MacBSの日常生活的日記

Campfire Audio DORADO

Campfire Audioのイヤホン「DORADO」をゲットしてみました。

NOVA CK、COMETと続きましたが、この連鎖を打ち切るには思いきって上位モデルにするしかないかなと。
同社の定番といえばANDROMEDAですけども、まだまだ人気で実売価格も高めですし、かなり高感度でアンプを選ぶところもありますから、当初はLYRA IIくらいを狙っていました。
こちらはダイナミックなんですが、調べていたらハイブリッドのDORADOかなぁということに。

8.5mmのベリリウムPVDダイナミック型ドライバを低域用に、そして高域に2基のBAという、なかなか豪勢な構成です。
筐体もリキッドメタルが使用されていて、私にとってはかなり奮発した感じです。

とりあえず最初に付いてきたフォームのイヤーピースのまま使ってみましたが、噂に違わぬ分厚い低音にとにかく驚かされます。
ちょっとやり過ぎでは?と思うほどですが、どうもしばらく使っていなかったのか、しばらく鳴らしているとだいぶバランスが取れてきました。
それでも低域番長なのは間違いないですけどね。

感度でいえば鳴らしやすいところですが、アンプの性能はかなり求められるようです。
DigiFiの付録アンプだと圧倒的な低域の分解能が不足しているのが目立ちました。
PLENUE Sなら標準のLitz Wireでアンバランス接続でも、わりとフラットバランスで歪みの少ないサウンドをおもいきり堪能できます。

COMETとNOVA CKでいえば後者に近く、これに低域のためのダイナミックを足したような印象でしょうか。
ハウジングの響きはNOVA CKよりずっと少ないのはリキッドメタルのおかげでしょう。
高域側はステムの長さや内部構造なども機能しているのか、中高域より上の広がりがうまく表現されています。
音のバランスや質感としてはIE80SやIE800に意外と似ていますが、やっぱり低域は独特のぶっ飛び具合ですね。

装着感はかなり良く、フォームのイヤーピースにちょっと大きめのを選んでいるので遮音性も良く、ズレにくいようです。
フォームらしく、低域がやや緩い傾向はあるかもしれないので、ここは後日見直すことにしますが、改めてエージングを進めている感じで、時間とともに分解能が上がってきた気もします。
ぶっ飛びの低域ではあるものの、ベースの弦の震えや指使いなどがつぶさに聴き取れる感覚は未体験ゾーンですし、ピアノではその低域がしっかり下支えしてあることでイヤホンとは思えないほど圧倒的な実在感で楽しむことができます。
いずれにしても楽器の音色がどれも自然で、とりわけホーンセクションの音の生々しさはさすがです。

ちょっとイヤホンのゲットが続きましたが、DORADOを聴いてしまうとむしろ使わないだろうなぁと思われるものも出てきました。
同じCampfire Audioでいえば、NOVA CKとは性格の違いもあって使い分けができそうですが、COMETはちょっと出番がないかも。

NOVA CKはデッドなのだけど、ゾクッとするような細部描写が魅力で、ある意味、イヤーモニターとして向いている気がします。
音傾向はモニターとはちょっと違うけれど、細かな差はいちばん分かりやすいですし、音楽の中に新しい発見のあるイヤホンです。
一方のDORADOもデッドさはNOVA CKに共通していますが、前述のように筐体の響きが見た目とは違ってかなり少なめで、高域のほうは横にフワッと広がり、かなりリスニング寄りに振った中で極上の仕上がりとなっています。
空間再現がされていて、ある意味、いちばんスピーカー再生に近い気分で聴けるイヤホンかなと感じています。

ただ万人受けするかというとだいぶ違いまして、そこはCampfire Audioらしい唯一無二さを兼ね備えたものです。
スピーカーでいうところの箱鳴りや部屋の残響っぽさも加味されている感はあるので、かなり好みが分かれるところがあるでしょう。
そこについてはイヤーピースを見直すことでもう少しクセを減らす工夫をしてみようかなとは思いますが、個人的にはコレじゃなければ味わえない世界を体験させてくれるイヤホンとして、とても気に入っているところです。

モバイルバージョンを終了