• 135月

    ACOUSTIC REVIVEのグラウンディング・コンディショナー(仮想アース装置)「RGC-24 TripleC-FM」をお借りしましたので、まずは軽くターンテーブルで試してみることにしました。

    本来はAKURATE DSのノイズを少しでも軽減できないか、という意味合いで試用してみようとお借りしたわけですが、そのニーズはほぼRTP-4 absoluteで解消しましたし、ある程度落ち着いてからでないと仮想アースによる効果なのか、電源タップによるものなのか、が分けられないということもあり、まずはターンテーブルでお試しとしました。

    RGC-24 TripleC-FMは本体内部に天然鉱石を数種類ブレンドしたものを内蔵してあり、外側はかなり重量感のある金属製のものになっています。
    アースケーブルも相当拘ったもので、テフロン絶縁のPC-tripleC楕円導体など同社の高級ケーブル同等の仕様でファインメットも装着されているそうです。
    通常はYラグでの接続ですが、アース端子がない機器用にホット側の通電がないタイプのRCA形状のアダプタも付属しています。

    私が以前から気になっていたのはターンテーブルのアースでして、トーンアームケーブルのアースといっしょにプリアンプのアース端子に共締めしてあるのですが、正直まず繋ぎづらいんです。
    双方をYラグにしてもそれはそれで緩みがちですし、そもそもターンテーブル側のアースは必要なのか?むしろフォノイコライザに悪影響を与えないのか?というのが気になっていました。
    一応聴き比べた感じでは双方つないだほうが良さそうですし、一応そうしてあったわけですが。

    仮想アース本体はBL-99Vのモーターの下辺りに配置することにしました。
    現状は地震が怖かったりで純正の脚で運用していますので、ちょっとプレーヤー下のクリアランスがギリギリでしたが、問題なく設置できました。
    なお、通常は接続機器の電源トランスがある下部周辺が有力候補との記載が説明書に書かれてあります。
    下部にスペースがない場合は、後部や横となっています。

    さて、音の変化ですけれど、フォノ入力の残留ノイズに関してはちゃんと計測はしていませんが、それほど大きな変化は見られませんでした。
    現状はプリアンプへのアース線もそのままにしてありますから、当然といえば当然ですね。
    これを外したほうが良いかどうかは今後試してみるつもりですが、今回はあえてそのままとしました。

    これもRTP-4 absoluteによる変化との切り分けがしたいという意図もあるのですが、それでも仮想アースをここに早めに設置したのは理由があります。
    電源タップ変更でネットワークプレーヤー、CDプレーヤーはもう比較のための言葉を並べる必要がないほど進化したのですが、アナログレコードに関してはそれに比べると変化がやや乏しく、むしろ少しモヤが掛かったような印象もあったからです。

    理由の一つはRTP-4 absoluteを2つ配置し、デジタル系を完全に分離したことが大きいのでしょう。
    逆にレコードプレーヤーはプリ・パワーと同じ電源タップを使用していますし、BL-99Vにはサクションポンプという「ノイズ源」がありますのでその影響もありそうです。
    以前もサクションポンプを全く別電源から取るというのも試したのですが、使い勝手は最悪ですし、不思議と音質面でもプレーヤー背面の連動コンセントから取ったほうが良い印象でした。
    どうもこの辺りがターンテーブル側のアース端子との絡みがあるのではないか、と予測したわけです。

    さてそれで仮想アース接続前、接続後で同じレコードを続けて聴いてみました。
    結果は想像以上に違いが大きく現れ、接続前のすりガラスのような感じから、接続後はスッと霧が晴れたようにベールが剥がれた感があります。
    また、音のピントもしっかり合ったような感覚があり、管楽器楽器の細かな息遣いまで感じ取れるようになりました。
    現状はプリとの結線が残っているわけですが、それでも電気的な土台の不安定さが解消されているようです。
    今まではモーターやサクションポンプの音もいっしょに聴いていたのだな、とすら感じるほど違いが出ています。

    そのおかげか、無音部の静寂感もずいぶん違いますし、中低域から下は圧倒的な迫力になっていて、そこはRTP-4 absoluteでデジタル系の改善と同様の変化がしっかり感じ取れるようになりました。
    ただ、階下からの報告によりますと、デジタル系以上にレコードを聴いてる時は音漏れがスゴいようでして、その点では心地良いからといってボリュームの上げ過ぎには要注意なようです。
    iPhoneの騒音計で「dB SPL A」で見たら以前と変わりないか、むしろ小さいくらいのつもりなのですが…。

    やや話が脱線しましたが、この他にも内周まで鮮度が落ちないというのも大きな変化です。
    静電気対策はそれなりに気を遣っているつもりですが、ターンテーブルのアースもその役割は担ってくれるはずで、その負担がこれまではプリの側に高電圧を掛けてしまうことにつながっていたのでしょうが、仮想アースが静電気の逃げ道としての役割も果たしてくれているのではないか、と推測しています。

    今回はまだ序の口というところで、もう少し掘り下げて使ってみたいところですが、仮想アースというと「あくまで仮想で接地アースには敵わない」とかアクティブ系のアース改善グッズも色々出ていて、やや懐疑的な方もいらっしゃるかと思います。
    もちろんそれは各自が効果を体感して良いと思う方式を選べば良いわけですけれど、接地はエアコンなどと共用すれば逆効果にもなりかねませんし、雷サージなど別の問題も孕んでいます。
    アクティブ系の改善グッズはたしかに変化は劇的ですが、クリーン電源同様、それ自体が発するノイズにも考慮しないと変化の大きさに惑わされてしまう部分もあるように感じています。
    その点、RGC-24 TripleC-FMは機器や電源に大きな負担を与えず、音質的なチューニングを測ることができる製品だと思います。
    まさに「グラウンディング・コンディショナー」としてアースの質を底上げしてくれるものとして、使うのがコツなのかなと感じた次第です。

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    Filed under: Audio
    2018/05/13 4:00 pm | ACOUSTIC REVIVE RGC-24 TripleC-FM レビュー ターンテーブル編 はコメントを受け付けていません

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