MacBSの日常生活的日記

DigiFi No.22 付録ヘッドホンアンプ レビュー 到着編

5/30発売予定のDigiFi No.22の特別付録となる「バランス駆動対応ヘッドホンアンプ」をOlasonicさんに送っていただき、かなり先行してお試しさせていただけることになりました。

バランス駆動対応については、その部分用のオペアンプは別売なのですが、今回はそれも装着済みの状態で送っていただいています。
ですので、付録の場合は上記の写真のように3つ、オペアンプが付いた状態ではなく、アンバランス用のOPA2134PAが1つだけ装着された形での販売となります。

バランス接続は3pinXLRのL/R独立タイプとなっていますが、これも別売の拡張基板ユニット「DF22-EXP」で、4pinXLR、3.5mm 3極ミニ×2、IRIS(ALO audioなどで採用されているもの)、2.5mm 4極ミニミニに拡張対応されます。

したがって付録そのままの場合は、上の写真にある3.5mm3極ミニプラグがready to useな状態ということになります。
バランス対応のヘッドフォンやリケーブルを所有されている方はまだまだ、どうしても限られてしまいますし、オペアンプ単体でもそれなりの価格のものを投入している関係で、ここは仕方ないところでしょう。

また電源はmicroUSB端子から供給する必要がありますが、microUSBケーブルやUSB電源アダプタは付録には付いてきません。
ボリュームノブもありませんし、ボリュームの両脇にはmicroUSBとミニプラグ入力があるので、小さめのボリュームノブをあらかじめ探しておくと良いかもしれません。

まず、当面の試聴環境としては以下の構成で、エージングから始めてみました。

・DAP : Apple iPod nano
・ケーブル : ALO Audio SXC22 Mini to Mini
・ヘッドフォンアンプ : DigiFi No.22
・ヘッドフォン : SENNHEISER HD25-1 II / HD598(HD5X8-CABLE使用)
・電源 : SONY CP-2LA / Olasonic TW-AC7 / USBハブ

エージング当初はかなり暖色系の音でしたが、1〜2時間くらい、そこそこの音量で鳴らしっぱなしの状態にすると、どんどん高域の冴えが出てきました。
また電源で相当印象が変わるようで、エージングはSONYのポータブルUSB電源「CP-2LA」で実施しましたが、音質的にはOlasonicのUSB-ACアダプタ「TW-AC7」のほうが良好のような気がしました。

ただ、ごく一般的なUSBハブでも全く問題ない音を聴かせてくれますし、そこはこれまでのOlasonic製品や付録と同様、コンデンサが活躍していると思われます。
ちなみに大きいコンデンサは16V3300μF、2番目に大きなものが6.3V3300μFとなっています。
公式発表で内部で13Vに昇圧駆動されているとされていますので、その前後にこれらのコンデンサが入ってるのではないかと推測されます。
当初は5Vでの駆動という点を心配していましたが、そこはHD598でもHD25-1 IIでも全く問題なく、むしろハイゲインだなと感じるくらいです。
こういう操作は本来ダメですけども、音楽再生中にUSBケーブルを抜いてもほんの少しの間、音が出てLEDも光っているところを見ると、SCDS的な構成になっているのではないかと想像しました。

ちょっと短めのエージングを終えて、ひとまずHD25-1 IIでACアダプタを電源に使って聴いていきます。
普段はALO Audio The NationalやRx Mk IIを使っているのですが、それと比べても解像度が高く、低域の力強さも感じられます。
傾向としてはRxの解像度にThe Nationalの低域の力強さが加わったような感じでしょうか。
キツい感じは全くなく、温かみがありつつ、明瞭な印象です。
高域はサラサラした感触で、低域はゆったりとしつつ、締めるところは締める感じですね。

一般的なヘッドフォンアンプでは時折気になることも多い、残留ノイズは非常に少なく、再生したらちょっと聴いていられないくらいボリュームを上げても、ノイズらしいノイズが聴こえてこないほどです。
また、ギャングエラーは実用的なボリューム位置では問題なく、時計でいうと最初のほんの数分程度で発生する程度で、ガリオームは全くありません。

全体にはクセのない万能選手タイプだと思いましたが、特徴的なのは「ハイレゾ対応」みたいな雰囲気が感じられる高域でしょうか。
さきほども挙げた通り、サラサラとした感触でありつつ、ほんの少しガラス質な高域が上まですっきり良く伸びています。

あえてここで普段使っているThe Nationalに戻してみると、こちらのほうが空間的な広がりはありますが、解像度になると高域を中心に若干負けていると感じる部分もあります。
そもそも音の演色傾向が異なっていて、The Nationalは穏やかさな音の広がりの中にしっかりした芯を残すタイプですが、DigiFiの付録アンプはもう少しレンズの絞りを絞ったような印象に感じました。

ちなみに私は普段からiPod nanoのヘッドフォン出力をフルボリュームにしてLINE OUT代わりにしていますが、これでもヘッドフォンアンプ導入の効果は十分以上のものがあります。
今回のDigiFi付録アンプでも、各種機材からのヘッドフォン出力と接続してもしっかり音の変化や向上を体感できるはずですし、むしろそれどころか、市販のポータブルヘッドフォンアンプと完全に肩を並べるほどの完成度と言って良いかと。

正直なところ、これまでたくさんのオーディオ誌の付録があってそれぞれに価格の割には優秀でしたが、やはりあくまでも「お試し版」みたいな感覚がどこかしらありました。
しかし今回のヘッドフォンアンプは、十分に長期間愛用できるレベルに仕上がっているのに驚かされました。
これをNANOCOMPOの筐体辺りに入れて、そのまま発売しても良いのではないかとすら感じられたほどです。
少なくともポータブルタイプのヘッドフォンアンプなら真っ向勝負を挑めるはずですし、ケースに入れて使い込みたくなる仕上がりだと思います。

次回以降、ポータブル電源による違いやヘッドフォン・イヤフォンとの相性、入力音源による変化、オペアンプ交換、そしてHD598用のバランスケーブルを自作してのバランス接続など、色々と試していきたいと考えています。

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