MacBSの日常生活的日記

Olasonic DigiFi付録アンプをお借りしました

まだ発売まではだいぶ時間がありますが、Stereo Sound別冊のムック「DigiFi」の次号に付録として付いてくるOlasonic謹製のUSB-DACアンプをお借りしました。

実は先日、Olasonicの社長直々にダイレクトメッセージをいただき、お貸しいただけることになった次第です。
10日間程度のレンタルでして、レビューにあたって金銭の授受は一切ないことはあらかじめ記載しておきます。
また、お貸し出しいただいたものは雑誌に付属するものとは細部が異なる可能性もありますので、その点はご了承ください。

今回はまだ届いたばかりということもあり、軽くファーストインプレッションとアンプの紹介です。
入力はUSB端子、出力はスピーカー端子のみでボリューム等も一切なしというシンプルな構成です。
Mac miniに接続し、スピーカーはDALI Royal MenuetII、プレーヤーアプリはiTunesとAudirvana Plusで軽く音出ししました。

まず接続で気をつけないといけないのはUSB端子をつなぐと、すぐに電源オン状態になる点です。
先にUSBケーブルをつないでからスピーカーを接続すると最悪、スピーカーやアンプを破損する可能性がありますので、先にスピーカーを接続してからUSB接続する必要があります。
また、ボリューム調整はパソコン側でのみコントロール可能ですので、接続したらパソコンの音量を確認し、最小あるいは小さめに設定してから音楽を再生するように気をつけましょう。

なお、スピーカー端子はLXA-OT1と比べるとしっかりしたもので、少し太めのスピーカーケーブルでもしっかり接続することができます。

私が個人的に気になっていた素子ですが、DACはバーブラウン製の定番「PCM2704」です。
16bit/48kHzまでの対応ではありますが、安定したサウンドを聴かせてくれそうです。

パワーICはテキサス・インスツルメンツの「TPA3110D2」でした。
いわゆるデジタルアンプ(D級)で、能率が良いこともあり、ヒートシンクなどもありません。
なお、BTL出力のようなので、スピーカー端子にヘッドホンを接続することはできない点はLXA-OT1と同様です。

また、Olasonic独自の「Super Charged Drive System=SCDS」回路は健在で、その要となるコンデンサには6800μFと、この基板上では特に目立つ大きな部品が使われています。
実際に音出ししてみてもUSBバスパワーでありながらも、パワー感で力不足を感じるところは微塵もないのは、やはりOlasonicらしさがしっかり生きています。

さて、ここから音出しをしてみますが、第一印象は「正統派国産アンプ」の音という感じです。
うちでも愛用しているOlasonicのTW-S7に似ている部分もありますし、国内オーディオメーカー各社の音の傾向にも近いものを感じます。
Olasonic自体、ソニーのOBの方もいらっしゃるということですが、傾向としてはPioneerに似てるかなぁという印象です。

非常に素直な音色で、帯域のバランスが良くコントロールされた感じです。
反面、DALIの独特の艶がやや抑えられ、普段使っているMicromegaのアンプと比べると優等生的な印象もあります。
あくまでも雑誌の付録であるアンプを比べるのはさすがに酷ですが、特性が優秀なだけに期待も大きくなりすぎる面もあるのかも。

あと、プレーヤーアプリで音の違いもしっかり出ていて、iTunesだとイマイチな印象がありました。
iTunes自体の音質的なものもあるのでしょうが、ボリュームをMac側で絞るためにbitperfectにならず、ビット落ちが起きているせいもあるのかもしれません。
Audirvanaだとその傾向はなく、こちらは内部で24bit化されているおかげで上記の問題が顕在化しづらいのかも。

音楽の傾向ですと、ピアノやクラシック系にはあまり合わない感じです。
さきほども書いた通り、響きが削がれる部分があるのが大きいのかもしれません。
わりと癖の強いRoyal Menuet IIが国産のモニタースピーカーみたいに整うので、そう感じてしまうのかも。
そもそもMicromegaにDALIという組み合わせとの比較というのが音の傾向としても(コスト的にも)間違っているかと思いますが。

反面、ポップス系は優等生な中にバランス良く聴かせてくれます。
手嶌葵さんのボーカルは透明感がしっかり出ていますし、ドラムやギターなども現代的なスピード感のある音を奏でてくれます。
雰囲気的には国産のモニター系スピーカーとの組み合わせがオススメかも。
あと、DALIはインピーダンスが4Ωなのですが、デジタルアンプの性質上、6〜8Ωくらいのもののほうが相性が良いかもしれません。

全般的にはstereo 1月号付録のLXA-OT1よりは断然、製品に近い出来だと感じます。
これでケースに入っていたら数万円してもおかしくないでしょう。
ただ、気になるのは電源スイッチとボリュームコントロールがない点でしょうか。
TW-S7ほどではないですが、USBケーブルを挿すとスピーカーから突入音が軽くボコっと鳴ります。
また、ボリューム調整もパソコン側のみというのは不便なケースもあります。

ちょっとシビアの視点でのレビューになりましたが、期待が大きいからこそ、というところです。
雑誌付録としてみれば非常に完成度が高いですし、その辺の廉価アンプがただの鉄の塊と化す実力があると思います。
あとはもう少しオーディオ的なエッセンスを付け足せる余裕が出てきたら、きっと素晴らしいオーディオ製品に仕上がるんじゃないかなと、生意気にも思ってみたり…。
もちろん、そうなったらちゃんとした製品として登場することになるんでしょうから、そちらにも期待したいところです。

10日間という短い期間ではありますが、未発売の品をお借りできたことに、この場を借りてお礼を申し上げます。>Olasonic様
次回以降はLXA-OT1との比較を中心に書いてみたいと思っています。

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