• 1310月

    みんぽすさん経由でJVC KENWOODの新しい「Kシリーズ」の試聴イベントに参加してきましたので、その様子を2回に分けて紹介してみようかと。
    まずはJVC KENWOODの方からの説明を受けて、ハードウェア部分を私感を含めてレポートします。

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    まず、今回のKシリーズはJVCとKENWOODが一つになって初の「共作」と言って良い製品ということのようです。
    もちろんこれまでも少しずつ両者の融合は図れていたようですが、今回はさらに垣根なく両社の持つ技術を統合してきたというわけですね。
    A-K905NT」、「A-K805」、そしてスピーカーの「LS-K901-M」がその対象となります。
    元々はケンウッドの製品で今回もKENWOODブランドで出ているKシリーズではありますが、アンプ部分はケンウッド、スピーカーはJVCの技術が主体になりつつも、K2テクノロジーやビクタースタジオの協力などを受けた形です。

    また、ハイレゾ対応が従来からのオーディオブランドの間で急速にトレンドになった感がありますが、今回のKシリーズは2年前から取り組みを始めていたんだとか。
    上辺だけの「ハイレゾが再生できますよ」という対応に終わらず、システムトータルでハイレゾ音源を迎え入れる体制を整えたモデルに仕上げるのにそれだけの年月が必要だったようです。
    e-onkyo musicでの配信も始まっているとおり、ビクターには音源もありますからそこまで含めての体制を敷きたかったという面もあるのでしょう。

    そんなトータルでのハイレゾ対応ですが、キーポイントは以下の2点(もちろんホントはもっとたくさん超えた壁があったのでしょうけれど)とのこと。

    ・アンプの広帯域化・低歪み化
    ・スピーカーの広帯域化

    アンプ部についてはKシリーズ初代の頃(写真のはおそらくR-K801)はバリバリのアナログアンプで、パワーICすら使っていないディスクリート差動三段構成だったそうです。
    ただ、出力はこれだけの構成でも30W止まりということで、今回はそれを50Wにしてその上で小型化を図るべく、デジタルアンプで行く方針になった、という説明でした。
    個人的には50Wは要らないし、アナログのパワーICもなかなか高効率ですから、そういった構成でも良いとは思うのですけどね。

    ただ、デジタルアンプ(PWM)は方式上、最終段にローパスフィルターが必要なこともあり、周波数帯域を上に伸ばすのが難しい傾向があります。
    デジタルパワーチップのスイッチング周波数自体(通常は250kHzから1.5MHz程度)の問題もありますしね。
    また市販のチップではNFB制御がチップ任せだったりもあって、独自の低歪み対策などが取りづらいという一面もあるようです。

    そうした問題でデジタルアンプや広帯域化を諦めそうになりつつも、上のように右から初期試作、二次試作と詰めていき、実現したのが今回のアンプ部(いちばん左)です。
    二次試作からすると細かなチューニングも施され、当初のハイレゾ性能を確保した広帯域で歪みの少ないハイレゾ世代のデジタルアンプが完成したんだとか。

    続いてスピーカーのほうもやはり広帯域化に重きを置いて設計が進んだそうで、まずはツイーター自体の高域を伸ばす方向で、3wayやスーパーツィーターも視野に入れて開発は始まったそうです。
    ただ、これはおそらくビクターさんの技術がベースになってることもあって、マルチwayの定位の悪さは受け入れがたかっただろうなと。
    そこでツィーターの素材での解決をというところで、オーソドックスでありつつも優秀な物性を持つアルミになったとのこと。
    ダイアモンドなども最近は良く出てきますけど、ことスピーカーの振動板としての物性に関して言えばアルミは非常に優秀だと思うので、良い選択だと思います。

    しかし上を伸ばせば下が出ないというのが常でして、そのまま超高域重視だとクロスオーバーは8kHzなんていう、フルレンジ+スーパーツィーターみたいな構成になってしまいます。
    そこで正面に配置されたエッジ放射を遮るディフューザーのホーン効果を使い、低域まで能率の高い特性を得たとの説明でした。
    それでもクロスオーバーは5kHzと高めなので、ウーファー側にも対策が必要なんですけどね。

    ウーファー側もコーン紙を従来のものからグラスファイバー製のものに変更し、分割振動の起きる帯域を高域側に押しやることで、今回のツィーターとのクロスオーバー周波数までの帯域を確保しているとのこと。
    これもケブラーや従来(下の写真)からのコーン紙よりは剛性自体も高く、優秀な物性のものですね。

    こうしたトータルでのハイレゾ対応のおかげで、100kHzまでの帯域を確保し、24bit/192kHzの音源に含まれる「全て」を再生するシステムを実現した、というのが今回のKシリーズの大きなコンセプトのようです。
    もちろん高域をただ出すだけではなく、24bitになることによるhigh densityの部分にも注力していて、さきほどの分割振動の件もそうですし、NFBを生かした低歪化を果たしています。
    さらにK2テクノロジーによる24bit拡張、192kHzへのアップサンプリングで、CDや配信などの既存音源も擬似ハイレゾへ引き上げるという、とにかくハイレゾを真摯に取り組んだ、というのは伝わってきますね。

    では、そのサウンドは…というところは次回の「試聴編」で紹介しようと思いますが、試聴時に残したメモにはかなりネガティブな感想がたくさん残っています。
    上記の説明から受ける「ハイレゾ完全対応」は確かに試聴からも伝わってくるのですけど、実際の音楽で受ける感情的な部分に何処かズレを感じたんですよね。
    詳しい感想は次回書くとして、帰り道にその理由はなんだろう?と考えあぐねた結果に気づいたのは「これは新しいノートPCみたいなものだ」ということでした。

    『高解像度でパワフル、そして高品位。それでいてコンパクト』というのがセールスポイントだとすれば、まさに最新の高性能PCとダブリます。
    ただ、それが長い間、側に置きたい嗜好品なのか?、心やすらぐ時間を共に過ごす相棒なのか?というところに、オーディオマニアでありつつも音楽好きの私は違和感を感じたのかもしれません。
    そんなところでその辺りの詳細は、次回に続きます。

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    Filed under: Mono Fellows
    2013/10/13 7:00 pm | KENWOOD Kシリーズ試聴イベント 機材編 はコメントを受け付けていません

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