MacBSの日常生活的日記

SAEC PL-5800 レビュー 到着編

SAECさんから新導体PC Triple Cを採用した電源ケーブル「PL-5800」をお借りしました。

フルテック製高品質プラグを採用した同モデルですが、長さや3P/メガネなどの種類が用意されていて、今回のは3Pの1.5mです。
フルテックのプラグは金メッキがかなり厚そうですが、コンセント側も3P仕様なので、軽く試すのに3P-2P変換コネクタを使おうと思ったのですけど、これが全く刺さりませんでした。
どうやらアース部分が少し太めなようで、もちろん通常の3Pコンセントにはがっしりと挿せました。

ケーブルは非鉛軟質PVCで覆われ、さらにその外側をカーボン含侵ポリウレタン編組チューブで被服されています。
ケーブル外径がφ13mmとかなり太いだけにそれなりに取り回しづらい部分もありますが、このクラスのケーブルとしては曲がり方向には扱いやすかったです。
ただやっぱり撚る方向には塑性が低く元に戻ってしまうので、極性を合わせる時にプラグ部分で撚ろうとすると癖が付くまでちょっと大変なところはありました。

ケーブル部分はおそらく切り売りのAC-6000がベースになっていると思いますが、完成品としては長さにもよりますが3万円クラスの製品となりますから、さすがにどこをとってもしっかりした作りです。

何処に使ってみようかと届く前から考えていましたが、うちのシステムで音にいちばん影響大なのはプリアンプと高域側パワーアンプを兼ねているLINN MAJIK-ILなので、ここに使ってみます。
なお通常はここにWireWorldのSTRATUS Series 5-2を使用しており、システム全体としては以下の構成です。

[ デスクトップシステム ]
パソコン: Apple Mac mini
USB-DDC: JAVS X-DDC(電源:第一電波工業 GSV500)
DAC: ATOLL DAC-100
CDP: SONY CDP-557ESD
Record Player: YAMAHA YP-D51
Cartrdge: ortofon 2M Red, SHURE M97xE, audio-technica TT30E etc
Phono Eq: THORENS MM-001
Pre Amp: LINN MAJIK-IL
Power Amp: LINN LK140(低域側), LINN MAJIK-IL(高域側)
Speaker: DALI Royal Menuet II
電源タップ: LOG AUDIO LD2000(プラグ:WF5018に交換)

USBケーブル: ACOUSTIC REVIVE USB-1.0PLS(借り物)
デジタルケーブル: CHORD Signature Digital(DDC), CHORD Prodac Pro(CDP-ATOLL)
音声ケーブル: Atlas Cables Equator MKIII(EQ-pre), LINN Silver Interconnect Cable(DAC-pre), CHORD Chameleon Silver Plus(pre-LK140), QED Reference Audio Evolution(LK140-MAJIK)
スピーカーケーブル: QED Signature Revelation(高域側),CHORD Epic Twin(低域側)
電源ケーブル: KRIPTON PC-HR500(ATOLL), SAEC PL-5800(MAJIK-IL), Accuphase APL-1(LK140)

到着したばかりでエージングが進んでいるとは言いがたいのですが、ファーストインプレッションとしては「PC Triple C、期待以上だな」と感動しています。
当初はまだ少し硬く、PCOCC-Aに似ているかな?と思いましたが、少しずつ馴染んでくると引き締まった中に穏やかさも出てきて素性の良さを感じさせてくれています。
全体的に癖が少なくソースを選ばない傾向で、わりとクセの強いLINN MAJIK-ILを上手く抑えていると言えそうです。

音の感想は今後の比較編でも書いていきたいと思いますが、明瞭で見通しが良いものです。
傾向的にはフラット志向で、さきほども書いたとおり、全体の音色や音傾向を取り仕切るような部分もありますが、それは音の要になりやすいにプリ部に使ったせいもあるでしょう。
それにしても、登場したばかりのPC Triple Cですけれども、すでに第一弾にして特性と音楽性がうまく融合しているのはSAECのチューニング力の高さを表しているかと。
PC Triple Cの優れた物性をベースにSAECの技術で音楽性も含めて仕上がっているのは、完成ケーブルとして当たり前のように思われがちですが、実際にはなかなかないことです。

音質面では特筆したいポイントだけ挙げておきますと、中域、特にボーカルの情報量が非常に豊かで、聴き慣れた楽曲にも新鮮な発見があります。
それも「押し付けるように無闇に」ではなく、「耳を澄ますと湧き出てくるように」出てくる印象で、今からWireWorldに戻すのがちょっと怖いくらいです。

情報の量だけでなく、正確性も高まっていて、ちょっと大げさかもしれませんがエフェクトやスタジオの残響などもしっかり聴き取れて、MAJIK-ILもまだまだイケるなと感じたくらいです。
分解能が高く濁りがない分、ややドライな傾向はありますが、そこは好みの範囲でしょうし、うちの場合はインターコネクトケーブルなどにLINN SilverやCHORDを持ってきているので、そちらで調整すれば良いのかなと思います。

2週間ほど試させていただけるとのことですので、次回以降、他のケーブルや機器と交換して試してレビューできればと思います。

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