GEの3-mica仕様の5814A、ブラックプレートのものを入手してみました。
まずはデジタルで動作確認から始めてみると、立体感を強調し過ぎず、空気感が伝わってきて、連続的な音場が見える感じがします。
のっけから「これはかなり良いな」という印象です。
音色の透明感が高いのも特徴的で、いつも最初にテスト再生しているオーボエのキーの音が明瞭なのが大きな差でした。
かと言って、神経質な部分はなく、低域もそこまで極端に強い感じはせず、芯にしっかりとした骨格を保ちつつ凛とした感じで鳴ってくれます。
なんとなくうちにあるMark Levinson No.27.5に近い雰囲気で鳴ってるので、オーディオ的にはかなり正解に近いのかも。
もちろん球固有の特徴というだけではなく、特性が揃ってるとか、そもそも5814Aを想定している回路と合っていることもあるのでしょう。
レコードに音源を変えてみると、こちらも低域は膨らまず、深いところは出るといった感じで、精度が高い印象があります。
全体に音量が上がる感じもあるので、嫌味が少ないのでしょう。
ハイハットのキレも良いですがキツくはならず、Baldwin銘のRaytheonよりは明らかにハイファイ寄りに感じ取れます。
Baldwinのような独特の立体視のような感じはないですが、アレもクセが強めで合わない音源も多いですからね。
アレはおそらく正負で位相差があるような感じで成立してるのかな、と予想しています。
GEのほうはそうした工夫や選別はなくて、ごく正統派の印象です。
音も前に出てきますし、少し奥に音が展開するBaldwinとはここでも正反対です。
方向性としては手持ちの中ではSilvaniaの5814Aが近いですけど、あそこまで固くならず、キンキンしないのが良いです。
低域も意外と厚くなりすぎず、量感より深さ重視といった感じです。
ただゲインは若干低いようにも感じられ、音量上げるとCZ-504Dの限界が出てくるなぁという時もあります。
逆に言えば、それだけ音量上げてもうるさくないから、つい上げすぎているとも言えそうですけど。
あとは音源の善し悪しがかなり明瞭に分かる傾向はあります。
特に位相の精度や定位の仕方などに敏感で、逆相っぽいエフェクトも異様なほど明瞭に感じ取れます。
その反面、濃厚さも多少は顔を出すところはあり、油絵とまではいかないですが、やや輪郭を太めに描くような部分はあるでしょう。
クラシックでいうと、ホールトーンが少しだけ強調されるような感覚です。
しかしピアノに関しては伸びやかで透明感に溢れているというのも面白いところです。
生っぽい音色で鳴るのは、うちの真空管アンプで他の球を試していた中ではなかった印象で、箱の大きさが出て手元の音にならない感覚です。
さらに試しに前段をSiemens E81CCにしてみました。
上品で透明感は出ますが、やはりこの球は硬めで薄味ですね。
ソリッドといえば良いとも言えますけど、正直ちょっと無味乾燥気味ではあります。
ただ、以前試した時ほどのキツさはない気がしました。
EW&fはSiemensとGEの組み合わせがハマっているようで、締まりがありつつも重さがあるサウンドになりました。
空間に関してはわずかに平面的ではあるので、万能という形にはなりにくかったです。
改めてBrimarに戻してみると、やはり圧倒的に厚みがあるサウンドです。
遅いというよりはタメがしっかりあるように感じ取れますから、当面はこれかな。
その後もこのGEがメインを張る期間はかなり長く続いていますが、ただ若干、GE 5814Aにするとワクワク感が薄まった感はあります。
本質的な躍動感に何か軽快感のなさというか、ザラつきのようなものがついて回るのと、ちょっと真面目過ぎるのかも。
ただ、そこもカートリッジがAccuphase AC-1の時に特にそう感じたので、そうした変化に敏感とも言えます。
トーンアームケーブルの微妙な接触不良があった時も、左右のバランスが乱れているのがすぐに分かりましたし、スピーカーの内振り角度の微調整にも敏感に反応します。
ハマればたしかに高音質になるのですが、少しそうしたオーディオライクな色合いが強まる傾向はあるのかなと思っているところです。






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