MacBSの日常生活的日記

デジタルスピーカー

ONKYOがデジタル入力できる完全デジタルなスピーカーの開発に着手したそうで。

アンプ内蔵スピーカーでデジタル入力可能なものがありますが、これはそういう合体製品ではなく、デジタル信号を元に駆動されるスピーカーです。
スピーカーユニット自体はコイルと振動板という従来からのものですが、8つ程度のコイルが付いていて、そのコイルの駆動数でデジタル信号を扱うというわけですね。

トライジェンスセミコンダクターというところの技術を使うようで、すでに処理用のLSIや実証デモはできているようです。
それにしてもたった8個程度で大丈夫?と思ってしまいます。
最初は普通のスピーカーと違って直前の位置が保持される仕掛けになっていて、現位置からの差分量を与えるだけだから足りるのかなぁ?と思ったんですが、そうではないようです。
また、8つのコイルはそれぞれサイズが異なるのかと思ったのですけど、これも違って基本的にはすべて同じコイルみたいです。

そうなると単純に考えて3bit相当くらいの分解能しかないような気分になるんですが、実際もそれで間違ってはいないようです。
これだと非常に大きな量子化誤差が出るわけですが、そこは非常に高速で駆動することでノイズシェーピングするんでしょうね。

また、ミスマッチ・フィルタとかノイズ・シェイピング・ダイナミック・エレメント・マッチング(オーディオメーカーが考えそうな長い名前…)と呼ばれている技術も使われていて、コイルをランダムに入れ替えることで誤差を減らす工夫もされているとのこと。

工夫としてはとても面白いと思いますが、まだまだ過渡期的な印象は拭えないですねぇ。
消費電力が非常に少なくて済むとのことですが、デジタルアンプだけでもすでに数Wなわけで、通常用途では十分のような気もします。
低電圧駆動が得意のようですから、携帯機器で使えればメリットがありそうですが、最初は小型化が難しいでしょうし、処理LSIの消費電力も少なくないんじゃないのかなぁ。
「入力信号源からスピーカーまで24bit精度維持するため内部を最大32bitで処理している」ので高音質、とかいう謳い文句が踊ってるので、つい否定的な視線で見てしまいます。

ただ、将来的にコイルの数が増えたりしていけば解決する部分もあるでしょう。
通常のユニット形状ではなく、ハニカムプレートが個別のコイルで動くようなユニットとか、ハードウェア的な革新も必要なのかもしれません。
実は高校の頃の友人(当時からオーディオ好きだった)がオンキヨーにいるので、ぜひピュアオーディオにも使えるものに育てていって欲しいところです。

モバイルバージョンを終了