MacBSの日常生活的日記

ACOUSTIC REVIVE POWER SENSUAL-MD レビュー ノイズ計測編

先日は届いたばかりのACOUSTIC REVIVEの新作電源ケーブル「POWER SENSUAL-MD」をパワーアンプにつないで速攻レビューしましたが、何処に使おうかと「配置編」を書こうといろんなパターンを試していましたが、そこでふと気づくところがあったので先に「ノイズ計測編」を書いてみることに。

試聴会に参加された方から伺った情報では最初は上流に使うのがオススメとのことでしたので、CDプレーヤーに使ってみたり、ややランダム気味にいくつかのパターンを試しては試聴メモを残していたのですが、その中で良かったパターンを眺めてみると、どうも大電力を必要とする機材やデジタル機器など、ノイズ発生源となりがちな機器に使った場合に良好な感想が多く見受けられました。
具体的には最初に使ったパワーアンプ、それにデジタル系の電源タップ「RTP-4 absolute」などです。

実はウチの環境はアースがあまり良好ではなく、そのために特別仕様で2芯としたMDユニット付き電源ケーブルと通常の3芯の2種類をお借りしていますから、前者をデジタル系電源タップ、後者をパワーアンプに使うのを一旦基本設定とし、それを変更した場合に残留ノイズにどんな変化が現れるのかを計測して客観評価してみようというわけです。
AKURATE DSでの計測はもうさんざんやりましたし、今回はSACDプレーヤー「DP-77」を同軸入力(実際には何も繋がっていない)にして、RCAケーブル経由でC-280L、そしてREC OUTからPCM-D100(S/N100dBモード)にアナログ入力してフルボリュームで録音し、Audacityで周波数解析する、毎度のパターンです。
なお、AKURATE DSから-20dBの440Hzサイン波を録音したところ、-1.8dBを示しましたので、機材は違うものの、実際のS/Nはこれから掲載するグラフの表記より、おおよそ18dBくらい良好だと推測されます。
ただ基本的にはシステム全体を接続してありますし、相対的な比較とするのが良いかと思います。

前置きが長くなりましたが、まずはパワーアンプ(3芯)、デジタル系電源タップ(2芯)双方にMDユニットを使った場合の残留ノイズです。

今回はこれまでと違い、録音時にパワーアンプの電源もオンにしてあります。
またAKURATE DSも主電源は切らずに待機状態のままとしています。
同じ状態で、デジタル系電源タップの壁コンセントまでの電源ケーブルだけをX社の2芯ケーブルに変更して計測してみました。

Audacityはどうしても軸がズレてしまいますので、分かりやすいようにフロアノイズに近い「-129dB」の横軸を赤線にしてあります。
全体に1dBくらいノイズフロアが上がってしまっているのが分かっていただけるかと思いますし、5k〜20kHzのピークノイズも増えています。
つまり、MDユニットをデジタル系電源タップに投入することでそのノイズが低減されたということになります。
これはまだ電源タップの先にDP-77が繋がっていますから、なんとなく直接的な効果が出ているということで分かりやすいですよね。

では次にパワーアンプの電源ケーブルを変更してみます。
録音経路はDP-77→C-280L→PCM-D100ですから、パワーアンプの電源ケーブルは本来なら影響はほぼないと思いますよね?
ところがさにあらず、なのです。
まずは最初と同じグラフになりますが、パワーアンプ(3芯)、デジタル系電源タップ(2芯)双方にMDユニットを使った場合の残留ノイズです。

ココからパワーアンプの電源ケーブルを純正メーカーのものに変更すると…。

差こそ先程ほどではないですが、こちらのほうが500〜20kHzまでと広範囲の可聴帯域にピークが増えているのが分かっていただけるかと思います。
パワーアンプやクリーン電源など、大型の電源を持つものはたとえリニア電源であってもかなりのノイズ源であることは分かっていましたが、どうやらMDユニットはそれを他の機材にばら撒くことも防いでくれているようです。
他のケーブルでもいくつか試してみましたが傾向は基本的に同じで、高いピークノイズはさすがに間接的な機材(この場合だとパワーアンプ)ではそれほど低減することはできませんが、谷の部分、要はノイズフロアの部分をより低く保ってくれる効果は明確に表れていました。

もちろんNCFプラグの効果や、MDユニット内部に配された天然鉱石、そしてそのMDユニットを挟み打ちする形で配置したケーブルインシュレーター「RCI-3H」も功を奏していると思われますが、やはりこの効果は間違いなく画期的なものと言えそうです。
電源ケーブルを使った機材のS/Nだけでなく、他の機材への影響低減やアイソレーション効果、そしてそれ以上に圧倒的な楽器表現の明瞭さは素晴らしいものです。

一度体感してしまうと全部にMDユニットを装着したくなりますが、そこは高価な電源ケーブルですので、1本導入するのもなかなか勇気が必要でしょう。
私もまだ配置を迷っているところですが、これまでの試行錯誤とノイズ計測からしますとやはりノイズ源となりやすい場所に入れるのがベストではないかと推測されます。
私の環境ですと、それがパワーアンプであり、デジタル系電源タップに使うことでプリアンプへの影響を軽減する部分だったのではないかと考えているところです。
次回こそは配置編で、このケーブルの本来の真骨頂、圧倒的な楽器表現の世界をご紹介してみたいと思っています。

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