Iwasemiの吸音パネル「SQ-α」をずいぶん前に導入して紹介していなかったので、軽くオーディオ観点からのインプレッションを書いてみます。
まずIwasemiですが、元々、会議室に向けた調音パネルで人の話し声に特化した吸音性能を持っています。
500-1000Hz帯の平均吸音率が0.8で、逆にいえば400Hzから下や1.5kHzから上はほとんど吸音してくれません。
ですのでオーディオ用途としては正直ほとんど向いていないといっても良いでしょう。
大きさは22.5cm角で素材はほぼプラスチックで、元々かなり大量に配置することを前提としたパネルです。
お値段は結構しますので一般家庭で配置するにはちょっと厳しいですし、さきほどの吸音特性もあるのでここではオーディオ向けにちょっとした補強をする用途で検討してみました。
まずは適当な場所に設置して聴いてみましたが、特性から感じるよりは音の変化はそこそこあります。
いろいろ動かしてみた感じでは、少し高めの位置のほうが効果が感じ取れやすいイメージでしょうか。
帯域的にもスコーカーあたりにマッチするからというのもあるのでしょう。
たとえば、スピーカーに対向する形で配置すると音が前に出る傾向があります。
ただ、スピーカーに近過ぎるとプラスチックで中が空洞な構造上、少し鳴きが出ます。
その点からしてリスポジに近い側面に配置するほうが良いでしょうし、変化もそこそこあります。
とりわけガラスや金属部分などの反射面なら配置も簡単で良いですが、逆効果になる可能性も結構高めです。
音の変化の方向性としてはデッドになるというよりはフラッター抑制に働いている感覚があります。
ピアノの音にキレが出るあたりが良い側面でしょうか。
方向性としてはYAMAHAのボードに近い感じの変化と思ってもらうと良いかと。
ただオーディオ的には中域の美味しい部分を吸音しがちですので、あまり多く設置しなくても良く、要所に数枚くらいが程よいと思われます。
ちなみに背面に磁石が用意されていますが、正直、一般家庭ではあまりくっつけるところはないのではないかと。
この上に両面テープで固定は可能ですがピン留めはできないので設置しやすいとは言えない部分があります。
うちでは結果的に、ボーカル域が偏る側と反対側、つまり音が小さいほうに設置すると多少の改善が得られた気がします。
感覚的には反対のような気がしますけど、吸音されることでスピーカーからの直接音の比率が増えるからでしょう。
正直言って普通にACOUSTIC REVIVE WS-1など、オーディオ用途にちゃんと考えられたものを導入するほうが良いですが稀にお安く入手できる場合もあるので数枚お試ししてみるには良いかなといったところです。
理論的にはオーディオ用途への拡張も可能なはずなので、そういう製品も出てきたら良いのにとは思いますけどね。







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