• 031月

    先日、ACOUSTIC REVIVEさんからフォノケーブル「PHONO-1.2TripleC-FM」をお借りしましたが、SNSなどでいただいた反応などをフィードバックさせてもらったところ、エントリーモデルの試作品を作ってみましょう、というお話になりました。
    そして早速、送っていただいたのが今回の「ANALOG-1.2tripleC-FM」です。

    (2017/4/15 15:40更新)
    正式な製品として発表されましたので、リンク、価格を更新しました。

    さすがにまだ箱には入ってませんでしたが、「販売決定の最終試作品」という位置づけだそうです。
    お値段は予価ではありますが、48,000円(税別)で、L型、バランス仕様も同価格L型は同価格、バランスは58,000円(税別)とのこと。
    この価格だと替えてみたいとお考えの方もかなり多いのではないでしょうか。

    ケーブルはご覧のように大枠では「LINE-1.0R-TripleC-FM」をベースにした感じですが、DINコネクタは現状だと「PHONO-1.2TripleC-FM」と同等ですから、うちのSAEC WE-4-7/23にもピッタリです。
    さらに注目すべき点はDINコネクタの出口からすぐにL/R、アース線がすぐに分かれているところです。(左がANALOG-1.2tripleC-FM、右がPHONO-1.2TripleC-FM)

    PHONO-1.2TripleC-FMも他のケーブルと比べて左右の分離タイミングが早いおかげか、セパレーションや音の純度が高い印象でしたが、今回はさらに徹底された感じです。
    またRCAプラグ部分にもチューブ処理がしてあるなど、細かい改善が重ねられていて、その影響もあってか、ハウリングマージンはANALOG-1.2tripleC-FMのほうがむしろ高いくらいです。

    なにせ、できたてホヤホヤの試作品でしたので、数時間のエージングが必要でしたが、最初の時点から「楽器の分離が良いな」というのが印象的でした。
    エージングが進むにつれ、キレがさらに良くなり、当初ややナロー気味だった帯域もだいぶ広がりつつ、ソリッドかつ締まった良さはキープされて、高域も伸びてきました。

    物量の違いもありますから、重低音の量感こそ、やはりPHONO-1.2TripleC-FMは圧巻の部分がありますが、レコードでの超低域は盤の反りや偏心など「余分な」ところも多いわけで、それが混変調といいますか、濁りにつながることも多く、かえって扱いづらい面もあると思います。
    実際にスペアナで計測してみますと、うちのスピーカーサイズなら全く変わらないくらい低域は伸びていますし、前述のように楽器の分離や音像の明瞭さなど、ディスクによってはANALOG-1.2tripleC-FMのほうがリアル!と感じることも多々ありました。

    音楽ジャンルに関しても、ジャズやフュージョンは特に良さが際立っていますし、ポップスや小編成のクラシックまで、オールマイティにこなしてくれます。
    大編成なシンフォニーであったり、そもそもシステムが超弩級であればやっぱり上位ケーブルのメリットはあるものの、後発で溜まったノウハウを活かしたメリットもあるのか、ケーブルの取り回しによるノイズなどはANALOG-1.2tripleC-FMのほうが少ないようで、ノイズやハウリング対策に悩まされがちなレコードプレーヤー周りとしては、ANALOG-1.2tripleC-FMのほうが扱いやすさもあるかと感じました。
    これはあくまでも推測ですが、左右の分離タイミングが早い点と、ケーブル径に対して、相対的にシールドやファインメットの効きが大きいのかもしれません。

    楽器に耳をやってみますと、ハイハットのキレの良さが際立ちます。
    ただキレが良いだけでなく、繊細なリズムさばきなどが細やかに表現され、パルシヴな部分での反応の良さが秀逸です。
    ギターも同様の傾向が感じられました。
    スッキリとした印象はLINE1.0シリーズに共通した感触で、これらのケーブルを愛用されている方には文句なしにオススメできるでしょう。

    ここで「PHONO-1.2TripleC-FM」に戻して比較してみました。
    XLRの1.4×1.8導体の時もそうでしたが、それに通じる圧倒的な低域のエネルギー感は、やはりさすがです。
    デリケートにケーブルの引き回しもしっかりやって、ビシっと決まった時のシンフォニーは恐るべきものがあり、地面が揺れるような空気感まで再現されます。

    ただ、そうしたサウンドに持っていくには、機材の選定やアース線の引き回しなど、それなりに扱いが難しい部分も出てくると思います。
    その限界まで引き出すか、それともウェルバランスで楽曲の良さを活かすか、という観点も必要でしょう。
    「ANALOG-1.2tripleC-FM」はソリッドな音の質感で楽器を引き立てることも得意ですし、ハイスピードで現代的な部分も持っていますし、音が濁らないという点では上位ケーブルを打ち負かす実力を持っていると思います。
    音の厚みよりも鮮度や透明感を求める場合には、古いケーブルからの交換の効果はとても大きいと思われます。

    発売時期や若干の仕様変更がある可能性はありますが、いまひとつ選択肢が少ないフォノケーブルに待望の新製品が登場することになりそうです。
    レコードがブームとはいえ、単体トーンアームをお使いの方はそう多くないと思いますが、付属ケーブルからのグレードアップに向けて、ぜひ注目していただければと思います。

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    Filed under: Audio
    2017/01/03 12:00 pm | ACOUSTIC REVIVE ANALOG-1.2tripleC-FM 試作品レビュー はコメントを受け付けていません。

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