• 1211月

    みんぽすさんからお借りしている富士フイルムのプレミアムコンデジ「FUJIFILM XF1」ですが、雨上がりにちょっとだけGR DIGITAL IIIとの比較撮影ができたので、作例を載せてみます。

    17085-604-291271

    まずはなるべく似た感じに撮れたものから。

    [ FUJIFILM XF1 ]

    [ RICOH GR DIGITAL III ]

    現像の具合が違ったりしていますけど、全般的にXF1のほうが色乗りが良い印象です。
    富士フイルムらしい発色で、EXRらしい色転びも初期のF200EXRあたりからするとだいぶ大人しくなった気がします。

    GRD3同様、明るいレンズを搭載していますが、比較的早く感度を上げてシャッタースピードを稼いでくる感じのプログラムです。
    GRD3は手ぶれ補正がないわけですが、それと比べるとブレの心配はかなり低くなってくるんじゃないかな。
    また、ISO400くらいまでは一昔前のAPS-C一眼に負けないくらいのノイズ耐性で、GRD3と比べるまでもなく、素子の大きさと新しさが活きている感じです。

    [ FUJIFILM XF1 ]

    [ RICOH GR DIGITAL III ]

    GRD3のアドバンテージとしてはマクロ域の強さでしょうか。
    上ではあえて似た画角のものを選びましたが、GRD3だともっと積極的に寄っていける印象でしたし、AFも中抜けが少ない(AF速度自体は遅いけれど)感じがします。
    XF1の場合、ズーミングしてしまうと最短撮影距離が長くなってしまうこともあり、テレマクロ的な使い方は苦手な印象でした。

    [ FUJIFILM XF1 ]

    ただ、前述のように発色とキレの良さはやっぱり世代の新しさを感じるなぁというのが正直な感想です。
    GRD3は「素子の性能を最大限に引き出して背伸びしたコンパクト」という感じが出てしまうことがたまにありますが、XF1はそういう無理したところがだいぶ少ないのかも。
    とりわけRAW現像すると、ハイライトの粘りやリニアリティの良さなど、素性の良さを感じる部分がありました。

    全般的に、以前お借りしたX-Pro1と通じるものもあって、操作体系やデザインについてはやや形から入ってしまっていて未完成な部分もありますが、そこから引き出される画は潜在力のあるものだと感じます。
    今回は軽く比較してみた感じですが、もう少し機能も使い込んで色んなスタイルでの撮影をしてみようと思います。

    17085-604-291271
    Filed under: Mono Fellows
    2012/11/12 7:00 pm | 4 Comments
  • 1111月

    みんぽすさんから富士フイルムの高級コンデジ「FUJIFILM XF1」をお借りしました。

    17085-604-291261

    早速撮りまくりたいところですが、あいにく天気も良くないですし、それ以上に外観も高級感あふれる魅力的なものだというのもあって、今回は私にしては珍しく外観についてのレビューをしてみようかと。
    上の写真では手持ちの富士フイルムのカメラたち(一部だけど)といっしょに並べてみましたが、質感といい、かなり高級な雰囲気を漂わせています。
    かつてのフィルムカメラ、TIARAシリーズ、それもAPSのTiara ix Titaniumあたりを彷彿とさせる佇まいです。

    しかしメーカーさんが強く意識しているのはどうやらライバルになるであろう、GR DIGITALなのかなというようにも感じます。
    サイズから奥行き、背面のキー配置まで良く似ていますが、ズームレンズで素子もちょっと大きめであるXF1のほうがコンパクトに仕上がってるのは素晴らしいです。

    それを支える一つのポイントが手動による沈胴レンズのギミックです。
    ここはまたフィルム時代のHI-MATIC Cにソックリでして、手前にレンズを引き出し、あとはレンズを正面から見て左に回すことでぐいっと伸びる仕掛けです。

    ハイマチックCはボタンを押すことでバネで自動的に飛び出しますが、こちらはそこも手動なので、速写性という点ではちょっと劣るかな。
    ただ、自然と両手で構えるスタイルに入りやすく、そのままズーミング操作に入れるので、コンデジでありがちな、ついついワイド端で撮るということを防ぐには良いのかも。

    しかし、両手を使うことがほぼ必須となるスタイルからすると、ストラップが両吊り対応であってほしかったというのが個人的にはちょっと残念なポイントです。
    正面から見て右肩側には何もないわけですし、ここにストラップホールがあっても良かったんじゃないかなぁ。
    最初、アクセサリーの革ケースとかで対応するのかなぁと思いましたが、純正で出てるレザーケースは単なる入れ物で、通常のストラップが付属するのみでした。

    また、質感が良いからこそ気になってくるのですが、レンズの根本あたりや貼り革に小さな隙間が見受けられるのがちょっと気になりました。
    私はあんまり細かいことは気にならなくて、カメラは道具として機能すれば良いという感じなんですけど、質感が素晴らしいだけに気になってしまいますね。

    貼り革はできればレンズリングの下に潜り込ませてほしいですし、底面や側面にあるネジもせっかくなら貼り革で隠せば良いのに…と思ってしまいます。
    逆にいえば、貼り革をオプション扱いにしてしまえば自分で貼れば良いですし、グリップを付けたりと自分なりのアレンジにできて良いのかも。

    全般的に厳しい意見が多くなりましたが、それもこれも魅力的な外観なればこそというものです。
    X10よりもさらに洗練されたデザインでありつつ、コンパクトで持ち歩きやすいですし、次回以降にレビューしたいと思いますが、レスポンスも非常に良く、FinePixでない次世代の富士フイルム機のスタイルがようやく見えてきたなと感じています。
    次回以降は本来の「写真を撮る道具」としての部分を実際の撮影を通じてレビューしていければと思っています。

    17085-604-291261
    Filed under: Mono Fellows
    2012/11/11 7:00 pm | FUJIFILM XF1 レビュー 外観編 はコメントを受け付けていません
  • 2810月

    みんぽすさんからお借りしているOlasonicのUSBスピーカー「TW-S5」ですが、慣らし運転もだいぶ進んできたので、実際に色んな曲を聴きながら調整してみることにしました。

    17137-604-291122

    TW-S7とはスタンドの構造が変わり、シリコンのインシュレーターから本体一体型の足になったということで、まずはインシュレーターを挟んでみることからやってみました。
    最初は上の写真のように木製のテーブルに直置きでしたが、ここに数mm厚の鉄板とコルクシートを重ねて載せてみたり、耐震ジェルなど、色々と試してみましたが、結論から言うとそれほど劇的な効果は見られませんでした。
    あえて効果がいちばん高かったとすると、うちの環境ではアルミブロックかな、という感じです。

    そもそもそんなに大音量で聴くわけでもないので、接地面への振動の影響はそれほど大きくない印象ですね。
    むしろ、TW-S7と比べると薄くなったと思われるたまご型の筐体自体の鳴りが、音をやや濁らせているような感じです。
    筐体のサイズもさることながら、プラスチックの弱さがコンパクト化で音に出ているのかなぁという気がします。

    また、低域がどうしても不足しがちな点については、背面に壁があるような設置場所のほうが良さそうな雰囲気です。
    うちの設置場所だと背面は結構抜けてるんですが、ここに壁があればパッシブラジエーターの効果がうまく引き出せるようですね。
    壁までの距離を調整することで低域の出方をある程度アコースティックにコントロールすることもできますし。

    とはいえ、設置場所を限定するのもせっかくのコンパクトさが活かせませんし、iTunesのイコライザで調整してみる、いつものパターンも試してみました。

    前回計測した周波数特性を参考にしつつ、ピンクノイズや実際の楽曲を聴きながら調整してみました。
    あえて125Hz付近のブーストを強調するため、逆に250Hzを下げています。
    また、4〜8kHzをわずかに上げることで低域の締りを感じる味付けにしたという感じです。
    もちろん、さきほども書いたとおりで設置場所によってパッシブラジエーターの効き具合も違ってくるでしょうから、あくまでも参考ですけどね。
    この雰囲気からするとパッシブラジエーターの共振周波数をもう少し下に設定しても良かったのかなぁというのが素人推測の感想でしょうか。

    あと、これは蛇足ですが、TW-S7で気になったMacでのスリープ解除時のポップノイズですが、これはずいぶん軽減しています。
    USBに活線挿抜した場合でも同様で、この点はずいぶん使いやすくなったのではないかと。
    なお、TW-S7でもLionのどこかのバージョンあたりからだいぶポップノイズが減りましたので、Mac側の対処も入ったのかもしれませんね。

    全般的には価格差も少ないこともあり、サイズが許容できるならやっぱりTW-S7かなぁというのが正直なところです。
    ただ、ノートパソコンなど内蔵スピーカーではどうにもならないほど貧相な音だけれど、大きなスピーカーを置くスペースはない、という方にはTW-S5じゃないとダメ、というニーズもあるかと思います。
    カラーバリエーションやデザインのかわいさも合わせて、ベッドサイドなどで使うのも良いかもしれませんね。

    17137-604-291122
    Filed under: Mono Fellows
    2012/10/28 7:00 pm | Olasonic TW-S5 レビュー イコライジング編 はコメントを受け付けていません
  • 2610月

    みんぽすさんからOlasonicの新しいUSB接続PCスピーカー「TW-S5」をお借りしました。

    17137-604-291109

    以前、兄弟機のTW-S7などをお借りして大変気に入って、自分でも購入したという経緯もあって、今回も気になってたんですよね。
    実際にTW-S7と大きさを比べてみると写真では一回り小さいという感じですが、実際にはオーディオ用の2wayスピーカーとPC用のアンプ内蔵スピーカーくらい体感のサイズが違います。

    持ち運べるようにキャリングポーチも付属していますが、たしかに同梱したくなる気持ちもわかるくらい、コンパクトになっています。
    ただ、たまご型の筐体というのもあって、実際に持ち歩くには袋よりもハードケースのほうが良かったかも。

    早速、Mac miniに接続して鳴らしてみますが、まだエージングもできてないとはいえ、一聴してTW-S7とはやっぱりだいぶ違うなぁという印象です。
    やはり筐体のサイズが違いますから、低域の余裕が違ってしまうのは仕方のないところでしょうか。
    また、不思議なことにTW-S7の時に感じられた透明感や点音源かと思うような定位感も不足がちです。
    むしろ小さくなった分、点音源に近づいたはずで、タイムドメインっぽいサウンドにさらに近づいたのかなぁと思っていたので、ちょっと意外でした。
    これはあくまでも推測ですが、アコースティックな特性による低域不足をアンプ側で補ってることによるものなのかもしれません。

    それが聴感上のものなのかを確かめるために、ちょうど以前から気になっていたPC用ソフト「MySpeaker」を試用して周波数特性を計測してみました。
    再生側はTW-S5、TW-S7、そして参考までにhiFace-ARCAM-Micromega-DALIの現行メイン環境です。
    計測側にはONKYOのSE-U55Xとオーディオテクニカのマイク「AT9440」を用いました。

    ではまずTW-S5の特性から。

    ピンクノイズを使っての計測ということやマイクの性能などもあり、低域・高域の信ぴょう性はちょっといい加減な感じがしますが、200Hzあたりから低域が落ち込んでいく様子が分かりますね。
    パッシブラジエーターが使われているわけですが、あまり強く機能する設定にはなってない印象です。

    続いて、TW-S7です。

    こちらは何度か計測してもどうも高域が伸びない感じでちょっと計測にミスってる感じもしますけど、低域はやはり200Hz付近から下がりつつもTW-S5と比べれば緩やかです。
    また、おそらくパッシブラジエーターの効果だと思われるのですが、60Hzくらいにピークが出ています。
    全般にピークやディップが少なめでフルレンジ+パッシブラジエーターらしい特性を見せてくれていますね。

    最後に参考までにメイン環境の特性も。

    これを見る限り、200Hzくらいからの低下傾向はマイクの性能の影響もありそうですね。
    Royal Menuet IIは2wayということもあり、低域は素直、高域はやや暴れ気味というのも見て取れます。
    そもそも比べるのはちょっと無謀なわけですが、それでもOlasonicの特性が素直だというのは分かっていただけるかと。
    その傾向がより顕著なのがTW-S7で、TW-S5はちょっと化粧っ気を出したのかな、という風にも感じましたけどね。

    音の変化については筐体サイズの違いと合わせて、スタンドの構造が変わった影響もあるかもしれません。
    TW-S7まではほぼ完全なたまご型で、付属のシリコン製インシュレーターに載せる構造でした。
    TW-S5ではアンプなどの回路部分をインシュレーター相当の部分に置くことで、スタンドと一体化したような形になりましたから、この影響が結構ありそうです。
    底面には簡単なゴム足っぽいのが付いてますが、この下になにか良い素材を置いてあげれば、音質をコントロールできる可能性もありそうだなぁと思っているところです。

    とはいえ、そもそもTW-S7の小型版なだけでは意味がないわけで、音の方向性にも違いを付けてきた、ということなのかも。
    裸特性に素直なピュア向きなTW-S7に対して、もう少し元気さを演出した音を楽しませるTW-S5というのが私の現時点での感想です。
    私自身はTW-S7の素直な味付けのほうが好みですが、BOSEあたりが好きな方にはTW-S5がオススメかも。
    それでもやはり低域不足は否めないところですし、サブウーファーを追加できるような仕掛けがあったら面白そうです。

    もう少しエージングが進んできたら、イコライジングでの調整や楽曲での聴き比べをやってみようと思います。

    17137-604-291109
    Filed under: Mono Fellows
    2012/10/26 7:00 pm | 2 Comments
  • 229月

    みんぽすさんからお借りしているシグマの望遠マクロレンズ「APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM」ですが、ようやく180mmを使ってた時の勘が戻ってきて、被写体が絞れてきました。

    14384-604-289805

    作例をご紹介する前に、まずは手持ちの180mmとのサイズ比較を。

    180mmマクロはかなり古いモデルで、当時のシグマのレンズにありがちなベタつきが出ていて、見た目が相当汚いのはご容赦を。
    かなりごっついレンズで気軽に持ち出せないのと、中玉に曇りが出ているので、出番は最近ほとんどありません。
    それに比べれば150mmはずいぶん手軽で、そこそこ常用できるサイズではないかと感じます。
    なお、三脚座は持ち歩き時には外してあって、これだと重量感もだいぶ軽減されました。

    被写体に話を戻しますと、やはりポイントはワーキングディスタンスでしょう。
    同じ等倍マクロでも相対的に被写体との距離を撮れる望遠域のマクロですから、なかなか近づきづらい被写体をぐっと引き寄せて撮れるのがうれしいです。
    その分、手ぶれの心配が出てくるわけですが、OSの効果もかなり高いですから、室内でもそこそこ感度を上げれば使えるくらいです。

    ただ、ちょっと気を抜きすぎると、上の写真みたいに微妙にブレた写真になってしまうのは仕方のないところです。
    本気で撮るならやはり三脚は必須と思います。
    そこまで大げさにしたくないというのであれば、以前お借りした105mmくらいに抑えておいたほうが良いかもしれません。

    また、同じF2.8という明るさでも焦点距離が長い分、当然、被写界深度が浅くなってくれます。
    これを効果的に使えば、背景を整理できるというメリットもありますね。
    ただし、こちらも一長一短で、被写体そのものもボケてしまうことになりがちで、やっぱり上級者向けレンズと言えそうです。
    もちろん、それだけに使いこなせば通常の焦点域のマクロレンズは撮れない傑作が撮れるわけで、普通の写真を量産してもつまらない、と思える方にはかなりオススメの一本だと思います。

    14384-604-289805
    Filed under: Mono Fellows
    2012/09/22 7:00 pm | SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM レビュー 被写体編 はコメントを受け付けていません
  • 159月

    150mmマクロと合わせて、みんぽすさんからシグマのマクロレンズ「MACRO 70mm F2.8 EX DG」をお借りしました。

    13939-604-289046

    150mmはニコン用でしたが、こちらはソニー用です。
    以前も同レンズのニコン用もお借りしたことがあるわけですが、50mm、70mmにはOSがないので、本体内手ぶれ補正があるソニーで使うのは意外にオススメかも。
    写りの傾向としては私も持っている50mmマクロに近い印象で、やや線が太めではありますが、シャープさではそれ以上のキレのある描写をしてくれる印象です。

    ただ、唯一の弱点はHSM(Hyper Sonic Motor)がないところでしょうか。
    ソニー用の場合、カメラ内蔵のモーターで駆動されるので、HSM対応のレンズを知ってしまうと駆動音と遅さにちょっとイライラしますね。
    ただ、AF速度に関してはα700の性能に依存する部分もあるでしょうし、マクロ撮影ではMFで追い込むことも多いので、大きな欠点にはならないでしょう。
    レンズ本体にはフォーカスリミッターのスイッチもあるので、必要に応じてこれを使うのも良いのでしょう。
    なお、リミット状態では0.257-0.48mという近接モードか、0.55-∞mの通常域モードのいずれかで動作します。

    取り回しに関しては150mmマクロと比べれば軽快そのもので、ちょっと大きめの標準ズームくらいの感覚で使えます。
    APS-Cで使うと105mm相当とやや長めではありますが、ワーキングディスタンスもほどほどなので、被写体に落ちる影をあまり気にせずに撮れるのはありがたいです。

    もうしばらくお借りできますから、初秋の近景を切り取ってみたいなと思っています。
    ミノルタの50mmマクロとの比較もやってみたいところです。

    13939-604-289046
    Filed under: Mono Fellows
    2012/09/15 7:00 pm | SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DG レビュー 試写編 はコメントを受け付けていません