• 114月

    みんぽすさんからお借りしている大口径標準ズームレンズ「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」を持って、満開の桜を撮ってきました。
    もちろん、それだけではなく、単焦点レンズとの比較をするのが今回のメインです。

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    比較対象に使ったのは同じシグマさんの「50mm F2.8 EX DG MACRO」です。
    現行モデルではなく、絞り環がある頃のものです。
    こちらはフルサイズのマクロレンズですが、明るさは同じということで、面白い比較になるかと。

    ということで、まずは17-50mmから。

    そして、50mmマクロで、同じ絞り、シャッタースピードで。

    ここではやや絞りを開け気味(F4.5)にしましたが、ボケは17-50mmがややうるさいものの、色収差を見ると単焦点の50mmマクロのほうが若干多いくらいです。
    50mmマクロが本来はフルサイズ向けだという点とズームレンズということを考えれば、非常に優秀だといえるでしょう。

    次に比較的近距離で絞ってみました。
    まずは17-50mmから。

    続いて、50mmマクロ。

    マクロレンズということもありますが、50mmマクロはコントラストが高めです。
    あと、こちらは色温度をRAW現像時に揃えたんですが、明らかに50mmマクロのほうが青みがあります。
    17-50mmは以前お借りした70mmマクロの色調に近い印象で、最近のシグマさんのレンズはこちらの傾向なのでしょうね。
    50mmマクロは線も太めですが、17-70mmは繊細な線です。

    また、17-50mmで絞りを開けてみた(F4.5)例も載せておきましょう。

    F4.5でもまだまだ開放からは余裕がありますが、海外のレンズテストでもF4まで絞ると性能が格段に上がるというのもありますし、周辺減光もぐっと減ります。
    また、被写体によって絞りを自在に操れますし、この明るさというのは単焦点にも負けない武器となってくれそうです。

    こういった具合で、ごく一般的な単焦点レンズであれば十分勝負できるズームレンズということが確認できたかと思います。
    ただ、レンズの重さや撮影フィーリング、数字に出ないファインダーの見えなどの点では単焦点レンズの良さもあります。
    実際、ファインダーを覗いてみている限りにおいては50mmマクロのほうが良い画が撮れてるという実感があったという点は書き添えておきます。

    とはいえ、単焦点好きといえど、これだけの性能があるなら、同じ画角の範囲はこれに任せてしまうべきかも。
    単焦点は85mm F1.4とか、70mmマクロなど、画角をかぶらせずに別用途で使い分けたら良い気がします。

    やや大柄なレンズですし、最初に購入するであろう標準ズームとまるっきりカブってしまう焦点域ではありますが、それをお蔵入りさせてしまうだけの性能を持った最新レンズだなぁという感想でありました。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/04/11 11:00 am | SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM レビュー 単焦点比較編 はコメントを受け付けていません
  • 084月

    みんぽすさんからお借りしている大口径標準ズームレンズ「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」ですが、Lightroom 3でレンズプロファイルが提供されているのを思い出して試してみました。

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    レンズプロファイルとは「レンズ補正」に使われるもので、Photoshop CS5やLightroom 3で、指定のレンズが持つ歪曲や色収差、周辺減光などを自動で補正してくれるものです。

    パラメータはごくシンプルで、レンズの型番を選べば、基本的にはこれで完了。
    ゆがみ、色収差、周辺減光で微調整も可能ですし、Exifから判定して自動処理することもできます。

    非常に便利な機能ですが、プロファイルを配布しているレンズメーカーはまだあまり多くなく、Apple、Canon、Nikon、Sony、Tamron、そしてシグマさん(2010年6月8日現在)です。
    しかも実際に配布されてるレンズの数が少ないメーカーも多いんですが、シグマさんはアドビとの共同開発ということで、現行品のほとんど(全部かも?)のプロファイルが提供されています。

    では、実際に適用した例を比較で見てみましょう。
    まずは比較的開放に近い絞りで撮ったオリジナルのままの写真です。

    これにレンズプロファイルによるレンズ補正を適用した例です。

    開放に近い絞りなので、周辺減光が減ってるのがよく分かっていただけるかと。
    それ以外にも樽型の歪曲がしっかり補正され、質の高い単焦点レンズにも負けない収差特性に補正されています。

    次にわりと絞って撮った場合も。
    まずはオリジナルから。

    そして、レンズ補正をした結果を。

    こちらは前述の例よりは差がわかりづらいかもしれませんが、やはり歪曲がすっきり補正されていますね。
    同じレンズでも絞りの違い、焦点距離の違い、被写体までの距離などで収差は大きく変化します。
    それらをすべて一発で補正してくれるのは、なかなか便利ですね。

    もちろん、光学特性が最初から完璧であれば良いのでしょうが、それにはレンズが非常に大きくなってしまいますし、お値段も大変なことになるでしょう。
    そもそもズーム倍率や明るさと、収差を共存させること自体、実現不可能なケースもあるでしょうし。
    そういう意味ではこうしたデジタルな補正がメーカーから提供されるのは、うれしいことですね。

    ただ、ボケ味は後処理ではなかなか整えることが難しいですし、補正されすぎてしまうとレンズ固有の味も消し去ることにもなりかねません。
    そのあたりのさじ加減は難しいところですが、今回撮影した限りでは、17-50mmはズームレンズにしてはボケもすっきりしています。
    収差もほどよく抑えてあって、レンズ補正と併用すれば、大口径単焦点にも負けない描写が期待できるのではないかと思います。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/04/08 8:29 pm | SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM レンズ補正編 はコメントを受け付けていません
  • 054月

    みんぽすさんからお借りしている大口径標準ズームレンズ「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」で試写してきました。

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    今回の試写では手持ちのニコンの廉価な標準ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」との撮り比べに主体を置いて撮ってみました。
    というわけで、まずはシグマのテレ端で撮った写真から。

    そして同じ50mmで撮ったニコンの写真です。

    絞りが多少ずれてますが、色温度を揃える程度でRAWからそのまま現像しました。
    ニコンのほうが線が太く、黒つぶれが出ていますね。
    シグマのレンズは、以前お借りした70mmマクロレンズに描写が似ている気がします。
    とてもシャープで切れがありつつ、線はやや細めで上品な描写です。

    ワイド端のほうも載せてみましょう。
    まずはシグマから。

    続いて、ニコンです。

    こちらもテレ端と傾向はほぼ同じかと思います。
    どちらもそれなりに絞り込んでいますが、開放付近に持ってきても傾向はやはり似たような印象でした。

    そもそも18-55mmはF3.5から、テレ端ではF5.6と暗いですから、絞りによる描写の変化すら楽しめませんからね。
    ただ、開放付近ではやはり多少の周辺減光が見られました。

    ファインダーでも視認できたので、やや多いと言えるのかもしれませんね。
    ただ、周辺部の色収差は特に多い印象はなかったので、残存収差としては周辺減光を残すのが良いのは確かでしょう。

    あと、大口径ということもあり、手ぶれ補正と合わせて、暗いシーンでは威力を発揮してくれました。
    ただし、あまりに大口径すぎて、D300の補助光がレンズやフードでケラれてしまうという問題が。
    また、暗いシーンではD300との相性のせいか、AFの合焦速度が低下する傾向が見られました。
    同じ暗さでも18-55mm VRは素早く合焦していたので、モーター駆動のアルゴリズムの相性なのかもしれませんね。

    全般的に使い勝手の良い素直なレンズですが、やっぱりちょっと大きいなぁという印象はありました。
    D300クラスで「よし、撮るぞ!」という時は良いですけど、常時持ち出すとなるとちょっと重いかなぁ。
    むしろバランスは悪いかもしれませんが、最近の軽量なボディと組み合わせて減量するのも良い気がします。

    次回以降は単焦点レンズとの比較や手ぶれ補正の効き具合、フルサイズ銀塩でイメージサークルの確認などをやってみたいと思っています。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/04/05 11:00 pm | SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM 比較試写編 はコメントを受け付けていません
  • 044月

    もう何度もお借りしていますが、またまた、みんぽすさんからシグマのレンズをお借りしました。
    今回は標準ズームレンズ「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」です。

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    装着したNikon D300がかなり大柄なので目立ちませんが、フィルター径77mmの弩級レンズです。
    蛍石と並ぶほどの性能のFLDレンズを2枚、グラスモールドの非球面レンズ2枚、そしてハイブリット非球面レンズ1枚と、レンズ構成もかなりのこだわりです。
    APS-C専用レンズですので、35mm換算だと昔の28-75mmあたりのレンズに近い、およそ3倍ズームくらいとなっています。
    欲張らないズーム倍率とF2.8通しの明るさも相まって、いかにもよく写りそうですね。

    手持ちの「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」と比べてみると、やはりだいぶ大きいですね。
    特に前玉の大きさが目を引くかと。

    重さも565gと、ニコンの18-55mmの265gに比べればずいぶん重いですけど、同じF2.8通しのニコンレンズ「AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55mm f/2.8G IF-ED」は755gですから、性能の割にはコンパクトで軽量に仕上がってるかと思います。
    お値段もニコン純正よりかなり安いですしね。

    Nikon D300とのバランスは非常に良い感じです。
    ターゲットとしてもAPS-C搭載の中級機がメインでしょうから、まさにベストな組み合わせといえるのでしょう。

    性能面ではOptical Stabilizer(約4段の手ぶれ補正)、HSM(Hyper Sonic Motor)で非常に滑らかで静粛です。
    前玉の飾りリングあたりはもうちょっと高級感があっても良いかなぁという気もしますが、シグマらしい質実剛健な使い勝手の良いフィーリングです。

    あと、最短撮影距離が18-55mmと同様、28cmと短めなのも個人的にはうれしいですね。
    最大倍率 1:5なので、マクロレンズほどではないにしても、そこそこ寄って撮影できるのは助かる場面が多そうです。
    ちょうど桜のシーズンですし、18-55mmといっしょに持ち歩いていろんな被写体を試してみたいと思います。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/04/04 11:00 am | SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM レビュー 到着編 はコメントを受け付けていません
  • 303月

    みんぽすさんからOlasonicのTW-D7WM(T)をお借りするにあたって、オマケと言っては失礼ですが、ソニーのウォークマン「NW-S754」もいっしょにお借りしました。
    こちらもレビューしてみようかと。

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    iPodと比較されがちなウォークマンですが、個人的にはどちらもそれぞれの特徴があって好みで選べば良いのかなぁと思います。
    そういってしまうと元も子もないわけですが、使い勝手と飾り気のない音のiPod、日本流付加価値とお化粧上手のウォークマンというのが私の主観的感想ですね。

    とはいえ、以前は曲の転送もちょっと出来がイマイチな専用ソフトで変換作業が必要だったんですが、今はMacからファイルをコピーするだけでもOKになっていて、両者の相違はずいぶん少なくなってきた気もします。
    それでもMac用のソフトウェアは相変わらず用意されておらず、出来云々以前の段階です。
    その点ではもうちょっと頑張ってほしい気もしますけどねぇ。

    iPodにすっかり慣れてしまったのもあって最初は操作に戸惑う部分もありましたが、慣れてしまえば特に問題なく使いやすいです。
    ただ、付属のノイズキャンセリングイヤホンにはリモコン機能が一切ないのはちょっと残念かな。
    曲のスキップやボリューム調整くらいはできたら良いかも。

    そして音質面ですが、iPodとの性格の比較としても書いたように「お化粧上手」というのが私の感想です。
    端正でしっかり聴かせる音なんですが、どうもエフェクト感があるという感じで…。
    これはウォークマンに限らず、日本のオーディオ機器全般に受ける印象でもあるんですけどね。
    ただ、どんな音楽ジャンルでも破綻なくうまく聴かせるというのは、これまでの音響技術の蓄積があってこそ成し得たもので、そこは高く評価すべきだと思います。

    もう一つの音質的な付加価値として、ノイズキャンセリング機能もiPodにはない特徴です。
    先日、PHIATONのノイズキャンセリングイヤホンをお借りしましたが、これと比べると効き具合や音の傾向にだいぶ違いがありました。

    PHIATONのほうは音自体はあまりいじらず、単純にノイズを削るものでした。
    ノイズが非常に多い環境では多少ゲインを稼いだりはしているようでしたが、イコライジングの変更はほぼないようで、低域を中心に素直にノイズキャンセルしてありました。

    一方、ソニーのほうは設定された場所に合わせてイコライジングも変更しているようです。
    モード変更で、「電車・バス」、「飛行機」、そして「室内」が選べますが、それぞれのノイズ特性を考慮してノイズとかぶりやすい帯域をブーストしていると思われます。
    その分、ノイズ自体のキャンセルは心なしか弱めにすることで不自然なエコー感などを軽減しているのではないかと思います。
    個人的にはPHIATONの効かせ方のほうが好みではありますが、ノイズのひどい環境ではソニーのほうが音楽を楽しんでる気分を味わえるかもしれません。

    こういったシチュエーションに応じた「お化粧」が入るようですので、常時オンにするのではなく、ノイズキャンセルのオン・オフ、場所の設定をしっかり使い分けたほうが良いかと思います。
    実際、室内での試聴ではノイズキャンセルをオフにすることで大幅に音質が改善したように感じました。
    こうした設定が面倒な場合はノイズキャンセルをオンにしておくものの、場所設定を「室内」にしておくと良いのではないでしょうか。

    また、NW-S754には帯域ごとにカスタマイズできるイコライジング機能が装備されています。
    iPodのイコライザは音質劣化のほうが目立って有効に働いてくれない時が多いのですが、その点では十分すぎるくらい実用性の高いイコライザです。

    付属のイヤホンでのオススメ設定はこんな感じです。

    ノイズキャンセリング Off
    CLEAR BASS 0
    400Hz 0
    1kHz +2
    2.5kHz +1
    6.3kHz 0
    16kHz -1

    なお、Olasonicの場合は上の設定で400Hzを+1にすると良い感じでした。
    もちろんこれは私の主観に基づくものなので、好みの音にご自身でチューニングされるのがいちばんでしょう。
    自分で設定したイコライジングはカスタム1、カスタム2の2つに記憶させることが可能です。

    私の場合、どちらかというとiPod贔屓な部分がありますが、久しぶりのウォークマンは往年の銘機たちを思い出すような日本製品らしい完成度を感じました。
    iPodの独り勝ちでは面白くないですし、今後も切磋琢磨して互いに魅力ある製品を創出していってほしいと思います。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/03/30 6:00 pm | SONY WALKMAN NW-S754 レビュー はコメントを受け付けていません
  • 263月

    みんぽすさんにお借りしているOlasonicのアンプ内蔵スピーカー「TW-D7WM(T)」のエージングがぼちぼち熟成されてきたので、音質についてレビューしてみようかと。

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    この機種で一番気になっていたのはTW-S7との音質差です。
    下位モデルで従来機種のTW-S7はスピーカーの筐体の中にD/Aコンバータやアンプを内蔵していたので、どうしても回路基板をコンパクトにせざるを得ず、どうしても無理があったはずなんですよね。
    その点、今回は上の写真のようにドックが用意されたので、基本的にはこの中に回路を移すことができ、スピーカーはエンクロージャとしてすべての容量を使うことができるようになりました。

    音質をレビューしていく上で、残念ながらTW-S7は手元にありませんが、以前レビューした記憶をたどりつつ聴いてみると、低音の量感はやはり増えていますね。

    ただ、音質向上を意識したためか、すこしケレン味を出してきたかな、という気もします。
    ケレン味というとちょっと悪いイメージですが、あくまでも音色調整というレベルで、逆の言い方をすれば、しっかりチューニングしてきたといえるでしょう。
    TW-S7が市販車としたら、TW-D7WMはチューニングカーといえば分かっていただけるかな。
    ただ、TW-S7のシンプルな素性の良さというのも魅力だと思うので、そういう点ではTW-S7のほうが個人的には好きかもしれません。

    具体的に表現すると、ボーカルのサ行がTW-S7よりもややきつい印象だったり、低域が少し下に伸びたものの、やや本来のサイズから背伸び気味のブーミーさが感じられました。
    反面、楽器によってはそれが効果的に効いて、ギターやエレピ、ピアノといった楽器ではタッチの立ち上がりが程よい感じで、切れのあるサウンドが好印象です。
    このあたりはiPodとWALKMANの音の傾向とも似ていて、好みの領域ともいえるかもしれません。

    なお、音源による音質の違いですが、やはりオススメはUSBオーディオです。
    アナログ入力もエージングでかなり良くなってきたのですが、高音の純度にはかなりの差がありますし、低域の伸びも違います。
    極端に言うなら、CDと高音質にエンコードしたMP3くらいの差があるかも。

    本来はD/Aコンバータだけの差なので、NA7004クラスの音源ならアナログ入力のほうが良くてもおかしくないはずなんですけどねぇ。
    なお、この音質差を減らすにはやはり入力音源のインピーダンスや電圧を工夫する必要がある気がします。
    RCA出力よりもヘッドホン端子からの接続のほうが良いケースが多い印象だったのは、そちらをメインに考えてチューニングしてあるのかな?
    また、ヘッドホン端子においては、歪みが出ない程度に入力音量を大きめにしたほうが音質が向上しやすい傾向に感じました。

    ウォークマンのドックに関してはミニジャックによる入力よりは音質が確保しやすかったです。
    基本的にドックからもアナログ入力のようなので、ウォークマンの音質に依存しますけどね。
    前述のようにTW-D7WMもiPodよりはWALKMAN寄りの音色傾向だと思うので、場合によってはソニーらしさが二重になる感じで、ちょっとクセが強調されたと感じるかもしれません。

    また、TW-S7はUSBからの給電のみで動作しましたが、TW-D7WMはACアダプタが付属しています。
    ただ、再生だけならACアダプタがなくてもウォークマンを含む各入力全て使えます。
    とはいえ、電源がしっかりしたほうが良い部分も多いはずで、ACアダプタの有無で比較試聴してみると、ACアダプタ無しの場合、低域のダンピングファクターがほんの少し下がった感じになり、広域の伸びも減る印象です。
    ただ、これがむしろおとなしい音色になって、聴きやすく感じるケースもあるかも。
    ACアダプタがなくても音量感は十分なので、好みや配線の取り回しを考慮してチョイスしてもよいかと思います。

    ここからはちょっと余談になってしまいますが、USBオーディオで試聴中に突然リミッターが働いたという事象がありました。
    その時は偶然、ACアダプタをつないでなくて、わりと大音量だったせいかな?
    もしくは、スピーカーのジャックがちゃんと刺さってなかった可能性もあるかもしれませんが、保護回路もしっかりしていて、電源を入れ直せばすぐに復旧しました。

    ただ、入出力端子がどれもミニジャックというのはちょっと気になるかな。
    ジャックはRCA端子などと比べるとどうしても抜けやすいし、長期的には接触不良も起こりやすいですし。
    端子形状も同じということもあってか、誤接続を避けるため(?)に入力端子は横にあるという配置で、配線がわりと煩雑になりやすいところがあります。
    どうせならスピーカー側は違う形状の端子にしたら良いのではないかなぁ。

    もうひとつ、オーディオ好きとしては内部基板も気になります。
    ただ、これは借り物ですから分解はできず、ネットで調べてみました。
    回路基板はこんな感じで、D/AコンバータはバーブラウンのPCM2704だそうです。
    USB DACでは定番のICみたいですね。
    パワーICは残念ながらわからなかったんですが、テキサスインスツルメンツのTPA3120D2やTPA3123D2あたりかなぁと予想してます。

    ということで、あくまで私の耳に頼った主観的な試聴でしたが、TW-S7ではちょっと物足りないなぁというユーザーさんの意見をしっかり吸収して仕上がった上位モデルだと思います。
    ただ、シンプルに(しかも安く)仕上げたいのでしたら、TW-S7も十分魅力的です。
    どちらも価格を考えたら非常に高次元の完成度ですので、ニーズに合わせて選ぶのが良いかと思います。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/03/26 4:37 pm | 2 Comments