MacBSの日常生活的日記

DALI IO6

少し前になりますが、DALIのBluetoothヘッドホン「IO6」のキャラメルホワイトを入手しました。

AKG Y600NCのノイズキャンセリングが意外と役立ったので、紗羅用にも追加したくなったのがきっかけでしたが、音質的に買い足す意義がありそうな機種を探していたら結局これになってしまいました。
ちなみにライバル候補に最後まで残っていたのはSHURE AONIC 50でした。
ノイズキャンセリングであればSHUREのほうが強力そうですし、どちらも甲乙つけがたい音質だと予想されますけれど、中高域の音のキツさみたいなものを多少感じたのもあってDALIのほうをチョイスしました。

パッケージはなかなかオシャレな雰囲気で、同じ北欧のB&Oに近いような雰囲気を感じます。
IO4というノイズキャンセリングがないモデルもあって、おそらく機能的にはノイズキャンセリング以外はほぼ同等だと思われます。
どちらも50mmのフリーエッジ/ペーパーコーンのドライバを使っている点が他と違ったところでしょう。

まずは肝心の音の具合ですけれども、とにかく音楽を聴いていたくなるヘッドホンです。
とりわけピアノがとても心地よいのは以前から愛用している(今は眠ってますが)スピーカー「Royal Menuet II」に通ずるものがあります。
密閉型のわりには音の広がりがあって、セパレーションがとても良く感じるのが特徴的で、その辺りもスピーカーメーカーとしてのこだわりが感じられます。
帯域も意外と低域が伸びていますが、Bluetoothにありがちなブースト感はほぼなく、比較的フラットな音作りかと。
スペックとしては10Hz〜20kHzとなっていて、聴感上も20Hzは余裕で出ていると思います。

これまた他のモデル同様、3.5mmのミニケーブルでワイヤードとしても使用できます。
そちらでも音傾向はほとんど変わらず、ヘッドホンとしての素性の良さを感じます。
厳密に聴き比べると、ワイヤレスの時よりわずかに硬調で低域寄りになる印象はありますが、ほぼ同じ傾向の印象といって良いでしょう。
インピーダンスは25Ωとアンプを選ばない傾向のはずですが、意外と音量は取りづらい傾向です。(OPUS#1Sで80[MAX100]くらい)
ケーブルも付属のものからもっと凝ったものに変更すれば、さらに良くなる余地がありそうな気もします。

BluetoothはAAC/apt-X/apt-X HDに対応していて、iPhoneでAAC、Windowsでapt-Xを使っていますが、どちらも大きな不満はありません。
ノイズキャンセリングをオフにしていると自動電源オフがわりと早めに効くのがやや面倒ですが、操作もこなれていますし、音の途切れなども室内使用ではありますが一度も経験していません。

ノイズキャンセリングはお世辞にも効きが良いほうではありません。
ほぼ低域成分のみをキャンセルする感じですので、雑踏のようなノイズを抑えてくれる効果は非常に少ないです。
音楽再生時に(ノイズレスではなく)静寂感をもたらすのが目的と捉えたほうが良いでしょう。
また電源オン時は必ずノイズキャンセリングがオフとなってしまいます。
他のモデルに比べてもイヤーパッドの遮音性がかなり高いので、バッテリーの保ちが良いIO4をチョイスするのも良いのかも。

バッテリー残量は当初、iPhoneでも表示されなかったのですが、これはファームウェアを更新したら表示されるようになりました。
Windowsだとファームウェア更新後も表示されませんけど。
また、充電も含めてバッテリー管理はあまり高精度ではない感じで、そこはやっぱり専業メーカーにはかなわない部分があろうかと。

細かい点としては、環境によっては主に左耳側でノイズを拾うことがあります。
以前もbeyerdynamicのものでありましたけど、あそこまで激しくはないですが、DAC分離型のものにありがちな傾向なのかな?
DALIがどういったチップ構成になっているかは非公表なので、あくまでも推測ですけれども。

充電はUSB-Cケーブルですが、これを使ってパソコンなどに接続するとUSB-DACモードで使うことも可能です。
ヘッドホン側の電源を入れてなくてもPCから認識はされましたが、ポート側の供給電力不足のためか、音は出ませんでしたのでヘッドホン側も電源オンにして使ってみました。
PC側からの認識としては24bit/96kHzまでの対応っぽく、音質的にはコーデックが向上したような雰囲気になります。
ノイズキャンセリングを使ったりすれば内部で諸々の処理が施されるでしょうし、どこまでリニアに処理されているかは不明ですが、ヘッドホン端子がないPCやアンプが貧弱な場合には有効な使い方かも。

ガジェットとしてレビューすると欠点もそれなりにあるモデルでしょうけれど、実際の出音を聴くとそれらも全部吹き飛んでしまうほど、魅力的です。
コーデックや接続方法に関わらず、音の細部にまで魂が宿る感覚とでも言うのでしょうか。
そういうオーディオ的な魅力を身につけたヘッドホンに仕上がっていると感じています。

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