MacBSの日常生活的日記

B&W C5 Series 2

B&Wのイヤフォン「C5 Series 2」をゲットしてみました。

かつてortofonのe-Q5を買った頃に初代C5も試聴してみて、B&Wからイメージしてたのと音が違うなと感じてチョイスから外したのですが、時を経てSeries 2になって(それもずいぶん前ですけど)、かなり改良されているとのことなので試してみる価値はあるかなと。

当時気になったのはレンジの狭さと装着感だったのですが、今回も最初装着した時は逆相っぽい変にボワボワした音で、これは失敗したか?と一瞬思ってしまいました。
実際にはセキュアループの装着角度とかイヤーピースの耳への収まりが悪かっただけでした。
セキュアループも慣れてくると耳から落ちることもないですし、痛さもさほど感じませんが、サクッと装着できるかというとそうでもなく、やはり装着するたびに微調整は必要な感じです。
それがビシっと定まれば、開放型に近い定位や音の広がり、位相の正確さなど、B&Wのスピーカーにも通じる良さが感じられます。

私にしては珍しく新品購入だったこともあり、エージングにはかなりの時間を要しています。
これを書いている時点でも完全にエージング完了した、という印象ではなく、まだまだ変化している印象すら受けます。
当初はとにかく低域の量感が多すぎて、そのわりに高域だけがかまぼこ、という状態でした。
ただiPhoneなど比較的非力なアンプだと当初からそれほどバランスは悪くなく、むしろ不足しがちなパワフルさが補われるようで好印象でした。
インピーダンスは32Ωとそこそこですが、アンプによってかなり正確を変えるじゃじゃ馬なところもあるのかもしれません。

ちなみにMFI認証となっているため、マイクやリモコンも装備されていて、iPhoneで使うのには非常にオススメです。
なにぶんiPhone 7シリーズからはイヤフォン端子がなくなってるので、それ以前のモデルをお使いの方(もしくは例の純正アダプタ使用時)に限定されてしまうのが残念ですけれど…。
4極端子になっているのでアンプによってはうまく動作しない可能性もありますが、幸い、手持ちのポタアンでは問題なく動作しているようです。

ひとまずiBasso DX90とALO audio Rxの組み合わせを中心にエージングがてら聴いていますが、この組み合わせの時がいちばん低域が強調されがちになります。
クラシックやロックではあまり気にならず、J-Popでも低域強めの楽曲ではさほどでもないのですが、むしろ穏やかそうに聴こえてしっかり広帯域な楽曲で突然ズーンと来るケースが出てきます。
高域に関してはエージングが進むにしたがって、ゆっくりゆっくりと伸びが出てきました。
セキュアループも含め、店頭での試聴ではなかなか評価が難しいイヤフォンかもしれないですね。

他のアンプといってもALO audioばかりですが、The Nationalだと帯域全体で力強さが均一になる傾向で双方の良さが活きてくる気がします。
また、C5 Series 2は歪みの少なさが特筆モノなのですけど、その点についてはRxのほうが活きるように感じました。
Rx MkIIでも低域の出しゃばり感はかなり減りますが、全体に音が引っ込んだ印象になり、おとなしくまとまってしまいます。
穏やかな風合いですから、寝る前に聴くのにはこのくらいが良いのかもしれません。

それにしてもこの鳴らしにくさといいますか、相性の度合いはどこから来るのか、まだ探りかねている状態です。
試しにイヤーピースをSpinFitにしてみましたが、そうすると低域のクセは消沈しますから、純正イヤーピースの影響も大きいのかも。
ただし、SpinFitを付けてしまうとDonguriっぽい音になってしまい、C5S2の良さの部分もスポイルされてしまうので、結局元に戻しました。

この低域のクセが唯一の欠点ではありますが、しっかり装着した場合の歪みの少なさ、クリアさ、そしてスピーカーのような自然な音の広がりはなかなかない魅力でしょう。
普段愛用しているDonguriシリーズもスピーカーっぽい再生音ですが、あちらがDonguriでの響きを活用して耳の外に広がるのに対して、C5S2は頭の中にシャープに音像を作りつつも広がりを感じるものです。
傾向としては開放型ヘッドフォンのそれに近く、手持ちだとHD598に似ている部分が結構あります。
マイクロ多孔質フィルタのおかげだと推測されますが、その分、普通のイヤフォンに比べると、多少音漏れは多いほうだと思っておいたほうが良いかもしれません。

音とは直接関係ありませんが、B&W製品を新品購入するメリットとして、ユーザー登録で3ヶ月間、独自配布の音源をダウンロードすることができる、という点が挙げられます。
月替りと聞いていますが、現段階でも30近いハイレゾ音源をダウンロード可能です。
高級な同社のスピーカーならこのくらいの特典はオマケ程度ですけれど、このイヤフォンでも同じ特典が得られるとなると、それだけで結構な価値があるのではないでしょうか。
またイヤフォン・ヘッドフォンはニセモノも横行しているようですし、正規品の確認にもなりますから、ぜひ新品で入手されることをオススメします。(Amazonでもマーケットプレイスなどは結構キケンが伴いますのでご注意を。)

音傾向については前述の通り、かなりエージングしないと正確な評価ができないようなので、現時点でも文句なしにオススメできるモデルとは言えない部分もあります。
ただ、店頭でちょっと聴いてみた印象とはずいぶん変わってくるところもあり、試聴だけで候補から外すのも惜しい魅力があるのも事実です。
ヘッドフォンのPシリーズは高級モデルもその後続々と登場していますから、イヤフォンも今後、C7とかC9なんてモデルが出て来る可能性もあるでしょう。
特にiPhoneやiPodシリーズなど、Apple製品で音楽を楽しんでいらっしゃる方には、試してみる価値は十分あるように思います。

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