• 197月

    みんぽすさんからお借りしたPHIATONのハーフカナルタイプのイヤホン「PS210」ですが、エージングもだいぶ進んできたので、音質絡みのレビューをしてみようかと。

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    先日のPS320と違い、こちらはコンパクトなインナーイヤーです。
    ただ、ハーフカナルというちょっと珍しいタイプになっています。
    といっても装着感はカナル型のほうに近いのですが、ユニットがそのまま耳に入ってくる感じとは違い、音の傾向はオープンエアーっぽさも兼ね備えている印象です。

    装着感はなかなか良く、カナルがやや苦手な私でもわりと平気な感じです。
    イヤーチップも4種類付属し、最初は上から二番目に大きいMが付いていますが、これをもうひとつ小さいSにするとカナルな感じが減って良いかも。
    とはいえ、ここは装着者の耳の形などに依存する部分なので、好みで選べば良いかと。

    しかし、イヤーチップによる音の傾向の変化もやはりあり、Mにすると低域が拡大する傾向が見受けられました。
    また、手持ちのシリコンっぽいタイプのイヤーチップに交換すると、さらに低音が伸びるような印象もあり、ここで好みにチューニングするのも良いかも。

    音はPS320と比べると押しのある感じですが、ソースの音質差はPS320よりもむしろこちらのほうが分かりやすく、意外とモニター的です。
    どこかが強調された感じは少なく、時折ハッとする生々しさを感じさせることもあります。
    ただ、積極的にアピールする鳴らし方ではないので、騒音の多い場所でのヒアリングや刺激の強いタイプが好みの方には物足りなく感じるかも。

    それだけに静かな環境でじっくり聴くと音源の違いまでしっかり聞き分けられますから、音質の悪い楽曲だとちょっとあらが目立つかもしれません。
    また、音のにじみが少なく純度が高めな鳴らし方なので、MP3などの圧縮ノイズがしっかり確認できたりして、デジタル臭さに気づくことも結構ありました。
    インナーイヤーでそこまで分かるというのはスゴイと感じましたが、もう少し楽しく聴ける方向に振ってあっても良いのかもしれませんね。

    また、カナル型で良くある「筒を抜ける感じ」はやはりハーフカナルといえども多少あるようです。
    PS320でもなぜか同傾向がありましたが、こちらは周波数がもう少し上で、ボーカルの倍音や鉄琴あたりで起こる感じです。

    あと、音漏れに関してはカナルというよりむしろオープンエアーくらいの感じで、結構漏れます。
    特に、耳に刺すと漏れる音が増える感じで、耳の内圧の関係?で外側に空気が逃げてるのかもしれませんね。
    そのあたりも含め、カナルの長所短所を半々に受け継いだ感じがありました。

    さて、そんな音質をもう少し客観視してお伝えできないか?と考えたのですが、再生音をマイクで録音するというプランは残念ながら失敗しました。
    どうもマイクがイヤホンのマグネットの影響を受けるらしく、うまく録音できないんですよねぇ。
    それがないにしても、イヤホンは耳の形状の影響も大きく受けますから、再生音をうまく伝えられそうにないので断念しました。

    そこで、別の方法を、ということで、ピンクノイズを使ったイコライジングをやってみました。
    これはスピーカーでも私がよくやっているものなんですが、ピンクノイズを再生し、各周波数のバランスが良くなるように耳で調整していく、というものです。
    純粋にフラットに追い込むのではなく、聴感上のバランスを取るので、主観は当然入るんですけどね。

    というわけで、早速、その結果をiTunesのイコライザで貼ってみます。
    まずはこのレビューの主役のPS210から。

    この結果を見るとやはり多少のドンシャリ傾向はあるようです。
    このイコライジングを施すと、さらに雑味が消え、良質なスピーカーでの再生音のような雰囲気になってくれました。
    ハーフカナルということで適度な純度と程よい音場感があるので、音の粒立ちが揃うことでトータルバランスが良くなったのでしょうね。

    また、PS320もイコライジングしてみましたので、オマケで。

    こちらは高域だけが急にレベルが上がってるという結果になっています。
    (イコライジングはその逆の調整になるので。)
    コアキシャルユニットになってるということで、高域側のユニットとのバランスの影響かな?
    ただ、このあたりは好みの範囲という感じで、PS210とは違い、音質そのものへの影響度合いは小さい気がしました。
    あえて違いを挙げるとすれば、聴き疲れしづらい、落ち着いた音色になったといった程度でしょうか。

    価格差や携帯性を考えると、個人的にはPS210のほうがコストパフォーマンスが高いかも。
    音漏れがそれなりにあるということで、大音量で再生する方にはあまり向かないかもしれませんが、元々音質の良いオーディオプレーヤーと音源を使用していらっしゃる方には良い選択肢になってくれそうだと思います。
    なお、iPhone用のマイクが追加されたPS210iというモデルもあるようで、iPhoneでの使用にはこちらが良いかもしれません。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/07/19 6:00 pm | PHIATON PS210 レビュー 音質&イコライジング編 はコメントを受け付けていません

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