MacBSの日常生活的日記

Artio CR-V1 / CR-M1

Ar:tio改めArtioからWARPシステムという新しい増毛法技術を搭載したイヤホン「CR-V1」と「CR-M1」発売に向け、クラウドファンディングが実施されています。

イヤホンでのクラウドファンディングというとfinalのMAKEシリーズが思い出されますが、今回のArtioもすでに好評を博しているようです。
少し尖った方向性の製品の場合、いきなり市場に投入しても売れるかどうか分かりませんし、そもそも販売店からダメ出しを食らって世に出せないケースもあったことでしょう。
そういう意味でも今のオーディオ市場には適したやり方ではないかなと最近感じています。
実際には失敗例もたくさんあるので、メーカー、ユーザー双方、あくまで「購入」ではなく「投資」だというのを忘れないようにしないといけませんけどね。

さて、そんな新しいイヤホンですけども、キーポイントはWARPシステムというスピーカーに近い再生空間を実現する仕組みでしょう。
誤解を恐れずに言えば左右のクロストークを意図的に増やすものでして、そういう意味では最近の「バランス接続」によるセパレーション向上とは全く逆ベクトルということになります。
仕組みや構造についてはほとんど触れられていませんが、仕様ではユニットは10mmダイナミック型となっていますので、おそらくひとつのユニットではあるようです。
またイヤホン側のリケーブル端子が2.5mm3極となっていますから、左右それぞれのイヤホンに左右両方の音声を送っているのではないかと推測されます。
そうなるとイヤホンを両方つないだ場合、左のユニットと右のユニットが並列接続されたような形(間にネットワークなり、抵抗なりは入っているとしても)になります。
間接音用のユニットが別途用意されているなら左右の時間差が再現できるでしょうが、もしそれがないとすれば、むしろそのユニットからの逆起電力を上手く活かして空間表現しているのかもしれませんね。
#もちろん全て私の勝手な推測であり、実際のWARPシステムの構造を示すものではありません。

ただ、画期的なのはそれをデジタル回路だとか特殊なアンプなどを使わず、普通にDAP等にイヤホンをつなぐだけで実現しているという点です。
以前からArtio、その兄弟ブランドである茶楽音人はスピーカー的な空間表現を意識していたところがありますし、そこをさらに深化させたモデルに挑戦してきた形かと思います。

気になるお値段ですが、CR-M1のほうはそもそも15,000円とかなりお安い価格帯(オーディオマニア的に)ですが、クラウドファンディングのSuper Early Birdでは30%OFFの10,500円(送料込)だそうです。
CR-V1はハウジングにチタン合金を使用してあり、SkIS(こちらはM1も装備)やs.n.aといった従来モデルの技術も搭載した上位モデルですので、Super Early Birdで27,790円だそうです。
人気としてはM1のほうが高いかもですが、V1はケーブルもOFCと銀メッキ線の2種類が付属しています。

やや気になるのはWARPシステム搭載のためか、バランスでのリケーブルというのは全く配慮されていないというところでしょう。
もちろんそれとは全く違う方向性のメリットを享受するためのイヤホンですから、それで良いのだとは思いますが、WARPシステムの効果の度合いを知るためにもオン・オフできる機能や、それをデモするためのケーブル(2.5mm2極?)があっても面白かったかも。

また、RK01も含め、「半永久保証」の記載がなくなっているような気がしますが、これは意図的なのかな?
あくまで現行モデルに対してだけですし、ケーブルは保証対象外ですから、頑張りすぎた保証はなくても良いかなとは思いますけどね。
茶楽音人の頃はずいぶんレビューさせてもらいましたが、他社も含め、最近はあんまりイヤホンのレビューに乗り気でないところが多いですから、実際に試聴して感想を書けないのはちょっと残念ですが、独自路線でありつつもこれまでの良さを活かした製品を生み出していってくれたら嬉しいなと思います。

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