• 207月

    TwitterのフォロワーさんがSONYのPCMレコーダー「PCM-D100」を導入されていらしたので、この機会に電源でどのくらい違いが出るか調べてみることにしました。

    ちなみにこれまではピアノ録音ではeneloopなどの充電池、レコード録音などLINE INを使う場合はトランス式のACアダプタ「AC-E60L」を使用していました。

    また録音モードも当初はS/N100dBモードを使っていたものの、生録やレコードでは予期せぬレベルオーバーが起きやすいのでデジタルリミッターをOnにしています。
    ちなみにS/N100dBモードとデジタルリミッターは排他利用(双方とも二つのADCを12dBのレベル差で使う仕掛けのため)です。

    電源による違いを耳で比べるのも良いですが、やはり客観的に評価したほうが良いだろうということで残留ノイズを比べてみることにしました。
    録音レベルを最大まで上げ、プリアンプ「C-280L」のREC OUTからQED Performance J2Pで繋いだ状態で録音したファイルを周波数解析する形を取りました。
    まずはその結果をまとめて貼っておきましょう。

    まずは上の4つですが、左がACアダプタ、右が充電池を使って録音したものです。
    また上の段はデジタルリミッターOn、下の段がS/N100dBモードをOnにして録音した結果です。
    いずれも約10秒ほど録音された24bit/192kHzのWAVファイルをパソコンに取り込み、Audacityを使って解析しています。
    そのままでは残留ノイズレベルが低すぎて解析できませんでしたから、Audacity側で40dB増幅した後、解析した形です。

    Audacityの解析の問題で10Hz以下はあてにならなかったり縦ゲージが合わせられなくてやや見づらいのが申し訳ないですが、ACアダプタと充電池の違いは思った以上に少ない印象です。
    厳密に見るとACアダプタのほうは50Hzやその高調波ノイズが入り込んでいる様子が伺えますが、充電池でも多少は見受けられますので、プリアンプやケーブル経由で混入している可能性もあります。
    そもそもピークでも-114dBくらいのS/Nが確保できているようですから、全く問題ないレベルでしょう。

    ノイズだけの観点でいえば、ACアダプタと充電池の差より、S/N100dBモードの効果の高さが際立ちます。
    DSDでは使えないとか、デジタルリミッターとは併用できないので録音レベルがシビアになる、などの欠点はありますが、これだけ差があればS/N100dBモードは積極的に活用すべきでしょう。
    デフォルトでOnにしても良いくらいですが、実際の生録ではリミッターのほうが需要が高いのと、2つのADCのリニアリティなども考慮した結果でしょうか。

    また、下の2つのグラフはオマケでして、REC OUTをオンにしてフォノ(左下)とCD(右下)の残留ノイズを記録してみたものです。
    さすがにフォノイコライザーでMCヘッドアンプのゲイン26dBとなると他よりノイズは圧倒的に多いですが、それでもC-280LのカタログスペックであるS/N78dBは確保できているようです。
    CDの場合も定格115dBを満たしているように思われますし、こちらになるとPCM-D100もS/N100dBモード必須かなという印象もあります。

    具体的な音質については正直、ちょっと聴いた感じでは有意な差は感じられませんでした。
    あえて言えばモニター時のヘッドフォンアンプについてはACアダプタのほうが力強さがあるかな?といった程度です。
    ただこれもトランス式のACアダプタを使った場合ですので、スイッチング方式の付属ACアダプタだとだいぶ違う結果になるかもしれません。
    トランス式のACアダプタがもう少し入手しやすい状態だと良いのですが、まだ売ってるお店はあるものの、結構なプレミアが付いているのが難点ですねぇ。
    ただアルカリ電池使用でも24bit/192kHzをモニターしながら録音しても約10時間保ちますし、一般的には充電池使用が良いのではないかと思います。

    関連エントリー:

    Filed under: Audio
    2017/07/20 12:00 pm | PCM-D100の電源検証 はコメントを受け付けていません。

Comments are closed.