• 205月

    ACOUSTIC REVIVEの電源タップ「RTP-4 absolute」を2つ導入してクリーン電源をやめてから10日ほど経ったので、そろそろ肝心の音について触れてみたいと思います。

    まず設置ですが、前回も書いたように足元にはヒッコリーボードを敷き、その上に置く形を取りました。
    ベストは電源タップ用クォーツアンダーボード「TB-38H」かもしれませんが、ヒッコリーボードの部分は同じですし、十分な効果が出ていると思っています。

    電源タップまでの電源ケーブルはACOUSTIC REVIVEの「POWER STANDARD TripleC-FM」を双方ともに使用しました。
    また壁コンセントはRTP-4 absoluteで使われているのと同じGTX-D NCFの特別仕様のものを、コンセントベースもCB-1DBを使用してあります。

    この部屋にはあいにくアースが来てなくて、2階のトイレから市販のアース線で引き込んでみるという力技も試しましたが結果的には元に戻しました。
    家庭アースは外にアース棒が埋めてあるのを確認していますが、それにはリビングのエアコン、それに冷蔵庫などもつながっており、シャーシ電位こそ下がる(18〜20V→6〜8Vに)ものの、ノイズ対策には逆効果でした。
    また出音の面でもRTP-4 absolute導入のメリットでもある力強さや輪郭の明瞭さが失われがちでした。

    電源タップからの電源ケーブルもだいぶ試行錯誤しましたが、うちは古い機材も多いので直生えの電源ケーブルも多く、その点では悩みはそう多くはありません。
    変更点としてはAKURATE DSとパワーアンプの電源ケーブルをPOWER STANDARDベースの2芯特別仕様に切り替えたくらいです。
    と言ってもこの2本での変更、とりわけパワーアンプ側の変更が恐ろしく効果大だったのですけどね。

    理由は色々あると思いますが、RTP-4 absoluteも含め、NCFという素材の素晴らしさが音に貢献しているところは非常に大きいと思われます。
    「NCF」はACOUSTIC REVIVEとFURUTECHが共同開発したもので、帯電防止効果が期待されます。
    NCF Booster-Signalも壁コンセント部分に使っていますが、私感としては信号系よりも電源周りで使用した時のほうが効果が分かりやすいと思います。

    さてこうやって電源周りが一新されたわけですが、いちばん大きな違いは音楽が躍動的で活き活きとしているところでしょう。
    クリーン電源使用時のサウンドは繊細ではあるものの、時として神経質でクリーンルームで育った菌床栽培のキノコのような味気なさが感じられるケースがありました。
    また日々の外来ノイズの変化を嫌って導入したはずなのに、実際にはちょっとした変化に神経質だったことにも気づかされました。
    それはおそらく僅かな電源歪率の変化よりも、数字に現れにくい高周波ノイズや大切な中域に被ってくる高次高調波が出音に交じることのほうが影響が大きいということの現れでしょう。

    アンプ系とデジタル(入力)系にタップを分ける、という非常に基本的な原点に立ち返った対策も功を奏していると思います。
    ケーブルの配置や種類を決めるにあたっても、最初はあえて耳での主観的評価ではなく、出音の残留ノイズを見て悪いものを排除・改善していく形で決めていったのも迷いがなく進められました。
    うちの環境ではアースループを防ぐ意味でも2芯の電源ケーブルを適宜入れたほうが良好でしたし、AKURATE DSではやはりアース戻しをやったほうが良く、そこは同じ入力系のタップに逆接地アダプタで戻す形を取りました。
    またターンテーブルの電源は当初アンプ(アナログ)系から取っていましたが、これもモーターを回転させるとノイズが増えることから入力系にまとめる形で収まっています。
    さらにヘッドフォン系は信号ケーブルが一切つながっていなくても電源タップが共通なだけで、USB経由でパソコン側のノイズを拾うため、PC系の壁コンセント側からの供給としました。

    まさにこうしたアースループやシャーシ電位といった要素が指針となるような部分で、RTP-4 absoluteのメリットが大きく活きてきているように感じています。
    強固なシャーシはそれ自体が仮想アースのような効果を持っていて、機器相互のノイズの影響を最低限に留めてくれるような印象があります。
    それは出音にもしっかり反映されていて、どのソースでも抜群の安定感があります。
    とにかく曖昧さが微塵もなく、音の骨格がしっかりしてくれるので、安心して音楽に集中できるのです。

    まずはAKURATE DSを中心にセッティングや配線を決めていきましたが、これまでネットワークオーディオやUSB-DACで感じたようなギスギスした印象がようやく消沈し、本来Linnが持つアナログのような厚みが感じられるところまで引き出せるようになりました。
    ハイレゾ音源のメリットもこれでこそ享受できるというものですし、CDからのリッピング音源でもDP-77に肩を並べる、あるいは一部凌駕するところも出てくるところまで到達できた気がします。

    入力側もさることながら、プリアンプ、パワーアンプの底上げも半端ないものです。
    これまでパワーアンプは壁コンセントから直接給電していたわけですが、それを軽く上回る圧倒的な説得力とエナジーで音楽を奏でてくれています。
    とりわけ空間再現力が大きく向上していて、ともするとケーブルでそれを補おうとしていた部分を排除することができました。
    そうした対処はどうしても付帯音や位相の乱れにつながる要素も持ち合わせているわけで、実際計測してみても高調波が増える傾向がありました。
    そういう迷いが排除されたことで、音離れが良く、スピーカーにまとわりつくような感覚が解消されたわけです。
    もちろん、音源に含まれるアンビエンスは正確に欠けることなく再現されますし、音源からダイレクトに音場が再現される感覚で、妙な溜めのないストレートな表現を引き出してくれます。

    音楽を聴いている時に受ける心への届き方もこれまでとは大きく違っていて、これまではどこか表層的になりがちだったもの、心の奥底に響くようになった気がします。
    ファーストインプレッションでも感じたことですが、変な喩えではありますけれど単に身体を温めてくれるユニットバスから、心の底から「ハァ~」と声に出てしまうような露天風呂の開放感、充実感が得られるようになったというと言い過ぎでしょうか。
    とりわけ暖かく、穏やかな気分になれるのは音色が寒色系から暖色系に変わった、とも言えるかもしれませんが、そう単純でもなく、やはり音楽の訴求力自体が向上したのだと私は感じています。

    もう少しオーディオレビューっぽい触れ方もしておきましょう。
    音の違いとしては低域の力強さ、切れ、音の通り方が全く別物になっています。
    これまではどこか遠慮がちでB&W 802S2のウーファーは「動いてるのかな?」という雰囲気でしたが、RTP-4 absolute導入後はそんな遠慮は一切なく、ウーファー2本が弾けるように本来の実力をフルに引き出されています。
    それだけにまさに遠慮のないサウンドですから、うっかり音量を上げ過ぎるのには気をつけないといけません。

    CDやレコードでも、音の厚みがこれまでとは全く違います。
    音傾向が押しが強いとか輪郭が太いとかに変わったわけではなく、前後左右に広大な音場が展開されるのです。
    もちろんその上で芯はしっかりとしていて、機器自体は変わらないわけですから音傾向はは同じですけれど、細部の描写力が全く違っています。
    聴きながら書いたメモには「原画とリトグラフのような違い」と書いてありましたが、まさにその通りの感想です。

    正直、「導入して心底良かった」というのが100の言葉を並べるより明確な答えでしょう。
    もちろん個々の環境や予算などもお有りなことは承知していますが、電源周りに迷いのある方にはひとつのゴールになり得る存在だと確信しています。

    Filed under: Audio
    2018/05/20 12:00 pm | ACOUSTIC REVIVE RTP-4 absolute レビュー 導入・音質編 はコメントを受け付けていません。

Comments are closed.