• 212月

    Cypher Labsのアナログポータブルヘッドホンアンプ「AlgoRhythm Picollo」をお借りしたので、何度かに渡り、レビューさせてもらおうと思います。

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    なお試聴は、いっしょにお借りしたイヤフォン「Unique Melody MAVERICK」を中心に実施しましたが、手持ちのSHURE SE215、茶楽音人 Donguri-鐘なども交えながら、今回はPicollo単体としてのレビューとして書いていきたいと思います。

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    代理店のミックスウェーブさんは私がゲットしたALO AudioのThe Nationalも扱っていますが、このPicolloも同じくアナログのみのポータブルヘッドホンアンプとなっています。
    しかも「フルディスクリート・アンプ」というのもThe Nationalと同じ(The Nationalはオペアンプ併用でトランジスタを使った構成で、The National+がフルディスクリート)です。
    最近は最新のものや高級なオペアンプを謳い文句にしたり、交換可能なことをセールスポイントにした製品も目立ちますが、ディスクリートで組むことについては個人的には非常に賛同する部分が大きいです。
    気になるのはバッテリーの持ちですが、その点、Picolloは30時間ほど動作しますし、充電もmicroUSBからの給電により4時間ほどで完了するので、その点でも完全に合格点です。

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    デザインの美しさも特徴で、タバコのパッケージっぽいというと褒めているのかどうだか分からなくなりますけど、そんな雰囲気を感じます。
    背面もしっかり厚手の筐体で覆われていて、いかにも頑丈そうですが、重量はコンパクトさもあって140gとそこそこ軽量に仕上がっています。

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    アナログ専用ということで入出力や操作系は全て前面に集まっていて、The Nationalと違い、電源スイッチもボリュームと兼用になっています。
    このボリュームがやや独特で、最初ガリオームがあるのかな?と思ったのですが、どうやらゲインコントロールのようなことをやってるのか、小音量の時に回すと両chからボソボソとしたノイズが入ります。
    また、高感度なIEMで聴くと、最小位置でも若干の音漏れがあるのが分かりました。

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    さて早速、そのサウンドを聴いていきますが、まずは手持ちのThe Nationalと比べてみますと、とにかく素直です。
    どこかを強調するような感じは全くなく、最近の高級ポタアンっぽい方向のまとまり方だと感じます。
    むしろThe Nationalがちょっと特殊で、アンティークな雰囲気もうまく取り入れてある傾向ですが。

    しばらく聴いて感じるのは、楽器の分離が良く爽やかである点と、圧縮音源などどんな音源でも嫌味なくまとまりの良いサウンドで聴かせてくれるというところです。
    ここで音源をiPod nanoからiPod classicのDockケーブル接続に変更しましたが、これだとさらにその傾向が高まります。
    Dockケーブル経由だと音質差がやはり相当あるのだなというのも明瞭に判るアンプですし、低域の充実度に大きな差が出てきます。

    それなりに高音質なDAPで楽しむと、まるで「音の庭園」のような世界がそこに広がります。
    高域から低域までホントに素直で、手入れの行き届いた庭のような美しさと淡麗さを持っています。
    もちろん狭い箱庭的なものではなく、そこに広がりがあり臨場感を伴うもので、正直、The Nationalがやや「作り物」っぽく感じてしまうほどです。

    ライブ音源の中の拍手のようなピンクノイズっぽい音はやや高域寄りに聴こえるので、バランス的にはやや高域寄りかな、という感じで、分かりにくい喩えですけどもMCカートリッジのようなバランスかと。
    また、楽曲の最初の一音がスッと出てきた時に身震いがするような感覚が素晴らしいのは、S/Nなどの過渡特性が良いからかも。
    他にも、鳥のさえずりやハープなどの響きがとても美しかったり、ヴァイオリンはキツくなりすぎずバランスが良い、など、メモには良い感想ばかりが並んでいます。

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    なによりジャンルを選ばず、音源の質を選ばずに底上げしてくれつつ、差はハッキリと分かるというのが良いですね。
    あえて言えばポップスやロックのような元気がある楽曲や、高域の透明感があるジャンルのほうが得意で、クラシックでも重々しく影のあるようなものはやや苦手という傾向はありますが、ほとんど不得意はないと言っても良いでしょう。

    とりわけ個人的には、古いアナログ音源が良好に聴けるのがうれしいです。
    これまで散々聴き飽きるほど聴いた楽曲もまた新鮮な気分で楽しめるというのは、Picolloのサウンドが魅力的な証拠だと思いますし、あえていつも聴くのとは違うジャンルすら色々聴きたくなる魔力を持っています。

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    色々書きましたが、まぁ要は簡単にいえばオールマイティーなんですね。
    MAVERICKを中心に試聴しましたが、MAVERICKの複雑なマルチwayっぽさが薄まり、まとまりがより良くなるのも、帯域ごとにクセが少ない証拠でしょう。

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    それでもあえて欠点を挙げるとすればボリュームの品質でしょうか。
    ゲインコントロールのノイズだとは思いますが、できれば電源スイッチと共用でないほうが良いのではないかと感じます。
    なお、ギャングエラーは最小音量からほとんど感じることはありませんでした。

    総合的に見て、とても素直で、聴きこむほどに良さがにじみ出てくるポタアンです。
    お値段もアナログ専用としてみるとそれなりではありますが、私自身はDACは日々の進化もありますし、アナログ部分こそが音の要だとも感じていますので、その点でもPicolloは投資に値する素晴らしいアンプだと思います。

    次回以降はThe Nationalとの比較や、iBasso D2+Hj BoaをCCK経由で接続したり、ALO Audio The Keyからの接続など、音源やイヤフォンによる変化をMAVERICKと複合的にレビューしてみようかなと思っています。

    Filed under: Audio
    2015/02/21 7:00 pm | Cypher Labs AlgoRhythm Picollo レビュー 音質編 はコメントを受け付けていません。

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