MacBSの日常生活的日記

DENON DA-10、不良箇所判明

Phile-webさん経由でお借りしたDENONのUSB-DACヘッドフォンアンプ「DA-10」ですが、レビューにも書いたとおり、最初に届いた機種は衝撃を受けると左chにノイズが出るという症状が発生していました。

そこで交換となって以後のレビューを実施したわけですが、発売前の試作機でもない量産モデルでの不具合ということもあり、DENONさんからの回答を待っていたところです。
返送したのが10/18で、不具合再現の連絡すら戻ってこないので催促したところ、10/30に以下の回答が届きました。
(公正のため、改行以外はメール文面そのままです。ブログ掲載の許可もいただいています。)

まず、ご指摘いただいたマイクロフォニックのような症状が出るという件につきまして、検証したところ、ご指摘いただいたものと同様の症状の発生が確認しました。
(なおiPod Classicでノイズが出る問題については、再現しませんでした。)

製品を分解したところ、電解コンデンサ(C803)のマイナス側のハンダ不良が確認されました。
(添付の画像をご確認いただければと思います。黄色の〇部分のハンダ浮きが原因です。)

この症状は個体の不具合であり、全ての製品ではこの症状は発生いたしません。
なお、今後の対策として、電解コンデンサをボンドで固定する処置を行います。

裏側なのでコンデンサが見えていませんが、他の紹介ページから引用しますと、横に倒した大型のコンデンサの左側のだと思われます。
こんなハンダ浮きなら、ノイズが出るのも当然ですね。
基板表面側の写真は良く見かけていて整然としていた印象ですが、裏はお世辞にも良いハンダ付けとは言えないようにも感じます。
ちなみに同様に裏面を写した他の紹介ページではここまでではないように見えます。

「個体の不具合」とのことですが、あれだけ大型のコンデンサをポータブルで搭載しつつ何の固定もされていないのだとしたら、ハンダ浮きも起きるでしょうし、音にもノイズにまでは現れないまでも影響が出るのではないでしょうか。
また今後は「電解コンデンサをボンドで固定する」そうですが、初期ロットを購入された方は同様の症状が発生する危険性を抱いたままで使っていくことになります。

DA-10のレビューでも書きましたが、設計や思想自体はコストから見て目を見張るものがあります。
ただ、それを実現するためにどうも製造工程やパッケージングなどに無理が生じているのではないか、という懸念を感じました。
この辺りはあまり理解されづらいところですが、オーディオ製品の音質というのは設計や部品、回路のみで決まるわけではなく、それこそハンダ付けやちょっとした基板や部品の固定方法や取り付け方法(向き、足の長さ等)、エンクロージャー、ゴム足などの足回りなど、一つ一つの積み上げで育っていくものだと考えています。
その点でこれを「個体の不具合」で済ませてしまうというのがDENONのフィロソフィー、テクノロジーなのかな、と少々憤りを感じた結果でありました。

なお、初回貸出機と交換機を含めた、これまでのレビューへのリンクを最後に掲載しておきます。

DENON DA-10 レビュー 到着編
DENON DA-10 レビュー ヘッドフォン試聴編
DENON DA-10 レビュー 交換編

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