MacBSの日常生活的日記

SFC SK-EX

SFCのオーディオ専用帯電イレーサー「SK-EX」を入手してみました。

正直言ってSFCのブラシやこの「入れ物」はちょっと信用してなかったところがあったのですが、使わないで決めつけるのもどうかなと思い、ちょうど旧タイプの出物があったのでお試し半分でゲットしてみました。
しかしこれが意外や意外、相当効果的で驚いています。

最新のものはもうちょっとかっこいい感じになってますが、初代は見るからに「全集BOXの外箱」といった感じで高さもかなりありますから、これでホントに効くのかなぁと。
使い方としては中にレコードやCDなどを入れて蓋をし、15〜30秒程度待つだけです。
もっと長く入れておいても大丈夫なようですし、ケーブルなどに使ってる方もいらっしゃるようです。

また付属の「ZERO SHOT」というもので静電気を逃してやることで、より確実に静電気を取り除けるんだとか。
導電性素材らしいですが、見た感じは防振ゴムorスポンジみたいな見た目です。
まずは半信半疑でレコードを入れてみました。

念のため両面、裏返して蓋を閉じた後、ZERO SHOTをペタペタし、ホコリはブロワで飛ばしました。
やってみると、入れた後は見た目的にもツヤが出ているような感じがしてきました。
再生するとこれがビックリで、高域の歪みがかなり減少し、音がパッと広がります。
内周歪みだと思っていたようなキツさもSK-EXで処理すると、最後までキツさが出ず、とても自然な音の風合いになります。
むしろ内周になればなるほど、さらに差が広がって、楽器の音色がだんだん濁ってきがちな部分が相当軽減されています。
背景が静かで深くなりますし、弱音部の多いクラシックでは特に効果的かと。
もちろん他のジャンルでも歪みが減って背景ノイズが減るのは有用だと思います。

とりわけ、うちのプレーヤーはサクションでターンテーブルシートが使えないこともあり、静電気対策がやりづらいのでコレはかなり助かります。
B面に裏返すと多少また静電気が復活していますが、SK-EXを継続して使うことで徐々に溜まりにくくなってくる気もします。

また当初はこれまで通りLo-Dの自走式クリーナーで表面のホコリ取り兼サクション補助とやっていましたが、その後は化粧用ブラシのみに変更しました。
実際に聴いてみた感じでもこちらのほうが静電気の影響が減少しているように感じますし、なにより音の開放感が出てきます。
SFCのブラシも気になりますが、残念ながら今はなぜか販売中止になっているようです。

クリーニングも重要ですが、それとはまた違った効果ですし、帯電除去ブラシの類も試しましたがアレは再生音に微妙に影響が出てくる傾向があるように思います。
前述のようにサクションはターンテーブルシートが使えないですし、バキュームによるクリーニングもむしろ静電気に関しては発生しやすくなる一面もあり、それを緩和してくれるようです。
曲間のサーフェスノイズも実際、大幅に減っていますし、静電気の減少はカートリッジやフォノイコへの負担も軽減されるのではないかと推測しています。

あえて欠点を挙げるとするならば、場所を取ることでしょうか。
当初はクリーニングマシンの上に置こうと思ったのですが、パカっと開くと倍の広さが必要なので諦め、使うときは椅子の上でやることにしました。

調子に乗ってCDでも試してみました。
こちらは普段、RD-3やRIO-5IIを使っていてそれで満足していますが、併用しても問題はありませんから、信号面を下にして30秒程度入れてみました。
レコードよりも比較はこちらのほうががやりやすいですね。
結果的にはレコードと同じ方向性の変化が感じられます。
フッと浮き立つような音像が印象的で、細部まで生気が通ったサウンドになります。

ほとんどのピックアップレンズはプラスチック製ですし、レコード以上に高速回転しますから、微小な静電気でも影響を受けるのでしょうか。
リッピングでの音の違いも、もしかするとこうした静電気によるピックアップへの影響もあるのかも。
メカにより読み取り中に溜まっていくこともあるのかもしれません。

方向性としてはRIO-5IIが近い考え方ですが、効き方の方向性はやや違っていて、SK-EXはピアニシモや細部の精度が上がる感じです。
RIO-5IIは余韻や空気感が復元される感覚があり、私としてはむしろ点灯しておくことでリスニング環境の改善に重きを置いています。
RD-3は歪みが減りつつシャープになる印象で、これとの併用は双方の良さが活きてくるように思います。
いずれにせよ、想像とはだいぶ違ってなかなか良い製品のようです。
お値段はお世辞にも安いとはいえませんが、使用回数を考えればランニングコストは意外と安いかも。
できればブラシも復活を期待したいところです。

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