑となりました。
    あとはコレでノイズが減り、しかも出音が良ければバッチリなわけです。
    念のためにこの状態でオーディオ用電源タップの側にも挿してみましたが、家庭内アースを直接つないだ時と同様に悪化してしまい、ダメでした。
    家庭内アースにはエアコンや冷蔵庫、洗濯機などがつながっていますから、ある意味当然とも言えますが、単純に緑になれば良くなると考えるのは個人的に検証した感じとしては正しくないと認識しています。

    そこで雑用系壁コンセントに3芯でつながっている電源タップにiPurifier ACを挿し、もう一方のPCに向かうほうは2芯としました。
    オーディオのほうもアースは非結線ですから、iPurifier ACでつないだアースは雑用系電源タップ(クリーニングマシンとコードレス電話機がつながっているのみ)だけで、他には影響ないはず、なわけです。
    しかし実際にはそんな単純ではなく、ここにアースを持ってくるだけで各所のコールド側電位も下がってきます。

    iPurifier ACを挿したタップはアース接続でコールド電位が11.6Vくらいまで下がりましたが、全く同じようにオーディオ用タップも12.2Vから11.7くらいまで下がります。

    さらに言えばリビングでも変化があり、こちらはiPurifier ACを挿さない状態では3.0V程度だったコールド電位が、挿すと3.3Vくらいまで逆に上昇します。
    どちらかと言えばiPurifier ACが検知したノイズ成分がアース側に捨てられるような傾向があるのかもしれません。
    なお、リビングに設置したオーディオも音は僅かに変化していて、数値的には僅差で悪化しているものの、エアコン使用などによる変化は軽減されているように感じられます。

    さて、肝心の2階の出音ですが、中高域の鮮度が上がって輪郭がシャープになっています。
    良い意味で歪み感は低減されていて楽器のクリアネスも向上していて、ある種、クリーン電源に近い音色になる傾向はやはり感じられます。
    ただ、家庭内アース接続もノイズの捨て先として上手く配慮すると改善効果が高く、音質面でも静寂感や背景の黒さを実現することができているようです。

    とりわけフォノでは明らかにハム音やノイズが減っていて、もちろんそれは計測でもハッキリ現れています。
    BL-99Vはベルトドライブですが同一筐体にモーターがありますし、さらにサクションポンプがあるため、ノイズ源になっていますので、これを打ち消してくれる効果はiPurifier ACが大きく貢献してくれているようです。

    AKURATE DSでも上記の配置ではノイズ低減のほうが目立っていて、アースの取り扱いがうまくいっているようです。
    AKURATE DSはとりわけ電源ノイズに敏感で、日によって変化も大きいので同一日時に比較した結果を貼っておきましょう。
    上からiPurifier AC無し、iPurifier AC有り(アース非結線)、iPurifier AC有り(家庭内アース結線)です。

    あえて主観的な評価はなるべく廃して、残留ノイズの分析を主体にしましたが、これを見てもノイズイーターとしての効果は確実に感じられます。
    そういう意味でも、餌となるノイズが多い場所に装着したほうが効果が出やすいかもしれませんし、取り除いたノイズ成分の出口はやはり多少何処か必要で、それがアースに向かう傾向はあるように思います。
    熱も結構出ますし、それで消費する仕掛けもあるのでしょうから、その辺りは電源環境の質や傾向にもよるはずですので、あくまでもうちのわりと状態が良くない電源環境での結果として捉えていただければ幸いです。
    その上でもしっかり音質面での効果はあるわけですし、無理にランプを緑にしようとせず、ノイズや聴感上で判断するのが良いとは感じました。

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    2018/05/24 12:00 pm | No Comments
  • 235月

    SFCのオーディオ専用帯電イレーサー「SK-EXII」をゲットしてみました。

    「アレ?なんかそういうの持ってなかった?」と思われた方は鋭いです。

    初代のSK-EXが思った以上に良かったので、2代目はもっと良いかなぁと。
    最新はIIIなんですけども、そこはお値段が安くなってたというのもありますね。
    初代は内部がサンダーロンのフェルトでしたが、SK-EXIIはサンダーロンの布地になっています。

    箱の大きさはかなり小さくなっていて、その分サンダーロンとの距離は近くて良いのかなぁとも思いますが、LPだとやや入れにくい感じはあります。
    またフェルトのほうが接触面積が小さいからか、SK-EXの中に入れたらホコリが付いた…という、なんとも逆説的な状態になることが少なかった気はします。
    それもまぁ中古の状態による部分も大きくて、今はだいぶ安定してきましたけど。

    そんな感じで、意外と初代の良さもあるなぁと思いながら使っていましたが、徐々に落ち着いてくるとやはり初代よりもさらに高域のトゲトゲしさが軽減される傾向になってきました。
    しかも音源の高域自体はむしろ内周までしっかり伸びてくるところが初代との差です。
    原理はよく分かりませんが、静電気が減ることで背景ノイズが下がるのは変わらずで、それが内周まで持続しやすくなったのかもしれません。

    「ZERO SHOT」も以前のは発泡素材みたいな感じでしたが、こちらの付属はmk2になってラバー状に変わっています。
    ただ、以前は2個付属していましたが、こちらでは1つになっています。

    わざわざ買い換えるほどか?と言われると2代目はやや中途半端で、どうせなら最新型が良かったかもしれないですけども、やっぱり着実に進化はしているようです。
    ブラシのほうはサンダーロンから三菱ケミカルのCOREBRID Bに変わりましたし、こちらもいずれ変わるのかな?
    もしそうだとすれば、それを待ったほうが良いかもしれませんね。

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    2018/05/23 12:00 pm | No Comments
  • 225月

    ACOUSTIC REVIVEのグラウンディング・コンディショナー「RGC-24 TripleC-FM」、ターンテーブルでも非常に効果的でしたが、より幅広い効果を期待してAccuphaseのプリアンプ「C-280L」に接続してみました。

    フォノイコライザー内蔵ですからアース端子もあるのですが、そうでなくてもフォノケーブルのYラグとターンテーブルのアース線を共締めしてあって繋ぎづらくて苦労していますから、今回はYラグをRCAに変換する付属のプラグを使用しました。
    このプラグ、出力端子用防振プラグ「IP-2Q」と似た構造で、ホット側は絶縁されていますからショートの心配はありません。

    ただし、マニュアルにも記載がありますが、接続時は機器の電源は切って作業してください。
    C-280Lでは空いた入力端子のコールド側にもシャーシ電圧が掛かっていましたので、入力端子側に挿すことにしました。
    機種によってはセレクタでホット・コールドともカットされる場合もあると思いますから、そうした部分はテスターなどでチェックしたほうが良いかもしれません。

    仮想アース本体はトランスの真下辺りに置くのが効果的とされていますので、C-280Lの正面左側のウッドケース下に挿入しました。
    ウッドケースがあるので難しいかな?と予想していたのですが、高さも良い具合に入って良かったです。

    まずはDP-77でCDから聴いてみると、透明度が大きく向上し静寂感も高まっていて、ボーカルが恐ろしいほど浮き立ってきました。
    レコードプレーヤーの時もそうでしたが、やっぱり土台がしっかりしたような感覚があります。
    雰囲気としてはクォーツアンダーボードやケーブルインシュレーターにも通じるものがあって、それらが機器やケーブルの振動、電界から受ける影響を軽減してくれるように、こちらはシャーシのシールド能力を高めてくれるのだと思われます。
    オーディオ機器はまだまだ基本的にはオーディオ信号を扱う機材として高周波の影響への配慮が足りていない部分も一部に残っていますし、特にウチのような古い機種では特にそうした弱点を補ってくれるところがあるように感じます。

    同様の変化はAKURATE DSでも現れていて、こちらもサウンドがクリアになり、音や定位にブレがなくなりました。
    以前、家庭内アースを無理やり引き込んだ際もノイズという観点を除けば、ブレの軽減というメリットは感じられましたが、それを上回る効果が得られているように感じられます。
    もちろんレコードでも同様で、全ての音源で等しく恩恵を受けられるという点でも一つだけ装着するのであれば、プリアンプにするのが正解ではないかと思われます。

    音質的にはもう「ここしかないし、外せないな」という感覚でしたが、あえて客観的に装着の前後でまたいつもの残留ノイズを計測してみることにしました。
    まずはいつものAKURATE DSからです。
    いつものようにPCM-D100にフルボリュームで録音し、Audacityで50dBほど増幅してあります。

    上がRGC-24 TripleC-FM無し、下が装着後ですが、主に奇数次の電源由来ノイズが減っているように思います。

    次にこちらは初めて掲載すると思いますが、DP-77の同軸入力状態での残留ノイズです。
    こちらも録音・計測方法はAKURATE DSと同様です。

    上がRGC-24 TripleC-FM無し、下が装着後ですが、こちらのほうがより顕著に変化が読み取れるでしょう。
    そもそもAKURATE DSより圧倒的にノイズは少ないですけれども、ケーブルや配置の影響なのか、より大きくノイズが低減しています。

    最後にフォノ入力です。
    今回はターンテーブルは回さない状態で録音、計測しています。

    C-280Lのフォノイコライザーは優秀ではありますが、それでもMCヘッドアンプも通っていますから全体的なノイズが多めでそちら由来のものが多いですが、それでも電源由来ノイズの低減がしっかり確認できるはずです。
    いろいろやってみて、RTP-4 absoluteやRGC-24 TripleC-FMなどこそ、真の意味での「クリーン電源」をもたらしてくれる部材ではないかとも正直感じました。
    ノイズをアクティブに減らすためにはどうしてもそれ自体がノイズ分を別のエネルギーに変えるか、あるいはどこかに受け流す必要があるわけですし、それは増幅回路も同じことでしょう。
    今回のRGC-24 TripleC-FMの場合は機器から見た場合のグラウンドの安定度を向上させるという役割を果たしてくれていると感じています。

    それは計測にもしっかり現れていますし、実際の出音でも着実に体感できました。
    もちろん環境によって使いどころに違いはあるでしょうけれども、アース周りの強化で音のブレを減らしたい方には十分にお薦めできる品だと思っています。

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    2018/05/22 12:00 pm | No Comments
  • 215月

    SAECが先日の展示会でトーンアーム「WE-4700」を参考出展したそうで。

    見た感じはまるっきりWE-407/23に見えますが、実際には全くの別物になってるようですね。
    そもそも当時のトーンアームはオーディオエンジニアリングが発売元で、販売していたのがサエクコマースだったと記憶してます。
    カートリッジも初期のものはそうですが、その後のXC-10からはサエクコマースです。
    いずれにしてもカートリッジのほうはおそらくOEMだったと思われますけど。

    ちなみにオーディオエンジニアリングもサエクコマースもジムテックというところから分離独立した会社だそうです。
    父親の影響でかろうじてJIMTECは知っていますが、名前の由来が「ジムラン」と「アルテック」というところからして当時のオーディオ界はまだまだ海外のコピー的な要素が強かったのが感じ取れます。
    ちなみにオーディオ周辺機器で有名なメルコもココから独立したもので、昔は糸ドライブのターンテーブルなどを作っていました。
    会長はずっとオーディオに未練があったようですし、ターンテーブルもマイクロ精機にパクられたみたいなことを言っていたとかなんとか…。
    なんだかどれも消えてしまった会社ですし、技術ばかりですけど。

    そんな中、いろんなしがらみはあるでしょうけれども、SAECのトーンアームが復活しそうなのはユーザーとしても好ましいところです。
    金属加工などの製造は内野精工というところがやっているようで、自社ブランドでもQUALLIUM UTA-200Aというトーンアームも参考出展していたようです。
    正直、こっちのほうが独自性があって良いのでは?とも思いますが、やっぱり懐古趣味的ニーズは大きいでしょうからねぇ。

    サエクの古いアームはもう実質、修理ができない状態に陥っていて、当時の精度が出ていない個体もおそらく多いはずです。
    うちのWE-407/23もたぶんそうでしょう。
    そういう意味では過去の製品の補修も請け負ってくれるなら、さらに大歓迎なんですけどね。
    見た目にはソックリでも、部品自体は削り出しに変更されているものも多いようで、曰く当時の10倍以上の精度なんだとか。
    削り出しというと高級みたいな風潮がありますが、実際は少量生産に向いているというだけで必ずしも良いことばかりではないのですけどね。
    元となる材料が均質でない場合は、重量バランスの補正ができないという欠点もあるわけですし、組み上げ精度も含めて考える必要があるでしょうし。

    お値段や発売時期も公式には未定とされていますが、海外のサイトではUS$8500-9500といった噂が出ています。
    お値段のほうもどうやら10倍以上のようですね。
    個人的には価格でとやかく言うのは的外れで、要は物が良いか、悪いか、という単純な問題だとは思っています。
    ただ過去の焼き直しで作るのであれば、当時の製品やユーザーへのリスペクトやサポートがあったほうが良いのかなとは感じます。
    まだ今はスタート地点でしょうから、将来的に「新次元のSAECトーンアーム」を生み出してくれたら良いなと期待しています。

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    2018/05/21 12:00 pm | No Comments
  • 205月

    ACOUSTIC REVIVEの電源タップ「RTP-4 absolute」を2つ導入してクリーン電源をやめてから10日ほど経ったので、そろそろ肝心の音について触れてみたいと思います。

    まず設置ですが、前回も書いたように足元にはヒッコリーボードを敷き、その上に置く形を取りました。
    ベストは電源タップ用クォーツアンダーボード「TB-38H」かもしれませんが、ヒッコリーボードの部分は同じですし、十分な効果が出ていると思っています。

    電源タップまでの電源ケーブルはACOUSTIC REVIVEの「POWER STANDARD TripleC-FM」を双方ともに使用しました。
    また壁コンセントはRTP-4 absoluteで使われているのと同じGTX-D NCFの特別仕様のものを、コンセントベースもCB-1DBを使用してあります。

    この部屋にはあいにくアースが来てなくて、2階のトイレから市販のアース線で引き込んでみるという力技も試しましたが結果的には元に戻しました。
    家庭アースは外にアース棒が埋めてあるのを確認していますが、それにはリビングのエアコン、それに冷蔵庫などもつながっており、シャーシ電位こそ下がる(18〜20V→6〜8Vに)ものの、ノイズ対策には逆効果でした。
    また出音の面でもRTP-4 absolute導入のメリットでもある力強さや輪郭の明瞭さが失われがちでした。

    電源タップからの電源ケーブルもだいぶ試行錯誤しましたが、うちは古い機材も多いので直生えの電源ケーブルも多く、その点では悩みはそう多くはありません。
    変更点としてはAKURATE DSとパワーアンプの電源ケーブルをPOWER STANDARDベースの2芯特別仕様に切り替えたくらいです。
    と言ってもこの2本での変更、とりわけパワーアンプ側の変更が恐ろしく効果大だったのですけどね。

    理由は色々あると思いますが、RTP-4 absoluteも含め、NCFという素材の素晴らしさが音に貢献しているところは非常に大きいと思われます。
    「NCF」はACOUSTIC REVIVEとFURUTECHが共同開発したもので、帯電防止効果が期待されます。
    NCF Booster-Signalも壁コンセント部分に使っていますが、私感としては信号系よりも電源周りで使用した時のほうが効果が分かりやすいと思います。

    さてこうやって電源周りが一新されたわけですが、いちばん大きな違いは音楽が躍動的で活き活きとしているところでしょう。
    クリーン電源使用時のサウンドは繊細ではあるものの、時として神経質でクリーンルームで育った菌床栽培のキノコのような味気なさが感じられるケースがありました。
    また日々の外来ノイズの変化を嫌って導入したはずなのに、実際にはちょっとした変化に神経質だったことにも気づかされました。
    それはおそらく僅かな電源歪率の変化よりも、数字に現れにくい高周波ノイズや大切な中域に被ってくる高次高調波が出音に交じることのほうが影響が大きいということの現れでしょう。

    アンプ系とデジタル(入力)系にタップを分ける、という非常に基本的な原点に立ち返った対策も功を奏していると思います。
    ケーブルの配置や種類を決めるにあたっても、最初はあえて耳での主観的評価ではなく、出音の残留ノイズを見て悪いものを排除・改善していく形で決めていったのも迷いがなく進められました。
    うちの環境ではアースループを防ぐ意味でも2芯の電源ケーブルを適宜入れたほうが良好でしたし、AKURATE DSではやはりアース戻しをやったほうが良く、そこは同じ入力系のタップに逆接地アダプタで戻す形を取りました。
    またターンテーブルの電源は当初アンプ(アナログ)系から取っていましたが、これもモーターを回転させるとノイズが増えることから入力系にまとめる形で収まっています。
    さらにヘッドフォン系は信号ケーブルが一切つながっていなくても電源タップが共通なだけで、USB経由でパソコン側のノイズを拾うため、PC系の壁コンセント側からの供給としました。

    まさにこうしたアースループやシャーシ電位といった要素が指針となるような部分で、RTP-4 absoluteのメリットが大きく活きてきているように感じています。
    強固なシャーシはそれ自体が仮想アースのような効果を持っていて、機器相互のノイズの影響を最低限に留めてくれるような印象があります。
    それは出音にもしっかり反映されていて、どのソースでも抜群の安定感があります。
    とにかく曖昧さが微塵もなく、音の骨格がしっかりしてくれるので、安心して音楽に集中できるのです。

    まずはAKURATE DSを中心にセッティングや配線を決めていきましたが、これまでネットワークオーディオやUSB-DACで感じたようなギスギスした印象がようやく消沈し、本来Linnが持つアナログのような厚みが感じられるところまで引き出せるようになりました。
    ハイレゾ音源のメリットもこれでこそ享受できるというものですし、CDからのリッピング音源でもDP-77に肩を並べる、あるいは一部凌駕するところも出てくるところまで到達できた気がします。

    入力側もさることながら、プリアンプ、パワーアンプの底上げも半端ないものです。
    これまでパワーアンプは壁コンセントから直接給電していたわけですが、それを軽く上回る圧倒的な説得力とエナジーで音楽を奏でてくれています。
    とりわけ空間再現力が大きく向上していて、ともするとケーブルでそれを補おうとしていた部分を排除することができました。
    そうした対処はどうしても付帯音や位相の乱れにつながる要素も持ち合わせているわけで、実際計測してみても高調波が増える傾向がありました。
    そういう迷いが排除されたことで、音離れが良く、スピーカーにまとわりつくような感覚が解消されたわけです。
    もちろん、音源に含まれるアンビエンスは正確に欠けることなく再現されますし、音源からダイレクトに音場が再現される感覚で、妙な溜めのないストレートな表現を引き出してくれます。

    音楽を聴いている時に受ける心への届き方もこれまでとは大きく違っていて、これまではどこか表層的になりがちだったもの、心の奥底に響くようになった気がします。
    ファーストインプレッションでも感じたことですが、変な喩えではありますけれど単に身体を温めてくれるユニットバスから、心の底から「ハァ~」と声に出てしまうような露天風呂の開放感、充実感が得られるようになったというと言い過ぎでしょうか。
    とりわけ暖かく、穏やかな気分になれるのは音色が寒色系から暖色系に変わった、とも言えるかもしれませんが、そう単純でもなく、やはり音楽の訴求力自体が向上したのだと私は感じています。

    もう少しオーディオレビューっぽい触れ方もしておきましょう。
    音の違いとしては低域の力強さ、切れ、音の通り方が全く別物になっています。
    これまではどこか遠慮がちでB&W 802S2のウーファーは「動いてるのかな?」という雰囲気でしたが、RTP-4 absolute導入後はそんな遠慮は一切なく、ウーファー2本が弾けるように本来の実力をフルに引き出されています。
    それだけにまさに遠慮のないサウンドですから、うっかり音量を上げ過ぎるのには気をつけないといけません。

    CDやレコードでも、音の厚みがこれまでとは全く違います。
    音傾向が押しが強いとか輪郭が太いとかに変わったわけではなく、前後左右に広大な音場が展開されるのです。
    もちろんその上で芯はしっかりとしていて、機器自体は変わらないわけですから音傾向はは同じですけれど、細部の描写力が全く違っています。
    聴きながら書いたメモには「原画とリトグラフのような違い」と書いてありましたが、まさにその通りの感想です。

    正直、「導入して心底良かった」というのが100の言葉を並べるより明確な答えでしょう。
    もちろん個々の環境や予算などもお有りなことは承知していますが、電源周りに迷いのある方にはひとつのゴールになり得る存在だと確信しています。

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    2018/05/20 12:00 pm | No Comments
  • 195月

    新生Olasonicから初となる新製品、Bluetoothスピーカー「IA-BT7」が発表されました。

    6/8の発売だそうで、私が予想していたのとはだいぶ違うものの、小手先の新製品ではなく、これからのOlasonic、オーディオ界を意識した製品になっています。
    Bluetooth自体には私自身は正直、懐疑的ですが以前の「Olasonic完全読本」の付録Bluetoothヘッドホンアンプもかなり良い音でしたから、Bluetoothが悪いというわけではなく「真面目に作ってない」という要素のほうが大きいのかなとも思っていました。
    前回は付録だったこともあり、SBCのみの対応でそこも色々言われていましたけども、今回はしっかり以下のコーデックに対応したものになっています。

    SBC
    AAC
    Qualcomm aptX
    Qualcomm aptX HD
    LDAC

    中でもLDACに対応した製品というのはソニー以外ではあんまりないのではないでしょうか。
    そこは開発に関わる人物に元ソニーの方が多いOlasonicならでは、なのかなと思います。
    Bluetoothモジュールはあえて汎用品を使わず、QualcommのCSR8675を使って自社開発したんだとか。
    ただiPhoneだとAACということになってしまうのは残念なところではありますが…。

    内容的にはスマートスピーカーを強く意識した内容で、そもそもそちらの開発も考えたようですね。
    ただ、まずは音質優先という意図の中でBluetoothとアナログ入力というチョイスになっています。
    Bluetoothは内部で96kHzにアップコンバートされたり、アナログ入力もデジタル処理される辺りもソニーっぽさが感じられます。
    おそらくサイズ的にもDSP的なことをやる必要があるでしょうし、そうしたバランスを考えた上でのチョイスでしょう。

    電源もOlasonicらしく、ACアダプター駆動となっています。
    15V4Aだそうで、NANOCOMPOもそうでしたけども、ここを強化できる仕組みも用意してくれると面白いのになぁとはちょっと思いますね。
    また、せっかくBluetoothで配線をスマートにしたわけですから、そこもACアダプタがベストだったのかはやや気になるところです。
    その代わり、音だけでなくデザインも音質を重視したからこその拘りが感じられ、筐体はリアルウッドとなっています。
    コンパクトなBluetoothスピーカーが多い中、重さもしっかり2.2kgほどありますし。

    スピーカー部分は左右φ57mmコーン型フルレンジで、中央にφ110mmコーン型サブウーファーを配しています。
    さらに背面には120㎜×80㎜のパッシブラジエータと、この辺りは卵型スピーカーのノウハウを反映しつつ、今の時代に合った形にしてきたなと。
    アンプはTIのTAS5782を2個使ってあり、10W+10W+20Wというものです。
    デジタルアンプなのは普通のことですが、最新チップを使ってくる辺りもOlasonicらしさが感じられますね。

    サイズは275mm×144mm×65mmだそうで、写真で見るイメージよりはコンパクトですが、ある意味、スマホ自体の「ラジカセ」なんじゃないかなと感じました。
    音質チューニングにはミキサーズラボが関わったそうで、その辺りは個人的には吉と出るのか否か、聴いてみないと判断できないところかなぁ。
    正直言って、私が求めているオーディオのイメージとは全く違うものですが、音楽を楽しもうという層を増やす、減らさないためには必要な存在であるとも思います。
    むしろオーディオに興味がない音楽好き、ポータブルオーディオやスマホで音楽を普段楽しんでいる方にぜひ試していただきたい製品になっていることでしょう。

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    2018/05/19 12:00 pm | No Comments