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APSレンズの歪み

またまた、クマデジタルさんのご疑問より。

APSの17mmは35mm換算だと大体28mm相当なのですが、実際の
レンズで使ってみると、その歪み具合は28mm相当というよりも
17mm相当に近いのではないか?とのこと。

これは、正直、かなり難しい問題ですね。
理論上からいえば、収差は画角とは別のもの、といえると思います。

ここでまず、収差について説明しておかねばいけません。
色関連でない収差としては「ザイデルの5収差」が有名です。
この5収差というのは、以下の5つです。

・球面収差
・コマ収差
・非点収差
・像面湾曲
・ディストーション(歪曲)

ここで歪みと言われてるのは、おそらくディストーションが主だと
思います。
広角ではタル型、望遠では糸巻き型になりやすい傾向があります。

で、17mmであっても単純に縮小した設計をすれば、相対的な
ディストーションは同じになるはずなんです。

でも、実際にはそういかない点があります。
一番大きなものとしては、フランジバックがあります。

フランジバックが短いと、レンズを対称形に近い形で設計でき、
収差が生まれづらくなります。
レンジファインダーのレンズが歪みが少ないのは、このおかげです。

同じEOSですとフランジバックは同じですから、APSでは相対的に
フランジバックが伸びたような感じになって、収差補正は難しく
なるのではないかと思われます。

あと、これが実は一番大きいかと思うのですが、EF-Sのレンズが
単純にディストーションが多い、ということもあろうかと。(^^;

というのも、最近はデジタル対応で色収差やコマ収差など、等倍で
確認されやすい収差を徹底的に除去する傾向があります。
もちろん、他の収差も全て少なくできれば良いのですが、なかなか
そうもいかないのが実情です。

そういうバランス的な問題で、ディストーションが残りやすいのでは
ないかという推測も成り立つかと。

というわけで、あまりしっかりした結論ではないですが、APSと35mmでは
抱える課題もそれだけ違ってくる、というお話しなのでした。

なお、あくまで素人の推論ですので、間違いなどございましたら、
ご指摘くださいませ。

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