もうだいぶ前になりますが、STAXのドライバーユニット「SRM-007tA」を導入しました。
SRM-T1で真空管を体感して次はソリッドステートの上位モデルかなぁと考えていてSRM-727Aあたりかなと思っていましたが、そんな矢先にショップでSRM-007tAを見つけてこれなら音傾向としては好みにハマるのではないかと。
真空管は6FQ7系でSRM-T1と同じですがこっちは4本使用してあります。
ちなみに真空管はエレハモのものだそうです。
奥行きがだいぶ大きい(420mm,T1は375mm)ですが、それ以外はそんなに変わらないので置き場所はそこまで困りませんでした。
それでも他のヘッドホンアンプと比べると結構デカいですけどね。
SRM-T1から変更して最初の感想は「澄んでいる」というものでした。
クリアで現代的な印象でT1と違って真空管だ!という雰囲気はほぼ皆無です。
T1は真空管を交換したりもしましたが、根本的にもうちょっと雑味が入ってナローだったと実感しました。
SRM-007tAは聴感上、高域の歪みが少ないのだろうなという印象で、感覚的にはKRELLとMark Levinsonみたいな感じでオーディオ風味も多少強くなった気がします。
イヤースピーカーはProバイアスのみ対応ですが、そこはうちでは全く問題ありません。
SR-407とLambda Nova Classicがありますが、こっちもT1同様、案外とLambdaがバランスが良い傾向はあります。
腰が据わっているというのと、シルクを入れたりして音がまとまったからというのもあるかもしれません。
007tAは入力も3系統ありますので、DENAFRIPS ARES IIをXLR接続に変更しました。
これでさらにクリアになりましたが、ただRCAでもノイズを拾うようなことはありません。
むしろケーブルの違いのほうが敏感なので、ノイズを拾わずクセのないケーブルを選ぶのが良いように思います。
RCAのほうはKRELL PAM-3のREC OUTからつないであります。
これで聴くレコードが驚くほど良くて、スピーカーで聴く機会が減ってしまったほどです。(ちょっとした隙間時間に聴きやすいせいもありますが。)
ヘッドホンで聴くとどうしてもレコーディングモニター的になりがちな印象がこれまであったのですが、STAXではしっかりリスニングに没頭できます。
厳密には細部のノイズの確認などには向かない側面もあるように感じる場面もありますけど、そこに耳が行ってると集中できないわけでこのくらいがちょうどよいです。
とはいえ変化が感じ取れないとかではなくむしろ上流やケーブルの変化には敏感なくらいで、KRELLやヘッドアンプ、デジタル系ではMark LevinsonのDACのウォームアップによる変化が感じ取れるくらい緻密ではあります。
パソコン系とはやはり音の充実度が違っていて、そちらだと美化した音は出しやすいですけど楽器の音色とか臨場感の出方、最終的には没入感が違っていて、これでこそオーディオの悦楽という感覚を味わえています。
なんだかんだ言ってもやっぱりスピーカーの良さはありますけど、実生活の上ではいつも気軽に聴けるかというと音量だけでなく時間的制約など様々な理由もありますし、STAXで聴くというのもオーディオのひとつの選択肢として十分魅力的だと感じています。