• 241月

    最近はハイレゾ音源配信が盛んになっていますが、その中にはマスターが必ずしも「ハイレゾ」ではないものもあるようです。
    そもそもアナログ録音のものの比率も高く、それをハイレゾと呼ぶべきかは議論の分かれるところでしょうし、さらにはデジタル初期の16bit(中には14bitも)で44.1kHzあるいは48kHzの音源もみかけます。
    さすがにただのアップサンプリングで偽装しているものはあまりないと思いますが、K2HDなどのプロセッシング技術を使ったものはかなりあって、ユーザーの間では「ニセレゾ」なんて言葉もささやかれているようです。

    そんな状況は配信側にも伝わってるようで、Phile-webでそこを果敢に取り上げた記事が出ています。
    まずはその「疑惑」に真摯に向かい合っているのは評価に値すると思います。
    配信側の意見は記事でご覧いただくとして、それを拝見した上でも私の個人的な感想としてはやっぱりそういうハイレゾもどきは要らない、という結論です。
    以前も書いたことがありますが、K2HDがどんな技術であれ、元の音源から生成(悪く言えば水増し)したものであるわけで、それならユーザー側の機材で処理すれば済む話かと。

    記事中でK2HDは「欠落してしまった高周波成分を、アナログマスターとほぼ同様に再現」するとしていますが、16bit/44.1kHzでPCM化したデータはある意味、高周波成分に対しては非可逆圧縮なわけで、それが再現できるとするなら低周波においてもロスレスを自ら否定しているようなものだと思うんですよね。
    また、アップサンプリングは「線形補間するだけ」としていますが、今どきそんな単純処理をしてるものはソフトウェア、ハードウェア含めて存在しないと思うのですが…。
    だからといってK2HD存在そのものを否定するわけではなく、優秀なアップサンプリング技術の一つだとは思いますが、だからこそユーザーが後でチョイスできる仕掛けであるべきかと。
    決め打ちで自動処理できない部分が存在するのだとしても、それならばK2HD処理されたものとされていないオリジナルのものを両方ダウンロードできる(個々に費用が発生するかはともかくとして)ようにして、正々堂々と比較できるようにしたら良いでしょう。

    ただ、K2HDやe-onkyo musicはそれが明記されていて良心的なほうでして、実際にはそれすら表記されず、一旦アナログ変換までやったものすら存在するようですし、ハイレゾに限らず、リマスターと称して音圧だけを上げたようなものも乱発されているのが実情ですから、なんとも言えないところではあるのですけれど…。
    結局、そういう取り組み方だと、せっかく芽を出し始めたハイレゾをハードウェア共々潰してしまうことになりかねません。
    過渡期としての必要性は分かりますが、妙な付加価値はユーザー不在の虚を生むだけだという点ももう少し考えて欲しい気がするのは私だけでしょうか。

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    Filed under: Audio
    2014/01/24 7:30 pm | K2HDはハイレゾか? はコメントを受け付けていません

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